今日の日本農業新聞の論説は、「森林・林業白書 有効資源無駄にするな」という題で2004年度森林・林業白書の内容を一部紹介しながら、最後に「森林・林業の活性化へ向けた、木材利用拡大、林業就業などについて国民が幅広く議論する必要がある。」と結んでいる。
森林を管理するためには、間伐が必要だが、採算があわない、資金がないなどの理由からうまくいかないケースが多いようである。原因の一つが、市場取引での価格の安さにある。市場で取り引きされ決まる価格は、おおよそ需要と供給で決定される。例えば森林が果たしてきたそれまでの役割を評価したり、市場に出されることによる公益的機能評価額の損失分を市場でコストとして反映させることができれば、森林が従来から持つ目に見えない価値が評価されることになり、新しい価値として高い価格付けがなされる評価がでるだろう。
森林が持つ公益的機能評価額は、林野庁が「森林の有する多面的機能について」というページで紹介している。それによると、二酸化炭素吸収1兆2,391億円/年、化石燃料代替2,261億円/年、表面侵食防止28兆2,565億円/年など貨幣評価できる価値だけでも非常に大きな価値を森林は有していることになる。
環境税の利用も議論されるべきかもしれないが、導入の段階に入ると社会的に抵抗がよそうされる。森林が持つ見えにくい便益を世の中にどのようにアピールするかがまずは必要となるだろう。
余談ではあるが、日本農業新聞に掲載されている4コママンガ「ゴリパパ一家」は、結構面白い話が多く、おすすめ。
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