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Saturday, March 25, 2006

【イラク戦争 ペンタゴンが報告書をリリースした】

■イラク開戦から3年。国防総省がこれまでのイラク戦争の詳細をまとめた報告書(PDF)をリリースした。

誰が見ても失敗が明らかなイラク戦争。ただブッシュ大統領は盛んに強気の発言で言い訳を繰り返しているけれど、このリポートからは色んなことが見えてきているようです。

ロシア、フセイン政権に情報提供Mainichi INTERACTIVE

 報告書によると、ロシアは03年3月20日の開戦から4月上旬のバグダッド陥落前後まで、イラク戦争を仕切った「米中東軍の内部」から戦況や作戦に関する情報を収集し、バグダッド駐在のロシア大使を通じて元大統領側に伝えたという。

 4月2日の内部文書では「米軍はバグダッドに向け南、東、北側から進んでいるが、バグダッド攻撃は4月15日以降になるとロシアが伝えてきた」とされる。ただし、実際にはバグダッド陥落は4月9日。また、「米国はイラクの都市を占領するのは不可能だと考えている」との書簡をロシアがイラクに送ったというが、ロシア情報は結果的にいずれも誤りだった。

 一方、アジズ元副首相の証言によると、フセイン元大統領は「米国が攻撃してこないと確信していた」という。イラクには石油利権があるため、「仏露が武力行使を容認する国連安保理決議には拒否権を行使するとみていた」ためという。実際には、フランスは拒否権行使を示唆して抵抗したが、米英は決議採決を断念し、有志連合による開戦に踏み切った。

 報告書によると、元大統領は「米国は政権転覆までは要求しない」と判断。米地上軍がイラク領内に入った時点でさえ、最も恐れていたのは国内の反乱で、反乱鎮圧を想定して橋やダムを破壊せずにおいたという。これによって米軍は障害なくイラク領内を北上、バグダッド入りできた。

そう云われてみると、有志連合のバクダッド侵攻は予想以上にスムースで、ほとんど抵抗らしい抵抗もなくてほとんど拍子抜けするぐらいだったけど、そんな事情があったんですね・・・。

そういえば、そもそもイラク戦争の大儀とされた大量破壊兵器が結局見つからなかったことも、最近はもうあまり問題視されなくなっていました。がしかし、やはり3年目という節目を迎えて、開戦前に現場で国連査察の指揮をとっていた人物からこんな告発が飛び出しました。

米英が国連査察「利用」 ブリスク氏、イラク開戦でU.S. FrontLine

 開戦から3年になるイラク戦争直前まで国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長としてイラクで大量破壊兵器査察に当たったハンス・ブリクス氏(77)は22日、イラク開戦の議会承認を得るために査察が「米英に利用された」と指摘、同戦争の根拠にあらためて強い疑問を投げ掛けた。ストックホルムで共同通信のインタビューに語った。

 さらに、開戦理由の重点を未発見の大量破壊兵器から、フセイン元大統領の追放やイラク民主化へと移しているブッシュ大統領らに対して強い不信感をあらわにした。

 ブリクス氏はイラク戦争について「国連憲章違反で違法だったことは疑いない」と強調。大量破壊兵器が未発見に終わり、イラクの「差し迫った脅威」がなかったことが明らかとなり、自衛のための先制攻撃を正当化する理由がなくなったと言明。その上で「フセイン元大統領の追放やイラク民主化という理由だけでは米英の議会は開戦を承認しなかっただろう」と述べた。

イラクを民主化すれば、中東の周辺国も順次民主化されていくだろうという、いわゆる「中東民主化ドミノ理論」も今では相当怪しいものに成ってきましたが、イラク開戦当初から「次はイラン」と云われてきたわけで、そういう意味ではブリスク氏の下記のコメントは大変気に成ります。

 また、国際原子力機関(IAEA)事務局長を務めた同氏はイランが平和目的と主張する核開発問題にも言及。「イランの説明に疑問点はあるが、何もないことの証明が非常に難しいことはイラクの経験から知っているはず」と述べ、イランが核兵器開発をしていないとの主張を続けても欧米は納得しないだろうとの見方を示した。

 ブッシュ政権の先制攻撃戦略については、情報の精度に関するまやかしがイラク戦争などで「暴かれた」と強調、その危険性を訴えた。(共同)

今まさに国連安保理ではイランの核開発疑惑を議論している最中ですけれど、もしかしたら中東の民主化こそが善であると信じる勢力は、予定通り粛々とプロセスを進めているのではないかと不安になりますが、やはりイラク復興の目処がある程度付かないと、イラン攻撃に踏み切るのは難しいのではないかと思えるのです。

ちなみに、アメリカ国内の世論は既に厭戦気分が支配的になってきているようですし、イラクからの帰還兵は、イラク戦争の現実を訴え、政治の世界から変化を起こそうということで続々と政界を目指して出馬しているとのこと。

イラク帰還兵 米下院出馬は9人目 うち8人は民主党 (Exicte News

今年11月の米下院選に出馬するイリノイ州第6区(シカゴ郊外)の民主党候補を決める予備選が22日実施され、イラクで武装勢力に攻撃され、負傷した帰還兵のタミー・ダックワースさん(38)が候補に選出された。米メディアなどが伝えた。ロイター通信によると、これで今年の中間選挙に出馬するイラク帰還兵は9人となり、うち8人は民主党から立候補するという。

 ダックワースさんは陸軍州兵としてイラクに派遣された。04年11月、搭乗していたヘリコプターが武装勢力のロケット攻撃を受け、ダックワースさんは両脚を失った。現在は車椅子で生活している。同州選出のオバマ民主党上院議員らの後押しを受け出馬を決意した。

 22日の予備選には3人が立候補し、ダックワースさんが小差で他の2人を制した。同州6区は共和党の地盤で、同党重鎮のヘンリー・ハイド議員の選挙区だったが、同議員は引退を表明している。同党候補はすでに一本化されている。

 ダックワースさんはイラク戦争反対の立場で、イラク駐留米軍撤退の「基準」を明確にするよう主張している。民主党は中間選挙で反戦派のイラク帰還兵の擁立を目指しており、ダックワースさんもその一人。母親は中国系。04年大統領選に出馬したケリー上院議員や、ヒラリー・クリントン上院議員らからも支援を受けている。

何らかの形で11月までにイラクの状況が好転しない限り、ブッシュの支持率の回復は絶望的でしょうし、そうなるとイラク撤退論がより力を得て民主党が大勝するかもしれないけれど、もしそれまでにイランを“誰もが認める悪者”に仕立てることに成功すれば、成り行きでイラン攻撃も有り得るのではないでしょうか?

March 25, 2006 in Current Affairs, IRAN, IRAQ, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Friday, March 24, 2006

【PSE法 ついに経産省がギブアップ!But・・・】

■ギリギリの軌道修正で混乱を回避?(NIKKEI NET

「アンだよ~やりゃ出来るじゃん!」とか「だから最初からそうすれば良かったのにッ!」という声が聞こえてきそうだけど・・・。

 経産省は24日、家電リサイクル業者などで構成する「PSE問題を考える会」の代表とともに異例の記者会見をして、従来の方針を転換すると発表した。

今日の会見には、先日3月14日に放送したJAMに電話でゲスト出演していただいた「PSE問題を考える会」の小川浩一郎代表も同席したそうで、これは小川さんたちの真摯な主張をちゃんと聞き届けましたよ~という経産省の演出でしょう、多分。

市民生活に直接関わるこうした法制度は、机上で立案している際には想定すらしていなかった様々な問題が、いざ運用すると顕在化してくるわけで、今回は法案そのものが審議された際にろくに議論もされずに、そうした問題点が洗い出されないまま施行されてしまったことと、併せて法制度の周知活動が徹底していなかった(テレビやラジオの告知でも新聞の一面広告でもなく、チラシを20万枚刷って配ったそうだ。)ために世論がいきなり「聞いてね~よッ!」状態で沸騰したわけだけれど、結果的にはこのノイジーな“民の声”がお上を動かしたという、実に稀な「有り得ね~!」結果に見えるけど・・・。

■軌道修正=“脱法行為”の行政指導

がしか~し!その内容を見ると全く「????」なもので、根本的な問題解決に成っているかどうかは甚だ疑問。なんだか全然スッキリしません。

 経産省による措置の柱は2つ。まずレンタルする製品へのマークは不要としている法律の解釈を広げる。業者がマークのない中古の電気製品を売った場合でも、それはマーク取得に必要な漏電検査のための機器が行き渡るまでの間、貸し出したものであり、所有権は業者に残っていると見なす。

これってどういう意味?言語明瞭意味不明です。中古品の売買はしばらくの間レンタル取引ってことにしておこうと・・・。金払って買ってんのに所有権が移転しないなんてことが在り得るんか?それって詐欺じゃん!

でいずれ漏電検査したら正式に所有権を認めるってこと?それまでは貸与していることになるわけ?経理処理上はどういう区分になるの?検査済みかどうか一体誰がそれ確認すんの?

 業者間の取引については、輸出用の中古品は対象外とした条文の解釈を緩める。国内向けか輸出用かが明確でない場合は、輸出向けの可能性もあると見なしてマークなしの流通を認める。

ということはつまり、とりあえず全ての中古品は「これは輸出用で~す!」っていうことにして取引しろってこと?偽装取引を国が推奨するんですか?そりゃ~画期的だ!

さらに裏を返せば、この法律は本来電気製品の安全性を保障するものなはずだけど、輸出用は対象外ってことは日本から輸出された中古品を買った人がヤケドしようが家が燃えようが爆発しようが、「そんなこたぁ知ったこっちゃございませんッ!」ていう法律なわけだ。まぁ骨髄付き牛肉輸出してくるアメリカと同じポリシーってこと。さすがぁ対米追従政権。いや御立派素晴らしいね!

 これらの措置に、反対運動を展開してきた同会の代表は「(法律の本格施行までの)猶予期間の延長を勝ち取ったと受け止めている」と発言。経産省側は「混乱回避のためには良い知恵だ」と述べた。しかし条文の手直しなどをしないまま「法律を裁量的に運用する手法だ」との批判が出る可能性がある。

 経産省は業者などの負担を軽減するため今月14日に漏電検査の機器を無料で貸し出すなどの措置を発表していた。混乱が収まらないため、土壇場で今回の追加措置をとる。新製品の販売には予定どおりPSEマークが必要となる。

だからさぁ・・・アホなゴタク並べてないで、こんな『平成のばか法』((c)紀藤弁護士)とっとと廃案にしようよ~!法律作った奴が自ら抜け道作って通り方指導してどォ~すんだよこのバカチンがッ!(弩)

March 24, 2006 in Business, Current Affairs, Ecology, Economy, Music, Politics, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, March 22, 2006

【WBCに“フィールド・オブ・ドリームス”をみた】

■祝!王ジャパン世界一!

Wbc_trophy_1  「世界一!」・・・あぁ、なんと甘美な心地よい響きの言葉でしょうか!

思えば現役時代の背番号は「1番」であだ名は「ワンちゃん」。「世界で初めて」「一本足」で打つフラミンゴ打法を生み出し、「世界のホームラン王」と成ってアメリカ野球界でもその名を知らぬものは無いという、とにかく「世界」という言葉と「一」という数字にとっても縁のある王監督が率いるチーム・ジャパンが「第一回目」のWBCで「初の世界一」に成ったというのは、実に運命的です。

そして日本人は「世界一」がほんとに大好きなんだということを、今回改めて認識させてくれた大会でした。

春分の日の昨日、世の中は休日なのに僕は午前中から打ち合わせがあり、この記念すべき一戦の中継を観ることが出来ずに、打ち合わせをしながらケータイのテキスト速報をチラチラとチェックしていたのです。

キューバとはおそらく接戦に成るだろうと予測していたので、初回に4点を取ったという第一報を見て驚くと共に、「もしかしたら・・・」という思いと、何とか中継を観たいという気持ちが交錯して心ここにあらずという状態でしたが、打ち合わせが予定より少し早く終わったので、早速テレビの前に駆けつけて何とか6回の表から観戦する事ができました。

それにしても凄い試合でした。途中から観たにも関わらず、知らず知らずの内に引き込まれ、そして気がついたら夢中で応援している自分が居ました。こんな感覚は何年ぶりでしょうか?

考えてみると、何十年ぶりのことかもしれません。

まだ小学校に入ったばかりの頃、父親に連れられて後楽園球場に巨人戦を観に行った事があります。

その席はジャイアンツのベンチ裏の席で、すぐ目の前で憧れの王や長嶋がウォーミングアップをしていて、試合そのものよりも彼らの一挙一投足に釘付けになっていたのを記憶しています。その頃の僕は、紛れも無く正真正銘のジャイアンツ・ファンでした。

王選手のサイン入りボールやバットや色紙を手に入れてはそれを部屋に飾り、試合があれば欠かさず観戦し、ベースボールマガジンを毎号購読、マンガはもちろん「巨人の星」を読み、川上監督を神のごとく崇めるというまさにジャイアンツ愛にあふれた日々が思い出されます。

でもいつの間にかその熱も冷め、近頃は時おり「やっぱりナベツネがさ~。」なんてひねたウンチクを垂れる以外は、別に試合を見るわけでもなく、スポーツ新聞も買わず、選手の名前も顔もうろ覚え、でもちっとも困らないという“大人”にすっかりなっていたのです。

で今回のWBC。個人的には昨年末に仕事でアメリカのエージェントから日本でのオフィシャル・サイトのスポンサー・セールスの打診があったりして、そういう意味での関わりはあったけれど、正直言って上手く行くかどうかについては相当懐疑的でした。

アサヒビールの「私達は世界一を目指す王ジャパンを応援します」というコピーを見ても「そうでも言わないと盛り上がらないもんね。」というひねた印象しか持てなかったのです。(しかしこのコピーはそのまんま実現してしまいましたね。言霊パワーでしょうか。コピーライターも“まさか本当に成るとは”と驚いたことでしょう。)

そんな訳で試合が終わってみると、自分が久しぶりに一球一球に反応して一喜一憂し、心から応援できたことがとても新鮮で、何故か子供の頃の記憶と共に懐かしい感覚が蘇ってきたのです。

いうまでもないことですがベースボールは“記録と記憶のスポーツ”という側面があります。アメリカでは往年の名選手のトレーディングカードが高額で売買され、熱烈なファンにとっては、選手の生涯打率やチームの戦績のデータを時系列に沿って連綿と記憶していくことが、リアルタイムで行われている試合結果を追うこと以上に重要だったりします。

そういう意味で、「ワールド・ベースボール・クラシック2006 第一回大会初代世界チャンピオン」というタイトルは、この大会が今後継続するしないに関わらず、たとえ今回限りで終わってしまったとしても、ベースボールというスポーツが続く限り残っていく歴史的マイルストーンなのです。

10年20年経って振り返ったときに、人々の記憶に残るのは「2006年に開催された第一回目のWBCで日本代表チームが世界一に成った」という事実。いわゆる世紀の誤審や疑惑の判定、さらには韓国メディアが揶揄するような大会ルールや制度の偏りは枝葉末節であって、時の運を得て勝ち残った末に得られた栄冠は永遠に語り継がれるのです。

おそらくそのことをイチロー選手は誰よりも早く気が付いていたのかもしれません。メジャーでは不遇にも優勝の機会が得られずに居るイチローはしかし、このWBCこそベースボールの歴史に更に大きく名を残す絶好の、そして千載一遇のチャンスであることを知っていたのでしょう。彼にとっては正に夢の実現だったのです。

試合を振り返ってもう一つ思い出したことがあります。それはケビン・コスナー主演の「フィールド・オブ・ドリームス」という映画の中で謎の声が主人公に語りかける「IF YOU BUILD IT, THEY WILL COME...」というフレーズです。

コスナー演じる主人公が、この声に突き動かされてトウモロコシ畑をつぶして野球場を作ると、そこに何処からとも無く伝説の大リーガー達が現れて試合をするという、それだけだと何とも荒唐無稽なストーリーのこの作品。僕は何故か何度観ても涙が止まらなくなってしまい、そして見終わった後にとても幸せな気分に成るという不思議な癒し系映画ですが、もしかしたら今回のWBCは、この作品で描かれていた“FIELD OF DREAMS”そのものだったんじゃないかという気がしています。

March 22, 2006 in Film, Sports | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Sunday, March 19, 2006

【イラク戦争 3年目の現実】

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March 19, 2006 in Current Affairs, IRAQ, Politics | Permalink | Comments (3) | TrackBack

Saturday, March 18, 2006

【フォト・サーチ・エンジン“Riya”で気分はCSI】

■単なる画像認識じゃない。Riyaの顔面認証技術はデジタル・フォトの“使い方”を変えるかも。(CNET Japan

アメリカの人気テレビシリーズ『CSI』は、僕の大好きな番組の一つなんだけど、毎回番組の中で登場する様々な分析ツールがすごくリアルで(というか番組の製作者によると、ほとんどが実際に使用されている技術なんだそうだけど)、中には個人的に欲しいと思うものも沢山ある。

CNETの記事で紹介されているこの『Riya』は、CSIの中でレギュラーに登場する「顔面認証」や「パターン・マッチング」のような画像認証技術を利用したフォト・サーチ・エンジンだ。

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 スタンフォード大学で顔認識技術を研究し博士号を取得したメンバーらが立ち上げたRiyaは、すでにウェブサイトを立ち上げている。このサイトでは、「文脈認識(技術)」を使ってデジタル・フォトアルバムのなかから、よく似た写真を検索できるようになると、共同創業者のMunjal Shah氏は、当地で開催中の「PC Forum」で講演した。Riyaのサービスでは、たとえば義理の母親の写真を数枚サンプルとして同社のウェブサイトにアップロードすると、Riyaの検索エンジンがユーザーのPCに保存されている(母親が写った)他の写真を見つけ出すといったことが可能だ。

 同氏によると、文脈認識技術とは、顔認識技術を強化したようなものだという。Riyaのソフトウェアは人物の顔を調べるほか、その人物がきているシャツなど、他の手がかりも利用して似たものを見つけ出す。さらに、このソフトウェアは画像の中にあるテキストも探すため、たとえば「フロリダへようこそ」という看板の横に立つ人物の写真は、「フロリダ」というキーワードで見つけ出せるという。

 Riyaはこのソフトウェアに手を加えて、さまざまな条件に従って写真を検索できるようにしている。たとえば、被写体の顔がわずかに横を向いている2次元のサンプル写真は、仮想の3Dモデル上にマッピングされ、正面から撮った写真とも同じ人物が写っていることが識別できる。また、ある写真で首を傾けている人物の写真も問題なく識別できる。

しかも無料!!サインアップしてRiyaのサーバーに検索したい画像ファイルをアップロードするだけで利用できるようになる。全部英語だけど、分かりやすいチュートリアルも用意されている。

 同社のサービスを利用するには、アップローダーというソフトをダウンロードする必要がある。

 このアップローダーは、写真に検索用のタグを付加した上で、そのコピーをRiyaのウェブサイトに転送する。また、転送される写真の解像度は800x600ピクセルとよくある5メガピクセル級のデジカメで写した画像よりもかなり低解像度になる。しかし、データを低解像度にしておけば、複数の写真を素速くアップロードできるというメリットがある。

 検索結果として表示される写真は低解像度のものになる。しかし、同社はこの技術を改良し、検索結果の画像と高解像度なオリジナル画像とを同期するようにしたいと考えている。これが可能になれば、ユーザーは検索後にハードディスク内にある高解像度の写真を見られるようになる。

今のところアップロードするファイル数にも制限がないようだ。早速サインアップして“なんちゃってCSI”を楽しもうではないか!なんだか単なるネット上のフォトアルバムを超えたサービスに成る可能性を感じた。

なお、このRiya社については、昨年HotWiredにも興味深い角度から考察した記事「顔写真のネット検索が可能に?」が掲載されていた。

 現在このサービスで検索可能なのは、ライヤ社のサーバーにアップロードされた写真だけだ。だが、この技術がインターネット上で展開されるようになれば、Flickr、『トライブ・ネット』や『フレンドスター』といったウェブ上の写真を、写真の所有者や写された人が特定されるのを望もうが望まなかろうが検索できるようになるだろう。興味深いのはここからだ。

 『マイスペース』を検索した母親たちが、友達の家で勉強しているはずの時にパーティーに参加している自分の子供の写真を見つけるかもしれない。保険会社がバンジージャンプをしている顧客の写真を探し出し、この命知らずな顧客の保険料を値上げするかもしれない。私の予想では、付き合う相手を探している男女が恋人の品定めをする際に欠かせないものになると思う。

 もし誰かが私が写っている写真を掲載すれば、写真を見る人々には私の顔が見える。だが、私が誰なのかはほとんど判らないはずだ。一方、写真に私の名前のタグが付されていたとすれば、私の容姿を気に入った見知らぬ人が私についてさらに知ることが可能だ。私を雇用するかどうかを検討中の人が、私に関する詳しい情報を探しており、私の名前を検索して私の写真を見つけ出すこともできる。

 アナログ世界におけるプライバシーの原則は、デジタル世界では意味をなさない。見られることと追跡されることの関係についてのかつて存在した前提は、もはや通用しない。われわれはこうした事実を直視しなければならない。さもないと、大局を見失ってしまうだろう。

March 18, 2006 in Art, Business, Media, Science, Web/Tech | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Friday, March 17, 2006

【イラク 2003年以降最大の空爆がスタート】

■2003年の開戦以来、最大級の空爆作戦が進行中(CNN.COM

Iraqstoryswarmer テロリストが集結して第二のファルージャと成りつつあるというバクダッドの北部「サマラ」地域に対する大規模な空爆作戦『OPERATION SWARMER』がスタートした模様。

イラク人兵士を含む連合軍1500名。50機以上の航空機、200以上の機動装甲車などによる作戦は数日間続く予定。

ターゲットは、2月22日のシーア派寺院「アスカリア・モスク」の爆破以来激化している宗派間の戦闘を煽っている反乱分子やテロリストということだけど、エスカレートする内戦状態を押さえ込もうということで、作戦自体は以前から想定されていたそうだ。

ただこの作戦には「イラク人兵士の育成が上手く行っていることを試す良い訓練。」という面もあるらしい。言い換えれば、「イラク人にイラク人を殺させる良い訓練。」ということか・・・。

もちろん、攻撃に晒されているのはテロリストだけではない。(CNN.COM/CIVILIANS KILLED IN IRAQ RAID

内戦を煽っているのは一体誰なんだろう?この問題については、「田中宇の国際ニュース解説」に非常に興味深い考察『イラク・モスク爆破の深層』が掲載されている。

March 17, 2006 in Current Affairs, IRAQ, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Thursday, March 16, 2006

【PSE法は憲法違反のおそれ】

■PSE法は「憲法違反であることが濃厚」という専門家の見解

以前JAM THE WORLDにゲスト出演していただいたこともある弁護士の紀藤正樹さんのBLOG「弁護士紀藤正樹のLINC」にPSE法に対する鋭い指摘がポストされていた。

憲法上、国民の財産権は補償されています。
しかも財産権の内容は、法律で定めなければならないということにされています。

第二十九条  財産権は、これを侵してはならない。 ○2  財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。 ○3  私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

しかし電気用品安全法は、規制対象である電気用品につき、法律でなく、政令で定めることにししています。

財産権を規制する法律が行政裁量ともいえる、政令で決められること自体が、憲法違反であることが濃厚です。

しかも「電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的とする」(同法1条)という規制目的から見て、規制方法には何ら合理性がなく、過度に広範な規制であることが明らかであり、かつ自動車とか建物に付着した電気製品は対象外という不平等不公平な規制となっています。この点は平等権(憲法14条)侵害である可能性もあります。

つまりPSE法は、このままの形で施行したら、今回の改善策のようなちょっとした手直し程度では、最高裁判所において、違憲判決が下される可能性がある法律であり、かつ、業者から、国家賠償すらおこされかねない法律です。

しかも業者に国が敗訴したら、裁判費用も賠償費用も、国民の税金で負担されることになります。

紀藤さんはまたPSE法について「庶民や文化を否定した『平成のばか法』であり、延期して廃案、そして出直すべき」と断じているけれど、この紀藤さんの問題提議は正論だし、とても説得力がある。

このエントリーの存在は、久々にTBいただいたkatsさんの「酒乱!net」で知ったんだけど、katsさんのいうとおりPSE法については各方面から様々な異論反論が出ている。

しかしこれはPSEという法律に関わる問題なので、情緒的な観点よりもこうした専門家による法的観点から問題を詰めていくことが何より有効だろうと思う。

March 16, 2006 in Business, Current Affairs, Ecology, Economy, Music, Politics, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, March 15, 2006

【PSE法 対応策にもブーイングの嵐】

■昨日放送したJAM THE WORLDで、再びPSE法を取り上げた。

おりしも、放送当日になって経済産業省から“ビンテージもの”の電子楽器や音響機器などに限ってPSEマークが無くても売買できるようにするという対応策が出されたので、先々週の特集に続いて再びこの問題を取り上げることになった。

今回の譲歩案はおそらく、というか間違いなく日本シンセサイザープログラマー協会(JSPA)が行った署名活動が影響したのだろうと思う。なんせ、JSPAが集めた74,987名分の署名(実は僕もその中の一人なんだけど)を要望書と一緒に経産省に提出する直前という絶妙のタイミングで発表されたわけだから、どう考えてもこのアピールに対応したんだろうな~という感じ。

とはいうものの、少なくとも「一切変更しない」と断言していた頃から比べれば、法律の運用を柔軟に行おうというジェスチャーには違いないので、変化があったこと自体は素直に喜びたい。

なんだけど、やっぱりこの譲歩案慌てて付け焼刃的に策定したのが見え見えで、署名活動で反対をアピールをした当のJSPAのメンバーからも、そしてシンセサイザーや電子楽器と関係のない一般の家電製品などの中古品を扱っているリサイクル事業者からも、この譲歩案そのものに対する困惑と非難の声が上がっている。

 規制除外品の選定法にも疑問が残る。リサイクルショップ・素人の乱5号店(東京都杉並区)の松本哉店長は、「電化製品の安全を守るための法律なのに、ビンテージ品だけ除外というのはおかしい。『レアものだから安全』とは言えないはず」と語り、一部を例外認定するならば、旧法(電気用品取締法)で安全と認められた中古品全般を除外対象として認めるべきと訴える。

 中古楽器のPSE法適用除外を求めてきた日本シンセサイザープログラマー協会(音楽家の坂本龍一さんらが所属)も、ビンテージ品だけでなく、中古楽器すべてを除外対象とするよう求めており、経産省との溝は埋まり切っていない。

 清進商会の小川店長は「法律の条文には『中古品も対象』とは書いておらず、中古品に規制がかかるのがそもそもおかしい」と指摘し、法解釈を改めて見直すべきと訴えている。

という状況を受けて、番組に御自身もリサイクル品を取り扱っている事業者であり、「PSE問題を考える会」の発起人でもある小川浩一郎さんに電話で登場していただいた。

小川さんによると、そもそも今回の譲歩案で対象に成っているのが“ビンテージもの”の電子楽器や音響機器ということで、生活必需品ではないこうした製品が除外されても、中古リサイクル業者がPSE法から受ける影響はほとんど変わらないということ。

季節的にはちょうど新入学生や新社会人が生活用品を買い集めるためにリサイクルショップを利用する時期。そうでなくとも、単に高くて新品が買えない人たちが生活必需品を購入する際に利用するリサイクルショップは全国で50万店あるそうだけど、これらのショップが抱えている在庫の4割近くがPSE法の規制対象に成って売れなく成ってしまうそうだ。

そういう現実を知ってるかどうか分からないけれど、経産省は検査機関を全国500箇所用意して、6ヶ月間は無償で検査して事業者の負担を軽減するという計画を提示している。

経産省は、添付に必要な届け出書類を簡素化するほか、全国500カ所以上で検査を受けられる体制を遅くとも6月までに整え、中古事業者の負担を軽減するとしている。

 製品技術基盤機構などで検査用機器の無料貸し出しを行うほか、電気保安協会などの協力を得て今後半年間、出張検査サービスを無料で提供する。都道府県や市町村の公設試験所にも受託検査の実施や機器貸し出しなどを要請し、民間団体にも協力を仰ぐ。

しかし小川さんによると、リサイクル品は右から左に仕入れたら売るという状況なので、無償で出張検査してくれるといったって、例えば月に一度検査してもらっても、その間は商品を売ることが出来ないので全く非現実的なんだそうだ。

しかも、「何万とあるリサイクル店の総数を考えると、一体500箇所でどうやって対応しようというのだろうか?」という。確かにそうだ。

小川さんは、「とにかく一旦延期してもらうか、電子楽器だけとかではなく、法律が施行された2001年以前に製造されたものは全て対象外にするとかしないと、解決にはならない。」という。

さらに、自主検査でPSEマークをつけることについても、これが結果的に製造者と同じ責任を負うことになるので、「やれといわれても怖くて出来ない」とのこと。

でリサイクル業界の現状はどうかというと、「もうほとんどの業者が人員の整理(解雇)をしたり、廃業したりしている状況」で、ただでさえ中小零細企業が中心の業界としては存亡の危機。まさに死活問題に成っているそうだ。

可処分所得が低い社会的弱者の拠り所として機能しているリサイクル流通に著しい影響があることは間違いない。小川さんは「一体誰のための法律なのか?と言いたいですよ!」とおっしゃっていた。(まぁ、検査機関なんかに天下る役人どもの為にはなっているのだろうけれど・・・)

「持続可能な社会の実現」=「循環社会の実現」=「あらゆる製品のリサイクル」というモデルがようやく認識されはじめたところに、この法律。

まだ使用可能なモノが売れなくなることで大量に廃棄されることは、「もったいない」だけではなく環境にも非常に悪いのは自明の理だけれど、それ以上にこの法律が特定の階層や業界に与える影響はあまりにも理不尽で、あまりにも惨い。

あんまり考えたくはないけれど、万が一今から半年後ぐらいにリサイクル業界関係者の中から自殺者が続出なんてことに成ったら、経産省はどういう責任を取るのだろうか?(まぁ、取らないだろうけどね・・・)

色々問題はあるにせよ、日本の役人は基本的には優秀なんだろうと思っていたけれど、このPSE法に関しては、その策定の段階から現在に至るまで、全くこういう事態が起きることを想定していなかったとしか思えないボケぶり。

それとも、もしかして本当に天下り先をでっち上げるのがメインの目的だったから、そこまで考えが至らなかったのだろうか?まぁそうでないことを祈るけれど、この法律の目的と動機には何か胡散臭い感じが付きまとう。

こんな出来損ないの法律が産まれた理由は想像力の欠如といえばそれまでだけど、もしかしたらこれ立案した人物はリサイクルショップのお世話に成ったこともなければ、その実態やあるいは存在すらも知らなかったのではないかと思えてくる。

とにかく、小川さんの話を聞いていたら、自分でもまだこの問題のシリアスさを理解しきれていなかったんだと反省しきりだった。

インタビューの最後に「JSPAの活動は確かに音楽家が中心だったから、いきおい特定の機器に対するアピールと成ったわけだけど、やはり自分に直接利害があることに対してアピールするというのは極自然なことだと思うので、是非小川さんたちにも頑張っていただいて、現場の生の声をストレートに国に届けてもらいたいと思います。」と申し上げたけれど、これは何もリサイクル業界関係者だけの話ではないわけで、我々一般の消費者も主体的にアピールする必要があるかもしれない。

March 15, 2006 in Business, Current Affairs, Ecology, Economy, Music, Politics, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Tuesday, March 14, 2006

【PSEマーク 「ビンテージもの」は規制対象から除外に】

■ビンテージものは規制対象外に。

色んな人たちのアピールが効いたのか、とりあえず「ビンテージもの」の中古楽器などはPSEマークがなくても売買できるようになるみたいだ。

PSE法、ビンテージ楽器は「例外」に(ITmedia News)

 新たに、ビンテージ物の機器に限り、申請を受けて審査を行った上で例外と認定し、PSEマークなしでも販売できる「特別認証制度」を設けた。

 対象は、電子楽器、音響機器と、写真焼き付け機、写真引き延ばし機、写真引き延ばし用ランプハウス、映写機で、(1)既に生産が終了しており、他の電気用品で代替不可能で希少価値が高いと認められる、(2)旧法(電気用品取締法)に基づく表示などがある、(3)取り扱いに慣れた人に対して国内で販売する――という条件にあてはまると認定された場合。例外申請の方法や審査基準の詳細については今後詰めるとしている。

希少中古楽器など「PSEマーク」なしでも販売可能に(YOMIURI ONLINE)

二階経産相は、「古典的な文化財が存在する可能性があるので、(絶縁試験の)強い電流で楽器に損傷を与えないようにしたい」と述べた。

だけどこんな言い訳も・・・。

 二階経産相は、このほか、同法案が国会で審議された当時、他の法案と一括審議され、中古家電が販売できなくなる問題について質疑や指摘がなかったことも明らかにした。

March 14, 2006 in Business, Current Affairs, Ecology, Economy, Music, Politics, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Monday, March 13, 2006

【Google Marsで火星にヴァーチャル・トリップ】

■アノ“火星の人面石”も確認できる。Google Marsで火星にヴァーチャル・トリップしましょう。(ITmedia News

Ah_mars1_2 ちょうどNASAのMARS EXPLORATION PROGRAMが佳境を迎えているところに、絶好のタイミングにリリースされたGoogle MarsGoogle EarthGoogle Moonに続いて、デスクトップで宇宙旅行が体験できる素晴らしいアプリケーションだ。

早速“FACE”で検索すると、例の人面石の部分がちゃんとマークされている。もうちょっとズームインしたくなるけれど、それはROVERの映像があるからこの際贅沢をいうのはやめよう。

March 13, 2006 in Art, Ecology, Science, Web/Tech | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Sunday, March 12, 2006

【PET検診の効果を疑え】

■がん早期発見の真打といわれているPET検診の実態は「未検出が85%」(YOMIURI ONLINE/医療と介護

自分の身近な人がガンを患ったり、亡くなったりしている人にとっては、かなりショックなニュースではないだろうか。しかもこれは国立がんセンターの発表だ。

 小さながんでも発見率が高いと言われ、約100か所の医療機関に導入されている画像診断装置PET(ペット、陽電子放射断層撮影)。多くの施設でがん検診にも使われているが、国立がんセンター(東京)の研究で、がんの85%が検出できなかったことが分かった。「PETで異常がないからといって安心するのは危険」と専門家は指摘している。

一般的な認識としては、「PET検診さえ受けておけば安心」というイメージがある。健康な人が受ける場合は自費に成るけれど、決して安くはないから、どちらかというと富裕層向けの医療サービスという印象だ。そういえば、「私なんか毎年PET検診受けてますから。」なんて自慢する人も居る。ところが・・・・だ。

 国立がんセンターに設置された「がん予防・検診研究センター」では、昨年1月までの1年間に、超音波、CT、PETなどを併用した検診を受けた約3000人のうち、約150人にがんが見つかったが、PETでがんがあると判定された人は23人(15%)に過ぎなかった。

 従来、組織に水分が多く糖が取り込まれにくい膀胱(ぼうこう)、腎臓、前立腺、胃などのがんは、PETでは見つかりにくいとされてきた。日本核医学会が2004年にまとめたPETがん検診の指針でも、がんの検出に「非常に有効」とされたのは、甲状腺や顔、首などにできる頭頸(とうけい)部がんと悪性リンパ腫(しゅ)の2種類しかない。

 ところが、この指針で「有効性が高い可能性がある」とされている肺がん、大腸がんのPET検診にも、国立がんセンターの調査では、効果に疑問を投げかけるデータが出た。大腸がんが発見された人のうち、PET検査でがんが分かった人は13%、肺がんでも21%にとどまった。

もちろん、検出率が低いからといって、直ちにPET検診の有効性を否定する訳にはいかないだろうけれど、医療機関や保険会社はPET検診が万能であるかのごとく宣伝している傾向があるのも事実。

そういう立場から見れば、このニュースは営業妨害に当たるかもしれないが、果たして早々に「PET画像検診フォーラム」という組織から、この読売の記事に対する反論が出されている。

1. タイトルが過激で「PETでは癌の85%を見逃し、15%しか分からない」という誤解を生じる。

2. そのことにより、PETという癌の診断に極めて有用な検査の普及の障害となる。

(1) 検診の機会を逸する可能性。

 全国のPET検診を行っている施設では、PETの限界を踏まえ、核医学会のガイドライン(http://pet.jrias.or.jp/index.cfm/48,446,99,html)に沿って検診を行っており、PET単独での検診は限られています。

 記事ではそのことに触れておらず、あたかも全国で行われているPET検診が多くの癌を見逃しているかのように誤解されます。

 実際は、他の検査も含めた総合検診で行われることが多く、たくさんの方の癌が発見され、命を救われています。

 こうした早期発見される可能性のある方たちが、この記事を見て誤解し検診をやめてしまう恐れがあります。つまり、癌の早期発見の機会を逃してしまう懸念があります。

(2) 検診ではなく診療(癌の診断)のレベルを低下させてしまう可能性。

 PETが癌の診断に有用で、いくつかの癌ではPETをしないまま治療方針を決めた場合、誤った治療法を選択する危険性があります。例えば、肺癌などではPETにより思わぬ転移が見つかる確率が20%程度といわれています。つまり、手術適応例が適応外になるわけです。

 今回の記事により、癌の患者さんはもとより、核医学専門医や放射線科以外のPETの有用性をよく理解していない医師たちが、「PETは役立たない」という認識を持ってしまった場合、治療前にすべきPET検査をしないケースも起こりえます。すなわち、医療レベルの低下が引き起こされ、ひいては患者さん、国民全体の不利益となるのです。

(3) 上記二つのことは、誤解を生ずるような医療記事を紙面に出したことにより、「適切な医療を受ける機会を奪われてしまった」と訴訟の対象になるかもしれません。

「訴訟の対象に成る」という厳しい批判だけれど、内容を読むともっともな主張だとも思える。ただし、読売の記事によると『PETを検診に使っているのは、日本のほか韓国、台湾ぐらい。欧米では、がん検診への有効性が示されておらず、実施されていない。』ということだから、この記事を読む限り、PET検診を100%有効なものだと盲信することに対する一定のブレーキは必要な気がするけれど、どうだろうか。

March 12, 2006 in Current Affairs, Science | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Friday, March 10, 2006

【PSE法 広がる反対の声は国に届くのだろうか】

■PSE法の施行を前に早くも解雇や廃業する業者も出てきた。(ITmedia NEWS

Pse_logo_1 先週のJAM THE WORLDで特集したPSEに関するニュース。坂本龍一氏など音楽家による署名運動(日本シンセサイザープログラマー協会/JSPA)が効いたのか、ここに来てテレビのワイドショーや新聞などでもずいぶん盛んに取り上げられるように成ってきた。

ちなみに、このJSPAによる署名には今日の時点で約7万5000人が賛同し、3月15日日に経済産業大臣宛の要望書に添えて提出されるとのこと。

あまりにもグレーゾーンが多くて、いざ4月から施行されると各方面で相当混乱するのは明らか。売るに売れなくなった在庫を処分する業者も居るだろうから、そうなるとまだ充分に使用可能な電気製品など大量の産業廃棄物が一気に出てくるかもしれない。例えば音楽プロデューサーの高橋健太郎さんは御自身のBLOGでこんなことを書いている。

そして、誰もが考えねばならないのは、この法律によって、日本国の資産はたぶん、何兆円という規模で減少するということです。

リサイクルショップにある中古の非PSE電気製品がすべて販売不可能なゴミとなって、販売店の損益になるだけではないです。例えば、工場にある非PSE機械もすべて資産としての価値を失う。中小の販売店や中小企業ほど、それは大きな痛手になるでしょう。すでに、そうした資産を担保にしている企業が、担保物件の資産価値消滅に伴い、あらたな担保を設定せねばならない、というような問題も起きつつあるようです。それで倒産する会社も出て来るかもしれません。

冷暖房設備などがPSE以前のものである不動産も価値が大幅に下がるでしょうし、経済に与える影響はちょっとまだ読み切れない。亡国の悪法にもなりうる法律に思えます。

それでも経産省としては頑として動かず。とにかく実施してから問題があれば考えようということなのか?

しかし、PSEで影響を被るのは富裕層ではなく、どちらかというと中小零細企業や一般の個人ユーザー。たったの20万部チラシを刷ったからといって、「充分に周知活動を行った。」と言い切るお役人は、混乱の結果責任をどうやって取るつもりなのだろう・・・。

 経済産業省は、同法をメーカーには告知してきたが、中古事業者への告知はほとんど行っていなかった。多くの中古店は今年に入ってから同法を知り、対応に苦慮している。

 東京・秋葉原ラジオ会館に店を構える中古楽器店「清進商会」は、約500ある商品のほとんどがPSEマークなしの“ビンテージ物”。4月以降、売れる物がほとんどなくなるため、閉店を決めたという。

 中古機器販売・しらくらの荒井哲夫社長は「今年に入ってPSE法を知り、古物商を管轄する警察庁に問い合わせたが、警察も知らなかった」と、経産省による告知の不徹底を指摘。「(PSEマークなしでも)使っていい、譲渡してもいいのに、売ってはいけない、というのはおかしい」と矛盾を訴える。

とまぁ市井の声は厳しいけれど、このPSE法には経済産業省にとって「天下り先の創出および確保」というもう一つの側面があるようだから、いくら下々のパンピーが声を上げたところで“何処吹く風”ってことなんだろう。現時点でこの“PSE法と天下りの関係”について資料と共に報道しているのは、何故か(というかやはり?)「赤旗」のみのようだ。という訳で、以下に赤旗の記事(初出)を引用しておく。

2006年2月26日(日)「しんぶん赤旗」

家電の安全規制緩和進むなか検査法人に天下り

省庁幹部 高額報酬で次つぎ


 電気用品安全法(電安法、二〇〇一年施行)で、新表示・PSEマークのない中古の家電製品が四月から販売できなくなると、大問題になっています。同法にもとづき、国による安全規制を緩和し、新たに導入した製造・輸入事業者の“自己確認”方式を担当する第三者検査機関として登録している法人に、経済産業省などの幹部が大挙して天下りしていることが分かりました。

 国内登録検査機関は六機関あり、このうち天下りしているのは、外資系など海外向けの代行業務を中心にしている三社を除く三機関です。

 財団法人電気安全環境研究所には、役員十六人中五人が天下りし、理事長などの要職を占めて年二千万円前後の報酬を得ています。

 財団法人日本品質保証機構では役員十七人中七人が経済産業省などからの天下りです。理事長、副理事長、専務理事の高額報酬を得るポストを独占しています。

 電線メーカーが正会員となって設立している社団法人電線総合技術センターでは、唯一の常勤役員の専務理事に天下りしています。同センターの「役員報酬支給規定」「役員退任慰労金支給規定」が適用されるのは現在、この天下り役員一人だけです。

 電安法では、電線や配線器具、電熱器具、直流電源装置などの「特定電気用品」(百十二品目)は、製造・輸入事業者の「自主検査」に加え、製品ごとの技術基準に適合していることを確認する「適合性検査」を義務づけています。その適合性検査をするのが、これらの登録検査機関です。

 登録検査機関で検査するなど自己確認で製品が流通するようになって以後、家電事故が激増しています。独立行政法人・製品評価技術基盤機構の「事故情報収集制度報告書」によると、家庭用電気製品の事故が、二〇〇〇年度六百四十七件だったのが、〇四年度には千二十四件に急増しています。

Pse2006022601_01_0

March 10, 2006 in Business, Ecology, Economy, Music, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Thursday, March 09, 2006

【必見のショートフィルム『SPIN』】

Spin_3 ■時空を操る謎のDJ。果たしてその正体は?

ショートフィルムのお手本のような作品。画面のサイズはこの際問題ではない。最初は単なるVJものかと思いきや・・・意外性のある展開に思わず引き込まれてしまう濃密な8分間。しかも“癒し系”だ。

制作費はたったの500ドルだって!それでこのクオリティだもんね~。必要な機材は全てスポンサーから提供されて、出演者もほとんどがボランティア。お金がかかったのはテープ代とスタッフの食事代ぐらいだそうだ。

ストーリー展開もそうだけど、監督やプロデューサーの人柄が伝わってくるような話。いや、ほんとうに素晴らしいッす!

March 9, 2006 in Art, Film, Music, Web/Tech | Permalink | Comments (2) | TrackBack

Wednesday, March 08, 2006

【日本は新型インフルエンザのアウトブレイクを阻止できるか?】

■「起きるかどうか?」ではなく「いつ起きるか?」の段階に入った新型インフルエンザのパンデミック=世界規模のアウトブレイク

鳥インフルエンザでフォアグラが食えなくなるぐらい、どうってことはない。人類が全く免疫を持たない新型インフルエンザが世界規模でアウトブレイクする「パンデミック」の可能性がいよいよ現実味を帯びてきた。

少し前の記事(2006.02.16 - CNN)だけど、最悪の場合は1918~19年にかけて発生したスペイン風邪の被害を上回り、世界で10億人以上が感染し1億人以上が死亡。日本でも210万人が死亡すると予想されている。

シドニー(CNN) オーストラリアのシンクタンクが16日、高病原性鳥インフルエンザが世界各地で流行した場合、最悪で死者は1億4200万人に上ると発表した。経済損失は、4兆4000億ドル(約520兆円)に達すると見積もっている。

シドニーの「Lowy Institute For International Policy」は、鳥インフルエンザの流行程度を、過去に流行したインフルエンザと比較し、4段階に分類。

最も被害が少ない場合でも、香港風邪(1968─69年)と同程度で、死者140万人、経済損失は3300億ドルと推計している。

中程度の流行の場合は、アジア風邪(1957年)と被害が同程度になると予測。深刻な場合は、約10億人が感染して5000万人近くが死亡したスペイン風邪(1918─19年)に匹敵するという。

最悪の場合はスペイン風邪の被害を上回り、世界で1億人以上が死亡。各国の死者は、中国2800万人、インド2400万人、フィリピン410万人、日本210万人、米国200万人、欧州560万人に達するとしている。

鳥インフルエンザ感染による死者はアジアを中心に増加しており、世界保健機関(WHO)によると13日現在で、91人。今月上旬には、欧州でも野生の鳥から、高病原性H5N1型ウイルスが検出されており、感染被害は世界各地に広がりつつあり、人間への感染が懸念されている。

今のところは、直接鳥に接する機会の多い人が、感染した鳥からウィルスをもらう形だが、このウィルスが豚を経由したりすることで人間に感染しやすくなると、今度は人間から人間へ感染する力を持つ訳で、この突然変異がいつどのようにして起こるかの正確なモデルはまだ確定していない。

ちなみに厚生労働省は、「わが国の全人口の25%が罹患した場合、医療機関を受診する患者数は約1300万人~約2500万人(!)に上る」と推計している。(新型インフルエンザ対策行動計画総論/「流行規模の想定」

 この推計は、米国疾病管理センター(以下、「CDC」という。)により示された推計モデル(FluAid 2.0 著者Meltzerら、2000年7月)を用いて、我が国の状況をそのまま当てはめて行ったものである。推計の結果、全人口の25%が新型インフルエンザに罹患すると想定した場合に医療機関を受診する患者数は、約1,300万人~約2,500万人(中間値約1,700万人)と推計されている。

 この推計の上限値である約2,500万人を基に、過去に世界で起こったインフルエンザパンデミックのデータ;アジアインフルエンザ等を中等度(致死率0.53%)、スペインインフルエンザを重度(致死率2%)として、新型インフルエンザの病原性が中等度の場合と、重度の場合について推計した。その上限値はそれぞれ、中等度の場合では、入院患者数は約53万人、死亡者数は約17万人となる。また、重度の場合では、中等度と重度の場合の死亡率から推計すると、入院患者数は約200万人、死亡者数は約64万人と推定される。なお、これらの推計においては、新型インフルエンザワクチンや抗インフルエンザウイルス薬等による介入の影響(効果)、現在の我が国の衛生状況等については考慮されていないことに留意する必要がある。

 また、全人口の25%が罹患し、流行が8週間続くという仮定の下での、中等度の場合での入院患者の発生分布の試算では、1日当たりの最大入院患者数は、10万1千人(流行発生から5週目)となっている。さらに、重度の場合には、1日当たりの最大入院患者数も増大すると推定される。

仮に日本でアウトブレイクした場合に備えて、現在政府は「新型インフルエンザ対策」の一環で隔離病棟の確保にやっきに成っているという。ただし、現状では感染した患者を受け入れる医療機関のキャパシティは全く足りていないそうだ。

不幸にして、日本でパンデミックが起きてしまったらどうするのか?について、政府は「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定している。簡単にいうと、感染の拡大を防ぐために通勤や通学などの「移動の禁止」や、不特定多数の人間同士が接触しないように、「集合の禁止」などを含んだ国民の社会活動の規制が行われる。

この結果、あらゆる経済活動が停滞するのはもちろん、生活物資の物流も止まってしまうので、食品などの必需品が流通しなくなるだけでなく、ガス、電力などのライフラインもダウンする可能性があるという。何のことは無い、近代都市文明の崩壊だ。これほどのカタストロフを防ぐ方法は、もはや“鎖国”ぐらいしか無いが、人間の移動は止められても、渡り鳥は勝手に飛んでくるから防ぎようがない。

■タミフルの大量生産が唯一の希望

ところで新型インフルエンザにも効果が期待される『タミフル』は、中国料理に使うスパイスの一種「八角」を原料にしているために製造能力に限界があり、こうした地球規模のアウトブレイクには供給が追いつかないといわれている。

そんな絶望的な状況に一筋の光を投げかけるようなニュースが、それもこの日本から発信された。何と東大の研究グループが石油から『タミフル』を作ることに成功したというのだ。

 インフルエンザの特効薬タミフルを植物原料を使わず化学的に製造する方法を東大大学院薬学系研究科の柴崎正勝教授らのグループが開発した。世界で需要が急増している抗ウイルス薬の安定生産を可能にする技術として注目されそうだ。

  タミフルは、スイスの製薬大手ロシュが独占的に製造している。中国料理に使われる植物トウシキミの果実「八角」を原料に、その成分であるシキミ酸から複雑な工程を経て生産される。新型インフルエンザにも効くと予想されるため、各国が備蓄を進めているが、慢性的に品不足状態にあるうえに、天候不順だと原料の確保が難しくなる。

  柴崎教授らは、石油から生成される安価な化学物質「1、4―シクロヘキサジエン」を原料に、シキミ酸なしでタミフルを作ることに成功した。

  反応を促進させるため、野依良治博士のノーベル賞受賞業績でもある「不斉触媒」という技術を用いた。柴崎教授はこの分野の第一人者で、日本が世界をリードしている。

  タミフルに耐性を持つウイルスが出現した場合も、この製造法を応用すれば、新薬開発につながる可能性があるという。

  東大は大学所有の知的財産として23日、この製造法を特許出願したが、タミフルの製造販売権を押さえているロシュの許可なしには生産できない。柴崎教授は「ロシュと話し合い、実用化研究を進めることになるだろう」と話している。

果たしてロッシュ社が人類の危機を抑止するという観点から東大の製造法を認め、クロスライセンスに踏み切るかどうか。東大とロッシュ間の交渉の成り行きを注目したい。

March 8, 2006 in Current Affairs, Ecology, Economy, Food and Drink, Science | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Tuesday, March 07, 2006

【EUによる巨大デジタル・ライブラリー】

■2010年までに少なくとも600万点を公開予定(ITmedia NEWS

ヨーロッパのあらゆる書籍や文献、映画、写真などをデジタル化して公開しようという壮大な構想が発表された。

 欧州委員会は3月2日、欧州の書籍や文献をインターネットで公開する欧州デジタルライブラリ構想に基づき、向こう5年で600万冊を公開する計画だと発表した。

 2006年末までにEU域内の国立図書館から全面的な協力を取り付け、翌年以降は公文書館や博物館にも拡大。欧州デジタルライブラリで2008年までに書籍、映画、写真など200万点を、2010年までには最低でも600万点の公開を計画している。

 欧州委員会では書籍のデジタル化推進のため、欧州全土にわたるデジタル化センターのネットワークに資金を拠出。デジタルライブラリに絡む知的財産権保護の問題にも対応するとしている。

 この構想は2005年9月に発表され、図書館や出版社、著作権者などから反響を募っていた。欧州委員会によれば、「欧州の文化遺産にアクセスし、インターネットで利用できる機会が広がる」として概ね歓迎の声が寄せられたという。

Google Videoもそうだけど、地球規模で知の資産を共有化しようという動きが活性化しているように見える。同様の取り組みにアメリカ議会図書館の「WORLD DIGITAL LIBRARY計画」があるけれど、Googleはこのプロジェクトに300万ドルを寄付するという。

Googleが出版業界の反発をものともせずにスタートした書籍検索プロジェクト「Google Print」で著作権が消滅した書籍の全文検索サービスをリリースしたのがキッカケに成ったのか、マイクロソフトが大英図書館の蔵書のデジタル化を支援したり、Yahoo!も同様の取り組み「Open Content Allicance (OCA)」を設立したり、とにかくメジャープレイヤー達が群雄割拠して覇権を競っている。

著作権という大きな壁があるにせよ、いわゆるパブリック・ドメインをどこまで拡張することが出来るのかがポイントになると思うけれど、こういうトレンドを肯定的に捉えると、かつて80年代にピーター・ラッセル博士が提唱した「Global Brain」の誕生が現実味を帯びてきた気がする。

March 7, 2006 in Books, Economy, Film, Media, Television, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Monday, March 06, 2006

【注目の新人ヴァイオリニスト ゾフィア・ヤッフェ】

■久々に魂が震える程感動したヴァイオリン

3月4日の深夜、例によってチャンネルをザッピングしていたら、たまたま通りかかったBS-HIで「エリーザベト王妃国際音楽コンクール2005 バイオリン部門受賞者 ガラコンサート」というプログラムをやっていた。

ベルギーのブリュッセルにあるパレ・デ・ボーザールで収録されたこのコンサート。2001年にFIFAの仕事で一度だけ行った事のある“ブリュッセル”が懐かしかったのと(夜間にライトアップされた街並みは、正に古きよきヨーロッパそのものだった)、大好きな“ショスタコービッチ”に惹かれて観てみることにした。

最初に登場したのは、このコンクールのヴァイオリン部門で三位に入賞したというゾフィア・ヤッフェという女性ヴァイオリニスト。顔をほんのりピンクに上気させて、いかにも新人らしく初々しい。

ところが、いざ演奏が始まるや否や、僕はほんとに久々に感じる衝撃と共に、彼女のヴァイオリンに引き込まれてしまった。

相当な難曲であるにも関わらず、難解さを一切感じさせないほどリリカルな演奏でとても新人とは思えない。繊細にして力強く心を揺さぶる演奏、というと如何にも陳腐な言い方だけど、まさにその通りだったのだから仕方ない。

オーケストラも彼女の演奏の素晴らしさに呼応して完璧な演奏を繰り広げる。もう第一楽章ですっかりメロメロに成ってしまい、後は音に身を委ねて漂うのみ。第二楽章で心が引き裂かれ、第三楽章で慟哭し、第四楽章で歓喜に打ち震えエクスタシーに達する。大袈裟ではなく、最近聴いたあらゆる音楽の中でも出色のパフォーマンスだ。

ヤッフェの後は、それぞれコンクール2位入賞のヨシフ・イワノフ、1位入賞のセルゲイ・ハチャトゥリアンが登場したんだけれど、2位のイワノフ君の第一楽章途中で、僕は観るのを止めてしまった。決して下手ではないけれど、マジックが感じられなかったのと、しばらくはゾフィア・ヤッフェとショスタコービッチの余韻に浸っていたかったからだ。

彼女、まだCDとか出ていないみたいだけど、楽しみが一つ増えた。ちなみにプログラムの内容は以下の通り。

ゾフィア・ヤッフェ ( 第3位 / ドイツ )
1. バイオリン協奏曲 第1番 イ短調 作品77 ショスタコーヴィチ作曲
[ アンコール ]
2. 無伴奏バイオリン・ソナタ 作品31第2 ヒンデミット作曲
 
ヨシフ・イワノフ ( 第2位 / ベルギー )
3. バイオリン協奏曲 ニ短調 作品47 シベリウス作曲
[ アンコール ]
4. 無伴奏バイオリン・ソナタ 第5番 イザイ作曲
 
セルゲイ・ハチャトゥリヤン ( 第1位 / アルメニア )
5. バイオリン協奏曲 ニ長調 作品61 ベートーベン作曲
[ アンコール ]
6. 無伴奏バイオリン・ソナタ 第2番 イ短調 BWV1003 から
   第3曲「アンダンテ」
バッハ作曲


管弦楽 リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団
指 揮 ルイ・ラングレー

[ 収録: 2005年6月, パレ・デ・ボーザール 大ホール (ブリュッセル) ]

March 6, 2006 in Music, Television | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Friday, March 03, 2006

【農水省が「日本向け牛肉輸出証明プログラムに関する調査結果・対策報告書」の日本語訳を公表】

■米国農務省の「日本向け牛肉輸出証明プログラムに関する調査結果・対策報告書」の日本語訳(仮訳)の公表について(農林水産省

アメリカが2月17日に出してきたBSE対策の報告書(=言い訳)の日本語訳がリリースされた。原本のPDFは全部で66ページもある。

YOMIURI ONLINE> 米国産牛肉にBSE(牛海綿状脳症)対策で除去が義務づけられている脊柱(せきちゅう=背骨)が混入した問題で、農林水産省は3日、米農務省が今月17日に公表した再発防止策などをまとめた報告書の日本語訳を公表した。

 報告書は、背骨付き牛肉が混入した理由について、「検査官が日本向け輸出プログラムを理解し、適正な証明を確保するための特定の管理方法を確立しておらず、特定の監視体制をおいていなかった」ためと指摘した。しかし、今回のケースはあくまで例外だとして、「米国の輸出制度の全体にかかわる不備を示唆していない」とも強調し、検査官の研修プログラムの強化などを柱とした再発防止策によって、再発を防げると結論付けている。研修の強化は一部で始まっている。

 これに対し、日本側には「米国の輸出体制は構造的な問題を抱えているのではないか」(農水省幹部)との不信感が根強い。

 農水省は、報告書の詳細な分析を進め、米側と輸入再開に向けた検討を進めるが、政府内には「米国が誠意ある回答を示さないと、事前査察を認められても輸入再開の検討は当分できない」と慎重な対応を求める声も強く、輸入再開の時期は依然不透明だ。

アメリカはあくまでも「自分のとこの肉は元々安全なのだ」というスタンスを崩していないわけで、日本の禁輸再開の影響で倒産した企業もいくつか出だしたというから、アメリカはこの報告書を以って日本に対する輸入再開の政治的圧力を激しくかけてくるに違いない。

アメリカ人のBSE認知度は全人口の15%程度という調査結果もあるらしい。アメリカには「食品悪評禁止法(Food-Disparagement Law)」ていう法律があって、19997年にはそれを根拠にしたオプラ・ウィンフリーの訴訟沙汰なんかも起きて、要するにメディアにとって狂牛病はタブーだから報道はしてない。

だから一般のアメリカ人はBSEのことを知らないし、怖いという意識すらない。いくら日本が管理を厳しくしろと言ったって、もしまともに対応したら自ら危険性を認めることに成るから、ほぼ絶望的だと思うけどね。

March 3, 2006 in Business, Ecology, Economy, Food and Drink, Politics, Science | Permalink | Comments (2) | TrackBack

Wednesday, March 01, 2006

【JAMのゲストに松武秀樹さんが登場】

Jam_20060228_matsutake ■2月28日に放送したJAM THE WORLDのゲストは、4人目のYMOこと、伝説のシンセサイザー・プログラマーの松武秀樹さんだ。

松武さんとは、ほぼ9年ぶりぐらいの再会で、最後にお目にかかったのは1996~7年にかけて、僕は当時リットーミュージックの佐々木会長と一緒にMUSIC.CO.JP(現、MUSIC.JP)という世界でも初めての音楽のダウンロード配信事業会社を立ち上げていたんだけど、松武さんには取締役として経営に参加していただき、一緒に苦労した間柄だ。(今でこそ当たり前のダウンロード・ミュージックだけど、当時は早過ぎて抵抗勢力も手強かったし、周囲からは“ドンキホーテ”呼ばわりされたりした。でもだからこそ面白かったんだけどね。)

松武さんは、どちらかというと“MUSICIAN'S MUSICIAN”という方で、一体何が伝説か知らない方も居るかもしれないが、彼が最も知られているのはYMOでの音作りだ。

まだMIDIなんて便利なものが無い頃のこと。「必要だったら作っちゃう」勢いで世界初のサンプリング・マシンなんかも自前で作ってしまい、まさに驚異的で革新的なトーンと音響を生み出していた。(そういう意味で個人的には「B.G.M.」と「TECHNODELIC」が大好き)

米国や欧州ツアーでは、温度でコンディションが変化するアナログ・シンセを相手に、リアルタイムで音色を合成し、楽譜データを打ち込むなんていう離れ業をやってのけたのも彼だ。実際、YMOの音作りは松武さんが居なかったら成立しなかったといっても過言ではない。

そんな松武さんにゲストに来てもらったのは、他でもない例の「PSE法」について、坂本隆一さんなんかと共に反対を表明する立場から、この法律の問題点について語ってもらおうということだったんだけど、番組には坂本さんから意見表明のコメントをもらっていたり・・・。勢いかけた曲も「ライディーン」と「ビハインド・ザ・マスク」だったりして、もうすっかりYMO一色のコーナーと成りました。(いやぁ、久しぶりに聞いたけど、やっぱり良い音してるよね~!)

松武さんが会長を務めていらっしゃる「日本シンセサイザー・プログラマー協会」のサイトで展開している反対の署名運動(僕も参加した)には、昨日夕刻の時点で4万8000人の署名が集まったという。

いずれこの署名を以って、経済産業省に対して正式な意見書を提出することに成るそうだけれど、経済産業省も「ゼッタイに法律は修正しない。」なんて意地を張らずに、法律の運用については、弾力的に、そして柔軟に対応してもらいたいと思う。

参考リンク: 「経済産業省・経過措置の終了に伴う電気用品の取り扱いに関して

        「電気用品安全法(PSE法)に対する署名

March 1, 2006 in Business, Current Affairs, Ecology, Economy, Music, Politics, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack