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Saturday, February 28, 2004

【RAGE AGAINST THE MACHINE ラスト・ライブのDVDを観た】

■僕が90年代唯一にして最後のロック・バンドだと思っているRAGE AGAINST THE MACHINEが解散前に残した、最後のライブの記録。久々にノック・ダウンされた。

数日前の事。このところあまりにも忙しくて、ちょっとストレス解消に・・・ということで親友の桑野充弘が自由ヶ丘でやっている『BAR 320』に飲みに行った。生ビール飲み過ぎで飽きてきたので、彼が発明したというカクテルにスイッチ。“焼酎+グレープフルーツ・リキュール+グレープフルーツ・ジュース”というシロモノなんだけど、これがアブナイ。あまりにも飲み口が良いのでグイグイ飲んでしまい、かなり良い感じに・・・。

深夜ということもあって、店にはもう誰も居なかったのでDVDでもチェックしようということになり、桑野の勧めでまだ観ていなかったRED HOT CHILI PEPPERSの「LIVE AT SLAINE CASTLE」を鑑賞。結構良い年のはずなのに、頑張ってるな~。カメラ・ワークも良いし、編集も上手い!なかなかカッコいいよね。ここぞというところでは、ちゃんとピークに持っていくあたりはサスガ、なんだけど・・・・。でもイキソウデイケナイ、みたいなキレの悪さが残るのは何故だろう?な~んて考えていると、そういえば買ってあったのにまだ見ていないRAGEのDVDのことを思い出した。

同じ4ピースのバンド編成だし、バーチャルな対バンって感じで良いかもしれんな~と思い、酔いが覚めないようにそのままの勢いで自宅のスタジオへ帰ってRAGEをPLAY!

いや~、ナント言って良いのか・・・。本当にものスゴイッ!凄すぎるッ!という陳腐な表現しか思いつかないけれど、この前にリリースされたDVD「THE BATTLE OF MEXICO CITY」を遥かに凌ぐ、言葉で説明出来ないような恐ろしいパワーとエネルギーに酔いも吹っ飛び、しまいにはライブ終了と同時に気絶してしまった。(ん、結局は酔いつぶれただけだったりして?)

こんなこというと「THE BATTLE~」がダメみたいだけど決してそういう意味ではない。「THE BATTLE~」も凄いライブだし、DVDとしてはライブのコンテンツ以外に、北米自由貿易協定(NAFTA)や、サバティスタ革命思想集団(EZLN)、メキシコ自治大学(UNAM)、ダイバーシティ、グローバリゼーション、独立系メディアなどについての解説やリンクが収録されていて、RAGEが訴えている世界観がより良く理解できるようになっているので、作品としては単なるライブ版という以上に素晴らしいものだ。(9.11同時多発テロ直後、彼等の全ての曲が自粛という形で実質的に放送禁止になってしまったのは有名な話)

けれど、このロサンゼルスのグランド・オリンピック・オーディトリウム(元ボクシング会場だそうだ)で2000年の9月11、12日に行われたRAGE最後のライブには、彼等の強烈な反体制的メッセージを超えて、ロックが到達しえる一つの極みが記録されているような気がする。稀代のアジテーターZACK DE LA ROCHAの繰り出す言葉とギターのTOM MORELLO、ベースのTIM COMMERFORD、ドラムのBRAD WILKが異常なテンションのオーディエンスと渾然一体となって繰り広げるパフォーマンスは、今まで体験したどんなヘヴィな音よりもヘヴィ。記録として残っていることが奇蹟のような気がする。

レッチリで満足できなかった部分は何なのか?というか、もともとレッチリは嫌いではないけれど、それほど好きなバンドではなかったんだということに今回気が付いてしまったんだけど、RAGEは僕にとって初めて音を聞いた瞬間から虜になってしまった数少ないバンド。しかも、本来ロックが持っていた、そして今は皆無に成ってしまった“きな臭さ”や“怖さ”をサウンドとメッセージ双方でリアルに表現した真のロッカーだったと思う。

ZACKが脱退してしまって本当に残念だったし、その後残りのメンバーがサウンドガーデンのクリス・コーネルと一緒に作ったAUDIOSLAVEもそこそこ楽しめたけど、やっぱりRAGEとは似て非なるもので、結局ZACKの不在を余計に感じさせるものになっていた。そういう意味でこのDVDは、ZACKが居たころのRAGEのベスト・パフォーマンスだろうし、ロックの歴史に残るライブであると、この際断言してしまう。

今や家宝と成っているLED ZAPPELINの2枚組DVDや、UNDERWORLDのEVERYTHING2 DVDと並んで、今後度々お世話に成ることは間違いなさそう。ところでZACKは今何やってんだろう?気に成ってしょうがない。

February 28, 2004 in Music, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Thursday, February 26, 2004

【イギリス アナン国連事務総長を盗聴】

■イギリス政府が国連でコフィ・アナン事務総長の会話を盗聴していたことを、クレア・ショート元国際開発相がBBCラジオのインタビューで暴露。再びブレア首相を窮地に陥れている。(International Herald Tribune

A former British cabinet minister alleged Thursday that Britain had bugged the United Nations secretary general, Kofi Annan, in the run-up to the Iraq war, sparking an angry rebuttal from Prime Minister Tony Blair.
“事実は小説より奇なり”というけれど、やっぱりイギリスにとってスパイ活動はお家芸なのか。またまたブレア首相にとって頭の痛いスキャンダルが発覚した。それもイラク戦争に反対して昨年3月に辞任したクレア・ショート元国際開発相の発言だから、単なる噂話の類ではない。

この記事によると、イギリスはアナン事務総長のオフィス、つまり国連の建物の中での会話を盗聴していたとのことで、彼女自身、その盗聴記録を見たことがあるというから、これはなかなかスゴイ。

In a BBC radio interview, Clare Short, who before her resignation in May was one of the longest-serving members of Blair’s government, was asked if Britain had eavesdropped on Annan.

‘‘Yes, absolutely,’’ she replied. ‘‘These things are done, and in the case of Kofi’s office it’s been done for some time.’’ She added that she had seen the transcripts of Annan’s conversations.

ブレア首相は「イギリス政府はその諜報活動についてコメントすることはない。しかし、常に国内法、国際法に準じた活動をしている。」と述べて、疑惑そのものについては否定していない。
‘‘We and previous governments have never commented on intelligence, except to say that this country always acts in accordance with domestic and international law,’’ Blair said.

He did not explicitly deny that British intelligence had been targeting the UN secretary general, a central figure in diplomatic efforts to avert the U.S. and British invasion of Iraq in March.

国連の方はどうかというと、「それほど驚くべきことではないが、このような行為はもちろん非合法だし不必要だ。」という反応。まあ、当たり前か・・・。(ちなみに、今日日本からニューヨークに戻ったばかりのアナン事務総長はまだこの件についてコメントしていない。)
A UN official said that any such operation would have been illegal.

‘‘This is something which is not entirely surprising,’’ said Andreas Nicklisch, deputy director of the UN’s Brussels office. ‘‘It’s illegal, of course, but it’s also unnecessary because we work in complete transparency and openness.’’

元々このスキャンダルは、イギリスの諜報機関の通訳(翻訳担当官)だったキャサリン・ガンさんが、なんと“アメリカの諜報機関が2003年1月にイギリス政府に対し、国連安保理の主要メンバーをスパイするよう依頼したメモ”をリークしたことがきっかけになっている。時期的にはちょうどアメリカとイギリスが他の安保理メンバーの反対を押し切って、イラクを攻撃しようとしていた最中のことだ。
The allegation came just a day after government prosecutors abruptly dropped their case against Katharine Gun, a British intelligence translator who had leaked a U.S. intelligence memo requesting Britain’s help in spying on nonaligned UN Security Council members.

The top-secret memo was sent in January 2003, when Britain and the United States were trying to get UN approval to invade Iraq.

Angola, Bulgaria, Cameroon, Chile, Guinea and Pakistan were the UN Security Council members named as targets of the eavesdropping effort in the memo from the U.S. National Security Agency.

ブレア首相はガン元翻訳担当官による機密情報漏洩に対するコメントを避けているが、イギリス政府はこの機密保持違反に対して起こしていた訴えを「公判を維持できない」との理由で突然取り下げている。
Blair avoided direct comment on the Gun case, which the prosecutor said had been dropped because the government felt it would not be able to secure a conviction.
まあ、本音は「この問題の詳細について公開の場で論じることを避けるため」ということだろう。この話自体は「そりゃやっぱりやってるだろうな~。」という印象だけど、それにしても公に成ってしまった以上、この問題どこまで波及するか・・・。これはウォーターゲートならぬ、『U.N.ゲート』に成るかな?結構ブレアにとっても、そしてそもそもスパイ行為を依頼したブッシュにとっても、手痛いスキャンダルに発展するかもしれない。

クレア・ショート元国際開発相の発言は、BBCラジオの“TODAY”という番組で行われたインタビューでのもので、以下はその抜粋。印象的なのは彼女がこの盗聴の違法性について問われたのに対して「盗聴自体は多分違法でしょう。しかし、本当に重要なのはイラク戦争そのものが合法かどうかです。」と応えている部分。ひたすらブッシュを支持するブレアの方針に反対して辞任しただけあって、サスガのコメントです。

Her comments came during an interview on BBC radio’s ‘‘Today’’ program about the Gun case.

‘‘Spying in the United Nations is quite different, isn’t it?’’ she was asked.

Short replied: ‘‘Well, indeed, but these things are done, and in the case of Kofi’s office it’s been done for some time.’’

Interviewer: ‘‘Let me repeat the question. Do you believe Britain has been involved in it?’’

Short: ‘‘Well, I know. I’ve seen transcripts of Kofi Annan’s conversations. In fact, I’ve had conversations with Kofi in the run-up to war, thinking: ‘Oh dear, there will be a transcript of this and people will see what he and I are saying.’’’

Interviewer: ‘‘So in other words, British spies have been instructed to carry out operations within the UN on people like Kofi Annan?’’

Short: ‘‘Yes, absolutely.’’

Interviewer: ‘‘Did you know about this when you were in government?’’

Short: ‘‘Absolutely. I read some of the transcripts of the accounts of his conversations.’’

Interviewer: ‘‘Is this legal?’’

Short: ‘‘I don’t know. I presume so. It’s odd. I don’t know about the legalities.’’ She went on to say that the real issue, in her opinion, was the broader legality of the Iraq war. @(AFP, Reuters)

February 26, 2004 in Current Affairs, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, February 25, 2004

【ブッシュ 同性婚を憲法で禁止へ】

■このニュースも、昨日のJAM THE WORLD(J-WAVE)でニューヨークへ電話をつなぎ、最新情報を伝えたばかり。

昨日の時点では、「3千組を超える同性カップルに対して、サンフランシスコ市が結婚許可証を発行して大騒動になっている。カリフォルニア州では同性婚を州法で禁じているため、アーノルド・シュワルツネッガー州知事がこの問題に関して、『同性結婚への証明書発行は州法違反であり、州法の合憲性には問題はない』と、州法擁護の見解を表明した。また、同性婚に反対の立場のブッシュ大統領が、市当局の動きに『困惑している』と述べるなど、波紋が全米に広がっている(asahi.com)。」

「ブッシュ大統領の属するキリスト教右派(彼にとっては重要な支持母体でもある)の信仰に反することから、ブッシュも大統領選挙に向けて何らかの手を打たなければならない状態。ブッシュとしては憲法で同性婚を無効にするシナリオを考えているらしい。ただし、この問題は一夫一婦制を絶対のものとするキリスト教の中でも各派によって異論があり、憲法論争から神学論争へ発展する可能性がある。」というレベルの話だったんだけど、その翌日に飛び込んできたのが、この問題に“困惑している”ブッシュ大統領が合衆国憲法を修正して同性婚を禁止しようというニュースだ。

 ブッシュ米大統領は24日、ホワイトハウスで記者会見し、同性同士の結婚を認めないように結婚は男女の組み合わせと定義する連邦憲法の修正を支持する考えを表明し、議会に憲法修正を審議するように同日中に求める考えを示した。米マサチューセッツ州最高裁による同性間の結婚を認める判決やサンフランシスコ市による同性婚を認める結婚証明書発行など同性婚容認の動きに対して、大統領を支える宗教右派などの保守系団体が激しく反発しており、大統領も厳しい姿勢を示さざるをえなくなった。
ただし、アメリカ人の5人に1人はゲイだという調査報告(2002年ギャロップ社の調査によると、アメリカ人は人口の平均21.5%がゲイ、または、レズビアンであると思っていることが明らかになったと発表した。)もあり、また何故か欧米のエスタブリッシュメント/ハイ・ソサエティー(つまり権力者層)にはゲイが多いともいわれているので、今後の成り行き次第では、ブッシュの判断は彼の大統領選挙に向けてバックファイアーする可能性もある。

また、民主党のジョン・ケリー候補はブッシュ大統領の声明を受けて「アメリカを二分するもので問題だ。」と批判している。事実、ギャロップ社の調査によるとアメリカ人の約3分の2は同性婚に反対で、51%は憲法の修正法案による同性婚の禁止に賛成しているという。(THE GALLUP ORG.

■参考リンク: 

3千組超の同性カップルに結婚証明書 サンフランシスコ (asahi.com)
米大統領、同性婚を認めない連邦憲法修正を支持 (asahi.com
Bush Backs Ban in Constitution on Gay Marriage (The New York Times
「同性の結婚認めよ」 米マサチューセッツ州最高裁 (asahi.com
Constitutional Amendment Defining Marriage Lacks 'Supermajority' Support (GALLUP

February 25, 2004 in Politics | Permalink | Comments (2) | TrackBack

【CIAは9.11の情報をかなり前から知っていた?】

■昨日のJAM THE WORLD (J-WAVE)で取り上げたNEW YORK TIMESの記事によると、ドイツの諜報機関は1999年3月に、9.11同時多発テロの実行犯の内、一名のファースト・ネームと電話番号をCIAに伝達して当該人物の追跡をCIAに依頼していたにも関わらず、CIAはこの情報をないがしろにして捜査するに至らなかった、というおはなし。

In March 1999, German intelligence officials gave the Central Intelligence Agency the first name and telephone number of Marwan al-Shehhi, and asked the Americans to track him.

The name and phone number in the United Arab Emirates had been obtained by the Germans by monitoring the telephone of Mohamed Heidar Zammar, an Islamic militant in Hamburg who was closely linked to the important Qaeda plotters who ultimately mastermined the Sept. 11 attacks, German officials said.

After the Germans passed the information on to the C.I.A., they did not hear from the Americans about the matter until after Sept. 11, a senior German intelligence official said.

"There was no response" at the time, the official said. After receiving the tip, the C.I.A. decided that "Marwan" was probably an associate of Osama bin Laden, but never tracked him down, American officials say.

つまり、2001年9月11日の同時多発テロより2年半も前にCIAはこの重要な情報を得ていたことになる。 このところ、オニール前財務長官による告発(【ブッシュの嘘 身内が暴露】、【ブッシュ大統領 嘘の上塗り】)や、テネットCIA長官による暴露(【イラクが脅威だなんて言ってませんッ】)が続いて、ブッシュ政権がイラクの脅威をでっち上げたのではないかという疑惑が高まっていた。

9.11に対しても以前からCIAが事前情報をつかんでいたにも関わらず、大事多発テロを防ぐことが出来なかったのは何故なのか?という問題について2002年11月に独立調査委員会が設けられて現在も調査が続行している(はず)。

そんな中で新たに発覚したこのニュースは、NEW YORK TIMES(2月23日付)一面トップで大々的に報じられたという。イラクの脅威でっち上げ問題も深刻だけど、そもそもアメリカによる『テロとの戦争』のトリガーとなった同時多発テロの真相に関しては、“ヤラセだったのではないか?”などという陰謀論も含めて、各方面からその真相を検証する議論が盛んに行われているところだ。

CIAが事前にかなり正確なテロ情報を知らされていたということと、CIAはPRESIDENTIAL BRIEFINGのレポートで大統領に報告を上げていたが結局何の捜査も行われなかった、などという事実については、既にフランスのメディアなどが報じているので特に目新しいニュースではない。(【“CIA 秘められた真実”を観た】)

しかし、この記事がきっかけで「9.11に関して、アメリカの諜報機関がナニをやって、ナニをやってこなかったのか?」という責任問題が再び浮上してきた訳で、ブッシュにとっては大統領選挙への影響も含めて大きな悩みの種になることは間違いない。

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Monday, February 23, 2004

【隣の家が空き巣に入られた】

■日曜の夜、同じ敷地に住んでいる隣の家が空き巣に入られた。隣家は一戸建てなんだけど、空き巣が侵入したのは2階と3階部分。ここには義理の姉が住んでいる。

この事件をきっかけにフルセキュリティを装備することになったのだが、その顛末は以下のとおり。

夜8時30分頃に帰宅した義姉が「ドアが開いていて様子がおかしいので見に来てくれ。」というので念のため護身用の木刀を持って行ってみると家の中は玄関から居間、ダイニングにかけてキャビネットや箪笥が開けられ、色んなものが床に散乱している状態だった。

義姉が家を空けていたのは約3時間。本人は戸締りを確認して外出したとのことだったので、調べてみると庭に面したベランダの窓がこじ開けられていて、クレセント(サッシ窓の鍵)が捻じ曲がって壊れていた。サッシは防犯用の突起型のボタン・ロックがついたかなり頑丈なものなんだけれど、これも割れてしまって跡形も無い。シャッターのレールも歪んでいて、相当な力を掛けてこじ開けたらしい。

恐る恐る3階に上がってみると、寝室のキャビネットとウォークイン・クローゼットも見事に荒らされていた。直ぐに警察に連絡したところ、近所の交番からお巡りさんが5分後に到着。しかし、刑事と現場検証専門の担当官は近所の現場に出動中で直ぐには来れないとのこと。なんと隣町の奥沢では毎日平均7件の空き巣が発生しているとのことで、警察も現場を掛け持ち状態なのだそうだ。

被害にあったのは現金XXX万円と宝石・貴金属類が数十個・・・。しかもあまり価値の無いものは見事に外してある。そんなもの自宅に置いている方が悪いんだと思うかもしれないけれど、相当きちんと仕舞い込んであったのに、まるでその場所を知っていたかのようにピンポイントで漁られている。どうみてもプロの仕事だ。

義姉はショックでかなりテンパッていたけれど、犯人が犯行中に帰宅して出くわしたらどうなっていたか分からないと思うと、不幸中の幸いということか。預金通帳が入ったキャビネットも荒らされていたので急いで銀行にも電話して口座を凍結してもらう。UFJと東京三菱は緊急対応の窓口があったので問題なかったけれど、ミズホは電話してもメッセージしか流れず、しかも緊急窓口自体が無いみたいでお話に成らない。「ダメだこりゃ!明日解約じゃ。」なんてやっているところへようやく刑事さんたちが到着。

現場検証の結果、外から見えにくい庭の方から、庭用の椅子を足場にして塀に登り、そこからベランダによじ登ってバールのようなものでサッシをこじ開けて中に侵入。仕事が終わった後は玄関を空けて正面から出て行ったらしい。

それにしても、最近TVで空き巣が頻発しているニュースが多いので気をつけなきゃと思っていたけれど、まさかこんな近くで実際に起きるとは・・・。そういえばここ2週間ぐらい自宅の電話にワン切りがやたらと続いて気味が悪いと思っていたところだ。あれはひょっとしたら噂に聞く不在確認の電話だったんだろうか?

とにかく夕べは雨風がひどいのにサッシが壊れて窓を閉めることすら出来ない状態だったので、早速窓の修理と鍵の交換を手配。も~この際だからということで、同敷地内の家3軒全部のドアと窓のセキュリティー強化をしようということになり、今朝早くから専門家を呼んでドア鍵全部をピッキングが出来ないイスラエル製のマルチロックに取り替えてさらにターンキーロックを設置、窓には全てより強力なスライド・ロックを取り付ける。ようやく深夜11時30分頃に大方の作業が終わった。でもこれで終わった訳ではなくて、明日はサッシに開閉センサーを取り付け、外には格子の取り付けとセンサー付きの自動点灯ライトと監視カメラ、室内には動きを関知するセンサー、玄関には異常発生を知らせる警戒灯、etc.etc..。ちょっとした要塞状態だ。

ここまでやってもまだ義姉は不安なようだ。寝ようとすると見ず知らずの犯人が家の中をうろついている様子を想像してしまい、目が冴えてしまうそうだ。無理もない。

この近所一帯だけでも連日数十件の空き巣が発生しているというし、残念ながら犯人を捕まえるのが追いつかない状態だという。鍵屋もガラス屋も繁盛しているっていうし・・・。世田谷に住んで30年以上になるけれど、比較的安全といわれたこの地域も御多分に漏れず物騒に成ってしまったことを痛感した一日だった。

February 23, 2004 in Current Affairs | Permalink | Comments (2) | TrackBack

Sunday, February 22, 2004

【ラルフ・ネイダーが大統領選挙に参加】

■米大統領選への出馬表明 ラルフ・ネーダー氏(CNN

先日18日にハワード・ディーン氏が大統領選挙の離脱表明を行ったという報道は早くも過去のニュースに成っているけれど、ディーン氏は大統領選挙はあきらめるものの、大統領選挙の姿を変えたともいわれている草の根ネットワークは温存して政治活動を続けながら民主党への影響を保ちたいという考えのようだ。

【ワシントン18日共同】米大統領選の民主党候補指名争いで、イラク戦争反対を旗印に一時は旋風を巻き起こしたハワード・ディーン前バーモント州知事(55)は18日、地元の同州バーリントンで演説し、選挙戦からの離脱を正式表明した。

 支持者を前にディーン氏は「もはや大統領職を積極的に目指すことはしない」と言明。その上で「われわれの草の根ネットワークを使い、民主党と米国を変える組織づくりを継続する」と述べ、独自の政治活動を続ける考えを強調した。 ケリー上院議員ら指名争いに残った特定の候補を支持することは避け、指名を獲得した段階で全面的に応援する考えを示した。 ディーン氏は早くから反戦の姿勢を掲げる一方、インターネットを有効利用した選挙戦術で若者らの間に支持を拡大。昨年1年間で、党史上最高の4100万ドル(約43億7000万円)の政治資金を集め、一時は最有力候補とみられた。(NIKKEI NET

いち早くBLOGを活用して自らの政策を語り、選挙資金を集めたり、今まで政治に無関心だった若年層も巻き込んだ新しい政治運動の形を作り出した功績は高く評価しても良いんじゃないだろうか。ネットを活用した選挙運動そのものが規制されている日本の事情と単純に比較することは出来ないけれど、今までやれそうで誰もやらなかった手法を見事に定着させたことは事実。個人的には、あの“雄たけび”はかなり意図的な過剰報道だったのでは?と思っていたんだけど、ディーンのあまりにも急激な失速は“民主党内部の反ディーン勢力によるサボタージュの結果”だという人もいるようだ。
The pundits claim Dean's "rage" undid him, that voters took a "second look," etc. etc. Nonsense really. The answer is much simpler. Howard Dean was assassinated in broad daylight. Unlike Kennedy's "grassy knoll," Dean's killers are not hiding – it was the Democratic Party itself, and more specifically the Democratic Leadership Council, that successfully went after, and sabotaged his candidacy.(AlterNet
反ブッシュ/反イラク戦争というだけでなく、民主党の改革派でもあったディーンの人気は驚異的だったし、予備選挙の直前には彼を危険視した共和党と民主党の両方から攻撃されているように見えた。ディーンの“雄たけび事件”は対抗勢力にとっては勿論のこと、民主党の主流派にとってもディーンつぶしの格好のネタだったんだろうし、そういう意味ではネットを通じた草の根運動での人気は表層的でマスメディアのイメージに左右されやすいという脆弱な側面をさらけ出してしまった。

そこへ今度は、かの有名な消費者運動家であるラルフ・ネイダー氏の登場だ。

 消費者問題活動家のラルフ・ネーダー氏(69)は22日、11月に行われる米大統領選への出馬を表明した。同氏は1996年と00年の大統領選で「緑の党」から出馬したが、今回は無所属で立候補するという。 ネーダー氏は同日、米NBCテレビの番組に出演し、「慎重に検討した結果、無所属で大統領選に出馬することに決めた」と語った。同氏は再出馬について「米民主主義を傷つけている2大政党制への挑戦」と位置付け、第3政党や無所属候補を「2級市民」扱いしているとして批判した。

2000年の大統領選では、勝敗を分けたフロリダ州で民主党のゴア元副大統領に流れる票を吸い上げたとし、民主党はネーダー氏を批判するとともに、今回の大統領選に出馬しないように働きかけていた。同氏の出馬で、今回も民主党からリベラル票を吸い上げるとみられている。

民主党全国委員会のテリー・マコーリフ委員長は同日、米CBSテレビに出演し、ネーダー氏の出馬について「とても残念だ」と述べたが、「2000年とは違う結果になるだろう」と強気の姿勢を見せた。

共和党全国委員会のエル・ガレスピー委員長は同テレビに「ネーダー氏が出馬しても、ブッシュ大統領が再選されるし、出馬しなくても再選される」と述べた。(CNN

昨日のCNNでも、ネイダー氏は「今の政権は企業利権に牛耳られている。」と発言してイラク戦争だけでなく、ブッシュ政権そのものを批判している。しかし、これまでアメリカの政権が企業利権がらみでなかったことはないので、今さらこうした批判をしたところで目新しくはないし、インパクトがあるとは思えない。しかし、少なくともディーン氏の離脱で行き場を失ったリベラル票がネイダー氏に相当数流れる可能性は高い。

彼の参戦を民主党が嫌がっているのも、そういう可能性が否定できないからだろうし、逆に共和党は結構歓迎しているに違いない。しかし、ネイダー氏はおそらく世界でも最も有名な消費者問題活動家で、いわゆる人権派、環境保護主義者として知られているから、世論に対する影響力がないとはいえない。彼の主張はブッシュ氏はもちろん、多額の企業献金を受けているケリー氏に対してもスタンスの違いが明確だ。しかも、ひょっとしたらディーン氏の手法を真似て前回よりもさらにバージョンアップした草の根的な活動を展開するかもしれないから、今後ブッシュ/ケリー両候補の選挙政策にも影響を与える可能性はある。

だからこそ、彼の参戦に反対する人達が居る。例えばCNETでコラムを展開しているLESSIG教授もその1人だ。

Naderの出馬はBush再選の可能性を高めることにしかならない。この男はもはや彼自身どころか国家にまで危険を及ぼしている。もしかれに友人がいるなら、思いとどまれと忠告してやるべきだ。

こんなことを考えさせられた:もしNaderが2000年の大統領選に出馬していなければ、Bushが大統領になることはなかった(これは事実だ)と考えるのなら、そしてBush政権が大きな害をなしている――国家に、環境に、またイラクで死んだ兵士たちの家族に対して――と思うなら、かつてNaderが消費者運動家として欠陥を告発した自動車CorvairとNader本人のうち、より有害なのはどちらだろう?(ネーダー:「出馬断念を求めるのは“検閲”」 LESSIG BLOG

ブッシュ対ケリーで大枠が決まったかと思われた今回の大統領選挙。ネーダー氏の登場が今後どのような化学反応を生み出すのか、あるいは生み出さないのか興味津々。

■参考リンク: NADER FOR PRESIDENT
          ラルフ・ネーダーへの憤りについて、最後のコメント [Lessig Blog]

February 22, 2004 in Media, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Thursday, February 19, 2004

【音楽の波形からジャンル判定するサービス】

■音楽ファイルの波形を分析、ジャンル判定するサービス(HOTWIRED

「こういうソフトがあったら助かるのに・・・。」というものは色々あるけれど、これは確かに便利そう。

 米プレディクシス社は18日(米国時間)、音楽ファイルの波形を分析して自動的に類似曲のリストを作成する同社のサービス『ミュージックマジック・ミキサー』で、提供開始以来100万曲の分析を完了したと発表した。1月30日に専用ソフトのダウンロードを開始してから1ヵ月足らずでの達成という。

 ミュージックマジック・ミキサーは、パソコン内に保存された膨大な音楽ファイルを効率的に整理することを目的としたサービス。専用ソフトをインストールして、ハードディスク内の音楽ファイルを選択すると、ファイルの波形を分析し、ジャンル判定や類似曲のリストを作成する。分析した楽曲の情報は、インターネットを介して中央サーバーのデータベースに登録されるため、登録済みの曲については瞬時に判定できる。

MUSICMAGICMIXER.gif

音楽に関してインデックスされたテキスト情報からじゃなくて、波形情報そのものを解析して音楽の特性を検出し、他のファイルとの類似性に基づいてマッチングする、というコンセプト自体はかなり前から存在していた。昨年12月にも、同様の機能を標榜するソフトウエアのサービスがスタートしてこのBLOGでも紹介したんだけど、こう立て続けに同じようなサービスがスタートしているということは、90年代後半にシリコンバレーで研究開発された要素技術や応用技術がようやく実用段階に入ったんだろうか?

HOTWIREDの記事を読んで興味深いのは、「提供開始以来100万曲の分析を完了したと発表した。1月30日に専用ソフトのダウンロードを開始してから1ヵ月足らずでの達成」という部分。このソフトをダウンロードして実際に自分のPCに入っている楽曲ファイルを解析したユーザーから、その解析結果を登録楽曲と一緒にDBに吸い上げる仕組みってとこね。こういうソフトは出来るだけ沢山のファイルを解析して、その結果から汎用的な特異点を抽出することでマッチングの精度を上げることが重要なポイントに成るので、なかなか良いアイデアだけど・・・、ついでに個々のユーザーの音楽の嗜好性まで分かってしまうわけだ。

これはコンテンツの供給サイドにとって、大変貴重なマーケティング・データに成る。おそらくこれを開発した人たちはこのプロファイル・データを使ったレコメンデーション・サービスも考えているに違いない。

まあ、MP3がものすごい勢いで普及したおかげで、ハードディスクが音楽ファイルだらけに成って整理がつかなく成っている人(僕も含めて)は多いだろうから、潜在的な需要も高いと思う。ところでこのPREDIXIS社のサービスは有料なんだけど、よっぽど自信があるのかな?まだ試してないので、早速14日間無料のお試しバージョンでチェックしてみようと思う。ついでに自分の趣味嗜好がばれてしまうのを承知の上で・・・。

February 19, 2004 in Music, Web/Tech | Permalink | Comments (0) | TrackBack

【BLOGを続けるということ】

■CNETの[梅田望夫・英語で読むITトレンド]に面白いエントリーが上がっていた。タイトルは『Blogを書くことの心理的負担とそれを上回る魅力』(CNET)

僕も伊藤穣一氏の影響でこのBLOGを始めて約半年。BLOGならではの新しい出会いや発見があって素直に楽しんでいるけれど、確かに書きつづけることで色んなことを考えたりしていた。特に忙しい時は時間を取ることすらままならず・・・、ちょうどそんなタイミングで梅田さんの記事を読ませてもらった。ブロガーを「マトリックスの電池」に例えた引用部分なんかは、ほんとに共感するものがある。

確かに面倒だったり億劫だったりすることもあるけれど、それでも僕がこうして“備忘録”、または“ネタ帳”のつもりで書きつづけていることから得ているものはかなり大きいというのが実感。何よりも、コメントをくれたりトラックバックしてくれる人や、アクセスしてくれた人達が書いている様々なBLOGから学ぶことが本当に多くて、本を読むのとは全く違う体験になっている。そういう意味では、JOIには改めて感謝!

February 19, 2004 in Media, Web Culture, Weblogs | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, February 18, 2004

【牛肉の安全 やっぱり全頭検査しかない!】

■「牛肉の安全 全頭検査しかない」 異常プリオンの発見者がアメリカ政府を批判YOMIURI ON-LINE

アメリカの農務省は昨年末に発見されたBSE感染牛は、歩行困難な症状を見せていた「へたり牛」であると発表していたが、調査の結果普通の牛だった可能性が高いという報告が昨日あった。

 アメリカ下院の小委員会は17日、アメリカ最初のBSE感染牛が、正常に歩くことのできない、いわゆる「へたり牛」ではなかった可能性があると指摘する書簡をベネマン農務長官に送った。(日本テレビ
既にアメリカではカナダから輸入された牛の追跡調査が出来なかったことを理由に調査の打ち切りを決定している。この措置に対して日本は「日本と同等の検査体制=全頭検査」を求めてきたが、アメリカは「全頭検査には科学的根拠がない」と突っぱねてきた。

このアメリカ政府の対応について、批判しているのは日本政府だけではない。

BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)などの病原体「異常プリオン」を発見し、1997年にノーベル生理学・医学賞を受賞したスタンリー・プルシナー米カリフォルニア大教授=写真=が、先月末開かれた米下院の食品安全に関する会議に出席。「牛の異常プリオンは人間に感染しうる。欧州では、異常プリオンに汚染された牛肉や牛肉加工食品を食べた150人以上の若者らが死亡している」とBSEの危険性を強調。「今後も食品へのプリオン汚染はなくならないだろう」との懸念を示した。

 そのうえで、「日本が行っているような牛の全頭検査のみが、牛肉の安全性を確保し、消費者の信頼を回復することになる」と発言、「米国がなぜ、全頭検査の採用に消極的なのか理解できない」と米国の食肉政策を非難した。さらに「地上で最も繁栄した国の人々は、汚染のない肉を食べる権利を持っているはずだ」と続け、政府に全頭検査の早期導入を求めた。

しかしアメリカで全頭検査を導入するには700億~900億円の費用がかかるという理由で、米国政府は全頭検査に消極的だ。牛丼ファンの人にとっては酷な話かもしれないけれど、米国産牛肉の禁輸措置は予想以上に長期化するかもしれない。

February 18, 2004 in Economy, Food and Drink, Politics | Permalink | Comments (1) | TrackBack

Tuesday, February 17, 2004

【輸入盤CD 規制 著作権法改正へ】

■去年このエントリーで取り上げた『輸入盤の規制』がいよいよ法制化に向けて進行中だ。(asahi.com)

 アジアで生産・販売された日本の音楽CDが国内に逆輸入され、格安価格で販売されていることから、政府はこうしたCDの還流を禁止する方針を固めた。1月に韓国で日本語音楽CDの販売が解禁されるなど、アジアで日本生まれソフトの市場が拡大するにつれ、還流も急増が予想されている。音楽産業の衰退につながるとして、レコード業界が還流防止策を求めていた。

 文化庁、公正取引委員会など関係省庁で最終調整し、18日に与党に骨子を示し、今国会に著作権法改正案を提出、05年1月の施行をめざす。還流防止策は65カ国が導入しており、先進国では日本だけ制度がなかった。

 改正後は販売目的で輸入すれば著作権侵害とみなされ、レコード会社の申し立てに基づき税関で輸入を差し止められる。

かつては約1兆円規模だったCDの売上が、今や3500億円を下回るという状況で、レコード業界はまさに斜陽産業と化している。これ以上の衰退は避けたいという業界関係者の気持は判るんだけど・・、この改正法案に問題が無いわけではない。

このBLOGでこの輸入盤規制問題について最初のエントリーを書くきっかけになった、経済産業研究所の池田信夫氏のコラム記事『輸入盤を「非合法化」する著作権法改正』(CNET JAPAN)を再確認しておきたい。

要するに、輸入権は著作者を守るものではなく、再販による価格カルテルを輸入盤に拡大して、レコード会社の超過利潤を守るものなのである。これは公取委も指摘するように、独占禁止法に違反する「取引妨害」にあたる疑いがあり、いったんCDの輸入規制を認めると、DVDもビデオもゲームソフトも・・・と拡大してゆくおそれが強い。

 レコード輸入権は、政府の知的財産戦略にもとづいて創設するそうである。これは知財戦略がだれのために作られたかをよく物語っている。大きな声で「知財保護」を求めるのはクリエイターではなく、流通業者である。今回の改正では、著作権の有効期間を50年から70年に延長することや、書籍にも「貸与権」を認めることなども決まりそうだが、これらも「知財保護」に名を借りた流通業者の保護策である。

 問題は輸入盤が安すぎることではなく、国内盤が高すぎることだ。CDのコストの大部分は録音や宣伝などにかかる固定費であり、空ディスクの価格は1枚数十円にすぎない。逆輸入しても2000円で売れるなら、それが正常な価格であり、これは市場経済では当たり前の価格競争である。自動車も家電も、こうした逆輸入と競争し、価格を下げたり海外生産に移行したりして生き残ってきた。音楽産業だけが政府に保護してもらって「国際競争力の強化」などできるはずがない。

全く同感。僕には価格カルテルみたいな再販制度に保護されて安穏としてきたレコード業界の悪アガキにしか思えない。「まず世界中で日本にしかない音楽著作物の再販制度をやめてはどうか。」という池田氏の指摘は正しいと思う。

February 17, 2004 in Economy, Music, Politics | Permalink | Comments (7) | TrackBack

Monday, February 16, 2004

【ミシュランの格付けは☆いただけません】

■世界で最も権威のあるグルメのバイブル『ミシュラン』。実はろくな調査もせずに採点していたという話。『★★★、3分の1は評価に値せず ミシュラン調査員暴露』(asahi.com)

 同ガイドをめぐってはかねて「100人の調査員が1万店をしらみつぶしに調べる」などという「伝説」が語られてきた。しかし、同氏は「100人とは、出版に関係するすべての人の数のことで、専属調査員は5人程度しかいない。訪問するのは年200軒ほど」と証言。さらに「読者から新たな投書や指摘が寄せられた店のみを直接訪れていた」「二つ星、三つ星を店に与える場合、調査員の意見はしばしば無視され、編集幹部が独自に決めていた」などと明かした。同氏は「(最高ランクの)三つ星の3分の1以上が値しない」とも述べている。
なんともトホホなニュース。ミシュランで3星を取れば超一流のレストランということで、フランス中のシェフがその評価に毎年一喜一憂するいわばレストラン格付け本の元祖家元的存在なのにね。

それこそ星の数ほどあるレストランの中から、どこに行けばよいのか?というのは別にフランス人じゃなくても誰でも悩むところ。(気合の入ったディナーのときは特にね・・・)元々はタイヤ・メーカーのミシュランが旅行ガイドブックの一環で発行したレストラン・ガイドブックがここまで有名になったのは、やっぱり“フランス料理”というクラス感が重要なカテゴリーに特化していたからだろうか。全部のレストランを自腹で食べ歩くわけには行かないから、こういうランク本の需要は確かにあると思う。

それにしても、“味”という抽象的で、個人の嗜好性に100%依存する主観的なバリューに対して、こういう星の数で格付けするっていうのはそう簡単なことではないだろう。でも「あのミシュランだから」というブランドに成っていた事は確かだ。実際に星の数でレストランの売上が良くなったり、または悪くなったりすることもあるわけで、いきおい格付けに対する信頼が最近の格付けブームに伴って“信仰”というレベルまで過熱していことも事実。格付けを巡っては、賄賂や人脈利用などの噂が堪えなかったともいわれている。ついに昨年には、ミシュランではなかったけれどライバル誌の「ゴー・ミヨー」で格下げされたことが原因で自殺者が出るほどにまでなっていた。

そこに本家本元のミシュランが実は・・・ということで、これはようするに“格付け詐称疑惑”って感じ?100人居るといっていた調査員は実際は5人しか居ないとか、本当は食べに行っていないとか、フタを開けてみれば“ゼロ星”状態(っていうか“マイナス三ツ星”)だったわけ。今三ツ星もらっているレストランも大変だ。「ウチはちゃんと調査してもらった本物の三ツ星ですッ!」ってどうやって証明するんだ?

暴露されたミシュランはどうするんだろう?来年度版に向けて本当に1万店のレストランを調査する、なんてことになるんだろうか?1人で毎日食べ歩いても365食。ランチを含めても約700食か・・・。それでも最低15人ぐらいは必要だな。まあ、1人100食だったら100人という計算だから、本当に100人居れば何とか成るかもしれないけど。

それにしてもフランス料理毎日食べるなんて、考えただけどもゾッとする。間違いなくカロリー・オーバー、下手をすると命がけの挑戦だ。

February 16, 2004 in Food and Drink | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Sunday, February 15, 2004

【ジャネット事件のディープ・インパクト】

■まさかここまで影響が広がるとは誰も思っていなかったのでは・・・。

おととい、CNNでアメリカ連邦通信委員会(FCC)の公聴会の模様を放送していたので見ていたら、何だかものすごい剣幕のやり取りになっていて驚いた。何でも今回の騒動がきっかけでCBSは数十億円の罰金を払うことになるかも知れないという。

米上下両院でジャネットの件に関して本日公聴会が開かれ、FCC(連邦通信委員会。アメリカの政府機関の一部)では、およそ9000万人がハーフタイムショウでジャネット・ジャクソンの胸の露出をテレビで見て、さらに20万人がこの件に関してクレームをFCCに対して起こした事を重大に受け止め、FCC会長は「スーパーボールのハーフタイムショウは最高クラスのエンターテーメントであるはずなのに、(今回の件は)NFLの品格を損なわせ、ゴールデンタイムで放送された番組史上、もっとも最悪で下品な例」と評した。

FCCはわいせつや下品な番組放送への罰則強化の方針を約束し、これを受けて放映したCBSに罰金の支払命令が出される可能性が強くなったが、さらに厳しい罰金を従来の10倍の27万5000ドル(約3000万円)とする法案の審議にも入っている。(関連;米放送業界「わいせつ語」取り締まりに厳しい罰金CBSは全国ネットなので、各局トータルで支払うと億から数十億円単位の罰金に)

大体“品格”とか“わいせつ”という定義しようのないバリューをどうやって決めるんだろう。そこまでする必要があるのか、他にやること幾らでもあるだろうと思うんだけど、どうもアメリカ政府はこの機に乗じてメディア規制を強化しようとしているような・・・。大統領選挙も控えていることだしね。

参考リンク: 「下品な放送に歯止めを――米政府、取り締まり強化に動く」(HOTWIRED)

それ以外にも、「ボディーピアスが流行の兆し」とか「ブリトニーのPVが深夜枠指定に」なったりとか、ジャネットの胸の社会的インパクトは正にディープだ。詳しくは、僕も愛読している「ABC(アメリカン・バカ・コメディー)振興会」の記事が充実しているので是非チェックしてみてください。

■参考リンク: 【ジャネット・ジャクソン スーパーボールでスーパー・ブーイング

February 15, 2004 in Media, Music, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Friday, February 13, 2004

【ブッシュ 今度は軍歴“証拠隠滅”疑惑が浮上】

■ブッシュ大統領に対する軍歴詐称疑惑が深刻化するなかで、今度は軍歴に関する不都合な証拠を隠滅した疑いが浮上した。

2月8日にMSNBCで放送された“MEET THE PRESS”での軍歴疑惑に関するインタビューのやりとりと、その後釈明の為に公開した当時の給与明細に空白が在った為に、かえって疑惑を深めてしまったブッシュ大統領。

問題の空白期間とされている1972~73年の間に当時所属していたアラバマ(’72)とヒューストン(’73)の州軍基地には、ブッシュが任務についたという記録が一切残っていない(今回公開されたのはあくまで給与明細で、実際に任務に着いたことを証明するものではない)。さらにもっと奇妙なのは当時彼と一緒に任務についた、あるいは訓練を行ったという記憶のある人物が1人も居ない、という事実・・・。30年前のこととはいえ、これは在り得ないでしょう。

そこに加えて浮上したのがブッシュによる証拠隠滅疑惑。このMISLEADERの記事によると、ブッシュはテキサス州知事だった1997年頃に、当時の州知事オフィスのチーフ・スタッフであったJoe Allbaughに「州知事再選に向けて“不都合のある軍歴”を始末するよう。」命じ、Allboughは当時の州軍司令官Maj. Gen. Daniel James IIIに電話でブッシュに関連した“恥ずかしい記録”の廃棄を依頼したという。

As first reported by the Dallas Morning News, retired National Guard Lt. Col. Bill Burkett said that, in 1997, Joe Allbaugh (chief of staff for then-Governor Bush) told the National Guard chief to get the Bush file and make certain "there's not anything there that will embarrass the governor." Burkett said that a few days later at Camp Mabry in Austin, he "saw Mr. Bush's file and documents from it discarded in a trash can."
たまたま現場に居合わせてこの時の電話(スピーカー・フォン)のやりとりと、その10日後実際にゴミ箱に捨てられていたファイルを目撃してしまったという退役軍人Lt. Col. Bill Burkett氏が、この一件をDallas Morning Newsの取材に応えて暴露している。
According to Mr. Burkett, he was at headquarters in the summer 1997 when he heard the conversation between Gen. James and Mr. Allbaugh. He said the Guard commander had the conversation about eliminating "embarrassments" on the speaker phone.

About 10 days later, he said, he saw Texas Gen. John Scribner going through the Bush file.

"I looked down and saw files on the table and of that sort of stuff, and in the wastecan there is a retirement points document that has the name Bush, George W. lLt on it," he said. "There were both originals and Xerox copies in the stack."

Gen. Scribner, now retired, denied the episode. "I sure don't know anything about what he's talking about," he said.

ちなみに、この依頼の電話を受けたとされる当事者のGen. James氏は、後にブッシュによりワシントンで州空軍のトップに昇格されている。また、ファイルの破棄を担当したとされるGen. John Scribner(退役)は「何の事いっているのか全く記憶に無い。」と否定している。

ところでブッシュがどうしても隠したかった“恥ずかしい記録”とは一体何だったのか・・?非常に気に成るところだけど、この騒動のきっかけを作ったマイケル・ムーアによると、このファイルにはブッシュの身体検査のレポートが含まれている可能性があるという。実は前回の大統領選挙の頃から、ブッシュには本人も認めているアルコール中毒だけでなくコカイン使用の疑惑が噂されていたからだ。ムーアは州軍の尿検査でブッシュが“陽性”であったため、飛行訓練から外されたのではないかと疑っているのだ。

"Why were you grounded (not allowed to fly) after you either failed your physical or failed to take it in July 1972? Was there a reason you were afraid to take the physical? Or, did you take it and not pass it? If so, why didn't you pass it? Was it the urine test? The records show that, after the Guard spent years and lots of money training you to be a pilot, you never flew for the rest of your time in the Guard. Why? "(マイケル・ムーアがブッシュに宛てた公開質問状より)

これってあまりにも“怪しい”・・・でしょう?

February 13, 2004 in Current Affairs, Politics, Web/Tech | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, February 11, 2004

【小泉に高校生の声は届かない】

■小泉首相、女子高校生がたった一人で集めた5358人分のイラク復興支援署名を読まず、逆に学校教育に注文を付ける。(朝日新聞

しかしドンドン化けの皮が剥がれていくな~、この人。自分に反対する都合の悪い意見の相手は例え高校生でも“抵抗勢力”なみの対応か。全くどういう思考回路してんだろう・・・。

 小泉首相は2日夜、平和的な手段によるイラクの復興支援と自衛隊の撤退などを求める小泉首相あての請願書を高校生が内閣府に提出したことに関連して、首相官邸で記者団に「自衛隊は平和的に貢献するんですよ。学校の先生もよく生徒さんに話さないとね。いい勉強になると思いますよ」などと語った。

 請願書を提出したのは宮崎県内の高校3年生、今村歩さん(18)。昨年12月から一人で署名活動を始め、ファクスやメールを通じて輪が広がった。1カ月余りで全国をはじめ、オーストラリアや米国からも署名が届いたという。5358人分の署名付きの請願書は、首相に自衛隊や各国軍隊の撤退を呼びかけるよう求め、「首相として勇気ある行動を」と訴えている。

 この活動について問われた首相は「読んでいない」とことわったうえで「この世の中、善意の人間だけで成り立っているわけじゃない。なぜ警察官が必要か、なぜ軍隊が必要か。イラクの事情を説明して、国際政治、複雑だなぁという点を、先生がもっと生徒に教えるべきですね」と述べ、請願の内容には応えず、独自の教育論を展開した。

せめてジェスチャーでも良いから、「読ませてもらいました。」とか「貴重な御意見ありがとうございました。」とか「色々考えさせられました。」とか言えなかったのだろうか?さらに御丁寧にも翌日、河村文部科学相も小泉発言を積極的にフォローしてる。
 イラクからの自衛隊の撤退を求める高校生の請願書をめぐり、小泉首相が「学校の先生もよく生徒さんに話さないとね」などと学校教育に注文をつけたことに関連し、河村文部科学相は3日の記者会見で「自衛隊は武力行使に行くわけではないということを丁寧に教えなければならない」との考えを示した。

 文科相は、高校の公民の学習指導要領で日本の安全保障の問題を理解させるよう明記されていることなどを挙げ、「自衛隊が何の目的で行くのかを高校生なりに理解してもらう必要がある。(派遣の)法的な根拠もあり、事実に基づいてきちっと教えてもらいたい」と述べた。

そして5日には、本人が懲りずに再度捕捉発言。
小泉首相は5日のイラク問題を審議する参院特別委員会で、イラクへの自衛隊派遣の意義を学校で教育するよう求めた自身の発言に関連し「先生方が、自衛隊は戦争に行くんです、武力行使です、憲法違反ですと言ったら問題だ」と述べた。

 首相は2日、高校生らがイラクからの自衛隊撤退などを求める請願書を内閣府に提出したことをめぐり、「自衛隊は平和的に貢献する。先生もよく生徒さんに話さないとね」と記者団に述べた。この発言について斎藤勁氏(民主)が特別委で「強制的に受け止められるとしたら問題だ」と追及したが、首相は「先生は政治活動より生徒の教育に精を出してほしい」。

 ただ、首相発言をめぐっては、周辺からも「言い過ぎだ」との指摘がある。首相自身、言い過ぎたと思ったのか、同日夜には記者団に「賛否両論ある。議論するのはいいんじゃないですか。政治参加のいい勉強材料になる」と軌道修正。「押しつけるわけではない」と4回も繰り返した。

イラク戦争の“真相”について今アメリカやイギリスで沸き起こっている論争なんかは、多分ブッシュの真似して『見ざる聞かざる』なんだろう。こんなに誠意の無い、人間性に欠けた“EQ=0”の男を首相に戴くニッポンは限りなく不幸だ。

参考リンク: 『小泉、 バカにしすぎ』 Fozyの独り言

February 11, 2004 in Politics | Permalink | Comments (13) | TrackBack

【MUSIC VISUAL SEARCH ENGINE】

閑話休題:blogで紹介されていたサイト、MUSICPLASMA

アーティストの名前を検索すると、そのアーティストと音楽的に近いテイストのアーティストが3Dマップ状に表示されるというもの。これがけっこうハマル。
musicplasma.jpg

アーティストの名前がラベルされた球体オブジェクトの周りに関連したアーティストが表示されるんだけど、そのオブジェクトどうしの距離が音楽的な近似性を表している。つまり、球体と球体の距離が近ければ近いほど同じ傾向の音楽というわけ。それから、球体の大きさはそのアーティストの知名度(人気度?)を表しているという。う~ん、機能とデザインの融合ってやつね。なかなか素晴らしい・・・。

とりあえず、片っ端から知っているミュージシャンの名前を検索してみる。必ずしも一緒に音楽をやっていた“共演”とか“客演”という意味じゃなくて、あくまで音楽的な近似値を表しているので「何でこの人がここに?」みたいなところがあるし、まだ網羅性はないので、「何でこのアーティストが出てこないんだ?」的なツッコミ所は多々あるけれど、「そういえばこんな人も居たよな~。」みたいな発見があったりして楽しい。それに何といってもインターフェイスのデザインが魅力的!

メニューには背景の濃淡を変えたり、球体の形やリンクの形みたいなグラフィック要素をいじったりすることができる機能も用意されているので、色々やっている内にアッという間に1時間・・・。暇つぶしには最高です。

February 11, 2004 in Music, Web/Tech | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Tuesday, February 10, 2004

【アメリカ BSE調査打ち切り どうするニッポン?】

■安全性が全く確認されていないのに、問題に成った感染牛の大半が行方不明という理由でBSEの調査は打ち切り:asahi.com

そんなことに成るんじゃないかと思っていたんだけど、やっぱりね。

米農務省は9日、昨年12月に初めて米国で確認された牛海綿状脳症(BSE)感染牛に関する調査を打ち切る、と発表した。感染牛と一緒にカナダから輸入された牛の大半の所在を特定できず、感染源の飼料も分からなかったが、「感染牛以外は安全」と結論づけた。米政府は調査終了を受け、米国産牛肉の輸出再開に向け、日本など輸入国との交渉を加速させる方針だ。しかし、日本側は「履歴管理(トレーサビリティー)の不徹底を改めて示すものだ」(農水省)と受け止め、引き続き「日本と同等の対策」を求める構えで、交渉は長期化も予想される。
アメリカの牛肉検査体制はザルみたいなものであることは、以前このエントリーで紹介したけれど、結局まともな対策も無いまま調査自体を打ち切るという。日本が求めている全頭検査についても「科学的根拠がない」という手前勝手な理論で押し返す。

今日訪日するゼーリック通商代表も、この調査打ち切りを受けて(っていうのはどういうロジックか全く不明だけど)日本側に禁輸措置の早期解除を要求してくることは確実。自分達のルールは“グローバル・スタンダード”といって押し付けてくるくせに、日本が独自に実施している安全基準には科学的根拠がないという理由で取り合わない。

そもそもこの調査自体、着手してからたったの一ヶ月半しか実施していない。カナダから感染牛と一緒に輸入された80頭の内、行方が判明したのは28頭だけ。後は野となれ山となれということか?

2月4日(日本時間2月5日)に公表された報告書には、BSEの汚染状況について「北米全体に広がっていると捉えるべきだ」と明記してある。その上で、アメリカのBSE対策は不十分と指摘しているが、日本が求めている全頭検査は必要ないとの見解。しかし、なぜ必要ないかの理由は明記していない。(日本農業新聞 2月6日付けより)

確かに牛丼が無くなったり、アメリカ産の牛肉が輸入できないことの影響は既に多方面に広がっている。しかし、アメリカでのBSE対策が万全でない状況で、追加的に発表された対策も抜本的なものにはなっていない(脳髄とか脊髄とかの危険部位を使った飼料の全面禁止など。今さらやったって、モ~食べちゃってるでしょう?)。しかも、アメリカでは最新の設備でも特定部位の除去が完全ではなく、35%程度は混入しているという調査結果もある。結論をいうと、アメリカの肉は安全ではない

それでも、押し切られてしまうのか?はたまた、長期化覚悟でアメリカに更なる追加対策を求めるのか?(例えば、日本向けの牛肉に限って全頭検査するとか。でもその為に掛かる費用は約700億円から900億円といわれている。)ただ下手をすると、「じゃあ対応してやっても良いけど、アメリカ側に掛かる費用を日本が負担してくれるんだろうな!」なんていうことになりかねない。

イラクに自衛隊派遣したから許してくださいとは云えないだろうし・・、イラクに貸してる金7000億円を帳消しにするから全頭検査してくれ、なんてこともいうわけないし・・・。難しいところだ。

ここ一連のアメリカ牛肉BSE問題については、日本農業新聞のサイトの特集記事がコンサイスで分かりやすい。

ちなみに、アメリカは2001年に日本でBSEが発生して以来、日本の牛肉に対する禁輸措置を未だに解除していない。

■参考リンク: 【牛肉の安全 やっぱり全頭検査しかない

February 10, 2004 in Economy, Food and Drink, Politics, Science | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Monday, February 09, 2004

【“I'm a war president.” ブッシュTVインタビューで開き直り】

■昨日MSNBCで放送された“MEET THE PRESS”にブッシュ大統領が出演した。

オニール前財務長官による暴露(『ブッシュ政権は就任直後からイラク侵攻を計画していた。』)や、ケイ前イラク調査団長による暴露(『イラクに大量破壊兵器は無かった。」と議会公聴会で証言)やジョージ・テネットCIA長官の発言(『イラクが脅威だとは言っていない。』)などがきっかけで、イラクの脅威はブッシュ政権が戦争を行うためにでっち上げたのではないかという疑惑が浮上している。

おまけに、マイケル・クラーク氏がクラーク候補の遊説先の応援演説でブッシュを「逃亡兵」とこき下ろしたことで、今度は彼のベトナム徴兵逃れ&軍歴詐称疑惑まで再浮上。支持率も60%から48%に落ちてきた為に、急遽テレビの政治討論番組“MEET THE PRESS”に出演して数々の疑惑に応えてイヤな状況を逆転させようということになった。

このインタビュー、事前にそうとう騒がれていたし、やっぱりこれは見逃せないということで昨日深夜の放送を見た。結果はしかしブッシュの思惑とは裏目に出たのではないか、というのが正直な感想。ホワイトハウスのオーバルオフィスで収録されたこのインタビュー。登場したブッシュ大統領はいつもより心なしか自信なさげで不安そうな表情。(それとも被害者を演ずることで同情を買う作戦か?)

インタビュアーのティム・ラッサートの鋭い質問に即答できず、「エー・・・」とか「アー」とか「ウ~ン」とかでつなぎながら一生懸命適切な応えを探しているように見えた場面が何箇所もあった。(往事の大平総理みたい・・・古い?)そういう表情とか、声とかのニュアンスは伝わらないかもしれないけど、このインタビューの全文がMSNBCのサイトのアップされていた。MSNBC - Transcript for Feb. 8th

インタビュー冒頭で先日ブッシュが設置をアナウンスした諜報機関の活動に関する独立調査委員会について「ブレアも同じような委員会を設置したけれど、あちらは7月に報告をすることになっている。一方わが国の委員会は2005年の3月。大統領選挙の5ヶ月もあとだ。国民はこの委員会の調査報告を投票の参考にすべきではないのか?」と問われて、「イラクの問題だけでなく、北朝鮮やパキスタンから他国へ核開発情報が漏れた事件などについても、適切な諜報活動が行われていたか調査する必要がある。充分な時間が必要と考えている。」と応えている。

Russert: Prime Minister Blair has set up a similar commission in Great Britain.

President Bush: Yeah.

Russert: His is going to report back in July. Ours is not going to be until March of 2005, five months after the presidential election.

President Bush: Yeah.

Russert: Shouldn't the American people have the benefit of the commission before the election?

President Bush: Well, the reason why we gave it time is because we didn't want it to be hurried. This is a strategic look, kind of a big picture look about the intelligence gathering capacities of the United States of America, whether it be the capacity to gather intelligence in North Korea or how we've used our intelligence to, for example, learn more information about AQ Kahn. And it's important that this investigation take its time.

あれ?問題に成っているのは「イラクの大量破壊兵器が存在しない」という情報を誰が見逃してしまったのか(または無視したのか)、そして誰がイラクの脅威はすぐに攻撃しなければならないほど差し迫ったものだと結論付けたのか、ということじゃなかったっけ?それだけに絞って調査するなら、11月には充分に間に合うのでは?と思うんだけど・・・。

また彼はこの質問の答の中で、驚くべき発言をしている。「私は戦争大統領だ。私はこのオーバル・オフィスに居ながら、外交問題については常に“戦争”を念頭に決定を下している。そうでなければ良かったと思うが、それが現実だ。国民は私がそのような世界観を持っている大統領であることを知るべきだ。」

I'm a war president. I make decisions here in the Oval Office in foreign-policy matters with war on my mind. Again, I wish it wasn't true, but it is true. And the American people need to know they got a president who sees the world the way it is.
たぶん、「わたしは戦時の大統領だ。」と言いたかったんだろうけれど、“War time president"ではなく、“War President"といっているところがポイントだ。アメリカが自ら引き起こしたテロとの戦争(そもそもビン・ラディンだってサダム・フセインだってアメリカの産物だし、イスラエル/パレスチナ問題でこれまでダブルスタンダード外交をやってきたことが9.11の遠因になっているといって良い)。そして、戦争というフィルターを通してしか世界を認識できない大統領。これはもう世界にとってほとんど絶望的な状況だ・・・。

そして問題の大量破壊兵器が無かったことについていは、意外とアッサリ認めている。

Russert: The night you took the country to war, March 17th, you said this: "Intelligence gathered by this and other governments leaves no doubt that the Iraq regime continues to possess and conceal some of the most lethal weapons ever devised."

President Bush: Right.

Russert: That apparently is not the case.

President Bush: Correct.

その上で、誤った前提に基づいて戦争を開始したことについて批判にどう応えるのか?と問われて大統領は、「大量破壊兵器は見つかると思っていた。」「しかし、デビッド・ケイはサダムは危険な兵器を作る能力があったと報告している。サダムは武器を持たせると危険な男だった。サダムは兵器を作ることが出来る危険な男だった。サダムは危険な国の危険な男だった。」とクドイほど繰り返し、「大量破壊兵器があろうがなかろうが、そういう危険性を持った狂った男が何もしないだろうということで、その危険が差し迫ったものに成るのを待っていたのでは(このテロとの戦争を戦う上で)遅すぎるのだ。だから攻撃を開始する決断をした。」と述べている。ようするに開き直ったわけだ。
Russert: How do you respond to critics who say that you brought the nation to war under false pretenses?

President Bush: The … first of all, I expected to find the weapons.
(中略)
But David Kay did report to the American people that Saddam had the capacity to make weapons. Saddam Hussein was dangerous with weapons. Saddam Hussein was dangerous with the ability to make weapons. He was a dangerous man in the dangerous part of the world.

By the way, quoting a lot of their data in other words, this is unaccounted for stockpiles that you thought he had because I don't think America can stand by and hope for the best from a madman, and I believe it is essential I believe it is essential that when we see a threat, we deal with those threats before they become imminent. It's too late if they become imminent. It's too late in this new kind of war, and so that's why I made the decision I made.

それを受けてラッサートが再度「しかし大量破壊兵器があるから今すぐに攻撃しなければならないということだったのでは?」と聞くと、「そうかもしれないけど彼には兵器を作る能力があったし、その兵器が“影のテロリスト・ネットワーク”に渡ったかもしれない。」と懲りずに全く証明されていないイラクとテロリストとの関係を匂わせて誤魔化している。
But he had the capacity to make a weapon and then let that weapon fall into the hands of a shadowy terrorist network.
「イラクで民主的な選挙が行われた結果、イスラム原理主義政権が成立したらどうするのか?」という質問には、「それは在り得ない。何故私がそれを言えるかという、今彼等が策定している憲法の内容を私は熟知しているからだ。」と応えている。結局今の暫定政権はアメリカの意のままなのだろう・・・。
Russert: If the Iraqis choose, however, an Islamic extremist regime, would you accept that, and would that be better for the United States than Saddam Hussein?

President Bush: They're not going to develop that. And the reason I can say that is because I'm very aware of this basic law they're writing. They're not going to develop that because right here in the Oval Office I sat down with Mr. Pachachi and Chalabi and al Hakim, people from different parts of the country that have made the firm commitment, that they want a constitution eventually written that recognizes minority rights and freedom of religion.

そしてこれも問題になっている軍歴詐称疑惑について問われると、「証拠は無いかも知れないけど、私は確かに従軍していた。でなかったら名誉除隊にはしてもらえない。」と言い張り、「必要であれば当時の資料を公開する。」と明言した。しかしその“名誉除隊”自体も任期の8ヶ月も前だったことでパパブッシュの影響力を行使して特別扱いしてもらったのではないかと噂されている。
Russert: The Boston Globe and the Associated Press have gone through some of their records and said there’s no evidence that you reported to duty in Alabama during the summer and fall of 1972.

President Bush: Yeah, they re they're just wrong. There may be no evidence, but I did report; otherwise, I wouldn't have been honorably discharged.

そしてインタビュー後半で唐突にエール大学在学中に、同じく同校の上級生だったジョン・ケリーと共に、秘密結社として知られている『Skul and Bones』に所属していたのでは?と聞かれて「その秘密について我々は話してはいけないことになっている。」と語って、暗にメンバーであることを認めている。
Russert: You were both in Skull and Bones, the secret society.

President Bush: It's so secret we can't talk about it.

Russert: What does that mean for America? The conspiracy theorists are going to go wild.

President Bush: I'm sure they are. I don’t know. I haven't seen the (unintel) yet. (Laughs)

と今までは噂に過ぎなかったけれど、これで確定か?それにしても、メジャーなインタビュー番組でこの質問が出ること自体に驚く。いずれにしても、ブッシュもケリーも同じ穴のムジナ、どっちが勝っても結局はこの支配者エリート層を輩出してきた秘密結社のメンバーが大統領に成るということだ・・・。笑い事じゃない。

February 9, 2004 in Current Affairs, Media, Politics, Television | Permalink | Comments (3) | TrackBack

Saturday, February 07, 2004

【豚インフルエンザってナニ?】

■今度は『豚インフルエンザ』?鳥インフルエンザが豚に感染すると突然変異で『新型ウイルス』に。そして、豚から人間にジャンプして感染する能力を持つらしい・・・。

「乃木生薬研究所」のサイトに詳しい情報が掲載されていた。

また、厚生労働省は豚インフルエンザの監視を強化した。

 豚は、ヒトインフルエンザウイルスに感染するため、鳥インフルエンザウイルスにも感染すると、遺伝子が交じり合って新型ウイルスが生まれる恐れがある。また、鳥インフルエンザウイルスだけが豚の体内で突然変異し、新型ウイルスとなる可能性もある。

 このため厚労省は近く、国立感染症研究所の専門家らによる会議を開き、調べる豚の数を増やすことを検討する。感染した豚が見つかれば、同一地域の豚や養豚業者らの健康調査をただちに実施し、感染拡大の防止にすばやく対応する。

TBSのニュースサイトでは以下のような記事が:
 ウイルスの突然変異が爆発的な感染拡大をもたらす恐れがあります。鳥インフルエンザウイルスがヒトや家畜の豚に感染することでその体内で突然変異を起こし、ヒトからヒトへ感染できる遺伝子を持った新型インフルエンザが生まれてしまう可能性もあるのです。
 
 「(新型肺炎)SARSと比べてもはるかに強い感染能力です。グローバル化した社会だと、あっという間に世界中に広まっていく可能性もあります」

 去年10月に開かれた厚生労働省の委員会で検討された資料の中では、新型インフルエンザが流行した場合、最悪のシナリオとして、世界で5億人が死亡するという試算も報告されています。
 
 「通常のインフルエンザだと多くの人が免疫を持っています。そんなに広がらないし、病気も重くならず、助かる人も多いのです。しかし、全く新しいものだと社会に免疫がないのです」(東京大学の山内 一也 名誉教授)

もしかしてコレってベジテリアンに成れってことか?牛も鶏もそして豚までも、国内産だけでどこまで需要に応えることができるのだろう?鶏は直ぐに育つから不足にならないとは言われているけど、牛については既に御承知のとおり。

幸い豚は今のところ禁輸措置とかまではいっていないけれど、万が一輸出国側で感染が確認されたら状況は一変するだろう。それにしても、『無菌豚』や『清浄豚』なんかの需要が高まりそうな話だ。日本の「食の安全・安心」、そして今年後半の食卓に登るメニューに影響する、非常に気に成るニュース。

February 7, 2004 in Current Affairs, Food and Drink, Science | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Friday, February 06, 2004

【イラクが脅威だなんて言ってませんッ! by CIA長官】

■“イラクがアメリカにとって差し迫った脅威だなんて、俺は大統領に言ったおぼえはない!” by ジョージ・テネットCIA長官

イラクの大量破壊兵器を巡る論争が、すごい泥仕合になってきた。

昨日母校のジョージタウン大で講演したテネット長官は「イラクの大量破壊兵器情報が完全に正しいとか、完全に間違いということはない」と説明。イラクには差し迫った脅威があると分析したわけではなく、「偵察衛星やスパイの活動などの情報をもとに、政策立案者のための客観分析を提供しただけだ」と述べた。(asahi.com)

In a major speech this morning addressing the failure to find WMD in Iraq, CIA Director George Tenet said the intelligence community never told the White House that Iraq was an imminent threat to America – a stunning blow to the White House, considering its repeated and unequivocal claims that war was necessary because Iraq was an "imminent," "immediate," "urgent" and "mortal" threat. (The Progress Report
それじゃ~いったいどこの誰が「イラクは“今、そこにある危機”だ!」と断定したのか?どうやら矛先はブッシュ政権の中枢に向かっているようだ。おりしも、このテネット長官のスピーチの前日に放送された「60 Minuets II」で、前国務省諜報分析担当官トップのグレッグ・シールマン氏は「問題があったのは政府高官だ。彼等はいわば宗教的な信念に基づいた諜報、つまり諜報機関が提示した情報の中から彼等が聞きたいことしか受け入れないような状態で、自分達の信念に背くような情報に関しては全く“見ざる、聞かざる”だった。」と述べている。
Tenet's speech follows an interview last night on 60 Minutes II with the State Department's top intelligence officer Greg Theilmann, who said, "The main problem [before the war] was that the senior administration officials have what I call faith-based intelligence. They knew what they wanted the intelligence to show...They were really blind and deaf to any kind of countervailing information the intelligence community would produce. I would assign some blame to the intelligence community and most of the blame to the senior administration officials."(The Progress Report
彼がこのコメントであえて『FAITH-BASED』という言葉を使っているのは興味深い。これはネオコンの背景にあると見られていて、ブッシュ自身も属しているキリスト教原理主義(福音主義派。キリストの再臨を信じ、その為にユダヤ人によるエルサレムの復興を支持する。全米の信者は7000万人前後居るといわれ、前回の大統領選でのブッシュ氏への投票の3~4割が福音派の票だった、というのが定説)の存在を示唆しているような気がする。

さらに追い討ちをかけるように、シールマン氏は一年前のイラクについて、「開戦当時のイラクはアメリカにとって差し迫った脅威でないどころか、近隣諸国にとっては脅威の兆候すらなかった。」とまでいっている。

At the time, Thielmann says that Iraq didn't pose an imminent threat to the U.S.: “I think it didn't even constitute an imminent threat to its neighbors at the time we went to war.”(CBS News
ブッシュ政権が就任直後からイラク攻撃を計画していたことは、既にオニール前財務長官が暴露しているが、このシールマン氏の発言もそれを裏付けている。

直接名指しはされなかったものの、批判の矢面に立たされたのは「WMDがどこにあるかは分かっている。」と断言していたラムズフェルド国防長官だ。デービッド・ケイ前査察団長の「WMDは無かった。」との発言で苦しい言い訳をしている。

 イラクの大量破壊兵器(WMD)が見つからない問題で、ラムズフェルド米国防長官は4日、「戦争前にWMDが存在しなかったとは考えにくい」と上下両院の公聴会で証言した。証拠が見つかる望みは捨てていないものの、「世界はフセイン元大統領に欺かれたのかも」「地中に隠されたら発見は難しい」と苦しい言い訳に終始した。(asahi.com
さらに今週のニューズウィークの特集によると、イラクの大量破壊兵器の保有は「驚くほど物的証拠が乏しく、単なる幻影に過ぎない。」ことが政府の二つの委員会(一つはラムズフェルド自身が委員長)によって“開戦前に”報告されていたという。
And just this week, Newsweek exclusively reported, two separate government panels – including one chaired by Donald Rumsfeld - reported before the war that assertions about Iraq's WMD "were based on suspicions, not hard data." The panels "got access to CIA materials" and concluded that the "absence of hard evidence was so striking" that they specifically developed a "Wizard of Oz theory: that the whole Iraq WMD program was smoke-and-mirrors, and Saddam was just a little guy behind a curtain."(MSNBC/Newsweek
そして遂にはブッシュまでも「私だって本当のことが知りたいんだ!」なんて小泉みたいなことを言い出した。ちょっと待ってくれ~!あんたが「イラクは大量破壊兵器今すぐにでも使いそうでチョー危険でアメリカや世界にとってチョー脅威だから今すぐに攻撃する必要がチョーあるのだァ!」っていったから戦争が始まったんじゃないの?

今や問題なのは大量破壊兵器があったかどうかなんかじゃない。どうせ彼等のことだ。いざとなったら、自分で埋めといたやつを掘り返して「ほ~ら、やっぱここにあったじゃん!」なんてをことやりかねない。まあ百歩譲ってイラクの脅威が真実だったとしても、戦争をやらなければ成らないほどの脅威だったのか?ということが問題なのだ。つまり、“1万人近い無関係のイラク人を虐殺するだけの正当な理由が一体どこにあったのか?”ということこそが問題なのだ。

もしもブッシュ政権が『中東の民主化(イスラエル中心の中東再編)』という宗教的テーゼに基づいて、イラクを攻撃するために意図的にイラクの脅威をでっち上げたのだとしたら・・・。それは明らかな侵略行為であって国際法上の戦争犯罪なんじゃないだろうか?とチョー思う。

February 6, 2004 in Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Thursday, February 05, 2004

【パウエル国務長官 揺れるイラク発言】

■「もし大量破壊兵器が存在しないという情報を知らされていたら、イラク侵攻を進言しなかったかも知れない」-パウエル

Powell Says New Data May Have Affected War DecisionWashingtonpost.com)

Secretary of State Colin L. Powell said yesterday that he does not know whether he would have recommended an invasion of Iraq if he had been told it had no stockpiles of banned weapons, even as he offered a broad defense of the Bush administration's decision to go to war.

2月2日に行われたワシントン・ポストとのインタビューの中で、パウエル国務長官は「もしあなたに一年前の今日、デービット・ケイが先日語った『イラクには大量破壊兵器は存在しない。』という情報が分かっていたら、イラクへの攻撃を進言しましたか?」と問われて、「分からない。」とコメントした。

この発言は重い。なんせ彼はちょうど一年前、国連の安保理で世界に向けて「イラクは大量破壊兵器を保有している。」と声高に訴えて、イラク攻撃の正当性をアピールしていた張本人だからだ。しかしその彼も、91年の湾岸戦争で最高司令官として多国籍軍を率いた経験から、ラムズフェルド国防長官が進めるネオコン主導の一国主義的先制攻撃には反対していたと言われていた。「もし大量破壊兵器が存在しなかったら攻撃しなかっただろう。」というコメントは、暗にCIAの提出した情報の中から自分達に都合の良い部分だけを抽出してイラク攻撃を正当化したチェイニー副大統領やラムズフェルド、パール達に対する嫌味と受け取られても仕方が無い。

ここのところ身内からの告発や暴露が続いて大量破壊兵器問題で「情報操作が在ったのではないか」と疑われているブッシュとしては聞き捨てならないコメントだろう。しかもパウエルはブッシュ政権の現職閣僚だから、あからさまにブッシュを批判するものではないにしても、やはりこういうトーンのコメントは政権内部で批判を浴びたのだろう。

パウエルは今日になって、早速この発言を軌道修正するコメントを出している。

Powell and White House Get Together on Iraq War (New York Times)

After telling The Washington Post in an interview on Monday that the absence of weapons stockpiles "changes the political calculus" about whether to go to war, Mr. Powell told reporters on Tuesday, in comments coordinated with the White House, that "the bottom line is this: the president made the right decision."

あらためて「ブッシュ大統領の判断は正しかった。」と強調したわけだ。

ところで、もともと一国主義には批判的で国際協調主義だといわれているパウエルは、最近になって自分に風向きが変わってきているので微妙にスタンスを変えている、という興味深い分析がある。

消えた単独覇権主義 (田中宇の国際ニュース解説

 もう一つ最新号で目を引いたのが、今回の私の記事の主題である、パウエル国務長官の論文「協調の戦略」(A Strategy of Partnerships)である。この論文が驚きなのは「ブッシュ政権は、単独覇権主義ではないし、軍事偏重でもない。先制攻撃を特別に重視したこともない」「大統領は最初から一貫して(欧米間の)NATOや国連、その他の同盟国との関係を大切にする協調重視の戦略をとってきた」と宣言している点だ。

「脅威に対しては先制攻撃も辞さない」と表明したブッシュ政権はどう見ても「単独覇権主義」だし、アメリカが「軍事偏重」だというのもイラク侵攻をみれば明白だ。それなのに、なぜパウエルは正反対のことを書くのだろうか。なぜ「ブッシュはイラクの泥沼から抜け出すために最近方針転換した」とする見方を否定するのか。

この田中さんの記事、いつものように大変興味深い内容なので、是非御一読を。

February 5, 2004 in Current Affairs, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, February 04, 2004

【イラク復興支援“群”のナゾ 調査報告】

■このエントリーで取り上げた「イラク復興支援“群”」のナゾについて、防衛庁に問い合わせてみた。

今日(正確には昨日)放送した“JAM THE WORLD”のMICROSCOPEコーナーで、一昨日から気に成ってしょうがない“群”のナゾを取り上げたんだけど、僕の個人的な推測だけで放送するのはどうかと思ったので、番組の構成作家である北村氏(『裕太郎』のオーナーでもある)に調査をしてもらった。

最初に午後7時ごろ防衛庁の長官官房の広報担当者に「先日の隊旗授与式で使われた『イラク復興支援群』の“群”ってどういう意味ですか?」と問い合わせたところ、予期しない質問だったらしく「きちんと調査してから返答する。」とのことだったんだけど、何とか午後8時の放送前に回答が返ってきた。勤務時間外のはずなのに、この対応はなかなか誠意がある。

で肝心のこの『イラク復興支援群』だけど、英語の表記は『JAPAN IRAQ RECONSTRUCTION SUPPORT TROOP』というそうだ。英語表記だとしっかり“部隊”になっている。

僕は最初、「“軍”を“群”とすり返ることで自衛隊が軍隊ではない、と誤魔化そうとしているのではないか?」と思ったんだけど、これはどうやら僕の“杞憂”だったようで、自衛隊では日常的にこの“群”という言葉(文字?)を使用しているとのこと。

例えば、“隊”は様々な能力を持った人材がバランス良く配置されているグループだとすると、“群”の方は目的や時期にあわせて特殊な能力に秀でた人材を集結したグループ、とのことで、今回のように「橋をかける」とか「水をひく」とか「建物を修繕する」みたいな特化された目的の為に編成された部隊のことを“群”と呼ぶそうだ。

つまり、一般的ではないが自衛隊内部では頻繁に使われる、いわば『業界用語』っていうことか。

僕はてっきりこれも小泉流の「すり替え&誤魔化し」の一環で、これを放置するとそのうち『自衛隊』の“隊”を“鯛”にしちゃったりとか、トンデモないことに成ってしまうんじゃないかと思ったんだけど・・・う~ん、見事に外れでした(苦笑)。それにしても、こういう自衛隊御用達の業界用語、他にもいっぱいありそうで興味津々。もし内情に詳しい人が居たら、僕に“こっそり”教えてください。

あと、今日『裕太郎』で北村氏がこの件に関する取材レポートをアップしてくれているので、御参考まで。

February 4, 2004 in Current Affairs, Media, Politics | Permalink | Comments (2) | TrackBack

Tuesday, February 03, 2004

【ジャネット・ジャクソン スーパーボールでスーパー・ブーイング】

■ジャネット・ジャクソンがスーパーボールのハーフタイム・ショーへ出演。しかし結果はスーパー・ブーイングの嵐と成った・・・。

4年ぶりのステージ登場ということで“実質的には再デビュー”といわれていたこのハーフタイム・ショー。毎年いわゆる“BIG ARTIST”が出演することで知られているが、今年は何故かジャネット・ジャクソン。このところ、ジャクソンといえばマイコーの裁判沙汰で目立っていたけど、「そういえばジャネットも居たよね~。」みたいな感じになってたもんね。

とにかく、久々の登場ということで気合が入っていたんでしょう。このショーをプロデュースしたMTVのサイトでも事前に「ジャネットにショッキングな瞬間あり」と予告された注目のステージで、ジャネットはナント!パフォーマンスとしてデュエットの相手であるジャスティンに右胸の覆いを剥ぎ取らせてバストをさらけ出す、という演出をかましたのであります!
janet1.jpg

しかも、このジャネットの胸、よく見ると先っちょに何か光るものが・・・・。

"Oh~My GOOOD!!"
janet2.jpg

ビックリしたのは全米で夕飯時に和気あいあいスーパーボールをテレビ観戦していたアメリカン・ファミリーの皆さん。(多分、中には馬鹿でかいモニターで観ていた人も居るだろう・・・・)思わず食べ物を喉に詰まらせてむせ返ってしまった人が推定で200万人ぐらい居るという(ウソ)。

この演出に芸人魂を賭けたジャネットの気合とは裏腹に、CBSには放送直後から猛烈な抗議が殺到!そしてNFLのトップも激怒のコメント発表!う~ん、ジャネットも今度ばかりはちょっと滑っちゃったみたいだね。御愁傷様。でもこれ、実はラトーヤだったりして・・・。

情報元: DRUDGE REPORT

■追記

この事件、思ったより波紋が広がっている。あまりのブーイングの凄さにジャネット本人は早々に謝罪のビデオ会見を発表したけれど、それでもバッシングが収まる気配はない。

 政府までもが怒り心頭だ。連邦通信委員会(FCC)のマイケル・パウエル委員長は「下品で嘆かわしい行為で、一大行事が汚された」と一喝。ショーを担当したMTV、放送したCBS各系列局を「迅速かつ徹底的に調査する」と厳粛に宣言した。各局に2万7500ドル(約290万円)の罰金を科すことを検討し、さらには放送権の剥奪まで視野に入れていることをも示唆した。
FCC(連邦通信委員会)が調査に乗り出すとか、ホワイトハウスまで批難の声をあげるなんて・・・。もっと批難すべきことがあるだろ~(怒)!と思うのは僕だけか?

出演が予定されていたグラミー賞からも、結局ジャネットは締め出されることになったようだ。

Janet was set to introduce the Luther Vandross Tribute at the Grammys, but CBS has allegedly rescinded the invitation.
“弱り目に祟り目”とはこのことか。衣装を剥ぎ取ったジャスティンもとんだトバッチリを食らって迷惑顔だ。

あの程度の露出で、ここまで問題になるのならリオのカーニバルはどうなんだ?あれだって世界中の人が見ているし、日本でもあのお堅いNHKですら“パイオツモロ出し映像”平気で放送してるじゃないか。ジャネットのオッパイだけが特別なのか?そてともビーチク・ピアスが嫌われたのか?

僕はブッシュの軍歴詐称とか大量破壊兵器詐欺疑惑とか、何かと政府にとって都合の悪いニュースが噴出しているなかで、マイコーの時と同じく、ジャネットもメディアの煙幕に利用されているのではないかと勘ぐってしまう。

■参考リンク: 【ジャネット事件のディープ・インパクト

February 3, 2004 in Music, Sports, Television | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Monday, February 02, 2004

【単独採決で派遣されるイラク復興支援“群”の哀しみ】

■イラクへの自衛隊派遣が与党の単独採決で衆院を通過した。

あ~あ、日本の政治ってこんなもんか・・・。

30日には衆院イラク復興支援特別委員会の審議最中に「これ以上協議しても無駄」という理由で強行採決!そして挙句の果ては与党単独採決の強行突破。日本の国運を左右する重大な局面なのに、一体これは何なんだろう??

それにしても野党は何やってんだ!?小泉氏は「野党は何を言っても、結局反対するだけだから。」といって、議論そのものを否定するような発言をしていたが・・・。(やっぱり『バカの壁』を読んでいたのか?)先日、『裕太郎』のエントリーでも取り上げていたけれど、小泉氏の詐欺師的な答弁に丸め込まれている場合じゃないだろう。

しかも、言うに事欠いて一昨日の隊旗授与式では、『「第一次イラク復興支援群」隊旗授与式』って書いてあるじゃないか!?“軍”を“群”って表記すれば軍隊じゃなく成るって言うのか?渡した旗は“隊旗”っていうくせに、リーダーの肩書きは“群長”だそうだ。そんなもん、聞いたこと無いぞ。そのうち、「自衛隊は軍隊ではなく、群隊だといったじゃないか!」と開き直るつもりに違いない。いかにも姑息な小泉らしい命名だ。
200402010101.jpg

“群”の国際的な表記はどうするんだ?ひょっとして“Group”か?

集団的自衛権を拡大解釈して作った“イラク度糞法”は誰が見ても憲法違反が明らかなのに、誰も止められないのか?せめて御願いだから派兵するなら法治国家らしく憲法改正してからにしてもらいたい。でなきゃ“群隊”の用語定義を公式にしてくれ。

■このエントリーの続報『調査報告』はこちら

February 2, 2004 in Current Affairs, Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack