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Wednesday, January 14, 2004

【ブッシュの嘘 身内が暴露】

■今日アメリカで発売されるオニール前財務長官の本が欧米のメディアで話題に成っている。

本のタイトルは「THE PRICE OF LOYALTY」という。日本語に訳すと“忠誠の代償”とでもいうのかな。著者はピューリッツァー賞を獲った事もあるRON SUSKIND氏。この本の取材でインタビューに応えたオニール前財務長官は、ブッシュ政権発足時に財務長官に就任し、23ヶ月間勤めたが、ブッシュの減税政策に反対したり、イラク戦争の経費が1000億ドルにも登るとリークしたため2002年末に更迭された人物。

このオニール氏、出版に先立ってTIMEとかNEWSWEEKなどの雑誌や、CBSなどのテレビに出演してブッシュを激しく批判している。曰く、ブッシュは「イラク戦をブッシュ政権発足直後から検討していた。」と暴露し、また「国家安全保障会議で、なぜイラクを侵略すべきなのか、だれも疑問を呈さないのに驚いた」「大統領は、イラク戦争を実行する方法を探し出せ、と言っていた」などと証言しているという。

また、オニール氏はタイム誌のインタビューで「在職中の23カ月間、大量破壊兵器の証拠とみなせる物を何も見たことがなかった。人々が口にする疑惑や主張はあったが、私にとっては本物の証拠とそれ以外のものには違いがある」と語っている。

さらに、ブッシュはひどい経済音痴で、彼が大統領に経済状況のブリーフィングをしても「ブッシュ大統領はただ聞いているだけ。まるで私の独り芝居だった。」 「協議の際、顔色からも大統領が何を考えているのか全く読みとれなかった。」し、さらに「政権には自由な意見の交流や開かれた議論がなかった」「閣議の席の大統領は、耳が聞こえない人たちの中に目が見えない人が1人いるようなものだった」「大統領が何を考えているのか、周囲は直感で推し量るしかなかった」と述べているという。

なんだかこの部分はわが国の総理大臣にも相通じるものがあるけれど(だから二人は仲が良いのか?)、問題はあれほど騒いでいたイラクの大量破壊兵器=“戦争の大儀”は、最初から単なる口実で、ブッシュは就任直後から、つまり9.11同時多発テロが起きる以前からパパブッシュの宿敵サダムを政権からひきずり下ろすことを最優先課題にしていた、という部分。

他国の政権を転覆する為に口実をでっち上げて国連を利用した、ともいえるこの事実の暴露は、単なる噂や誹謗中傷のたぐいではなく、政府内の機密文章というれっきとした物的証拠に裏付けられている、とも報じられている。ホワイトハウスは、このオニール氏の発言に対して、「彼は更迭されたことを根に持って腹いせにこんな発言をしている。」とか「元々そういう嫌味な性格の持ち主だ。」とかいって反論しているけれど説得力はあまりない。しかも今のところ、本が出版される前とあって指摘された内容そのものに対する反論はしていない。

しかし、勿論ただ黙っているわけじゃなくて、CBSの番組でも放送されたこの内部資料は機密文章であるにも関わらず、オニール氏が財務省を辞めるときに持ち出した疑いがある、ということで早速調査に着手したそうだ。

11月の大統領選挙でブッシュの再選はほぼ確実と云われている中で、この元閣僚という身内からの痛烈な批難は政権にとってかなりのダメージになりそう。オニール氏もここまでやるからには相当な決心(命がけ?)があったのだろうと想像される。果たしてこのバトルの行方はどうなるのか?少なくとも反ブッシュ勢力にとっては強力な援軍だ。「ほらみろ、やっぱりブッシュは嘘をついていた。」と激しく攻撃するだろう。おそらくブッシュ再選にとって大きな障害となるに違いないが、本の売れ行きを見れば一般レベルでの関心度が計れるだろう。まあ、ジェシカ・リンチの告白本よりは売れるんじゃないだろうか・・・?

January 14, 2004 in Books, Media, Politics | Permalink

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