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Tuesday, February 17, 2004

【輸入盤CD 規制 著作権法改正へ】

■去年このエントリーで取り上げた『輸入盤の規制』がいよいよ法制化に向けて進行中だ。(asahi.com)

 アジアで生産・販売された日本の音楽CDが国内に逆輸入され、格安価格で販売されていることから、政府はこうしたCDの還流を禁止する方針を固めた。1月に韓国で日本語音楽CDの販売が解禁されるなど、アジアで日本生まれソフトの市場が拡大するにつれ、還流も急増が予想されている。音楽産業の衰退につながるとして、レコード業界が還流防止策を求めていた。

 文化庁、公正取引委員会など関係省庁で最終調整し、18日に与党に骨子を示し、今国会に著作権法改正案を提出、05年1月の施行をめざす。還流防止策は65カ国が導入しており、先進国では日本だけ制度がなかった。

 改正後は販売目的で輸入すれば著作権侵害とみなされ、レコード会社の申し立てに基づき税関で輸入を差し止められる。

かつては約1兆円規模だったCDの売上が、今や3500億円を下回るという状況で、レコード業界はまさに斜陽産業と化している。これ以上の衰退は避けたいという業界関係者の気持は判るんだけど・・、この改正法案に問題が無いわけではない。

このBLOGでこの輸入盤規制問題について最初のエントリーを書くきっかけになった、経済産業研究所の池田信夫氏のコラム記事『輸入盤を「非合法化」する著作権法改正』(CNET JAPAN)を再確認しておきたい。

要するに、輸入権は著作者を守るものではなく、再販による価格カルテルを輸入盤に拡大して、レコード会社の超過利潤を守るものなのである。これは公取委も指摘するように、独占禁止法に違反する「取引妨害」にあたる疑いがあり、いったんCDの輸入規制を認めると、DVDもビデオもゲームソフトも・・・と拡大してゆくおそれが強い。

 レコード輸入権は、政府の知的財産戦略にもとづいて創設するそうである。これは知財戦略がだれのために作られたかをよく物語っている。大きな声で「知財保護」を求めるのはクリエイターではなく、流通業者である。今回の改正では、著作権の有効期間を50年から70年に延長することや、書籍にも「貸与権」を認めることなども決まりそうだが、これらも「知財保護」に名を借りた流通業者の保護策である。

 問題は輸入盤が安すぎることではなく、国内盤が高すぎることだ。CDのコストの大部分は録音や宣伝などにかかる固定費であり、空ディスクの価格は1枚数十円にすぎない。逆輸入しても2000円で売れるなら、それが正常な価格であり、これは市場経済では当たり前の価格競争である。自動車も家電も、こうした逆輸入と競争し、価格を下げたり海外生産に移行したりして生き残ってきた。音楽産業だけが政府に保護してもらって「国際競争力の強化」などできるはずがない。

全く同感。僕には価格カルテルみたいな再販制度に保護されて安穏としてきたレコード業界の悪アガキにしか思えない。「まず世界中で日本にしかない音楽著作物の再販制度をやめてはどうか。」という池田氏の指摘は正しいと思う。

February 17, 2004 in Economy, Music, Politics | Permalink

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Tracked on Apr 21, 2004 12:06:36 AM

Comments

ichiroさん、遅ればせながらコメントありがとうございます!

FOEを聴いていてくれたなんて、嬉しいですね!というか、珍しいかも?

あのバンドはYMO散開した直後の細野さんと二人ではじめたユニットで、細野さんが当時体調絶不調ということもあり、結構好き勝手なことをさせていただいたプロジェクトでした。

YMOの再現を狙う周囲の期待に全く反して商業的な結果は出せませんでしたけど、自分でいうのもなんですが当時としては結構実験的な音作りを試みたバンドだったんです。

同時進行していたインテリアズでの活動と対極にあるようなサウンドを目指していたのですが、ジェームズ・ブラウンにSEX MACHINEをテクノでやってもらったのが理解されず、というかかなり不評を買い、ミュージックマガジンでは叩かれるは、武道館のコンサートではブーイングまでくらうわという、でも今となってはどれも楽しい思い出になっています。

UNDERWORLDの音とか聴いているととっても共感できるので、もうちょっと若ければ(?)自分もチャレンジするんですけどね・・・。(まあ、彼等も結構良い歳ですが)

仕事として音楽をやることにはどうしても馴染めず、今は音楽の制作現場からは離れてしまっていますが、音楽に対する愛情は変わっていませんから、いずれビジネスをリタイアしたら趣味的な音でも作ろうかな、な~んて夢想しています。

果たしていつになることやら・・・。

Posted by: a-key at Mar 3, 2004 12:31:11 AM

a-keyさま。遅くなりましたがトラックバックありがとうございました。高校生時にFOEを聴いていました。実はいまもドキドキしています。友人も"うそ!あの野中英紀からトラックバック??何それ?"とざわついてうるさいです。(^^ゞ

Posted by: ichiro tetsuo at Feb 28, 2004 2:02:18 AM

塩田(aka Mugen)さん、大変貴重な情報ありがとうございます。

すごいボリュームなのでまだ読破しておりませんが、確かに徹底していますね。

それにしても、一番最後のパラグラフ(62)は日本の音楽業界の実態を見事に看破しています。このコラムを書かれた本間さんという方、どういう方なのかは存じませんが、この慧眼には平伏しますね。

“日本のレコード産業では、管理・営業などの間接費が経費の70%を占める(BMGファンハウス社長田代英彦氏談、日経 03-12-1)。日本の音楽産業は、レコード会社、プロダクション、音楽出版社、音プロ、CM制作会社、放送局、映画会社、商社、出版社、金貸しなどが入り乱れて「権利ころがし」に参入しており、それらが水平・垂直に結びついた重厚長大構造を呈している。それぞれが営業(接待)部門を抱え、取引コストが高い。その上、二次使用料、貸与報酬、私的録音録画補償金など人工的に創出した超過利潤の奪取をめぐって合法(官製)・非合法カルテルがひしめき、それぞれが「著作権意識普及のため」などと称して巨額のロビイング予算と人員を擁し、政治の一角に食い入っている。1円の原価低減のために死ぬ思いをしている製造業からみたら気が遠くなるようなビザンチン的世界である。こんな古い芸能界の体質のままで、あたらしいディジタル・コンテンツ革命の主役が演じられるのだろうか。”

96年ごろからまがりなりにも音楽のネット配信に関わって日本の音楽業界に関わる政官業の内幕を垣間見てきた自分の経験から言っても、ここで語られていることは事実だと断言できます。

少なくとも、小泉氏のいう「構造改革無くして成長なし」というキャッチコピーは、こと音楽業界に関して言うと正に適確な表現だといって良いでしょう。

Posted by: a-key at Feb 24, 2004 2:07:20 PM

本間忠良さんの「ネット音楽とアナルコ・キャピタリズム」
6.2.CD輸入権--情報鎖国への道
http://www013.upp.so-net.ne.jp/tadhomma/AnarchoMusic.htm#6.2.CD輸入権--情報鎖国への道

は長いですけど、徹底してます。

Posted by: mugen at Feb 23, 2004 4:37:23 PM

Jamさん、Ichiroさん、コメントありがとうございました。

この問題に関して、ものすごく充実したBlogがありました。
antipop

内容はかなり濃いですが、この問題を考える上で色々と参考になります。

Posted by: a-key at Feb 20, 2004 11:22:08 AM

野中さま。いつも興味深く拝見させて頂いています。
トラックバックさせて頂きましたが、車も鉄鋼も電化製品も出来なかった「過保護な政策」を決断させる事ができるレコード会社はもしかして(ロビー活動が)強力な業界なんでしょうか?

Posted by: ichiro tetsuo at Feb 20, 2004 12:19:56 AM

国内CDは高過ぎます。
また、高いお金を払って買っても、(溝が減るほど)聴けるのはほとんどない悲しい現状。
昔に比べれば録音技術など製作者側の環境は飛躍的に向上しているにもかかわらず、70’Sや80’Sの音楽に今だ魅力を感じるのは皮肉なものです。
販売不振にはCDコピーの問題がないとはいいませんが、価格と魅力のバランスがとれていないことも痛感します。
そして、多くの人が高いと感じているのであれば、音楽のクォリティー以前に標準設定価格自体に問題があると考えるべきです。
高速道路の料金“でさえ”必死に(?)工夫をしているというのに、未だに防弾チョッキを幾重にも着込むことしかできないとは情けない業界です。
以前、はなわ氏のCDがヒットしましたが、決して音が緻密なわけではありませんし、おもしろさの中に込められた故郷への思いが純粋に“音楽”として受け入れられたのだと思います。
売れるものは売れる。
“フィクション的音楽”ばかり作って、“ノンフィクション的音楽”を忘れてしまった業界には政治家に似た匂い(香りではない)が漂っていますね。

Posted by: jam at Feb 17, 2004 2:28:20 PM

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