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Saturday, January 31, 2004

【世界的なコメット・ハンター 木内鶴彦さんに会った】

■夕べは久しぶりに友人のピースな映像作家、中野裕之監督と夕食を共にしたんだけど、その席でアマチュア天文家の木内鶴彦さんを紹介された。

“アマチュア”という言葉で侮ってはいけない。木内さんはこれまで一生に一度あるかないかといわれる新彗星の発見を何回も達成して世界的にも有名な天文家なのだ。(90年3月16日チェルニス・木内・中村彗星発見。同年7月16日土屋・木内彗星発見。91年1月7日メトカーフ・ブルーイントン彗星再発見。92年9月27日スウィフト・タットル彗星再発見。)

実は昨年、中野監督から木内さんの著書「生き方は星空が教えてくれる」をもらって読ませてもらったのだけど、これがとても面白かった。彼は彗星を発見する過程で脳内に3D状態の宇宙マップを視覚化出来るようになったのだが、生死をさまよう大病を患った際に「臨死体験」を経験し、その結果アカーシック・レコードにアクセス。宇宙の起源に遡って過去・現在・未来の広範囲な情報をブラウジングしてきたという。

それだけならニューエイジ系のチャネラー達が語る内容と大して変わらないのだけど、木内さんがすごいのは、アカーシック・レコードから得た知識に基づいて、非常に還元性の高い不思議な活性水を作ったり、太陽エネルギーを利用した究極のゴミ処理システムを発明したりして、そのどれもがきちんとした国内外の大学や公的機関で効果の高さが検証されているというところだ。

木内さんの中で天文学と地球環境問題がシームレスにリンクしていることが、僕にとってはとても新鮮で、なんだかすごく話がはずんで気が付いたらあっというまに深夜に成っていた。たまたま僕も地球環境に関わる仕事をやっている関係で、それなりの知識は持っているつもりだけど、木内さんの発明は本当に革新的で、環境問題に対する抜本的なソリューションになり得ると思う。

日本にもこんなスゴイ人が居るんだな~と、素直に感動した一夜でした。紹介してくれた中野監督に感謝!

January 31, 2004 in Books, Ecology, Science | Permalink | Comments (2) | TrackBack

Thursday, January 29, 2004

【ビル・ゲーツに“Sir”の称号を与えるイギリス】

■エリザベス女王はマイクロソフトのビル・ゲーツに名誉大英勲章第二位(Knight Commander of the Most Excellent Order of the British Empire)を授与すると発表したそうだ。

ここ数日猛烈な勢いで『W32.Novarg.A@mm』とか『MyDoom』に感染したメールが送られてきてウンザリしているところへこのニュース。これ英国以外で生まれた人物に対して与えられる最高の名誉の1つらしいけど、“何で?”と思う人は多いんじゃないかな。

「Microsoftのテクノロジーは商慣習を変え、同社は英国経済に大きな影響を与えた」とジャック・ストロー外務大臣は、声明のなかで語った。
個人資産400億ドル(!)と見積もられるGatesをナイトに推挙したのは、ゴードン・ブラウン大蔵大臣だそうだけど、ゲーツから御礼の寄付でも期待してるんだろうか?そんなこと考えていたら、やっぱりイギリス国内から猛反対の声が上がっているようで・・・。この異議を唱えているのはイギリスのUNIX USER GROUP (UKUUG)。

「Microsoftは、公平とはいえないビジネスのやり方で、競合他社にダメージを与え、デスクトップ市場や消費者向けコンピュータ市場を事実上独占しており、そのために何度も法廷に立たされてきた」と同グループは述べている。「また、Microsoftのソフトウェアは、セキュリティに対する考慮がほとんどないまま書かれたもので、その結果生じたウイルスやスパムへの対策、またその被害修復にかかる膨大なコストを、同社は顧客に押し付けている」。UKUUG会長のCharles Curranは、ほかのOSではこのような問題に見舞われることは稀だと述べ、さらに「(他のOSでは)セキュリティや堅牢性は、最初から実現すべき目標として設計されており、後付けで考えられたものはない」と付け加えた。
「異議な~し!!」全くおっしゃるとおりだと思います!

January 29, 2004 in Politics, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, January 28, 2004

【オンライン・ミュージシャン連合が発足!】

レーベルに縛られない「オンライン・ミュージシャン連合」-HotWired

インターネットで音楽ファイルのダウンロードが可能に成った1997年ごろ、トーマス・ドルビーやトッド・ラングレン、そしてプリンスなどの先進的なアーティスト達が次々にネットを拠点にした“ノン・パッケージ”の音楽配信に乗り出した。中にはプリンスのように、CDパッケージの販売から距離をおき、ネットでの活動へ完全にスイッチするという、いわばレコード会社からの“独立宣言”を行うアーティストも居た。

当時としては極めて画期的、且つ冒険的なこれらの試みは少数派にとどまり、残念ながら商業的には大変厳しい状況となって、プリンスなどは結局レコード会社を通じた今までどおりのビジネスに戻る結果となった。

技術的には充分に可能なのに、既存のパッケージ・ビジネスの既得権益を守りたいレコード業界はインターネットを利用した音楽配信サービスを敵視し、そうしたサービスを可能にするテクノロジーに対して協力するどころか、圧力をかけるという暴挙に出たのは御承知のとおり。

もちろん、MP3やP2Pソフトを利用した著作権という知的財産権をないがしろにするような違法行為が横行したことも事実だ。しかしRIAAによる違法ユーザーに対する大規模な訴訟の動きなんかもあって、時代の流れは明らかにネットを利用した有料ダウンロード配信に向かっている。

そこへ満を持して(?)登場してきたのが、この『デジタル・ダウンロードに関わるアーティストたちの偉大なる連合』(Magnificent Union of Digitally Downloading Artists=MUDDA)だ(“偉大なる”っていうのがいかにもイギリス人っぽい感じだ)。しかも、世界中に多くのフォロワーを持つピーター・ガブリエルとブライアン・イーノというロック界の重鎮がこの連合の立ち上げに関わっているという。これはかなり影響がありそうで期待できる。

僕が1996年に日本で初めての音楽ダウンロード・サービスであった「ミュージック・シーオー・ジェイピー」をリットーミュージック会長(当時)の佐々木さんと一緒に立ち上げた際には、日本のレコード業界の旧態然とした商習慣に阻まれ“ドンキホーテ”呼ばわりされて大変な苦労をしたけれど、当時も富田勲さんや渡辺香津美さんのような日本を代表するアーティストや、ハービー・ハンコックのようなJazz界の大御所が我々に賛同してくれて大変嬉しかった。特に富田氏やハンコック氏はMCJの取締役にまで成ってくれた。

あの頃の経験を振り返ると、ようやく機が熟してきたのかという思いがあるし、こうした動きは素直に歓迎したい。

久々にワクワクする嬉しいニュースだ。頑張れピーター!頑張れブライアン!

■参考リンク:
ブライアン・イーノ オフィシャル・サイト
ピーター・ガブリエル オフィシャル・サイト
SALONの関連記事
MUDDA

January 28, 2004 in Music, Web Culture | Permalink | Comments (3) | TrackBack

【これはゲームではない】

■先日このエントリーで紹介した『BUSHFLASH.COM』にアップされている衝撃映像!
kill.jpg

トラックバックしてくれた『閑話休題』で紹介されていたので、早速見てみた。テレビでは決して放送されないだろう。あまりにも生々しく、そしてオゾマシイ映像。しかしこれが戦争の実態なのだ。とてもじゃないが、軽々しくは論評できない・・・。

心臓の弱い人は見ない方がいいかもしれません。
Flashによって戦争の悲惨さを訴え続けているエリックさんの BUSHFLASH.COM に衝撃的な映像がアップロードされています。

“WAR VIDEO YOU WON'T SEE ON CNN”と題された、トップページ右の映像をクリック。「私はジャッジメントはしない。あなたの判断に任せる。勿論彼らは命令でやったのだろうが。」というエリックさんのコメントがあります。

何度見ても、映像自体が衝撃的であることに変わりはないんだけど、なかでも個人的に印象に残るのは収録されている「声」だ。

多分、この映像は射撃手をサポートする照準を当てるナイトビジョン・ビューワーのフィードで、実際に弾が飛んでくるのは画面の中央下方向、若干離れた場所からなので、恐らくはレーサー照準をサポートしている重機関砲(離れた場所からターゲットにレーザーでマーキングすると、そこへ弾が飛んでいく仕組み)が使用されているんだろう。勿論専門家ではないので詳細は不明だけど、Discoveryチャンネルなんかでやってた“スマート・ウェポン”の特集などで紹介されていた奴だ。

絶対に相手からの攻撃を受けないという安心感も手伝ってか、このビューワーで照準を当てているチームと、離れたところに居る射撃手との間でやり取りされている交信内容は全く事務的で、何の感情も感じられない。戦場でいちいち感情的に成っていられるわけはないのは当たり前だとしても、冷静に淡々と作業をこなしていく彼等の声を聞いていると、今さらながら戦争は人間をここまで変えてしまうのか、という恐ろしさを感じる。

この映像に見られるような最先端のハイテク兵器の戦闘能力はあまりにも圧倒的で、この戦争の犠牲者の数がイラク側の約1万人に対してアメリカ軍側が500人強という状況を考えると、対抗するには結局自爆攻撃ぐらいしか選択肢はないのだろう・・・。

January 28, 2004 in Media, Weblogs | Permalink | Comments (1) | TrackBack

Tuesday, January 27, 2004

【ウソ発見メガネ もうすぐ実用化】

■イスラエルで『ウソ発見メガネ』が開発されたそうだ。

Lie-detector glasses offer peek at future of security:EETIMES

近い将来、空港の通関で「あなたはこれから飛行機をハイジャックするつもりですか?」なんて質問されるようになるかもしれない・・・。この嘘発見器はイスラエルのアミール・リーバーマンという数学者が軍や警察、諜報機関や保険会社用に開発したもので、この技術がアメリカの企業により空港警備などの民生用にパッケージされているという。最大の特徴は、これが非常に小さくて普通サイズのサングラスに仕込まれ、リアルタイムで対象者がウソをついているかどうか分かる、というものらしい・・・。

It may not be long before you hear airport security screeners ask, "Do you plan on hijacking this plane?" A U.S. company using technology developed in Israel is pitching a lie detector small enough to fit in the eyeglasses of law enforcement officers, and its inventors say it can tell whether a passenger is a terrorist by analyzing his answer to that simple question in real-time.

The technology, developed by mathematician Amir Lieberman at Nemesysco in Zuran, Israel, for military, insurance claim and law enforcement use, is being repackaged and retargeted for personal and corporate applications by V Entertainment (New York).

この技術を民生用に開発しているアメリカのV Entertainment社は、先日ラスベガスで行われたCESでデモ版を発表した。その際、デモンストレーションとしてマイケル・ジャクソンなどの有名人を対象に、彼等がウソをついているかどうかの実験を行ったという。(残念ながら、この記事にはその結果がどうだったかの言及はない)

このソフト、どうやら人の声を解析して“ウソ”か“ホント”か“多分”を判断するように成っているらしいけど、他にも“不安”や“恐怖”、さらには“愛情”まで検出可能だそうだ・・・。で、この会社ではPDA用に“愛情診断ソフト”を提供するらしい。PDAを電話や録音機につないで、相手が愛情を持っているかどうか診断するというわけ。う~ん、恐ろしい。っていうか、欲しいかも・・・。

ちなみに、このソフト『LOVE DETECTOR』はこの会社のサイトからダウンロードできるので、興味のある方はお試しください。日本語に対応しているかどうかはまだチェックしてないので性能は御自身で確認してもらうしかありません。ただし、ソフトを使用した結果、恋人や御家族との人間関係がどうなっても当方は一切責任持てませんので悪しからず・・・(笑)。

January 27, 2004 in Politics, Science, Travel | Permalink | Comments (2) | TrackBack

【ブッシュ政権 身内の反乱 Part 2】

■今年に入って早々に勃発したオニール前財務長官の反乱に次いで、今度はイラクの大量破壊兵器捜索の陣頭指揮をとっていたデビッド・ケイ前イラク査察団団長が25日のラジオ放送で「やっぱり大量破壊兵器は無かった。」と発言したそうだ・・・。

ブッシュ政権にとっては、かつての身内による二度目の反乱になる。オニール全財務長官の場合は一瞬話題になったけれど、その後はあまりメディアに取り上げられずトーンダウンした感じだったが、今度はニューハンプシャーの予備選挙の直前ということもあって、ジョン・ケリー候補なんかが早速インタビューで「だから私が言った通り、ブッシュ大統領は国民にウソをついて、必要のない戦争にアメリカを引き込んだんだ!」と発言している。(でも、そういうケリー氏も最初は戦争に賛成していたじゃないのか?)

ちなみに彼の発言に対して、福田官房長官は「その人がどういう人物か分からないし、どんな意図があってそんな発言をしているのか、調べる必要があるんじゃないですか?」と意に介さない様子。日本政府としては、もう自衛隊出しちゃったし、今さら大量破壊兵器があったかなかったかなどという“瑣末な問題”はどうでも良いのだろう。しかし内心は「せっかく内閣支持率も上がっているし、余計なこと言わんといてくれ!」と思っているかもしれない。

“まあ、心配しなくても国民はこんなこと大して気にしないですよ~福田さん!” いや、マジで・・・。

米前調査団長「イラクにWMDなく、CIAは釈明すべき」-CNN 2004.01.26 Web posted at: 11:28 JST


イラクで大量破壊兵器(WMD)を捜索し、開戦前に兵器の備蓄はなかったと思われると発言している米調査団のケイ前団長は25日、全米公共ラジオ(NPR)で、「大量破壊兵器の備蓄は存在しない」と改めて言明した上で、米中央情報局(CIA)など情報機関は誤った情報をブッシュ大統領に提供したことについて釈明すべきだとの見方を示した。

ケイ前団長はNPRの番組で「自分が見たことを元に結論すると、兵器の大量備蓄を発見する可能性はきわめて低い。(備蓄は)存在しないと思う」と発言した。

前団長はその上で、誤った情報をもとにイラク攻撃を開始した責任はブッシュ大統領にあるのではなく、大統領に誤った情報を提供したCIAなど情報機関にあると指摘。「イラクの大量破壊兵器備蓄については、クリントン政権の見解でもあり、ブッシュ政権は前政権の見方を引き継いだのだ。これを忘れてはならない」とケイ氏はブッシュ政権の責任ではないと強調。

「政治的な責任問題ではない。問題は、有効で信頼性のおける情報を集める能力を、自国の情報機関が備えているかどうかの問題だ」とケイ氏は述べた。また昨年3月の開戦の決断については、「当時、集めていた情報をもとにすれば、イラクの脅威は緊急性のあるものだと結論するのは妥当だった」という。

CIAはケイ氏の批判にコメントしていないが、情報当局者はケイ氏自身が昨年、イラクを調査すれば大量破壊兵器の存在を確認できると発言していたと指摘している。

自らの誤った「予言」についてケイ氏は、「恥ずかしくていたたまれない、というよりもむしろ、『どうやったらみんながみんな完全に間違うことができたのか』という疑問の方が非常に気になる」と話している。

January 27, 2004 in Current Affairs, Media, Politics | Permalink | Comments (4) | TrackBack

Monday, January 26, 2004

【小泉総理 『バカの壁』を読む】

■テレビ朝日の世論調査によると、国民の55%は自衛隊のイラク派遣を支持するものの、75%は小泉総理の説明は充分ではなかった、と考えているという。

記者から、この“説明不足”について聞かれた小泉総理は、「う~ん、『バカの壁』、読んだんですけどね・・・。難しいよね、話せば分かるように話すっていうのは・・・。」とノタマワッテいらっしゃいました。

これを解説すると・・・。
「国民は“バカ”だから、いくら僕が説明してもわからない。」とおっしゃりたいのだろうと拝察いたします。

それとも、いならぶ記者諸君のマイクの放列が『バカの壁』に見えたのでしょうか?

そういえば、国民の代理人として貴重な会見の機会を与えられている聡明なる記者諸君からは、何の突っ込みもなかったようです。

きっと、小泉総理の発言に深く賛同して「ダヨネ~(死語)!」と思われたのでせう。

それにしても、説明不足で理由が良く分からないのに、どうして自衛隊の派遣に賛成できるのでせうか??

そこのところ、どうしても分からないのは、やはり僕もバカだからでせうか??

小泉先生、いったい僕達はどこまでバカなのでせう?

そこのところ、バカにも分かるようにバカみたいにヤサシク、教えていただけませんでせうか?

それともセンセイ、ひょっとしてほんとうはあなたもどうしてこのせんそうがおきたのかりゆうがおわかりにならないのではないでしゅか・・・?

まあ、冗談はこのぐらいにして・・・・。

『バカの壁』の核心は、「人間は同じ辞書を持っていないと相互に理解することは不可能だ。」という極めてドラスティックな現実だ。言葉は悪いが、色覚異常の人に「赤い色」を説明することは出来ないように、人間は共通の受容体を持っていない限り、どうあがいても現実の認識を共有することは出来ない。

後天的であれ先天的であれ、人間は生まれ育った環境でこの「認識のセッティング」=「知覚の辞書」を手に入れることになる。現実の解釈はそのセッティングに依存する以上、人間の数だけ解釈が存在するといっても過言ではない。

その意味で、小泉氏が思わず口走った『バカの壁』の引用は、自ら国民と共通の辞書を持っていないことを吐露したことに他ならないし、それを認めることで自己肯定をしようという試みなのだろうと思う。

養老氏がいみじくも『バカ』という言葉を使ってこの現実をカリカチュアしたのは、単にポピュリズムを狙っただけではなく(そういう側面もあるかもしれないけれど)、この情報過多の時代において、相変わらず人間は理解不能の問題に対しては如何にしても無能である現実を慙愧の念を持って切り捨てているのではないかと僕は思う。

小泉氏が実際に『バカの壁』を読んだかどうかは分からない。ひょっとしたら帯のコピーを見ただけかもしれない。しかし、これまでも度々古典を引いて状況を断定するおそらく読書家である彼の手法を考えると、『バカの壁』を読んで、「我が意を得たり!」と歓喜した可能性は高い。

だからといって、こういう状況下で自らの説明不足を『バカの壁』になぞらえるなんて、よっぽど神経を疑う。

そう、『バカの壁』は双方向なのだ。

January 26, 2004 in Books, Media, Politics, Television | Permalink | Comments (0) | TrackBack

【火星探査機オポチュニティーの映像 超COOL!】

■スピリットがソフトのトラブルでダウンしているけれど、双子の二号機“オポチュニティー”は無事に火星着陸成功!

最初に送信してきたこの画像はかなりレアらしい。今回は小型のクレーターの中に着陸したということで、NASAによれば宇宙的な“ホール・イン・ワン”だそうな・・・。確かに一見するとスピリットが送ってきたおなじみのゴツゴツした地表とだいぶ違う感じの滑らかな風景だ。
MARSOPPORT1st.jpg

良く見ると、クレーターの向こう側の端には、白っぽく岩が露出したような部分がある。しかも何だか四角いぞッ?ひょっとして遺跡かも??(ナ~ンテネ)NASAの研究者も、「あそこはホントに宝の山かもしれない!」とヨダレを垂らしながら(というのはウソだけど)語っていた。

それから、こっちの画像はカラーなんだけど、地表のテクスチャーがより詳細に分かる。部分的に干上がった川底のような、水が流れたようなスムースな感じ・・・。このあたりで水の痕跡が発見されるかもしれないといわれている。
Pancam_Sol1_Postcard_part_th361.jpg

あと面白いのは、このサイトにあるJAVA SCRIPTのビューアー。火星の軌道上から過去2年間に渡って記録された地表の画像をグリグリとスクロールしたりズーミングしたりして飽きずに楽しめる。結構THE FACEやピラミッドみたいな“ヘンな物”が写っているかもしれないし・・・、ドキドキします。

January 26, 2004 in Current Affairs, Science | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Sunday, January 25, 2004

【学歴詐称より深刻? ブッシュ大統領の失われた1年間】

■民主党の古賀議員の学歴詐称なんか目じゃないディープな疑惑?ブッシュ大統領に向けられた軍歴詐称と徴兵忌避疑惑。

マイケル・ムーアのオフィシャル・サイトで大々的に特集されているブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑。もともとは2000年の大統領選挙の頃からBOSTON GLOBEなどで指摘されていたので、別に新しいニュースではないけれど、マイケル・ムーアがこの話題を蒸し返そうとしている。

詳細は彼のサイトに過去の新聞記事も含めて掲載されているのでそちらを参照してもらうとして、問題はベトナム戦争真っ最中の1968年に、パパブッシュの力を借りて徴兵を逃れる為にTexas Air National Guardに入隊したのではないかという疑惑と、さらに在籍中の1972年5月1日から1973年4月末日まで1年間の記録が空白になっており、もしブッシュ氏が何らかの理由で上官に無断で飛行訓練などの役務をサボったということになれば、本来はそれなりの懲罰を受けるかベトナムでの兵役の対象に成ったはずなのに、結局何のお咎めも無かった、という事実。

前回の大統領選の時も、ブッシュ陣営はこれらの指摘を受けていたが最終的に勝利したために、この話はうやむやになっていた。しかし、これまでこの指摘を否定する明確な証拠が提示されてこなかった為に、ブッシュ氏の徴兵忌避の疑惑は晴れていない。

別にマイケル・ムーア氏が蒸し返さなくても、対抗馬として浮上しているジョン・ケリー氏はベトナム帰還兵だし、ムーアが押しているクラーク候補も元NATO最高司令官という生粋の軍人だから、もしかしたらこの問題が今後の選挙キャンペーンで再び大きな争点に成るかもしれない。それに今年は戦時の選挙戦だから、もしこの問題が争点になれば、ブッシュ氏に対する選挙民の見る目は前回よりも厳しくなるだろう。

参考リンク: 【ブッシュ 今度は軍歴証拠隠滅疑惑が浮上

January 25, 2004 in Media, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Saturday, January 24, 2004

【やっぱりテレビのイメージが全て】

■ハワード・ディーンがアイオワの結果を受けて発した一言、「イ゛エ゛ァ゛~ァ゛!!」のすごい影響。

アイオワの民主党予備選で予想に反して惨敗(3位)という結果を受けて、ディーン候補が支持者を前に発した絶叫シーンがアメリカのメディアで何度も再放映されている。そろそろほとぼりも冷めたかと思いきや、今日もCNNのCOMEDY CENTRAL "DAILY NEWS"で、またあのシーンをやっていた。

“常軌を逸した”という表現がピッタリだったあの絶叫は、おそらく今年の大統領選挙の流れを変えた映像として歴史に残るのでは(?)というと大袈裟かもしれないけれど、それくらいのインパクトはあったみたいだ。僕はあの映像を見て、ちょっと古いけどかつての“怪優”、今は亡きジョン・ベルーシがサタデイナイト・ライブで演じていた『サムライ・ホテル』のキャラクターにソックリだ、なんて思ったんだけど・・・。これはベルーシが三船敏郎をパロッたキャラクターで、何故か侍の格好をしたホテルのフロントマンが、デタラメの日本語を絶叫しながら客の相手をするという当時大ヒットしたキャラクター。僕はこれ見たさにサタデイナイト・ライブを見ていたぐらいだ。

まあ、ディーンがベルーシに似ていたかどうかは別にして、ディーン陣営はあの絶叫で付いてしまったイメージを消そうとやっきに成っているようだけど、ちょっと難しそうだ。CNNに登場したある評論家は「私はあのような感情的な人が核ミサイルの発射ボタンのそばに居るという想像はしたくありません。」なんて言っていた。確かにそれは言えてる・・・。

それにしても、今回改めて思ったのはメディアの影響力の大きさだ。アメリカでは一番最初にその影響が出たのは、あのJ.F.ケネディーとニクソンのテレビ討論会だったといわれているけれど(それまではニクソンがリードしていたが、テレビに登場したケネディーはダーク・スーツを、そしてニクソンはライトグレーのスーツを着ていて、当時はまだ白黒が主流だったテレビの画像では、おしゃれなライトグレーよりもダークスーツを着たケネディーの方が自信に満ちて強そうに見えた、という話)、インターネットの選挙運動が許されているアメリカ(ディーンが浮上したのもネットの活動で注目されたからだ)でも、やはり未だにテレビの影響力は圧倒的なものだということか。

先日、ウェズリー・クラーク候補支持を表明したマイケル・ムーア監督は、1月20日付けのメールで"Dean Supporters, Don't Give Up ..."とディーン・サポーターに対してエールを送っている。いわく、「君達の応援しているディーン候補は当初から反イラク戦争を訴えていた数少ない候補の1人であり、真の草の根運動を通じてアメリカの眠っていた政治意識を覚醒させ、ブッシュ大統領に対抗する大きな流れを作った。その功績は賞賛に値する。」とまあ、ある意味既に“過去の人”扱いに成っているけれど、彼の指摘しているところは正しいだろう。

これまで一生懸命応援していた候補者が、たった一発の『絶叫』で終わってしまう、というのはあまりにも酷かもしれないけれど、これも大統領選挙の現実。今回の出来事をみて他の候補者達は全員、「“情熱的”であることと“激情的”であることを履き違えてはならない(あるいは過剰な表現をしてはならない)。」と肝に銘じたことだろう。

January 24, 2004 in Media, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Thursday, January 22, 2004

【アメリカは環境テロリスト国家だ】

■アメリカの環境ポリシーはビジネスを最優先にした反エコロジー的なものだ。

世界最大の温室効果ガスの排出国でありながら、京都議定書から離脱して実質的に議定書の実効性を失わせたアメリカ。その理由は「米国内の経済活動の阻害要因になる」という、自国の利益を最優先にしたものだった。

そもそもブッシュ大統領は2001年1月20日に就任した直後に、前クリントン政権が進めていた環境政策を白紙撤回し、3月には京都議定書からの離脱を決定。さらに4月には実際に環境関連の連邦予算を大幅に削減して議定書に参加していた世界各国から激しく批難されたという前科がある。アメリカは例によってエゴイスティックな“一国主義”で国際的な温暖化抑止の協調体制を打ち壊したのだ。

そのアメリカのEPA(環境保護局)が、今度は農薬を販売、製造する化学企業と共謀して『絶滅危惧種保護法』(Endangered Species Protection Act)の効力を弱めようとしている、という(HotWiredの記事)。地球温暖化を放置するだけでは飽き足らずに、今度は地球環境の保護ではなくて農薬メーカーの既得権益を保護して生態系をも危うくしようとしている。

考えてみればアメリカが国家プロジェクトとして進めている戦争は、最も過激な環境破壊=“地球に対するテロリズム”といっても良い。軍産体制の延命を図り、自国の利益のみを国益として最優先するブッシュ政権の環境ポリシーは誰が何といっても間違っている。

そういえば昨日の一般教書演説では環境の「か」の字も無かったけれど、これまでの彼の“実績”を見ればそれも当然か・・・。よほど劇的な方向転換が無い限り、現在のアメリカの一国主義は“環境”という視点から見ても地球全体の安全保障にとって最大の脅威だと思う。

January 22, 2004 in Ecology, Economy, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, January 21, 2004

【ブッシュ大統領 一般教書演説で“初夢”を語る】

■今朝10時30分からCNNで中継していたブッシュ大統領の一般教書演説を見た。

今や世界最強国家のリーダーであるブッシュ大統領は自信に満ち溢れていた。彼を迎える上下両院の議員達も「アンタが大将!」状態で拍手喝采。普段は現政権を厳しく批判する民主党員も共和党員と一致団結して喝采する。野党からやたらと無意味な野次が飛ぶ日本の議会とは大違いだ。さすがはアメリカ、これが成熟した“大人の民主主義”ってもんよ。(たぶん・・・)

ハッキリいって中身に目新しいものは何も無かった。前半はこれまでの成果を振り返って自画自賛。全体の3分の2はテロとの戦争を巡る従来の主張をただ繰り返しただけ。「テロとの戦争は正しかったのです!」「我々はアフガニスタンとイラクを開放しました!これらの国は自らの手による民主化への道を歩み始めたのであります!」そして例によって「我々の努力の成果で、世界はより安全になりました!」と胸を張る。「アメリカは偉大だぁ~!アメリカは素晴らしぃ~!」

満場の議員達は彼が決めフレーズをフィニッシュする度にいちいち立ち上がってスタンディング・オベイションで応じる。ちなみに、その数はCNNのキャスターによると計69回!結構良い運動に成ったことだろう。

ただし、途中で何度かは民主党が拍手で応じず、黙って座ったままの場面もあった。ほぼ拮抗している二大政党の状況を象徴するように、議場が真っ二つに分かれて共和党は立ち上がり、民主党は沈黙。具体的に目立っていたのは「今行っている減税措置を恒久化する」というところと、「来年一部が失効する愛国者法(The USA PATRIOT act )の恒久化」の二箇所。(同法は隣人の監視や密告を奨励したり、盗聴や生体認証を強化するなど、プライバシーの侵害が問題に成っている)確かにこの二点は国内問題として争点に成っている。

もちろん、大統領選挙を控えたスピーチだから民主党をチクリとやるのも忘れない。まるで昨日アイオワで勝利したジョン・ケリー候補や、反イラク戦争急先鋒ハワード・ディーン候補の批判に反論するような主張も織り込んでいた。ただどちらかというと、言い訳がましい感じがして、これが一般教書演説というタイトルがついた選挙演説だとしても、説得力があったとは思えない。

民主党が批判しているのは一部の突出した勢力に牽引されたテロとの戦争を実行に移す為に、大した理由もまともな戦後復興プランもないままイラク戦争を始めてしまったこと。その結果、国際協調体制から孤立してしまった外交上の失策。そして景気は回復したといっても、改善しない失業問題、教育レベルの低下、ヘルスケアの崩壊、空前の財政赤字など・・・山積する国内問題の数々。こうした批判に対する発言は全体の3分の1にも満たなかった。

一番批判されている部分に関してはまともな反論すらなかった。特に未だに大量破壊兵器が見つかっていないことに対しては、「サダムを放っておいたら持っていたかもしれない」と大幅に後退。去年の一般教書演説では、まさに「大量破壊兵器を持っている邪悪なイラクはアメリカにとって最も深刻な脅威になっている。だから戦争やるしかない!」と宣言していたのにね。

そして、一国主義で国際協調を得られなかった為に、今や多くの国がアメリカを批判し、テロの前線が世界各地に拡大してしまったことに対しては、日本を含めた「30数ヶ国がイラク占領軍に参加しているから孤立主義じゃない」と言い訳した。異常なほどテンションが高まっているイスラエル/パレスチナ問題については一言も無し。

それにあれほど大々的にぶち上げた火星有人飛行計画の話もゼロだった。多分、1兆ドル(日経新聞)も掛かる開発費用に対する反発があまりにも強かったので避けたんだろう。とにかく反対勢力から突っ込まれそうな話題は外したということか。

それにしても、あまりに非現実的で勝ち誇ったような演説はかえって逆効果なんじゃないか。個人的には、次々に繰り出される自画自賛の美辞麗句に「夢でも見てんのか?」とあきれてしまった。まあ、ある意味でこれはブッシュの初夢、つまり素晴らしき“アメリカン・ドリーム”なのかも・・・。(笑)

ところで、一言もなかったのがもう一つ。それは「オサマ・ビン・ラディン」の名前だ。約一時間のスピーチの中で、オサマの名前は遂に一度も出てこなかった・・・。(だってラディン・ファミリーはパパの会社の取引先だし、共同出資者だもんね。)

January 21, 2004 in Current Affairs, Politics, Television | Permalink | Comments (2) | TrackBack

Monday, January 19, 2004

【ハワード・ディーン候補を支える“ジェネレーションY”】

■作家の村上龍氏が発行するメール・ニュース「Japan Mail Media」から1月17日付けでレポート『移りゆく世代』(文末に引用しておきます)が配信された。筆者は『9・11(セプテンバー・イレブンス)―あの日からアメリカ人の心はどう変わったか』の著者、冷泉彰彦氏。

内容は、2004年アメリカ大統領選挙の現状分析なんだけど、これが結構面白い。民主党のディーン候補を72年のマクガバン候補と比較する人は多いけど、冷泉さんは有権者層には既に大きな世代交代が起きていて、2000年の選挙ですら昔話に成っている。だから形骸化した比較論は有効ではない。むしろ今の状況を形作っている有権者層を知ることが大切だ、ということでアメリカにおける世代間の違いを比較して見せている。

具体的には、ディーン候補の中心的な支持層である『ジェネレーションY』を例に取り、何故彼が台風の目になっているのか?について新鮮な切り口で解説してくれている。いや、僕は単純に“ジェネレーションX”は知ってるけど、今まで“ジェネレーションY”なんて聞いた事なかったから新鮮なんだけどね・・・。

で、このリポートによると:

アメリカでは、「団塊二世(以降)」を「ジェネレーションX」と「ジェネレーションY」に分けて考えることが多いのです。1964年から1978年生まれを「X」、1978年以降を「Y」というのです。社会心理学者や社会批評家などの言いかたを総合すると、「X」の方の特徴は「団塊の世代が主張した『目覚めよ』というメッセージを引きずりながらも、あらゆることに懐疑的になっている」世代なのだそうです。

親の世代の眩しい「個の目覚めや、伝統への反逆」にはしっかり影響されながらも、その親の世代がやらかした価値破壊、とりわけ家庭崩壊による愛情の欠乏に深く傷ついた世代であり、その結果として青春時代は「ファースト・フードの低賃金労働」に明日なき絶望感を味わって、身体にピアスをしたり、何ごとにもシニカルな笑いを浮かべたり、という行動パターンが目立っていたのだと言います。

それに対して、「Y」の方は、物心ついたときには「世界はすでにメチャクチャであり」、だから「個の目覚め」などというスローガンに幻惑されることもないし、必要以上に傷つくこともないのだそうです。現象を「もつれた糸を解きほぐすように解明しようとする」一方で、理念の枠組みを持たないので、まだ自分が何者かが分かっていない世代、とも言われています。

というわけで、Blogのようなツール(もちろん、それだけとはいわないけれど)を使って彼等のコミュニケーション・スタイルに違和感無くアピールできたディーン候補は、実はお医者さんでもある。ジェネレーションYにとっては、アメリカの病根を「もつれた糸を解きほぐすように解決」しようとしている“お医者さんとしての”ディーン候補に魅力を感じているのではないか、という分析。なるほど・・・かもしれない。

一方で日本の団塊世代についての言及も面白い。

日本の団塊も、アメリカの団塊も「個の覚醒」を主張し、「伝統の束縛からの解放」を叫んだ点では一緒でした。ですが、その「戦い」の勝敗は異なります。アメリカの団塊は、結局のところベトナム撤兵を「勝ち取った」のです。そして、最終的に90年代に社会の最高権力を握って経済的にも成功を手にしたのです。

それに対して、日本の団塊は「自民党政権」という「疑似開発独裁」をひっくり返すことができず、また90年代前半の「住専騒動」を見ながら「食い逃げ組」がコッソリと社会の表舞台から「おいしい部分」を持って逃げていった後の、「失われた十年」における苦しい「負け戦」を担わされていると言って良いのでしょう。

冷泉氏の論旨は是非原文をお読みいただきたいけれど、面白いのはアメリカや日本のジェネレーションXには、それぞれ特有の違いがあってかなりの隔たりがあるようだけど、ジェネレーションYについては、それほど差が無いのではないか?としているところ。
その「ジェネレーションY」では、日本とアメリカの間にある差は「X」よりもずっと少ないように思うのです。気がついたら世界はメチャクチャであって、それを「もつれた糸」を解きほぐすように、既成の理念や情念を使わずに理解しようとしている、そんな特質は極めて似通っているように思えます。
「気が付いたら世界はメチャクチャ」って感覚はすごくリアリティーがあると思うけど・・・。JMMのサイトからこのレポートは既に削除されているようなので、念のため下記に引用しておきます。このJMMのメール・ニュース、他の記事も時事問題や経済分析など大変参考になるものが配信されるので興味ある方は是非サイトから登録(無料)してください。
■ 『from 911/USAレポート』 第128回
   「移りゆく世代」

■ 冷泉彰彦   :作家(米国ニュージャージー州在住)

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 ■ 『from 911/USAレポート』 第128回
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「移りゆく世代」

アメリカ東北部は、史上最悪と言われる寒波に襲われています。NY市内でも、ここニュージャージーでも16日金曜日の朝は、華氏零度(摂氏マイナス18度)まで冷え込みました。そんな中、政治の世界だけは、少しずつ熱気が出てきました。民主党側は、来週の1月19日に迫ったアイオワ州の党員集会を前に、各候補がしのぎを削る選挙戦の真っ最中なら、迎え撃つブッシュ大統領のほうは、有人火星探査構想をブチあげるといった調子です。

選挙の予想や情勢分析に当たっては、過去の結果との比較論から始めることが多いようです。今年の2004年の大統領選挙について言えば、1992年に現職のブッシュ(父)大統領に対して、全く無名からのし上がり「ブッシュに勝つには左寄りすぎる」と言われたクリントン候補が挑戦した選挙との比較などがそうでしょう。

1992年(第一次湾岸戦争)、2004年(イラク戦争)と「戦勝」を受けての選挙という共通点がある一方で、2004年の今回の方が景気が回復基調にあるので「現職有利」であるとか、いや戦争の中身が国連のお墨付きとクウェート奪還の大義名分のあった前回と、根拠も希薄なら結果も泥沼化している今回とを比較するのは興味深い・・・そんな議論はいくらでも可能です。

今回の選挙を、1972年の選挙と比較する声も多く聞かれます。泥沼化したベトナムからの撤退を叫ぶ「ラジカル」のマクガバン候補(民主)が、現職のニクソン大統領に挑戦して惨敗した選挙です。この時のマクガバン候補は、全米の中で、ワシントンDCとマサチューセッツでしか選挙人が取れなかったのですから、歴史的敗北と言って良いのでしょう。

ただ、マクガバン候補の主張した「ベトナム撤兵」は結果的にニクソン大統領の下で現実となったこと、そのニクソン大統領はウォーターゲート事件により二期目の任期を全うできなかったこと、そして何よりもその1972年11月の総選挙では、民主党が議会で圧倒的な多数を取ったことは「比較」として興味深いかもしれません。

その2004年の選挙ですが、この15日にはベトナム帰還兵という立場を「なりふり構わず」宣伝しはじめたケリー候補が世論調査のトップに僅差で躍り出たとか、ゲッパート、エドワーズの両候補も肉薄していると伝えられています。また、唯一の女性候補であった(そして黒人の)キャロル・M・ブラウン候補は、自身の選挙戦を断念してディーン候補支持に回りました。

そうは言っても、本格化してきた予備選レースにおいて、依然として台風の目になっているのは、ハワード・ディーン候補です。ケリー候補に一瞬逆転されたとはいえ、アル・ゴア、ビル・ブラッドレーという大物に加えて、今週にはジミー・カーター元大統領も非公式ながら支持をほのめかすなど、ディーン旋風は止まるところを知りません。

そのディーン候補こそ、現時点では若者を中心とした選挙運動を続けて支持を広げてきており、明らかに「世代」をターゲットとした活動に力を割いている候補なのです。少し前になりますが、女性運動系の雑誌『マザー・ジョーンズ』がちょうど、ディーン候補の運動員をしている若者の紹介をしていました。

リック・パールスタインという人の2003年7月の寄稿によれば、ディーン候補の選挙対策事務所には全国から20代の若者のボランティアが集まって、大学などのスケジュールの合間に一日平均18時間もの仕事をこなしているそうです。18時間というのは誇張でしょうが、とにかく若者を中心にインターネットを駆使した選挙戦術は、伝統的な選挙戦とは全く違うのだそうです。

この記事は、まだまだ「ディーン旋風」が吹き始めた頃のものですが、民主党本部からは「中道層の利害を代表する穏健な政策でなければ大統領選挙の本選では勝ち目はないので、留意するように」という書簡が出たそうで、それに対するディーン陣営の回答は「ブッシュの財政赤字反対、イラク戦争反対」という姿勢をより明確にするものでした。書簡は完全に無視された格好です。

このあたりから、民主党支持層におけるディーンへの懸念というものがくすぶり始め、それが現在も他の候補によるディーン攻撃として続いています。ディーン候補の政策が理想論に過ぎるだけではありません。年輩の民主党員には、ちょうど1972年のマクガバン候補が、ベトナム反戦を叫ぶ若者たちによって熱狂的に支持され、またそのことをニクソン陣営に叩かれて惨敗した悪夢が蘇るというのです。

ですが「2004年と1972年」であるとか、「ディーンとマクガバン」といった比較論は話としては面白くても、政局の予想材料としては限界があります。何よりも、有権者の世代が違うのです。1972年の選挙を考えてみると、当時一番若い有権者だった当時18歳の層は、この2004年には50歳になっています。32年という時間の流れは正に「一世代」だということを考えると、有権者の過半は入れ替わっていると見るべきでしょう。

1992年の選挙からも12年が経っています。あの時に、ブッシュ(父)よりもクリントンを選択した人々は12歳という年齢を加えています。今回18歳になって初めて選挙権を行使する若者は、1992年には6歳でした。

直近の2000年の選挙にして、もすでに歴史の彼方の事件です。アル・ゴア候補が得票の単純合計では勝っていながら「フロリダ」の集計作業の結果として、ブッシュ大統領に当選を譲り渡した接戦と、今回2004年との間にも4年の月日が流れています。この間に、既存の有権者は確実に年齢を重ね、全く新しい層が選挙人登録をはじめています。

地域や階層、性別などで有権者を区別し、選挙の結果を予想したり分析したりすることに比べて、この世代という問題は、なかなか数字に出ては来ません。ですが、数字に出てこないだけに、選挙の結果を左右する大きな要素だと思うのです。

ディーン陣営でインターネットのボランティアをしているのは、1972年に「マクガバン」を支持した学生層の子供たちの世代です。日本風に言えば「団塊二世」というべき、この層のことを少し見てみましょう。

アメリカでは、「団塊二世(以降)」を「ジェネレーションX」と「ジェネレーションY」に分けて考えることが多いのです。1964年から1978年生まれを「X」、1978年以降を「Y」というのです。社会心理学者や社会批評家などの言いかたを総合すると、「X」の方の特徴は「団塊の世代が主張した『目覚めよ』というメッセージを引きずりながらも、あらゆることに懐疑的になっている」世代なのだそうです。

親の世代の眩しい「個の目覚めや、伝統への反逆」にはしっかり影響されながらも、その親の世代がやらかした価値破壊、とりわけ家庭崩壊による愛情の欠乏に深く傷ついた世代であり、その結果として青春時代は「ファースト・フードの低賃金労働」に明日なき絶望感を味わって、身体にピアスをしたり、何ごとにもシニカルな笑いを浮かべたり、という行動パターンが目立っていたのだと言います。

それに対して、「Y」の方は、物心ついたときには「世界はすでにメチャクチャであり」、だから「個の目覚め」などというスローガンに幻惑されることもないし、必要以上に傷つくこともないのだそうです。現象を「もつれた糸を解きほぐすように解明しようとする」一方で、理念の枠組みを持たないので、まだ自分が何者かが分かっていない世代、とも言われています。

ディーン候補はこのままでは、「第二のマクガバン」になってしまう、そんな分析をするのは簡単です。イラク反戦の主張は「草の根保守」の心理を逆なでしますし、「大企業や富裕層の利権」を非難する舌鋒は下手をすれば景気をダメにする暴論と攻撃される危険もあります。そんな中、イラクでの惨劇が少しずつでも収束し、景気が穏やかに推移すれば「ディーン対ブッシュ」では勝ち目はない、現時点での「分析」としては、その辺りが常識的なのでしょう。

ですが、そのディーン候補には独特の可能性を感じさせるものがあります。それは、この「ジェネレーションY」を味方につけていることです。先に紹介した『マザー・ジョーンズ』の記事では、「アラバマ州の躾にうるさいキリスト教系のカレッジ」に通う学生が、片道2000キロのドライブをしてバーモント州のディーン選対本部に「アポなし」で現れて、すぐに仕事を与えられて生き生きと活動している姿が紹介されています。

私の知っている近所の学生も、NYのダウンタウンで良く行われる「ハワード・ディーンのロックンロール+討論集会」に熱心に通って、その「熱い」ムードを語ってくれました。ディーン陣営がお得意のインターネットを通じて、支持者に配っている『新世紀のコモンセンス(常識)』というパンフレットがあるのですが、これも「Y」を意識したと言えるのでしょう。

『コモンセンス』とは、アメリカ独立革命に当たってトマス・ペインが書いて、植民地に決起を呼びかけた「檄文」を意識しています。「ペインがイギリスの国王ジョージ三世に対して抗議したように、私はブッシュ政権を告発する」というなかなか激しいセリフで始まる冊子は、PDFファイルでありながら、印刷してみると18世紀の冊子の模造品のように見えます。

冊子の中身は「リベラルな正論」をこれでもか、と並べた内容です。各章の冒頭にはアメリカの昔の「偉人」たちの言葉が紹介されています。例えば「国家を運営するのは、一部の特権階級なのか? それとも人民の手によるのか?(ハリー・トルーマン)」という言葉に続いて、大企業中心のブッシュ政権の財政赤字を市民に回すな、とか石油利権の代表が副大統領の机に座っている政権は「プライベート・クラブ」だ、というような「告発」が続くという寸法です。

激しく、しかし簡潔に政策を紹介した後には、「あなたにできること」として献金と支持者獲得の要請があります。献金は「一人100ドル」と明記してあり、無理なら10ドルでも良いが、その代わりに支持者を9人見つけるようにと書かれています。その支持者の記入欄は10人分があり、その最初には「ハワード・ディーン」というサインと共に、ディーン候補の連絡先が書いてあり、残りの9人分を埋めて欲しいというわけです。

表紙も中身も、黒と赤の二色刷りで、どことなく古風なフォントを使った凝ったものです。「X」以上の世代には作為的に過ぎ、また内容も一本調子に過ぎる作りだと思われるのでしょうが、恐らく「Y」の世代には、中学の歴史の時間で学んだ記憶が蘇える一方で、激しいブッシュ批判も新鮮なのではないでしょうか。

この冊子には「医学博士、元知事ハワード・ディーン」と署名がされており、これも若者たちに受けているのだというのです。もつれた糸を解きほぐして理解したがる「Y」の世代には、社会的な問題を「病気のように診断して」、科学的な治療法を提示するという「医師ディーン」のスタイルが、とりわけアピールするのだそうです。

ディーン旋風には、まだまだ危なっかしいところはたくさんあります。ですが、この「ジェネレーションY」を押さえている、という点は、他の候補にはない特質であると思います。むしろ保守的な民主党員の中での人気投票であるアイオワ、そしてニューハンプシャーでは、ディーン候補はトップを他の候補に譲るかもしれません。ですが、この「Y」効果に加えて、選挙戦を勝ち抜く中で候補本人も、そして運動組織全体も「一回り大きく」成長してゆけば、クリントン旋風のような現象が起きないとも限りません。

この「ジェネレーションX」と「ジェネレーションY」に似たような世代感覚は、日本にもあるように思えます。ただ、「X」同士を比べるとアメリカと日本では違っているように思うのです。一言で言えば、日本の方がずっと「絶望が深い」ということです。それは、親の世代である「団塊」のカルチャーが日米で違っているのと、90年代の社会が明暗を分けたことに起因しています。

日本の団塊も、アメリカの団塊も「個の覚醒」を主張し、「伝統の束縛からの解放」を叫んだ点では一緒でした。ですが、その「戦い」の勝敗は異なります。アメリカの団塊は、結局のところベトナム撤兵を「勝ち取った」のです。そして、最終的に90年代に社会の最高権力を握って経済的にも成功を手にしたのです。

それに対して、日本の団塊は「自民党政権」という「疑似開発独裁」をひっくり返すことができず、また90年代前半の「住専騒動」を見ながら「食い逃げ組」がコッソリと社会の表舞台から「おいしい部分」を持って逃げていった後の、「失われた十年」における苦しい「負け戦」を担わされていると言って良いのでしょう。

アメリカの団塊には、家庭を壊そうが会社を潰そうがアッケラカンと開き直る「馬鹿力」があり、それゆえに「X」の世代はその「馬鹿力」に押しつぶされ、振り回されて「シニカル」になるしかないのです。良くも悪くも萎縮して自分を守るしかないのでしょう。その一方で、日本の団塊には「敗北感」に加えて「思いを遂げられなかった無念」のようなものが漂います。

そんな団塊の世代を見て育った日本の「X」は、シニカルな言葉すら持つことができず、アメリカの「X」よりもより深い絶望感を持たされているように思えます。これに加えて、日本の団塊世代は、「敗北の無念」を抱え込んだまま、表面的には男尊女卑や安定志向に逃げ込んでいます。

更には(持てる世代のくせに)「清貧の美学」や「他力の思想」などを持ち出し、それを「塊」の暴力的な大きさで押しつけてくるようにも見えます。日本の「X」が、あらゆる理念的な言葉に対して本質的な不信感を抱きながら、いつまでも「立ちすくんで」いる原点はそんなところにあるようです。

勿論、世代論というのは文学論のような徹底的に主観的なアプローチか、あるいは社会科学として厳格に統計を使って分析をしなくてはダメで、印象論を重ねることには限界があります。ですが、こうした世代論の日米比較のような発想を持つことは、社
会の深層における変化の構造が、実は国境を越えた話だということを気づかせてくれるのです。国内的な現象のように見えても、国家に閉じこもらずに様々な社会と比較してみることで、意外な問題が見えてくるということはあるようです。

「ジェネレーションY」について言えば、アメリカでよく言われる典型的な例は英国のウィリアムズ王子だというのですから、正に国境を越えた話です。その「ジェネレーションY」では、日本とアメリカの間にある差は「X」よりもずっと少ないように思うのです。気がついたら世界はメチャクチャであって、それを「もつれた糸」を解きほぐすように、既成の理念や情念を使わずに理解しようとしている、そんな特質は極めて似通っているように思えます。

社会が複雑化し、異質なものの共存を続けるためには、従来の発想とは一桁違う頭の回転の速さと、既成概念を捨てた柔軟性が必要なのでしょう。その意味で、日本とアメリカという共に閉塞感漂う社会としては、この「ジェネレーションY」に期待をかけてゆく必要があるように思います。日本ではさしあたり、「Y」世代に支えられたディーン旋風のような政治的な現象はまだ生まれていませんが、今回の芥川賞を契機に(まだ私としては受賞作を読んではいませんが)「Y」の世代の持つ可能性が評価されるようになれば素晴らしいことだと思います。

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冷泉彰彦: 著書に『9・11(セプテンバー・イレブンス)―あの日からアメリカ人の心はどう変わったか

January 19, 2004 in Media, Politics, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Sunday, January 18, 2004

【マイケル・ジャクソン 罪状認否をパーティーで祝う】

■サンタバーバラ地裁に罪状認否の為に出頭したマイケル・ジャクソン容疑者、ネバーランドでパーティーを開催してファンと共にお祭り気分。

どうでも良いことなんだけど・・・、またメディアの情報操作の術中にハマッてしまったな~なんて思いつつ、やっぱり気になってこのニュースを見てしまう。CNNではラリー・キングが司会したジャクソンのニュースを繰り返し放送している。お陰で今日のバグダッドの戦死者のニュースはほんの1分程度しか放送されなかった・・・。

黒人イスラム教団Nation of Islamのボディーガードに守られて法廷に出頭したマイケル・ジャクソン容疑者は、開廷に20分も遅刻したり、罪状認否の最中に「トイレに行く」との理由で一時退廷したりして裁判官の心証を相当損ねたらしい。「またこんなナメタ真似をしたら法廷侮辱罪」に成るかもしれない危険を冒して、それでもジャクソン容疑者は大勢のファンに囲まれて意気揚揚と引き上げていった。

確かに冤罪の可能性は否定できない。しかし一方で原告の少年は白血病が悪化して顔の左半分が晴れ上がり、人前に出ることが出来ない状態だという。しかも、ひょっとしたら裁判の開始まで命が持つかどうかすら分からないとも云われている。もし不幸にも原告が証言出来ない状態になれば、物証に乏しい(検察側はベッド・マットレスを押収して精液の痕跡の有無を確かめているらしい)今回の裁判はジャクソン容疑者にとって願っても無い有利な状況になるだろう。

メディアで伝えられているように、この少年の母親が本当にクレームの常習犯だったとしても、そして今回の告訴が実は金目当てであったとしても、原告が余命幾ばくも無い少年であることには変わりない。そのことを考えると、ファンに囲まれて勝ち誇ったように喜びはしゃぐマイケルの行動はあまりにも異様で、彼が常日頃アピールしている「子供達へのいたわりと無条件の愛」の精神からはかけ離れているように思える。これから選ばれるかもしれない陪審員にとっても印象は良くないだろう。僕はテレビのモニターに移る彼の映像に、現実世界から乖離してしまったマイケル・ジャクソンのグロテスクな一面を垣間見たような気がした。

January 18, 2004 in Media, Music, Television | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Saturday, January 17, 2004

【マイケル・ムーアがクラーク支持を表明】

■マイケル・ムーアが今日配信されたメールで「私はウィズリー・クラーク候補に投票する!」とクラーク支持を表明した。

このメールは彼のオフィシャル・サイトMichaelMoor.comで登録すると送られてくるメール・ニュースなんだけど、どうやら彼の決意はそうとう固いみたいだ。反ブッシュの急先鋒である彼だけに、この支持表明は色んな波紋をよぶだろう。

今のところ民主党の大統領候補の中ではハワード・ディーンがダントツの支持を得ているので、大方の予想は、もしブッシュに勝つとしたらディーン候補では、と思われている。しかも、これまで彼はワシントンのアウトサイダー(中央へのコネクションがあまりないことを逆手にとって)であるというポジショニングをとってきたけれど、このところゴア元副大統領やカーター元大統領など民主党のキーパーソン達(インサイダー)が続々ディーン支持を表明して必ずしも“アウトサイダー”とはいえない状況に成りつつあり、それに伴って発言の内容も(中央よりに)微妙にトーンを変えつつあるようだ。

一方クラーク候補(彼のBLOG)の支持率は今のところそれほどパットしない。彼は今回の候補達の中で唯一生粋の軍人(元NATO最高司令官)であり、徴兵忌避の経験があるブッシュに比べると当然のことながら軍歴も豊富。その彼がイラク戦争には大反対している。理由は色々あるんだろうけど、基本的には今回のネオコン主導による戦争は石油利権を巡るビジネスであって正当な大儀がないだけでなく、結果的に中東の不安定化を招きパレスチナ問題の解決が一層困難に成る、という理由を挙げている。別に新しいアプローチではないけれど、軍人としてトップまで登りつめNATO軍を指揮した経験したことのある人物の発言だから一定の説得力があるのは確か。

「戦争はあくまで最後の手段として行使されるべきだ。戦場で若者が死んでいくのを見た者は、もう二度と戦争をしたくないと思うし、戦争をする必要がないのなら、あるいは避けることが出来るのなら、あらゆる手段を使ってこれを避けるべきだ。」というクラークの言葉には血の通った感情が感じられる。

彼はいわゆる政治家ではないし、NATOでの経歴をのぞいて政治的な外交経験もそうあるとは思えないけれど、マイケル・ムーアは「ブッシュに勝てるのは彼しか居ない。」と強力にプッシュしている。僕はもしムーアが指示を表明するとしたらディーン候補になるだろうと思っていたので、ちょっと意外だった。しかし、このメールで彼が主張するクラークを支持する「7つの理由」にはなるほどと思えるものもある。

その多くは「低所得者層に対する劇的な減税政策」や、「徴兵制度への反対(ブッシュは18~25才を対象にした徴兵制度復活を目指している)」、「黒人に対する人種差別問題への取組み」、「銃規制への積極的な取組み(銃所有者の指紋登録を義務化)」、「プライバシーの保護強化」、「ゲイの人権擁護(ゲイ同士の結婚が憲法違反であるとの判断に反対)」等々、アメリカ人にとっての、つまり国内問題なので外国人である我々には直接関係はないのだけど、少なくとも彼が「最も厳しい環境保護政策」を打ち出していて、「軍備予算を削減」し、そして「徹底的に反戦争」である点などはムーアの主張がなるほどと思える部分だ。

こうしたクラークの政策に対して、TIMEマガジンなどはクラークをハワード・ディーンを強力にバージョンアップしたという意味で“DEAN 2.0”と呼んでいるそうだ。

All of this is why Time magazine this week referred to Clark as "Dean 2.0" -- an improvement over the original (1.0, Dean himself), a better version of a good thing: stronger, faster, and easier for the mainstream to understand and use.

これはなかなか面白い表現。それにしてもムーアは何故クラーク支持を打ち出したのか?BLOGを積極的に活用した、文字通り“草の根運動”を展開してきたディーンの手法はムーアのポリシーにも通じるものがあるのではと思っていたのだが、ムーアは彼のメールの中で、クラークの政策はもちろんだが「実際に会ってみると、人物として非常に実直で信頼がおける。」ことをあげている。そういえば、昨年クラーク支持を表明して注目された(?)マドンナも同じ事を言っていたな・・・。

ムーアはディーンにかつてのマクガバン候補を見ているのかもしれない。マクガバンは72年にニクソンの対立候補となり、当時泥沼化していたベトナム戦争反戦運動の大きな流れのなかで支持を得て、彗星のごとく登場したが、ベトナムからの即時撤退やマリファナの合法化をはじめとする彼のリベラルな政策は中間層から嫌われ、接戦になるという事前の予想とは裏腹に大敗した。ディーンは当時のマクガバンほどリベラルではないといわれているが、しかし、それでも極端に保守化した今のアメリカでは「急進的なリベラル」という評価になってしまう。

民主党で一時期旋風を起こしたディーン候補は完全なリベラル派で、こういうタイプは過去にも予備選挙では民主党のリベラル層の支持を受けてそこそこ善戦しますが、仮に予備選挙を勝ち抜いて本選に挑んでも、必ず大敗します。つまりリベラル過ぎて、本選でキャスティングボートを握り最も大事な中間層票(約5%)を取れないからです。72年の民主党予備選を勝ち抜いたマクガバン候補がまさにそれで、「ベトナム戦争からの即時撤退」を掲げリベラルの支持を得て本選に挑みましたが、ニクソン大統領に歴史的な大敗を喫しました。(サンデー・プロジェクトより

おそらく、ムーアはこの再現だけは避けたいと思っているに違いない。ブッシュ政権を終わらせるという最終目標を達成するために、中間層にも受け入れられる現実的なチョイスとしてクラーク候補を押すという決断をしたのではないだろうか?一応、マイケル・ムーアから送られてきた熱いメッセージ全文を以下に引用しておきます。

I’ll Be Voting For Wesley Clark / Good-Bye Mr. Bush — by Michael Moore

January 14, 2004

Many of you have written to me in the past months asking, "Who are you going to vote for this year?"

I have decided to cast my vote in the primary for Wesley Clark. That's right, a peacenik is voting for a general. What a country!

I believe that Wesley Clark will end this war. He will make the rich pay their fair share of taxes. He will stand up for the rights of women, African Americans, and the working people of this country.

And he will cream George W. Bush.

I have met Clark and spoken to him on a number of occasions, feeling him out on the issues but, more importantly, getting a sense of him as a human being. And I have to tell you I have found him to be the real deal, someone whom I'm convinced all of you would like, both as a person and as the individual leading this country. He is an honest, decent, honorable man who would be a breath of fresh air in the White House. He is clearly not a professional politician. He is clearly not from Park Avenue. And he is clearly the absolute best hope we have of defeating George W. Bush.

This is not to say the other candidates won't be able to beat Bush, and I will work enthusiastically for any of the non-Lieberman 8 who might get the nomination. But I must tell you, after completing my recent 43-city tour of this country, I came to the conclusion that Clark has the best chance of beating Bush. He is going to inspire the independents and the undecided to come our way. The hard core (like us) already have their minds made up. It's the fence sitters who will decide this election.

The decision in November is going to come down to 15 states and just a few percentage points. So, I had to ask myself -- and I want you to honestly ask yourselves -- who has the BEST chance of winning Florida, West Virginia, Arizona, Nevada, Missouri, Ohio? Because THAT is the only thing that is going to matter in the end. You know the answer -- and it ain't you or me or our good internet doctor.

This is not about voting for who is more anti-war or who was anti-war first or who the media has already anointed. It is about backing a candidate that shares our values AND can communicate them to Middle America. I am convinced that the surest slam dunk to remove Bush is with a four-star-general-top-of-his-class-at-West-Point-Rhodes-Scholar-Medal-of-Freedom-winning-gun-owner-from-the-South -- who also, by chance, happens to be pro-choice, pro environment, and anti-war. You don't get handed a gift like this very often. I hope the liberal/left is wise enough to accept it. It's hard, when you're so used to losing, to think that this time you can actually win. It is Clark who stands the best chance -- maybe the only chance -- to win those Southern and Midwestern states that we MUST win in order to accomplish Bush Removal. And if what I have just said is true, then we have no choice but to get behind the one who can make this happen.

There are times to vote to make a statement, there are times to vote for the underdog and there are times to vote to save the country from catastrophe. This time we can and must do all three. I still believe that each one of us must vote his or her heart and conscience. If we fail to do that, we will continue to be stuck with spineless politicians who stand for nothing and no one (except those who write them the biggest checks).

My vote for Clark is one of conscience. I feel so strongly about this that I'm going to devote the next few weeks of my life to do everything I can to help Wesley Clark win. I would love it if you would join me on this mission.

Here are just a few of the reasons why I feel this way about Wes Clark:

1. Clark has committed to ensuring that every family of four who makes under $50,000 a year pays NO federal income tax. None. Zip. This is the most incredible helping hand offered by a major party presidential candidate to the working class and the working poor in my lifetime. He will make up the difference by socking it to the rich with a 5% tax increase on anything they make over a million bucks. He will make sure corporations pay ALL of the taxes they should be paying. Clark has fired a broadside at greed. When the New York Times last week wrote that Wes Clark has been “positioning himself slightly to Dean’s left," this is what they meant, and it sure sounded good to me.

2. He is 100% opposed to the draft. If you are 18-25 years old and reading this right now, I have news for you -- if Bush wins, he's going to bring back the draft. He will be forced to. Because, thanks to his crazy war, recruitment is going to be at an all-time low. And many of the troops stuck over there are NOT going to re-enlist. The only way Bush is going to be able to staff the military is to draft you and your friends. Parents, make no mistake about it -- Bush's second term will see your sons taken from you and sent to fight wars for the oily rich. Only an ex-general who knows first-hand that a draft is a sure-fire way to wreck an army will be able to avert the inevitable.

3. He is anti-war. Have you heard his latest attacks on Bush over the Iraq War? They are stunning and brilliant. I want to see him on that stage in a debate with Bush -- the General vs. the Deserter! General Clark told me that it's people like him who are truly anti-war because it's people like him who have to die if there is a war. "War must be the absolute last resort," he told me. "Once you've seen young people die, you never want to see that again, and you want to avoid it whenever and wherever possible." I believe him. And my ex-Army relatives believe him, too. It's their votes we need.

4. He walks the walk. On issues like racism, he just doesn't mouth liberal platitudes -- he does something about it. On his own volition, he joined in and filed an amicus brief with the Supreme Court in support of the University of Michigan's case in favor of affirmative action. He spoke about his own insistence on affirmative action in the Army and how giving a hand to those who have traditionally been shut out has made our society a better place. He didn't have to get involved in that struggle. He's a middle-aged white guy -- affirmative action personally does him no good. But that is not the way he thinks. He grew up in Little Rock, one of the birthplaces of the civil rights movement, and he knows that African Americans still occupy the lowest rungs of the ladder in a country where everyone is supposed to have "a chance." That is why he has been endorsed by one of the founding members of the Congressional Black Caucus, Charlie Rangel, and former Atlanta Mayor and aide to Martin Luther King, Jr., Andrew Young.

5. On the issue of gun control, this hunter and gun owner will close the gun show loophole (which would have helped prevent the massacre at Columbine) and he will sign into law a bill to create a federal ballistics fingerprinting database for every gun in America (the DC sniper, who bought his rifle in his own name, would have been identified after the FIRST day of his killing spree). He is not afraid, as many Democrats are, of the NRA. His message to them: "You like to fire assault weapons? I have a place for you. It's not in the homes and streets of America. It's called the Army, and you can join any time!"

6. He will gut and overhaul the Patriot Act and restore our constitutional rights to privacy and free speech. He will demand stronger environmental laws. He will insist that trade agreements do not cost Americans their jobs and do not exploit the workers or environment of third world countries. He will expand the Family Leave Act. He will guarantee universal pre-school throughout America. He opposes all discrimination against gays and lesbians (and he opposes the constitutional amendment outlawing gay marriage). All of this is why Time magazine this week referred to Clark as "Dean 2.0" -- an improvement over the original (1.0, Dean himself), a better version of a good thing: stronger, faster, and easier for the mainstream to understand and use.

7. He will cut the Pentagon budget, use the money thus saved for education and health care, and he will STILL make us safer than we are now. Only the former commander of NATO could get away with such a statement. Dean says he will not cut a dime out of the Pentagon. Clark knows where the waste and the boondoggles are and he knows that nutty ideas like Star Wars must be put to pasture. His health plan will cover at least 30 million people who now have no coverage at all, including 13 million children. He's a general who will tell those swing voters, "We can take this Pentagon waste and put it to good use to fix that school in your neighborhood." My friends, those words, coming from the mouth of General Clark, are going to turn this country around.

Now, before those of you who are Dean or Kucinich supporters start cloggin' my box with emails tearing Clark down with some of the stuff I've seen floating around the web ("Mike! He voted for Reagan! He bombed Kosovo!"), let me respond by pointing out that Dennis Kucinich refused to vote against the war resolution in Congress on March 21 (two days after the war started) which stated "unequivocal support" for Bush and the war (only 11 Democrats voted against this--Dennis abstained). Or, need I quote Dr. Dean who, the month after Bush "won" the election, said he wasn't too worried about Bush because Bush "in his soul, is a moderate"? What's the point of this ridiculous tit-for-tat sniping? I applaud Dennis for all his other stands against the war, and I am certain Howard no longer believes we have nothing to fear about Bush. They are good people.

Why expend energy on the past when we have such grave danger facing us in the present and in the near future? I don't feel bad nor do I care that Clark -- or anyone -- voted for Reagan over 20 years ago. Let's face it, the vast majority of Americans voted for Reagan -- and I want every single one of them to be WELCOMED into our tent this year. The message to these voters -- and many of them are from the working class -- should not be, "You voted for Reagan? Well, to hell with you!" Every time you attack Clark for that, that is the message you are sending to all the people who at one time liked Reagan. If they have now changed their minds (just as Kucinich has done by going from anti-choice to pro-choice, and Dean has done by wanting to cut Medicare to now not wanting to cut it) – and if Clark has become a liberal Democrat, is that not something to cheer?

In fact, having made that political journey and metamorphosis, is he not the best candidate to bring millions of other former Reagan supporters to our side -- blue collar people who have now learned the hard way just how bad Reagan and the Republicans were (and are) for them?

We need to take that big DO NOT ENTER sign off our tent and reach out to the vast majority who have been snookered by these right-wingers. And we have a better chance of winning in November with one of their own leading them to the promised land.

There is much more to discuss and, in the days and weeks ahead, I will continue to send you my thoughts. In the coming months, I will also be initiating a number of efforts on my website to make sure we get out the vote for the Democratic nominee in November.

In addition to voting for Wesley Clark, I will also be spending part of my Bush tax cut to help him out. You can join me, if you like, by going to his website to learn more about him, to volunteer, or to donate. To find out about when your state’s presidential primaries are, visit Vote Smart.

I strongly urge you to vote for Wes Clark. Let's join together to ensure that we are putting forth our BEST chance to defeat Bush on the November ballot. It is, at this point, for the sake of the world, a moral imperative.

Yours,

Michael Moore

www.michaelmoore.com

mmflint@aol.com

January 17, 2004 in Current Affairs, Politics, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Friday, January 16, 2004

【JACK-INがリアルに実現しそうだ】

脳とコンピューターを直結するインターフェースが現実に-HOTWIRED

もうだいぶ前にJAM THE WORLDの放送で、当時HOTWIREDに掲載されたこの記事の内容を紹介したことがあるんだけど、その後も研究は着々と進んでいたみたい。何故か火星探査機よりもよっぽどビックリな話。

 煩わしいキーボードやジョイスティックなんて放り出して、自分の脳を直接コンピューターにつなげられたらいいのに、と思っている人は多い――とくに、キーボードやジョイスティックが使えない人はそうだろう。

 マサチューセッツ州フォックスバロにある株式未公開企業、サイバーキネティックス社が考案した「ブレイン=コンピューター・インターフェース」(BCI)はこの夢を実現してくれるもので、数ヵ月後には四肢麻痺患者5人を対象に臨床試験が行なわれるかもしれない。

 『ブレインゲート』(BrainGate)というこのシステムを使えば、四肢が全く動かない人でも、思考する際に生じる脳内信号だけを利用して、コンピューターやロボットを操作することはもちろん、将来的には、麻痺した筋肉に信号を送る経路を新たに確保して、自分の筋肉まで動かせるようになる可能性がある。臨床試験がうまくいけば、2007年までに製品化もあり得る。

ウイリアム・ギブソンも思わず唸るこの技術、彼にとってデビュー作と成った1986年のサイバーパンクの傑作『ニューロマンサー』で描かれていたように、人間がコンピューターに直接JACK-INしてネットにDIVE-INする時代が思ったより早く来るのかもしれない。企画書とか書類を書いているときに、いつも「考えたことそのままタイプしてくれるソフトがあれば・・・。」なんて思う自分としては、一日も早く実現してもらいたい技術。ちょっと怖いが。

そういえば、『ニューロマンサー』では日本(それもCHIBA CITY!)が退廃した近未来都市として描かれていたけれど、ある意味でそっちのビジョンもリアルかもね。

January 16, 2004 in Books, Science | Permalink | Comments (0) | TrackBack

【ブッシュを笑え!TVCM26本をチェック】

■反ブッシュ勢力のなかでも異色な存在である機関投資家の大物ジョージ・ソロス(詳細はこのエントリー)。彼が5億円もの資金提供して話題になったのがMoveon.orgだ。このMoveon.orgがスポンサーして、ブッシュをテーマに30秒間テレビ・コマーシャルを募集するコンペが行われていた。審査員にはあのマイケル・ムーア監督やPERL JAMのボーカルEddie Vedder、“GOOD WILL HUNTING"や"MY OWN PRIVATE IDAHO"のGus Van Sant監督も名を連ねているんだけど、その入賞作品26タイトルが発表された。

そのコンペのタイトルは、『BUSH IN 30 SECONDS』という。そして1000タイトル以上の応募作品の中から選ばれた各カテゴリーの優勝者5名とファイナリスト26名全員の作品がここで観れるので是非チェックしよう。もちろんコメディー・テイストばかりではないけれど、いずれの作品も皮肉が効いていて鋭い。

個人的にはBest Animated Adに選ばれたこの作品が好き。
BestAnimeBUSH30.jpg

ところで、このMoveon.orgは、このBlogで何度も登場するMisleader.orgもやっている。こっちはマジメに毎日ブッシュの嘘や失策を告発している。

それにしても、やっぱりコメディーは権力を批判する最も強力な手段。日本でもClubKingを主催する桑原茂一さんスネークマンショーで音と言葉による作品で気を吐いているので、そちらもあわせてチェックしてみてください。

*お知えてくれた山口さん、どうもありがとう!

January 16, 2004 in Media, Politics, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Thursday, January 15, 2004

【ブッシュ大統領 嘘の上塗り】

■米政府高官がオニール前財務長官の発言を肯定したという記事がリリースされた。

Official Confirms Bush Plotting Iraq Invasion Pre-9/11, Despite President's Denial (MISLEADER)

オニール前財務長官が著書「THE PRICE OF LOYALTY」でブッシュ大統領が就任直後にイラク攻撃を指示していたと暴露して話題になっているけれど、ブッシュ本人は12日(月)にこの真偽を問われて「いや、サダム・フセインに対する私の政権の政策は前クリントン政権と同じで、フセイン政権の交代を目指していたに過ぎない。」と否定。またラムズフェルド国防長官も「オニールがどの会議に出ていたか知らんが、現政権がイラク侵略を就任直後から計画していたなんて全くのデタラメだ。」と否定していた。

On Monday, when Bush was asked whether the charges were true, he said, "No, the stated policy of my administration towards Saddam Hussein was very clear. Like the previous administration, we were for regime change." One White House official added, "It's laughable to suggest that the administration was planning an invasion of Iraq that shortly after coming to office."
ところが、ABCニュースによると「ブッシュ政権は9.11の遥か前から地上軍によるイラク侵攻の可能性を検討していた。」とのことで、またオニール前財務長官と問題の国家安全保障会議に同席していた政府高官(匿名)が「ブッシュ大統領の命令はクリントン政権が武力以外の方法でフセイン政権の交代を目指していたレベルを超えるものだった。」と語り、ブッシュが否定したオニールの発言が事実だったことを肯定したという。ブッシュはこの件に関して二重に嘘をついたことになる。
But according to a new ABC News report, "President Bush ordered the Pentagon to explore the possibility of a ground invasion of Iraq well before the United States was attacked on September 11th." The story quoted a White House official who attended the same National Security Council meetings as O'Neill. That official said the president's order "went beyond the Clinton administration's halfhearted attempts to overthrow Hussein without force."

さらに、オニール前財務長官とこの政府高官の発言は約1年前の2003年1月27日に発行されたPhiladelphia Daily Newsの記事と符合する。その記事によると「実際には既に1997年頃からラムズフェルド国防長官とディック・チェイニー副大統領によってイラク侵攻が計画されていた。」とのこと。

This report - and O'Neill's charge - are consistent with earlier reporting noting that "invading Iraq was not a new idea for the Bush team" after September 11th. While Bush regularly invoked the terrorist attacks as the reason for war in Iraq, the Philadelphia Daily News reported that "in reality, Secretary of Defense Donald Rumsfeld, Vice President Dick Cheney, and Deputy Secretary of Defense Paul Wolfowitz had begun making the case for an American invasion of Iraq as early as 1997 - nearly four years before the September 11th attacks and three years before President Bush took office."
確かに以前から、ラムズフェルド、チェイニー、ウォルフォウィッチなどネオコン勢力は元々民主党政権であるクリントン政権時代にイラク侵攻を進言していた(原文はこちら)が、クリントン大統領に拒否されたため実現しなかった。しかし彼等が現ブッシュ政権に入り込んだ直後から満を持してこの計画(ブッシュ・ドクトリン)を実行に移したのだ、という見方はあった。今回のオニール氏と新たに登場した政府高官の発言はこのシナリオを裏付けるものになる。どうやら“ブッシュ一家”の「鉄の結束」は既に崩壊しているようだ。

January 15, 2004 in Books, Media, Politics, Television | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, January 14, 2004

【2050年までに全生物種の4分の1が絶滅】

国際調査報告「地球温暖化で2050年までに全生物種の4分の1が絶滅」-HOTWIRED

「エェ~!?」というのが正直な感想だろう。地球温暖化というと、1972年に出版されたローマ・クラブの「成長の限界」を思い出す。この本は、その衝撃的な内容故にその後の地球環境問題を巡る研究の出発点ともいわれ、未だに重版されている。

オーレイオ・ペッチェイ氏を中心とする民間団体であるローマクラブは、ドイツのフォルクスワーゲン基金の財政援助のもと、若手研究グループに地球の限界に関する研究を委託した。研究メンバーはコンピュータモデルを駆使して環境、工業生産、人口などの相互関連を通じて地球全体の将来像をシュミレーションすることに成功した。そのレポートでは、人口増加と経済活動が地球の収容能力を上回ることを示し、資源の枯渇と生態系の悪化を予測した。これらの研究成果は、「成長の限界」というタイトルでローマクラブに報告され、ローマクラブから世界に向けて発表されて大反響を呼んだ。
最新の研究データは残念ながら「成長の限界」で予見されていた悲観的な予測がそれほど外れてはいなかったことを証明しているのだろうか?
 この研究は、南アフリカ、ブラジル、ヨーロッパ、オーストラリア、メキシコ、コスタリカに生息する植物、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類の1103種が地球温暖化から受ける影響を調査したもの。コンピューター・シミュレーションの結果、気候変動に適応できるかもしれない生物種もいるものの、多くの生物種が温暖化の影響で絶滅することが判明したのだ。

 今回の論文の筆頭執筆者であるイギリスのリーズ大学のクリス・トーマス教授(保全生物学)は、自動車や工場から排出される温室効果ガスによって、地上の温度は1000万年前――現存する生物種の大半がまだ出現していなかったころ――よりも高くなる可能性があると述べる。研究者たちによると、地球温暖化がもたらす被害は、恐竜が6500万年前に地上から姿を消したときに匹敵する恐れがあるという。
「あぁ~、ますます“第三の選択”が現実味を帯びてくた・・・。」そんなダウナー気分のところへ、ブッシュ大統領が新宇宙計画を今日正式に発表するという。人類を2030年までに火星に運ぼうというこの計画の全貌がもうすぐ明らかになる。もし火星に移住するのがブッシュみたいな人間ばかりだったら、またぞろ火星で戦争起こして破滅するのではないか、ブッシュの話を聞く前からさらにディプレスな想像でブルーに成ってしまう。

January 14, 2004 in Books, Ecology, Politics, Science | Permalink | Comments (0) | TrackBack

【ブッシュの嘘 身内が暴露】

■今日アメリカで発売されるオニール前財務長官の本が欧米のメディアで話題に成っている。

本のタイトルは「THE PRICE OF LOYALTY」という。日本語に訳すと“忠誠の代償”とでもいうのかな。著者はピューリッツァー賞を獲った事もあるRON SUSKIND氏。この本の取材でインタビューに応えたオニール前財務長官は、ブッシュ政権発足時に財務長官に就任し、23ヶ月間勤めたが、ブッシュの減税政策に反対したり、イラク戦争の経費が1000億ドルにも登るとリークしたため2002年末に更迭された人物。

このオニール氏、出版に先立ってTIMEとかNEWSWEEKなどの雑誌や、CBSなどのテレビに出演してブッシュを激しく批判している。曰く、ブッシュは「イラク戦をブッシュ政権発足直後から検討していた。」と暴露し、また「国家安全保障会議で、なぜイラクを侵略すべきなのか、だれも疑問を呈さないのに驚いた」「大統領は、イラク戦争を実行する方法を探し出せ、と言っていた」などと証言しているという。

また、オニール氏はタイム誌のインタビューで「在職中の23カ月間、大量破壊兵器の証拠とみなせる物を何も見たことがなかった。人々が口にする疑惑や主張はあったが、私にとっては本物の証拠とそれ以外のものには違いがある」と語っている。

さらに、ブッシュはひどい経済音痴で、彼が大統領に経済状況のブリーフィングをしても「ブッシュ大統領はただ聞いているだけ。まるで私の独り芝居だった。」 「協議の際、顔色からも大統領が何を考えているのか全く読みとれなかった。」し、さらに「政権には自由な意見の交流や開かれた議論がなかった」「閣議の席の大統領は、耳が聞こえない人たちの中に目が見えない人が1人いるようなものだった」「大統領が何を考えているのか、周囲は直感で推し量るしかなかった」と述べているという。

なんだかこの部分はわが国の総理大臣にも相通じるものがあるけれど(だから二人は仲が良いのか?)、問題はあれほど騒いでいたイラクの大量破壊兵器=“戦争の大儀”は、最初から単なる口実で、ブッシュは就任直後から、つまり9.11同時多発テロが起きる以前からパパブッシュの宿敵サダムを政権からひきずり下ろすことを最優先課題にしていた、という部分。

他国の政権を転覆する為に口実をでっち上げて国連を利用した、ともいえるこの事実の暴露は、単なる噂や誹謗中傷のたぐいではなく、政府内の機密文章というれっきとした物的証拠に裏付けられている、とも報じられている。ホワイトハウスは、このオニール氏の発言に対して、「彼は更迭されたことを根に持って腹いせにこんな発言をしている。」とか「元々そういう嫌味な性格の持ち主だ。」とかいって反論しているけれど説得力はあまりない。しかも今のところ、本が出版される前とあって指摘された内容そのものに対する反論はしていない。

しかし、勿論ただ黙っているわけじゃなくて、CBSの番組でも放送されたこの内部資料は機密文章であるにも関わらず、オニール氏が財務省を辞めるときに持ち出した疑いがある、ということで早速調査に着手したそうだ。

11月の大統領選挙でブッシュの再選はほぼ確実と云われている中で、この元閣僚という身内からの痛烈な批難は政権にとってかなりのダメージになりそう。オニール氏もここまでやるからには相当な決心(命がけ?)があったのだろうと想像される。果たしてこのバトルの行方はどうなるのか?少なくとも反ブッシュ勢力にとっては強力な援軍だ。「ほらみろ、やっぱりブッシュは嘘をついていた。」と激しく攻撃するだろう。おそらくブッシュ再選にとって大きな障害となるに違いないが、本の売れ行きを見れば一般レベルでの関心度が計れるだろう。まあ、ジェシカ・リンチの告白本よりは売れるんじゃないだろうか・・・?

January 14, 2004 in Books, Media, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Tuesday, January 13, 2004

【鳥インフルエンザは野鳥が感染源】

asahi.com : 鳥インフルエンザは野鳥が感染源? 養鶏場の社長が見解

牛肉~生卵~鶏肉・・・食の安全性を揺るがす事件が頻発している。京都の生卵詐欺事件に続いて浮上した鳥インフルエンザ。日本ではなんと79年ぶりの発生だそうだけど、先月中旬の韓国での発生を受けて日本でも警戒されていた。今回の感染ルートが、もし本当に“野鳥の糞”だとすると、養鶏場は隔離できても、野鳥は隔離出来ないからなあ・・・。

 山口県阿東町で採卵養鶏場の鶏が高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染して死んだ問題で、この養鶏場を経営する有限会社「ウインウインファーム」(福岡県豊前市)の斎藤健夫社長は13日午前、養鶏場の幼鳥はすべて福岡県大平村の育成農場から搬入したが、この農場での感染例は見つかっていないことを明らかにした。養鶏場が開放式の鶏舎で野鳥の出入りができることから、「鳥インフルエンザが流行した韓国からの渡り鳥が感染源ではないか」との見方を示した。
しかも原因が野鳥なら、鳥の中でも健康的であることを売りにしている放し飼いの鶏がヤバイということになるわけだ。

生卵の件は人為的な詐欺行為だったし、古い卵は食べる前に気をつければ防げるからまだ良いけれど(というのも情けないが)、BSEの原因である異常プリオンはタンパク質、鳥インフルエンザはウイルスだから肉眼では確認しようがないからね。

既に市場ではかなりの風評被害が出ているので、有効な対策が取れなければ相当深刻な事態に発展するかもしれない。牛丼を敬遠して親子丼にしていた人も、今度は何を食べれば良いのか。とりあえず豚は安全ということで、市場価格は高騰しているし、米国産牛肉の代替品として期待されているオージービーフは60%も値段が跳ね上がっている。とりあえず、しばらくはベジタリアンに成るしかないか・・・・(涙)。

January 13, 2004 in Ecology, Economy, Food and Drink, Science | Permalink | Comments (4) | TrackBack

Monday, January 12, 2004

【劣化ウラン弾の惨状を訴えるFLASH】

■イラクで再び問題に成っている『劣化ウラン弾』のもたらす悲惨な現状をビジュアルに訴えるFLASHアニメ

先日の「DAYS JAPAN創刊」のエントリーにトラックバックしてくれた山口さんのBLOGで紹介されていたサイト「BUSHFLASH.COM」から。

このサイト、Eric Blumrichというアーティストが立ち上げているようで、ANIMATIONというメニューには彼の手によるFLASH作品が沢山アップされている。

アメリカでは、湾岸戦争の頃から民間の犠牲者の映像を流すことは御法度になっているらしく、一般のアメリカ人はアルジャジーラなどの映像を見ることが出来る我々ほど現地の悲惨な状況を知らない。

彼の作品はそうした非アメリカ・メディアのソースを引用して、ブッシュの戦争の欺瞞と非倫理性を鋭く訴えている。それぞれの作品(特に劣化ウラン弾のクリップ)はかなりグラフィカルなので気の弱い人は気を付けて。

劣化ウラン弾に関する詳細情報はこのエントリーを参照してください。

January 12, 2004 in Ecology, Flash, Politics, Weblogs | Permalink | Comments (2) | TrackBack

【“CIA 秘められた真実”を観た】

■昨夜NHK BS1で放送された『CIA 秘められた真実~2003年(フランス アルテフランス制作)』は素晴らしい内容。本当に貴重なドキュメンタリーだった。

ケネディーの暗殺からテロとの戦争まで、これまで様々な形でリリースされてきたCIA暗躍とアメリカの裏の歴史に関わる情報を、その当事者である政府高官や諜機関関係者達が自ら実名で語っている。内容は上手くまとめられた演出もさることながら、アメリカ現代史の証言集としても歴史的価値の高いものだ。また、今まで陰謀説で取りざたされていた事件もほとんどカバーされていて、見ていて「やっぱり!」とか「ヒョエ~、そうだったのか!」という感じで、まさにアメリカ陰謀史トリビア状態。

特に現在進行形のテロとの戦争におけるブッシュ・ファミリーの役割。石油の利権を巡るサウジ・アラビアの王族とビン・ラディン家とブッシュ・シニア&ジュニア、チェイニー副大統領、軍産体制とのビジネス上の深いつながり・・・。9.11テロが何故起きたのか、その背景が見事に暴露されている。まあ、陰謀を遂行していた張本人達が語っている訳だから、これもある種の情報操作かも知れず、どこまでが真実かは神のみぞ知るだけど・・・。少なくとも表の歴史を補完するという意味で価値はあると思う。

制作したのはフランスの会社。番組の中でも語られるように、フランスの諜報機関は9.11のテロ情報を事前にアメリカ政府に伝えていたが、しかしブッシュ政権はこれを意図的に無視したらしい。多分そんなこともあって、この番組制作者のブッシュに対する追求は厳しい。

番組の内容は下記のサイトで丁寧にテキスト化してくれているので、是非御一読を。残念ながら放送を見れなかった方は、こちらを読んで「ヘエ~!」とか「ヒョエ~!」体験をどうぞ。なみにこのサイト『X-FILES』、ある種BLOG的なサイトで、人によって好き嫌いはあるかも知れないけれど他の記事もかなりスゴイのでチェックしてみて。

それにしても残念なのは録画できなかったこと。NHKには是非再放送してもらいたい。でも、もし誰か記録していたらコピー譲ってください。ブリーズ!!(出来ればDVDで。もちろん御代は払いますので・・・ヨロシクです!)

「CIA 秘められた真実」(1) - 暗殺工作 -
     
「CIA 秘められた真実」(2) - 冷戦の終えん -

「CIA 秘められた真実」(3) - テロとの戦い -

January 12, 2004 in Media, Politics, Television | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Sunday, January 11, 2004

【半年前の生卵を平気で出荷するメンタリティー】

■「品質的に特に問題がないと思ったので出荷した。」

2001年末に日本でBSE=狂牛病感染牛が発覚した際に、緊急対策として国が事業者から在庫している国産牛を買い取る保証制度を利用してスターゼンや雪印食品などが6分の1の値段で輸入した輸入牛肉を国産牛と偽って国に買い取らせ、利ざやを稼いだというスキャンダルがあった。当時の急激な消費者の牛肉離れは政府にも影響を与え、少なくとも牛肉に関しては翌年に国産牛450万頭全てが登録されたデータベースが整備されたり、JAS法の罰則が上限50万円から1億円に引き上げられたり、牛肉トレーサビリティー法が施行されたりして規制が強化された。

ところが昨年末の米国産牛肉のBSE感染が発覚したのがきっかけで、それ以外の食品はどうなのか?と思っていたところへ、またもや食品業界の闇の深さを象徴するようなニュースがリリースされた。

  京都府城陽市の山城養鶏生産組合(西田詔子代表理事)が昨年6月に採卵した卵約5万個を冷蔵庫で保管した後、12月に日付を偽って出荷していたことが11日、分かった。出荷先は京都、大阪の生協支部・店舗など12カ所で、このうち京都生活協同組合には消費者27人から「味がおかしい」「腹の具合が悪い」などの苦情があった。

  宇治保健所などの検査の結果、問題の卵から食中毒の原因となる菌は検出されなかったが、府は同組合に対し品質管理の徹底と再発防止を求める文書指導を行った。(時事) (01/11 14:17)

なんと、昨年の6月19日に採卵されてた卵を12月1日に採卵したと偽って出荷したという。はっきりいってこれって詐欺でしょう?なのに、京都府によると「食中毒の症状と結びつく問題がサンプルからは発見されなかった。」ということと、賞味期限の表示については法的規制があるものの、いつ採卵したかを判断するのは生産者の自由裁量に任されているので、法律違反にはならないらしい・・・。

ちなみに、ニュース映像に登場したこの組合の出荷所の前には「朝取り卵」と書いたノボリが多数掲げられて、商品の新鮮さをアピールしていたようだけど、これが法律違反にならないというのは一体どういうことなんだろう?

この業者は半年前の卵ですら平気で出荷していたくらいだから、まして1ヶ月やそこらだったら何の問題もなく出荷していたに違いない。ごく一部の悪質な業者だけがやっているのだろうと思いたいけれど、おそらく実態はもっと深刻なのではないだろうか?業界全体を洗いなおす必要がある。

食品は人間の健康と命に直接関わるものなのに、品質よりも生産効率と利益が優先された結果、農産物は農薬付けになり、鳥や魚を抗生物質漬けに、そして牛には牛を食べさせるということが当たり前のように行われてきた。今回は法的な問題は無いとしても、業界関係者の学習能力にはあまり期待できない以上、この事件をきっかけに消費者サイドから改めて食のあり方を原点に立ち戻って考え直す動きが出てこないと、このままでは何を信じて食品を選べばば良いのか分からなくなってしまう。今更自家栽培で自給自足って訳にはいかないしね・・・。

January 11, 2004 in Economy, Food and Drink | Permalink | Comments (2) | TrackBack