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Friday, February 06, 2004

【イラクが脅威だなんて言ってませんッ! by CIA長官】

■“イラクがアメリカにとって差し迫った脅威だなんて、俺は大統領に言ったおぼえはない!” by ジョージ・テネットCIA長官

イラクの大量破壊兵器を巡る論争が、すごい泥仕合になってきた。

昨日母校のジョージタウン大で講演したテネット長官は「イラクの大量破壊兵器情報が完全に正しいとか、完全に間違いということはない」と説明。イラクには差し迫った脅威があると分析したわけではなく、「偵察衛星やスパイの活動などの情報をもとに、政策立案者のための客観分析を提供しただけだ」と述べた。(asahi.com)

In a major speech this morning addressing the failure to find WMD in Iraq, CIA Director George Tenet said the intelligence community never told the White House that Iraq was an imminent threat to America – a stunning blow to the White House, considering its repeated and unequivocal claims that war was necessary because Iraq was an "imminent," "immediate," "urgent" and "mortal" threat. (The Progress Report
それじゃ~いったいどこの誰が「イラクは“今、そこにある危機”だ!」と断定したのか?どうやら矛先はブッシュ政権の中枢に向かっているようだ。おりしも、このテネット長官のスピーチの前日に放送された「60 Minuets II」で、前国務省諜報分析担当官トップのグレッグ・シールマン氏は「問題があったのは政府高官だ。彼等はいわば宗教的な信念に基づいた諜報、つまり諜報機関が提示した情報の中から彼等が聞きたいことしか受け入れないような状態で、自分達の信念に背くような情報に関しては全く“見ざる、聞かざる”だった。」と述べている。
Tenet's speech follows an interview last night on 60 Minutes II with the State Department's top intelligence officer Greg Theilmann, who said, "The main problem [before the war] was that the senior administration officials have what I call faith-based intelligence. They knew what they wanted the intelligence to show...They were really blind and deaf to any kind of countervailing information the intelligence community would produce. I would assign some blame to the intelligence community and most of the blame to the senior administration officials."(The Progress Report
彼がこのコメントであえて『FAITH-BASED』という言葉を使っているのは興味深い。これはネオコンの背景にあると見られていて、ブッシュ自身も属しているキリスト教原理主義(福音主義派。キリストの再臨を信じ、その為にユダヤ人によるエルサレムの復興を支持する。全米の信者は7000万人前後居るといわれ、前回の大統領選でのブッシュ氏への投票の3~4割が福音派の票だった、というのが定説)の存在を示唆しているような気がする。

さらに追い討ちをかけるように、シールマン氏は一年前のイラクについて、「開戦当時のイラクはアメリカにとって差し迫った脅威でないどころか、近隣諸国にとっては脅威の兆候すらなかった。」とまでいっている。

At the time, Thielmann says that Iraq didn't pose an imminent threat to the U.S.: “I think it didn't even constitute an imminent threat to its neighbors at the time we went to war.”(CBS News
ブッシュ政権が就任直後からイラク攻撃を計画していたことは、既にオニール前財務長官が暴露しているが、このシールマン氏の発言もそれを裏付けている。

直接名指しはされなかったものの、批判の矢面に立たされたのは「WMDがどこにあるかは分かっている。」と断言していたラムズフェルド国防長官だ。デービッド・ケイ前査察団長の「WMDは無かった。」との発言で苦しい言い訳をしている。

 イラクの大量破壊兵器(WMD)が見つからない問題で、ラムズフェルド米国防長官は4日、「戦争前にWMDが存在しなかったとは考えにくい」と上下両院の公聴会で証言した。証拠が見つかる望みは捨てていないものの、「世界はフセイン元大統領に欺かれたのかも」「地中に隠されたら発見は難しい」と苦しい言い訳に終始した。(asahi.com
さらに今週のニューズウィークの特集によると、イラクの大量破壊兵器の保有は「驚くほど物的証拠が乏しく、単なる幻影に過ぎない。」ことが政府の二つの委員会(一つはラムズフェルド自身が委員長)によって“開戦前に”報告されていたという。
And just this week, Newsweek exclusively reported, two separate government panels – including one chaired by Donald Rumsfeld - reported before the war that assertions about Iraq's WMD "were based on suspicions, not hard data." The panels "got access to CIA materials" and concluded that the "absence of hard evidence was so striking" that they specifically developed a "Wizard of Oz theory: that the whole Iraq WMD program was smoke-and-mirrors, and Saddam was just a little guy behind a curtain."(MSNBC/Newsweek
そして遂にはブッシュまでも「私だって本当のことが知りたいんだ!」なんて小泉みたいなことを言い出した。ちょっと待ってくれ~!あんたが「イラクは大量破壊兵器今すぐにでも使いそうでチョー危険でアメリカや世界にとってチョー脅威だから今すぐに攻撃する必要がチョーあるのだァ!」っていったから戦争が始まったんじゃないの?

今や問題なのは大量破壊兵器があったかどうかなんかじゃない。どうせ彼等のことだ。いざとなったら、自分で埋めといたやつを掘り返して「ほ~ら、やっぱここにあったじゃん!」なんてをことやりかねない。まあ百歩譲ってイラクの脅威が真実だったとしても、戦争をやらなければ成らないほどの脅威だったのか?ということが問題なのだ。つまり、“1万人近い無関係のイラク人を虐殺するだけの正当な理由が一体どこにあったのか?”ということこそが問題なのだ。

もしもブッシュ政権が『中東の民主化(イスラエル中心の中東再編)』という宗教的テーゼに基づいて、イラクを攻撃するために意図的にイラクの脅威をでっち上げたのだとしたら・・・。それは明らかな侵略行為であって国際法上の戦争犯罪なんじゃないだろうか?とチョー思う。

February 6, 2004 in Politics | Permalink

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