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Tuesday, May 23, 2006

【ロバート・レッドフォードとSir リチャード・ブランソンの共通項は代替エネルギー】

■週末にCNNを観ていたら、ラリー・キング・ライブにロバート・レッドフォードとヴァージン・グループの総帥Sir リチャード・ブランソンが出演していた。(CNN.COM

この二人が出ているということは、てっきりエンタメ系のネタかと思いきや、この日のテーマはなんと「アメリカの石油中毒」である。

不勉強で知らなかったのだが、ロバート・レッドフォードは熱心な環境活動家で、最近は「E85」という、エタノールが85%含まれた混合ガソリンの普及キャンペーンをサポートしているそうだ。

詳しくは、「E85」の有効性をアピールするサイト「KICK THE OIL HABIT」に載っている。

このキャンペーン・コピーは、今年の年頭に行われたブッシュ大統領の一般教書演説での「アメリカは石油中毒なのです(America is addicted to oil)」という発言に呼応して、”石油中毒を止めよう”とアピールしているわけだ。

番組の冒頭に登場したレッドフォード氏の主張は、同じく番組にゲスト出演しているアメリカで二番目に大きいエネルギー総合企業でオイル・メジャーの雄、シェブロンのオライリー会長兼CEOを向こうにまわして、なかなか説得力のあるものだった。(それにしても、レッドフォード氏はずいぶんと老け込んだ感じがする。よ~く見ないと彼とは分からなかったほどで、ちょっとビックリ。)

ところでCNNは、ブッシュ政権のエネルギー担当相や、オイル・メジャーのCEO達にも出席を依頼したそうだけど、なんとこのオライリー氏以外は全員出演拒否したらしい。

とりあえず生放送での集中砲火を避けたかったのだろう。そういう意味では、批判を承知の上で出席したオライリー氏は案外好印象だった。

By the way, we invited Energy Secretary Samuel Bodman to take part in tonight's program. He declined. We also asked the CEO's of Exxon, Mobil, Conoco, Phillips, BP, and Shell to participate in a roundtable discussion. They declined.

We're going to meet David O'Reilly, the Chairman and CEO of Chevron, who did not decline.

このサイトで配信されているビデオ・クリップも、なかなか良く出来ていて、果たしてこの制作にレッドフォードが関わっているかどうか分からないけれど、なんかそんな雰囲気がしなくもない。(BGMに聞き覚えが・・・)

クリップの裏づけとなるデータ類の資料も豊富で、とても参考になる。

ようするにこの「E85」は、トウモロコシなどの穀物から作られるエタノール燃料で、ガソリンより安価で、クリーンで、しかもアメリカ国内でも大量生産が可能であり、中東などの不安定な地域の原油に依存する状態から脱却できるので、アメリカの安全保障上も有利であるという主張。非常にもっともだ。

そしてもう一つの主張は、オイル・メジャーは今の原油高を利用して儲けすぎているという点。そしてこれは、ブッシュ政権が石油業界と結託して、わざとまともなエネルギー政策を打ち出さずに来たからだという部分。

別にブッシュ政権に限らないとは思うけど、ブッシュが大統領に就任した頃のガソリンの平均的な小売価格が、$1.46だったのに、今やこれが$4.00を超えようという状況だから、どうしても目立つわけだ。

なんせOPEC最大の産油国はサウジ・アラビアで、今のところアメリカとサウジの石油王族との関係は良好のようだけど、第二位がイラン、第三位がイラクということで、イラクの状況は相変わらず好転しそうもないし、さらに加えてイランの核開発疑惑や終わりそうもないイスラエル/パレスチナ間の紛争なんかで、この地域の不安定要因はしばらく消えそうもない。

おまけに、去年のカトリーナなんかの影響で、メキシコ湾岸地域の製油施設が壊滅的な打撃を受けながら、未だに完全に復興していないから、アメリカの石油精製能力は落ちたままだ。

そもそも原油価格の高騰自体、キッカケは投機マネーだったかもしれないけれど、石油を取り巻く状況が複合的に悪すぎて将来的に下がる要因はないといわれている。

シェブロンのオライリー会長も、かつてのガソリン1ガロンあたり1ドル、原油1バレルあたり20ドルというレベルに戻ることはないだろうと認めている。

KING: Do you see it going down?

O'REILLY: I'm afraid -- I'm concerned. I think first of all we're not going back down to $1 a barrel -- I mean $1 a gallon gasoline or $20 a barrel oil.

そんな状況下でオイル・メジャー各社は、例えばExxonMobileの場合、この1年で全ての法人によって作られた記録を塗り替えた360億ドルという、途方もなく巨額の利益を上げ、ExxonMobileのレイモンドCEOは4億ドルという法外な退職金を得ている

ExxonMobil broke their own record (set at $25 billion in 2004) for the highest profits ever recorded by a corporation with a $36 billion and paid their retiring CEO Lee Raymond $400 million.

そりゃ4兆円も儲ければ440億円ぐらいもらたって、どうってことはないのかもしれない。

しかし番組では、キング氏がこの莫大な利益について、そしてその結果各社のCEO達が受け取っている、他の業界全てと比べても異常なほど高額な報酬について、かなり突っ込んだ議論が交わされていた。

「ところで、このガソリンの販売価格の内、あなた達はいったいいくら利益を取ってるの?」なんていう、生々しい質問が飛ぶ。

ちなみに精油会社が得ている利益は、かつては1ガロンあたり28セント程度だったそうだが、現在は1ドル近くに成っているという。そりゃ儲からないわけがない。

In September of 2004, refiners collected an average of $0.28 per gallon, but by the end of 2005, they were collecting nearly $1. (Source: Justin Blum, Gas Profit Guzzlers, The Washington Post, September 25, 2005, available here.)

番組では、この点についてオライリー会長は、「1ガロンあたりの我々の儲けは5セント程度ですよ。しかも我々は莫大な税金(全収益の48%)を納めていますから、純利益は本当に少ない。」なんていい訳をしていたが、退職金の話しになると完全にはぐらかしていた。まぁ他の会社のことだし、説明できるわけがないのかも。

KING: But the public when it sees, I forget what oil company some cheese, CEO retires and gets $400 million that looks bad. It looks bad.

O'REILLY: Yes, but I -- well it certainly can raise -- I can understand why it would raise questions. You know the public sees these high prices and I empathize with them because we've certainly seen an increase in gasoline prices in the last few years.

上記のサイト「KICK THE OIL HABIT」によれば、例えばエクソンのレイモンドCEOの報酬は一日あたり$191,000!つまり日当約2100万円・・・。

平均的なアメリカ人の一日あたりの報酬は122ドル=約1万3000円だそうだから、実に1565倍にもなる。

いくらなんでもこういう実態を知ると、さすがに「何かオカシイ。」と思うのが当たり前だ。

というか、もしかしたらガソリンの価格が高騰して初めてこんなこと気がついちゃったという感じか。ブッシュの二期目の選挙の時に気がつけば良かったのにね。しかし「時、既に遅し」・・・。

さて、ロバート・レッドフォード氏と同様、代替エネルギー推進派として登場したのが、ヴァージン・グループのSirリチャード・ブランソン会長だ。

ブランソン氏はヴァージン航空の経営者という立場から、最近の航空燃料の高騰には相当神経質になっているという。

ブランソン氏は、「このまま放っておけば、原油価格はいずれ1バレルあたり$100~200に成ることも在り得る。それがキッカケで世界経済が停滞し大不況に成る。」とCNBCのニュース番組で発言している。

"If we don't start now to get more refineries built then fuel prices could literally rocket to $100-$200 (per barrel of oil) and the world economy would come to a grinding halt,"

その為ヴァージンとしては、現在企業防衛という観点から、投資可能な資金を全てエタノールの精製工場の建設や、風力発電、太陽エネルギーなどあらゆる代替エネルギー関連に投資しているという。

So from Virgin's point of view, all of our spare money is being put into building ethanol plants, wind farms, looking at solar heating and just trying to do everything we can to create an alternative energy source. And it's also good business sense.

またブランソン氏は地球温暖化と絶滅危惧種の問題についても言及している。

KING: Sir Richard, are we on the right road?

BRANSON: We're beginning to be, but we're already I suspect too late for about 20 to 30 percent of the species on the amount of CO2 that's up there. And we can't do anything about. We've left it too late for something like 20 or 30 percent of the species. We have got to tackle head on issues like gas stations. They are the most damaging thing on earth, and China and India and America and Britain are building many more. They shouldn't be allowed to build them.

I think the global community has just got to rally around to prioritize and make sure, you know, that we get on top of the CO2 emission situation fast in order to save the 17 or 18 percent of species that are still there and have a chance to be saved.

さらにブランソン氏は、本当に必要なのは『セルロース・エタノール』の開発だという。

何故なら、穀物由来のエタノールは供給能力に限りがあり、仮にアメリカ国内に200とか300とかのエタノール工場が出来ると、その需要を満たすために本来は食料となる分までエタノール生成に回さなければならなくなるからだという。

KING: Sir Branson, what are you doing with regard to your methods of delivery of energy?

BRANSON: Well I think ethanol has got a limited amount of supply. By the time you say build another 200 or 300 ethanol plants in America, you're going to be starting to eat into the food supply and therefore people are not going to want to use food for ethanol.

彼が推奨するセルロース・エタノールは従来焼却処分されていた廃棄物を酵素で分解して生成するもので、原料となる廃棄物は需要を満たすだけの充分な量があるという。

What we need is something called cellulose ethanol, which is basically enzymes which will break down the waste products in the fields that currently gets burnt off. And there's enough waste product in the world to replace our energy needs completely.

しかもセルロース・エタノールは環境にも100%フレンドリーということで、良いことずくめなのだが、現在は生成するためのコストが高過ぎるので、政府の補助と投資によって、このエネルギー生成の鍵となる酵素を大量生産できるようにする必要があると強調している。

The great thing about cellulose ethanol is that it's 100 percent environmental friendly. But what cellulose ethanol needs is government support, because at the moment it's more expensive to produce and it needs a lot of investment by government in getting the enzymes right so that it can be produced. If it can be produced, I think that is the exciting future and hopefully in the next handful of years, there will be big break throughs with the enzymes.

意外なことに、シェブロンのオライリー会長もこれに同調して、「それは本当の話だ。セルロース・エタノールは“聖杯”のようなもので、もしセルロースのコードを解くことが出来れば、ダヴィンチ・コードどころの騒ぎではない。」という。

O'REILLY: Larry, if I could jump in, it is true, cellulose ethanol is almost like the holy grail. If it works, it changes the game. So I'd say if you can crack the cellulosic code, that will be an even bigger deal than "The Da Vinci Code."

とにかく地球で産出される原油の25%を消費するエネルギー浪費大国のアメリカ。ブッシュがいうまでもなく、アメリカは正真正銘の石油中毒国家なのだ。

今までは安いガソリンをハマーH1みたいな異常に燃費の悪い車(1.7km/リッター)でガンガン燃やしても平気だった、というか、そういう無駄や浪費こそがある意味で贅沢なライフスタイルの象徴だったのだろうけれど、もうそういう訳には行かないということだ。

 【ニューヨーク5月13日共同】米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)が、米軍用車を基に開発した「オフロードの王」と呼ばれる大型車「ハマーH1」の生産停止を計画していることが十三日明らかになった。同日付の米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。

 ガソリン価格の高騰で燃費の悪い同車種の販売が落ち込んでいたのが背景とみられるが、同紙によると、GM側は生産停止はガソリン相場と関係なく、新しいモデルを開発するためとしている。

 H1は地面から車体の底までの高さが四十センチ以上あり、砂漠や岩山などを自由に走れるオフロードカーとして人気が上昇、カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事ら有名人が所有している。しかし二○○○年に八百七十五台あった販売台数は、原油価格が上昇し始めた○五年に三百七十四台と半分以下に落ち込んだ。

止まらないブッシュの支持率低下(29%)と不支持率の最高記録の更新(65%)は、実はガソリン・スタンドの売価の上昇とシンクロしているようにみえるけど、果たしてこれがキッカケに成って少しは地球に優しい国家にシフト出来るのだろうか?

温暖化問題については、このラリー・キング・ライブでも言及されていた、アル・ゴア元副大統領主演のドキュメンタリー映画「An Inconvenient Truth」の主要テーマでもある。

ちなみにゴア氏は先日カンヌ映画祭に登場して話題を呼んだばかりだが、現地でこの作品を鑑賞した映画評論家の斉藤敦子さんは、昨夜のJAM THE WORLDで電話取材に答えて、「映画としてかなり良い出来。これを観ると、もう“THE DAY AFTER TOMORROW”みないな状況は現実に成り始めていることが分かって、少しでも環境に良いことをしなければと切実に思う。」とのこと。

もしかしたら、6ヵ月後の中間選挙の方向性を占う上で、案外この『環境問題』が重要な争点に成るかもしれない。

アメリカの政策が変われば、当然日本にも何らかの影響があるわけで、ここでの議論はむしろエネルギー依存度が極端に高い日本でこそ行われるべきだと思う。

アメリカでは現在、ガソリンから再生可能燃料へ移行するガソリンスタンドのオーナーに対し、最大3万ドルのインセンティブ(奨励金)を与える「2006年代替エネルギー燃料補給システム法案」の上程が計画されて、再生可能なエネルギーへの移行が本格的に検討されているという。

フォード副社長、再生可能燃料の普及に法制化を訴え

フォード・モーター・カンパニーの環境および安全技術担当であるスー・シスキー副社長が米国連邦議会に出席し、ガソリンから再生可能燃料へ移行するガソリンスタンドのオーナーに対し、最大3万ドルのインセンティブ(奨励金)を与える法案の立法化の重要性を訴えた。
 
シスキー副社長は、法案の共同提案者であるジョン・スーン議員、ケン・サラザー議員、ジム・タレント議員ら上院議員と議会に出席し、「必要なインセンティブを与えるというこの革新的な法案は、米国内におけるインフラの拡充や再生可能燃料の利用促進に役立つものと確信している。米国民に対して、再生可能燃料をいつでも補給できるという安心感をもたらすだけでなく、米国の輸入原油の依存も低下する」と語った。

この2006年代替エネルギー燃料補給システム法案は、多くの消費者が、エタノールや圧縮天然ガス、バイオディーゼルなどの、よりクリーンで再生可能な燃料を選択できるようにするもので、結果的に米国の輸入原油の依存低下にもつながる。

シスキー副社長は、フォードが2006年末までに2万台のエタノール燃料車やFFVを発売する予定を明かにした上で、「現在、E85燃料を扱うガソリンスタンドは600店舗しかなく、この30倍は必要。今の状況下では、我々が再生可能燃料で駆動する車を生産しても半分の意味しか成さない」と述べた。その上で「この法案が採択されれば、E85をはじめとする再生可能燃料のさらなる開発、普及が期待でき、石油精製業者も事業的に採算がとれる」と法制化に期待を示した。

May 23, 2006 in Ecology, Economy, IRAN, IRAQ, Media, Politics, Science | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Friday, May 19, 2006

【“姿勢性症候群”に気をつけましょう!】

■エコノミー症候群より深刻かもしれない、「姿勢性症候群」という病気

うっかりすると2時間でも3時間でも同じ姿勢でパソコンに向かっている人の脊椎や頚椎、胸椎などに、実は深刻な影響が出ているのだというこのCNETの記事。思わずゾッとしてしまった。

 姿勢性症候群は、屈曲した前傾姿勢を取り続けた結果、首と胸椎(中背部から腰部におよぶ12個の脊椎)に継続的な力が加わって起こる疾患だ。医師や理学療法士によると、この疾患は一般的に第四、第五、第六胸椎の間にある椎間板に対して起こり、筋肉の圧痛や硬直、場合によっては神経過敏などを伴うという。

 1日中PCに向かってマウスやキーボードを繰り返し操作していると、手首の弱化やテニス肘、最悪のケースでは手根管症候群を発症する。しかし一部の理学療法士は、こうした症状を訴える患者は、のちに上背部や首の痛みを感じるようになる場合が多いと指摘している。

 サンフランシスコにあるStone Clinicの理学療法士Caroline Palmer氏は、「われわれは、首がS字状に曲げられて腹部が圧迫され、中背部に大きな圧力が加わるこうした姿勢を、屈曲前傾姿勢と呼んでいる。この姿勢を続けると、脊椎に何らかのゆがみが生じることになる」と話した。

 第四胸椎に一点集中的に力がかかると、背中や腕の神経が麻痺し、上背部および腰背部に痛みが拡散して、一部では「第四胸椎症候群」と呼ばれる症状が起こる。

ということで、どれもこれも何だか思い当たる。慢性的な肩こりや腰痛はもちろん、ひどい時には手の痺れにも悩まされることがある。でようするに、

人間の体は1日中同じ姿勢で座ったり仕事をしたりするようにはできておらず、コンピュータに向かって長時間作業をしていれば、おのずと身体機能に障害が発生するというのである。

とまぁ云われてみれば当たり前のことなんだけど・・・。そこで対策としては、

できれば20分ごとにコンピュータの前から離れて、短い休憩を取るのがよい。 「ほんの短い休憩でもかまわない。同じ姿勢を取り続ける習慣をなくすことが重要なのだ」

う~ん、とりあえず20分ごとにアラームが鳴るようにしておくか・・・。

と思っていたら、この記事の最後の方にそれらしいソフトウエアが紹介されているではないか。“RSIGuard”という、要するにリマインダー・ソフトなんだけど、PCの使用状況にあわせて正しい姿勢を意識させたり、簡単なストレッチ方法を教えるソフトのようだ。

例えばこんな感じだろうか。

「野中さん、仕事のしすぎですよ~。そろそろ休憩しましょうね~。」

「野中さん、背中が曲がってませんか~?」

「野中さん、マウスをクリックしすぎです~。」

「野中さん、もういい加減寝たほうが良いですよ~。」とか・・・?

designed to be as unintrusive as possible ”って、「出来るだけお邪魔に成らないように設計されています。」っていうけど、そんなことまでPCにいちいち云われたら、かえってストレスに成っちゃうんじゃない?

May 19, 2006 in Science, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, May 17, 2006

【JAMのゲストに菊池武夫さんが登場】

■昨日放送したJAM THE WORLDのゲストはファッション・デザイナーの大御所、クールビズの仕掛け人でもある菊池武夫さん

Kikuchijam20060517_1

菊池さんとは、かれこれ2年ぶりの再会。相変わらずいつお会いしてもカッコ良い。

僕も出来ることなら、菊池さんのように歳を重ねたいと思う、憧れの大先輩である。

世の中的にはアンチエイジングがトレンドだけれども、菊池さんを見ていると「歳を取るのも悪くないなぁ。」な~んて思えてくる。

「菊池さんというと“元祖、チョイワルオヤジ”ですよね!」なんていうと怒られるかと思ったら、案外御本人も「そうそう・・、僕なんかほんとにそういうイメージだから。」と笑って肯定していらっしゃった。

個人的な話になるけれど、菊池さんとの御縁は10年以上前に遡る。

94年の秋冬コレクションだったと思うけど、友人のスーパー・スタイリスト大久保篤志氏のキャスティングで、恐れ多くも“モデル”としてショーに出演させてもらったのが最初の御縁だった。

今となっては想像もつかないけれど、当時の僕は胸まで伸ばしたストレートなロング・ヘア。体重は今より10キロは軽くて、どちらかというとスキニーな方だった。まぁ、ウェスト周りはビール好きがバレバレだったけどね・・・。

僕が担当したのはレザーのバイカー・ジャケットとパンツを2ポーズだったと思うけど、ミュージシャンとしてステージに立つのとはかなり勝手が違って、なんせ初めての体験だったし、ステージ裏の慌しさに圧倒されて、何処をどう歩いたのか、一応ポージング(といっても立ち止まった程度だが)も決めてはみたけれど、果たしてどんな風に見えていたのやら・・・。

そして菊池さんとはその翌年に、今度は'96秋冬コレクションのショーのプロデューサーという立場で約6ヶ月間御一緒させていただいた。

ショーといっても、ただのショーじゃない。「ABSOLUTE MEDIA MIX」というサブタイトルを付けたこのショーは、当時はまだ走りだったインターネットとステージを連動させるという試み。

実際にネット上でコレクションを発表するという試みは、当時アメリカでオンラインのショーが話題に成った『VICTRIA'S SECRET』と同時期かそれよりも少し早かったので、いわゆる“世界初”に近かったのではないかと思う。

ショーの為に公式サイトを立ち上げてコレクションの製作過程を見せたり、当時としては最先端の3DCGやヴァーチャル・リアリティを使用して、ステージ上には巨大モニターやディスプレーを壁状に配置して、その前を歩くモデルが着ているのと同じスタイル、but色違いやパターン違いという組み合わせをCGで出力し、リアルなモデルとヴァーチャルなモデルがステージ上で共演する、という凝った演出だった。

これも元々は菊池さんの「単に服を見せるだけじゃなくて、WEBを使ったり先端的な映像技術を使ってあらゆる角度からコレクションを表現したい。デジタル時代の都市景観を背景に服を見せたい。」というアイデアがあって、僕の役割はそれを具現化するというものだった。

とにかくBGMと映像と、モデルの出入りをリアルタイムでシンクロさせる必要があったので、タイムコードに基づいてほとんど秒単位の進行だった。

モデルのコントロールについては大ベテランの四方義郎さんにお任せしたのだけど、通常は秒単位で進行するなんてことは在り得ないから、モデルの着替えも時間内にやらなきゃいけないということで、もう本当に大変だったらしい。

しかもそれだけじゃなくて、着替え終わったモデルが出待ちしているところをブルーバックにしてクロマキーでCGと合成して出すとか、さらに3人のカメラマンがスロースピード・シャッターに設定したハンディーでモデルを追っかける映像をライブでミックスして演出したり、今考えると正気の沙汰ではない。

映像のディレクションは、パイオニアのレーザーアクティブのプロジェクトでも一緒に仕事をしたビデオ・アーティストの川口真央氏に担当してもらったんだけど、映像のソースだけども数十本はあったと思う。ほとんど作業的にはテレビの生放送に近いものだった。

今でこそ同じような演出をしたショーは時々見かけるけど、当時はまだ誰もやっていなかったので、自分でいうのもなんだけど相当革新的だったし、冒険的だったと思う。

おそらく普通のコレクションをやるよりも多くのコストと時間をかけた、そんなプロジェクトが可能だったのも、これも一重に菊池さんの遊び心というか、「こんなことが出来ないだろうか?」という旺盛な好奇心が原動力に成っていたからだ。

イベントのプロデュースという仕事は結構好きだけれど、このプロジェクトは個人的に最も楽しむことが出来たものの一つだし、菊池さんのコレクションが出来上がっていく製作過程に最初から最後まで立ち会うことが出来たという意味で、菊池さんの仕事に対するスタンスやこだわりを実感することが出来て、大変貴重な体験だった。

久しぶりにお会いした菊池さんは相変わらずエネルギッシュで、もしかしたら10年前よりもパワーアップしてるのかなと思うぐらい。

2003年にTAKEO KIKUCHIブランドのディレクションを後進に委ねて、今は『40ct & 525』という新しいブランドで自分の本当に好きなことをやっていらっしゃるからだろうか、非常にハッピーなオーラを感じた。

ところでこの『40ct & 525』(フォーティカラッツ・アンド・ファイブハンドレッド・トゥウッェンティファイブ、またはゴーニーゴと読む。ちなみに“525”という数字は菊池さんの誕生日である5月25日から来ているそうだ)は、菊池さんがTAKEO KIKUCHIでは、やりたくてもやれなかったことを表現したというラインアップで、満を持して昨年の10月に青山にオープンしたお店も本当に素晴らしい雰囲気の素敵なショップだ。(MAP

TAKEO KIKUCHIが20~30代の男性に向けたブランドだとすると、この『40カラッツ』は40~50代の世代に向けて、“最高の贅沢を日常に”というコンセプトで展開しているとのこと。

そういわれてみると、僕はこのゾーンにピッタリとはまる。

とくかく菊池さん自身が年に4回ヨーロッパへ買い付けに行って、本当に自分が欲しいと思うアイテムをセレクトして持ってくるという、まさにデザイナー菊池武夫による菊池武夫のためのセレクト・ショップという趣向。いってみれば“100%菊池武夫ワールド”なわけだ。

もちろんオリジナルのアイテムも含めてカジュアルからドレスまで、そしてレディースも含めて(これは菊池さんの理想の女性に着てもらいたいという、品が良くてセクシーなセレクション)ラインアップされているんだけど、セレクト・ショップとしては本当にコンセプトというか、テイストが一貫していて、多分どのアイテムを組み合わせても調和してしまうのではないかという感じ。

そこはやはり菊池さんのデザイナーとしての感性フィルターを通じて選ばれたアイテムだからだろうと思うけれど、素材や小物のディテールに至るセンスの良さが嫌味なく伝わってくる。

これでもかというギラギラした贅沢さではなくて、モノとしての質の高さというか、モノに対する愛着というか、そういう意味では巷のトレンドに左右されない本物のクオリティ志向のセレクションだ。

菊池さんのライフスタイル全般に対するポリシーが店全体で表現されているわけで、そこらへんにとってもパーソナルな気配を感じる。

実際、菊池さんもちょくちょくお店に顔を出すそうだから、ショッピングしてたらひょっこり御本人に遭遇ということもあるかもしれない。

デザイナーとユーザーの関係としては、より親密でダイレクトなやり取りになるわけで、これはやっぱりかなりの贅沢といって良いでしょう。

さて、肝心のインタビューでは、菊池さんが実は小池百合子環境大臣からの依頼で、例の“クールビズ”や“ウォームビズ”の打ち出しに深く関わっていたことや、今年のクールビスのポイントなどを伺ったんだけど、もう一つのポイントとして、今の日本の政治に対する思いや、ポスト小泉は誰が良いと思うか?なんて質問もしてみた。

菊池さんは、ご本人としてあんまり表には出されないかもしれないし、政治家に成るつもりも全くないそうだけれど、日頃から本当に日本のことを憂いていて、そういう意味で政治的な関心も意識も非常に高い。

普段から周りの若いスタッフにも、選挙に行く事の重要さや政治的な関心を持つ事の大切さを説かれているという話を聞いたことがあるけれど、そんな菊池さんに「ポスト小泉は誰が良いと思うか?」と訊いたところ、意外なことに「民主党の河村さんが良いと思う。」という。

それは何でかというと、「彼は多分現役の政治家で唯一『自分達は公僕だ』ということをハッキリ言っている。自分達は税金で食べさせてもらっています、国民のシモベですという意識を持っている数少ない政治家だ。」

「今の政治家や官僚にはこの意識が本当に欠けている。自分達が誰の為に仕事をしているのか、本来の意味が分かっていないから、税金や年金を平気で湯水のように無駄遣いしても平気なのではないか。」

「年に一度、我々は税金を納めるけれど、私は年に一度ぐらい、政治家や公務員が全員で“税金を納めていただいてありがとうございます。”と国民に対して御礼をいうぐらいのことはやったらどうかと思う。」

「そういう姿勢がなければ、今後も日本の政治の流れは変わらないのじゃないかと思うんですよ。」とおっしゃっていた。

なるほど確かにそうだ。ちょっと引き気味にこの国を俯瞰すると、お上やお上に仕える城内の人々と、城下や城外に住まう我々一般人との格差。年貢を納める人とそれを使う人という構造自体は、江戸時代からそう変わっていない。

「税金の使い道について、もっと国民は関心を持つべきだ。」というのは、以前この番組に出演いただいた軍事アナリストの小川和久さんのコメントだったけど、期せずして菊池さんからも同じ視点からの発言に成った。

小川さんは小泉さんの側近として、そして菊池さんも小池大臣に対するアドバイザーとして、直接的に現政権に関わりのある立場なわけだけど、そのお二人がそれぞれ異なる角度からにしても、税金をキーワードに「国民はもっと税金の使われ方に関心を持つべきだ。」とおっしゃているのは興味深い。

そうしないと、いつまでたっても賢い民主主義、成熟した民主国家にはならないということだろう。

今国会では憲法改正議論に伴って、国民投票の是非が問われているけれど、スイスのような直接民主制度を取り入れるのは無理だとしても、我々が直接政治のプロセスに関与する機会が増えることは間違いなく良いことだと思う反面、愚民政治やGHQの3S政策ですっかり洗脳されてしまった一般大衆に重要な決定権を与えるとすれば、前提条件として小川さんや菊池さんのいうような意識改革がなければ、結局ポピュリズムに引っ張られる形で政治が行われることを防げなくなるのではないか、という懸念もある。

そんなことを考えさせられるインタビューだった。

菊池さんとは時々しか会わないけれど、会えば必ずスゴク刺激を受けるしエネルギーをもらえる。

やはりタダモノデハナイ。Respect!

May 17, 2006 in Design, Ecology, Fashion, Media, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, May 10, 2006

【“Dark Side of the Moon”が再演されるらしい】

■でも演奏するのはPink Floydじゃなくてロジャー・ウォータズ

CNN.COMの記事によると、ロジャー・ウォーターズは今年の秋に行う18箇所の北米ツアーで、『Dark Side of the Moon』をフルサイズで再演するそうだ。

Former Pink Floyd frontman Roger Waters, who will perform the entire "Dark Side of the Moon" album on his 18-city North American solo tour this fall, talked with Billboard about the album.

CoverdarkPink FloydといえばDark Side of the Moon。Dark Side of the MonnといえばPink Floydといっても良い、彼らの代表作にして最高傑作。

1973年3月17日の初登場以来、1988年の7月までBillboardのTop200に連続736週チャートイン。その後再度チャートインした分と、Top Pop Catalog Album Chartでの759週間を合計すると、なんと1500週間もチャートに居座り続けたという驚異的な記録を持つまさにモンスター・アルバム。

単にピンクフロイドの代表作というだけでなく、1970年代の音楽シーンやポップ・カルチャーにおける金字塔といっても良いマイルストーン的作品だ。

当時まだ中学生だった僕は、初めてレコードに針を落とした瞬間から激しくはまってしまい、それからというもの、家人の迷惑も顧みず、連日大音響で何度も何度も繰り返し聴いた覚えがある。

今でも2年に一度ぐらいの感じで、時々思い出したように再生するけれど、このアルバムは聴き流すということが不可能な作品なので、どうしても時と場所とシチュエーションを選んでしまう。

そのDark Sideをロジャー・ウォーターズがソロ・ツアーで再演するという話なんだけど、ちょっと複雑な気分。

去年の夏に行われたLIVE 8で、実現不可能といわれたリユニオンを果たしたピンクフロイド、というかギルモアとウォーターズの二人。しかし長年に渡る確執を超えて実現した再会はやっぱり大方の予想通りワンショットだったようだ。

22年ぶりのソロアルバム『ON AN ISLAND』をリリースしたばかりのギルモアは、最近のインタビューでフロイドを過去のものとして再結成どころか今後の活動も完全に否定しているけれど、彼はこのニュースを聞いてどう思うのだろう?

フロイドの詩における哲学的・思想的な世界はウォータズが、そして音楽的な世界は主にギルモアが担っていたというのが通説になっていて、その後の経緯や作品を見ると、それは確かにそうなのだろうと思う。

でも二人ともそれぞれに「俺様こそがピンクフロイドだ。」と思っているのは間違いない。

実際、ギルモアは最初にLIVE 8 への出演要請があった際には、ソロアルバムのレコーディング中ということもあって断ったらしい。結局はウォーターズから直接電話で説得されて出演に至ったわけだけれど、彼がウォーターズとの再会に積極的だったとはとても思えない。(たぶん、本当に嫌いなんだと思う。)

ウォーターズが脱退して以来、フロイドを存続させてきたギルモアは現ピンクフロイドのリーダーという立場で、ライブではウォーターズ抜きでDark Side~やWish You Were Hereの曲を演奏してきた。

そういう意味では、これはウォーターズによるギルモアへのリベンジ、ないしは回答ということなのだろうか?

CNNの記事自体のネタ元はBillboardによるウォーターズのインタビューで、CNNでは一部割愛されているので両方を読み合わせる必要があるけれど、興味深いのはこの再演のキッカケだ。

なんとそれは、今年の7月15日にフランスで開催されるFormula 1のプレイベントとして行われるのだ。

どうやら大会の関係者がイベントのアイデアとして「ピンクフロイドにダーク・サイド・オブ・ザ・ムーンを演ってもらったりして?」と提案してみたところ、「いくらなんでもフロイドは受けてくれるわけないじゃん!でも、もしかしたらロジャー・ウォータズなら・・・?」ということで、巡り巡ってオファーを受けたウォータズは「それって案外良いアイデアかも!」ということになり、実現に至ったんだそうだ。

Q: You’ve said that you will play "Dark Side of the Moon" in its entirety on your upcoming tour. How did that come about?

A: It was a request from Formula I in France. They wanted a big event to go on July 14, which is the day before the French Grand Prix at Magny-Cours, it’s about 100 kilometers south of Paris, and somebody in the organization rather fancifully suggested Pink Floyd playing "Dark Side of the Moon," and somebody else rather fancifully approached various people who said, "Are you f***ing insane? It’s not going to happen."

And they then said, "What about Roger Waters, would he do it?" So they asked me and I was rather taken aback, I have to say. I thought about it and I thought, "Hey why not? What a cool idea." And the more I’ve worked on it the more the idea has grown on me and we’re working very hard. And I’m going downtown as we speak to work on visuals for "Dark Side of the Moon" and the rest of the show. I‘ve got a great band together and I have every hope that we will do the work justice.

このインタビューを読むと、実はウォーターズがギルモアとは対照的にLIVE 8でのリユニオンを心から楽しんだらしいことがわかる。

Q: You looked like you were having a ball onstage at Live 8 last summer.

A: I was, trust me. It was very cool, I really loved every minute of it.

Q: So do you think that was the last time you’ll get a chance to do that?

A: As I’m sure you’ve read in the press he’s been doing, Dave is very adamant that that’s it, he’s done, he’s doing his solo stuff, Pink Floyd is behind him and blah-di-blah-di-blah.

Never say never, you know? I thought it was fun. It was more than fun. And it was so interesting to hear what it actually sounds like with Rick [Wright] and Nick [Mason] and Dave and I all playing together. Because there is a very specific kind of vibe and sound to it, which I hold in great regard and which brought back lots of memories. It was terrific, I really loved it.

F 1のイベントというキッカケがあったにせよ、LIVE 8での体験が無ければオファー受けなかったんじゃないかな?

ウォーターズは、既に舞台装置のデザインについても、オリジナル・ジャケットにあったピラミッドをモチーフにすることを決めているらしい。個人的には彼がTHE WALLなんかでやってた演劇的要素はそんなに好きじゃないけれど、きっと彼なりにコダワリの演出をするに違いない。

フランスまで観に行くのはちょっと無理だけど、でもやっぱり観てみたい。もう、このツアーのどのステージでも構わないから是非ともDVDにしていただきたいと思います。

May 10, 2006 in Music | Permalink | Comments (4) | TrackBack

Monday, May 08, 2006

【友人の店がJAPAN TIMESに載った】

■行きつけの店がTHE JAPAN TIMESに掲載されたというエピソードについて

僕の生息地域である自由が丘周辺は、中学生の頃から通っているトンカツ屋の「丸栄」(ここの味はこの30年間全く変わっていない!)をはじめとして、「飲み」から「食い」まで行きつけの店が何軒かある。

その中で、昨年の11月ぐらいからMY行きつけランキングの上位に入っていのが「LE CARRE BLANC」というスタンディング・バーだ。

Le_carre_blanc  20年来のいわゆる刎頚の友である桑野充弘がオーナーで、彼のパートナーであるフランス人のクリストファーが一人で仕切っている。

まぁフランス人がやっているから、一応FRENCH BARということらしい。

場所は自由が丘駅の正面口から出て直ぐ右手にある「自由が丘デパート」の4F。この自由が丘デパート自体がすこぶる古めかしい建物なんだけど、僕はこのBARが出来るまで、そもそも4階があるということすら知らずにいた。

とにかくほとんどのドリンクが500円。しかも、ちゃんと美味しいワインもグラスで用意されていて、仕事帰りにちょっと立ち寄るのに丁度良い。さらに、週末にはこの狭い店内でベリーダンサーが腰をクネクネ舞ったりするのだ。実に妖しいでしょ。

特筆すべきはここの客層で、クリスの人柄を表しているのか、ヨーロッパからアメリカ、東南アジア、オーストラリア、そして日本人と相当にミックスしている。ちょうど誰かのホームパーティに来ているみたいな感じで、みんなリラックスして楽しんでいる。

店は客が作るというけれど、この店はまさにその典型じゃないかな?

比べるのはどうかと思うけど、敢えて言うと、その昔80年代カフェバー全盛期に西麻布の交差点近辺にあった「TOMY'S BAR」と雰囲気が似ている。

当時はこの界隈に「RED SHOES」や「INK STICK」や「SIRIN」や「TOOL'S BAR」なんかがあって、「328」だけは今でもあるけど、良く朝までハシゴしたもんだ。今でも時々「アムリタ」とか「MUSE」とか「椿バー」とかで朝を迎えることもあるけれど、やっぱり当時のテンションの高さと会話の深さは望むべくもないわけで・・・。

TOMY'S BARが良かったのは、なんといっても店の適度な暗さと選曲で、お世辞にも広いとは云えない店内は、新しめの音を聞きながらニヤリとする好き者で一杯だった。

このLE CARRE BLANCもその辺りは共通していて、かかる曲は最新のTECHNOからジャズ・フュージョン、R&Bまでノン・ジャンル/ノン・カテゴリー。カッコつけすぎのDJDJしてないところが、むしろ好ましい。

僕はどんな店であれ、BGMが駄目だと、どんなにインテリアが良かろうがメシが旨かろうが即NGなんだけど、その点クリスの選曲は違和感が無く楽しめる。(時折、自分の好みの音源を持ち込んでストックしているということもあるけれど・・・)

この連休中に久しぶりに寄ってみたら、相変わらずの混みよう。で、桑野と世間話をしていたら、「そういえばこのあいだ、店のことがジャパンタイムズで記事になってさ。」となんだか嬉しそうにいうではないか。

ふと壁を見ると、そのTHE JAPAN TIMESの記事(注:アクセスするには一度JAPAN TIMESのサイトに登録してから再度アクセスする必要があり。ちょっと面倒なので下にコピペしときます)が貼ってある。

かなり大きな記事で、内容はほとんど絶賛に近い。曰く「ここと同じような店はトーキョー中探してもない。もし貴方がシリアスに楽しみたいのなら、東横線に乗って自由が丘まで来るべし!」な~んて書いてあるではないか。

親友の店が紹介されたのはすごく嬉しいんだけど、ただでさえ混んでいるのに更に混んでしまうのではないかと、ちょと心配している。


BEST BAR NONE : LE CARRE BLANC

A rockin' party out of bounds

By JUDE BRAND

Jiyugaoka is still one of the preferred residential and shopping areas for the well-heeled spawn of Tokyo's old-school money. By day, fancy patisseries with French names and sleek fashion boutiques cater to young ladies from well-to-do families out browsing for tea and cakes or designer clothes. By night, dozens of restaurants and bars offer a smorgasbord of food and drink to young couples. It is international, eclectic and, as a rule, expensive.

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Just an ordinary take-your-shirt-off Saturday night party at the hottest new spot in Jiyugaoka, Le Carre Blanc
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But a stone's throw away from the station's main exit, hugging the side of the Toyoko Line tracks, is a somewhat ramshackle multitiered building called Jiyugaoka Depato. Though depato is short for department store, it isn't what you might think, especially in this area: The ground-floor houses an arcade of small individual shops selling everything from home appliances to thermal underwear, while the upper floors house an equally unpretentious collection of restaurants and bars.

Jiyugaoka Depato seems oddly out of place in an otherwise upmarket neighborhood. But Le Carre Blanc, the building's latest and most popular drinking spot, seems right at home. In less than six months, Christofer Cousin, the bar's creator and master, has managed to amass a steady client base, including every party-oriented expat in the greater Meguro area. Some patrons even come out from the city to party at Le Carre, which is no mean feat for a bar hidden away on the third floor in the suburbs.

How, you might ask, has a French native with barely four years in Japan, managed to walk into one of the city's best neighborhoods and open a hopping little night spot?

"I used to go out drinking and clubbing every chance I could when I first got here," says Chris, as he prefers to be called.

On first arriving, he worked at Jiyugaoka's Irish pub, Ocarolan's, for three years. During that time, his natural ability to meet and bring people together was given full play. He further nurtured his network of friends in the area by hosting regular parties at another local haunt, Bar 320. He recruited DJs and put the word out, and once a month or so an otherwise quiet bar would be pumping with music and party people.

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Owner Mitsuhiro Kuwano and master/creator Christofer Cousin

"It was like a private members party for people who lived in the area," says Chris. "And it attracted a truly mixed crowd -- young and old, Japanese and foreign."

His parties were so popular that Bar 320 owner Mitsuhiro Kuwano backed him in opening his own place. And, six months down the road, they couldn't be happier with the result -- except that Chris doesn't get to go out bar-hopping and clubbing as much as he would like.

The vibe on Friday and Saturday nights is electric. Both fresh-faced and seasoned drinkers crowd in at the 10-stool counter, with emphasis on the word crowd. But it is a friendly crew of partiers with whom you will rub shoulders -- and invariably meet -- as you maneuver to order drinks. But with no cover charge and all drinks 500 yen, it's no wonder that everyone is all smiles.

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The party people at Le Carre Blanc

Other days of the week, the interior feels larger. And, with all white walls, ceilings and fixtures, including the bar, it looks quite clean and sane, especially considering the beating it gets on the weekends.

A few cushions sit in a curtained corner at the end of the bar, in front of which is placed an elegantly crafted water pipe. But it is not just for show. Chris also stocks a full range of fruit-cured tobacco from you can choose a flavor and light up.

This Middle Eastern theme is further accented by a belly dancer who comes to tease the crowd (usually every other Saturday night -- next on April 29) just to get the party started. Someone -- usually a girl -- ends up with a decorative Indian bidi stuck on the forehead. The crowd is an even mix of Japanese and foreigners; pub types and clubbers. The music is as varied as the clientele, with everything from funk to trance given equal play.

One patron turned to me one night and asked where he could find a similar bar in the city. I was stumped. The truth is that Le Carre Blanc is unique. There isn't anywhere else like it in Tokyo. So if you're into some serious fun I suggest you catch a Tokyu Toyoko train out to Jiyugaoka one night . . .

Le Carre Blanc; Jiyugaoka Depato, 3F, 1-28-8-3 Jiyugaoka, Meguro-ku, Tokyo; (03) 3723-9333. Open 6 p.m.-2 p.m. Tuesday-Thursday, later on weekends. Closed Monday. No cover charge. All drinks (except top shelf) 500 yen.
The Japan Times: Friday, April 28, 2006

May 8, 2006 in Food and Drink, Media | Permalink | Comments (0) | TrackBack