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Tuesday, June 12, 2007

【Goodwill 折口会長のコムスンに対する思い入れとは?】

■折口会長の介護事業に対する思い入れとは・・・

ここ数日間、Goodwillの折口会長の釈明会見やTV出演などを観ていて、なんとなく古い記憶がムズムズしてきた。

僕は一度だけ折口氏に会ったことがある。

あれは確か、Goodwillがコムスンを買収して、全国紙に一面広告を打った直後だっただろうか。まだGoodwillの本社が六本木の交差点近くのオフィス・ビルの中に在った頃のことだ。

僕はたまたま知り合いのベンチャー企業の関係者と、出資の打診で折口氏へのプレゼンに同行していた。

当時から折口氏は多忙を極めていて、面談の開始時間は21時。場所はGoodwill本社の会長室。

会議用の大型テーブルの上には、発行されたばかりの全国紙の一面広告が広げられていて、そこには「コムスン」という文字が大きく踊っていた。

折口氏は打ち合わせの冒頭から約一時間に渡って、彼の経歴にはじまり、Goodwillを立ち上げた経緯の説明から、ベンチャー起業家としての心構え。そして、Goodwillの成功の方程式など、彼独自の起業論のレクチャーがあって面食らったのを覚えている。

その中で非常に記憶に残っているコメントがあった。

「皆さんは僕が何故今回、介護事業に進出したか分かりますか。」

「私はかつてドア・トゥ・ドアの飛び込み営業までやった経験があるけれど、一度ドアを開けさせて家の中に入ったら、あとは絶対に契約を取る自信があった。」

「訪問介護というのは、家族ですら嫌がるオムツの取替えなんかを代行してあげて、家族には感謝され、おまけにお金をもらえる仕事なんだけれど、当然介護を受ける側とは非常に強い信頼関係が生まれる。」

「一旦家に入り込んでしまえば、家族構成はもちろん、年に何回旅行に行っているとか、車のメーカーは何処だとか買い替え時期はいつとか、入っている保険の種類や、家族の中で支出の決定権を持っているのは誰かとか、その世帯の大体の可処分所得だけじゃなくて、非常に細かい家庭内事情や家族関係について、とにかく通常のアンケート調査なんかでは絶対に入手不可能な、極めて詳細な個人情報が手に入る。」

「介護を受ける本人はもちろん、家族の信頼を得てしまえば、後は介護サービスだけじゃなくて、パック旅行とか保険とか。それから紙オムツみたいな介護用の消耗財なんかも自然に売ることが出来る。」

「介護保険制度の改正という絶好の事業環境ということもあるけれど、むしろ顧客と日常的に直接触れ合う密着型の営業が可能になるという意味で、事業価値が大きい。」

(どうだ!こんなこと君達は到底思いつかんだろう?)とでも言わんばかりに、介護ビジネスを起点にしたマーケティング論を披露してくれたのを思い出す。

その話を聞いて、実は僕もその時は「ふ~ん、なるほど世の中には美味いところに目を付ける人が居るもんだ!」と単純に感心したのを覚えている。

で今回の騒動で、久々にその時の事を思い出したわけだ。

折口氏は、「私は介護に対する特別な思い入れがある。」と明言しているけれど・・・。まぁ、本人しか分からないから、本当にそうなのかもしれない。

一連の流れを見ながら、もしも折口氏が本気でユーザーと従業員の事を考えて事業の継続を図るというのなら、同じグループ内の会社じゃなくて、第三者に事業譲渡すれば済むじゃいないか?と単純に思っていたのだが、どうやら早速事業買収のオファーがあったそうで・・・。

誰が買うにしても、ゼロから立ち上げるよりコストはかからないはず。

ただしこのコムスンのニュース、あまりにもタイミングが良すぎて、もしかしたら年金問題の煙幕では?と穿った見方をしてしまうのは僕だけか・・・。

June 12, 2007 in Business, Media, Politics | Permalink

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Comments

Curraghさん:

大変御丁寧なコメントをいただき、ありがとうございました。

COMSNに関して第一報が流れてから、週刊誌などでは盛んに記事が出されているようですが、TV関係は一旦落ち着いた感じですね。

ただし、このCOMSN関係の一連の報道の影響で、実際に年金問題の報道に割く時間がある程度は削減されたはずですから、煙幕効果は一定以上にあったような気がします。

国会の会期を延長してまで重要法案を通そうとしている安倍総理ですが、参院選の年に会期延長すると、与党が大敗するというジンクスがあるそうで・・・。

もちろん、年金問題自体は安倍さんの前任者たちの起こした問題であることは間違いないのですが、政権与党としての責任は非常に重い訳ですし、これまでの対応を見ていると、小泉さんに負けず劣らず言葉が軽い。

これは社保庁解体に反対する勢力の自爆テロだという穿った見方もあるようですが、どんなもんでしょう?

社保庁が解体されることは規定路線のような感じがしますが、どういうスキームで進むにせよ、とても1年ぐらいで解決する問題とは思えませんし、まして(有り得ないと思いますが)政権交代のようなことに成ったとしても、この年金問題の解決は誰がやってもとんでもなく大変な作業になるでしょうからね。

まぁ、お手並み拝見というところでしょうか。


Posted by: a-key at Jun 21, 2007 1:30:41 PM

> ただしこのコムスンのニュース、あまりにもタイ
> ミングが良すぎて、もしかしたら年金問題の煙幕
> では?と穿った見方をしてしまうのは僕だけか・・・。

いいえ、自分もまったくおんなじことを疑っております。参院選も近いことですし。

こんなこと言うと当事者の方から「知りもしないくせに」とお叱りを受けそうですが、現行の介護保険制度そのものが本末転倒だと考えています。

役所の人は、「たがいに支えあってもらう」ということばを使いたがります。算定基準額が高齢者の多い市町村とそうでない都市部とであるていど差が出るのはしかたないかもしれませんが、ではそれで安心して年をとれる、介護を受けられる制度になっているかというと実態はそうではない。きわめて公共性の高い分野なのに、まず民間参入ありきで介護保険制度を開始したことからして順番が逆だし、その後費用負担を抑える(?)ためなのか、介護事業者を育てるどころか要介護認定基準じたいを厳しくしたり、サービスの一部自己負担を求めるとまるでつぶしにかかっているかのようです。強制保険のくせしてこれではだれも利用しなくなりますし、事業者側もそんな市場で利益をあげられるわけもないし、また現場の方は文字どおり薄給のうえに長時間の過酷な労働…。ほんとうに悪いのは行き当たりばったりの国の厚労行政だと思います。はっきり言って怠慢、無能無策、あまり無責任すぎる。自分たちの天下り先はさっさと確保したり、裏金作りには精を出すくせに。高齢化社会が来る! と騒がれたのはけっこう昔のことです。20年ほど前、自分が高校生だったときにすでに副読本に、何年か先には働き手2~3人でひとりのお年寄りを支えなくてはならなくなるとイラストつきで書いてあったことをはっきり憶えています。そのときから真剣に対策を考えていたら、もう少しましな制度になっていたのではないでしょうか。財源が足りなくなった、高齢化が予想以上のペースで進んでいる、じゃあたらしく強制保険を導入すればいいじゃない、あとは民間に「丸投げ」して…こんな短絡的発想でいまの介護保険制度は生まれたのではないでしょうか。

年金問題で非難轟々のさなかにこの一件、どう考えてもこれは矛先をかわそうとしているとしか思えません。個人的にはむしろ、根っからの「親方日の丸」体質の社保庁がいままで犯してきた背信行為のほうがコムスンとは比較にならないくらい大きく、深刻だと考えています。だからといって、だれも責任を取らないまま、社保庁解体、第三者機関云々…では、たんなる看板のすげ替えではいおしまい、なんてことになりかねないと感じてもいますが。

Posted by: Curragh at Jun 13, 2007 9:53:14 AM

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