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Monday, February 09, 2004

【“I'm a war president.” ブッシュTVインタビューで開き直り】

■昨日MSNBCで放送された“MEET THE PRESS”にブッシュ大統領が出演した。

オニール前財務長官による暴露(『ブッシュ政権は就任直後からイラク侵攻を計画していた。』)や、ケイ前イラク調査団長による暴露(『イラクに大量破壊兵器は無かった。」と議会公聴会で証言)やジョージ・テネットCIA長官の発言(『イラクが脅威だとは言っていない。』)などがきっかけで、イラクの脅威はブッシュ政権が戦争を行うためにでっち上げたのではないかという疑惑が浮上している。

おまけに、マイケル・クラーク氏がクラーク候補の遊説先の応援演説でブッシュを「逃亡兵」とこき下ろしたことで、今度は彼のベトナム徴兵逃れ&軍歴詐称疑惑まで再浮上。支持率も60%から48%に落ちてきた為に、急遽テレビの政治討論番組“MEET THE PRESS”に出演して数々の疑惑に応えてイヤな状況を逆転させようということになった。

このインタビュー、事前にそうとう騒がれていたし、やっぱりこれは見逃せないということで昨日深夜の放送を見た。結果はしかしブッシュの思惑とは裏目に出たのではないか、というのが正直な感想。ホワイトハウスのオーバルオフィスで収録されたこのインタビュー。登場したブッシュ大統領はいつもより心なしか自信なさげで不安そうな表情。(それとも被害者を演ずることで同情を買う作戦か?)

インタビュアーのティム・ラッサートの鋭い質問に即答できず、「エー・・・」とか「アー」とか「ウ~ン」とかでつなぎながら一生懸命適切な応えを探しているように見えた場面が何箇所もあった。(往事の大平総理みたい・・・古い?)そういう表情とか、声とかのニュアンスは伝わらないかもしれないけど、このインタビューの全文がMSNBCのサイトのアップされていた。MSNBC - Transcript for Feb. 8th

インタビュー冒頭で先日ブッシュが設置をアナウンスした諜報機関の活動に関する独立調査委員会について「ブレアも同じような委員会を設置したけれど、あちらは7月に報告をすることになっている。一方わが国の委員会は2005年の3月。大統領選挙の5ヶ月もあとだ。国民はこの委員会の調査報告を投票の参考にすべきではないのか?」と問われて、「イラクの問題だけでなく、北朝鮮やパキスタンから他国へ核開発情報が漏れた事件などについても、適切な諜報活動が行われていたか調査する必要がある。充分な時間が必要と考えている。」と応えている。

Russert: Prime Minister Blair has set up a similar commission in Great Britain.

President Bush: Yeah.

Russert: His is going to report back in July. Ours is not going to be until March of 2005, five months after the presidential election.

President Bush: Yeah.

Russert: Shouldn't the American people have the benefit of the commission before the election?

President Bush: Well, the reason why we gave it time is because we didn't want it to be hurried. This is a strategic look, kind of a big picture look about the intelligence gathering capacities of the United States of America, whether it be the capacity to gather intelligence in North Korea or how we've used our intelligence to, for example, learn more information about AQ Kahn. And it's important that this investigation take its time.

あれ?問題に成っているのは「イラクの大量破壊兵器が存在しない」という情報を誰が見逃してしまったのか(または無視したのか)、そして誰がイラクの脅威はすぐに攻撃しなければならないほど差し迫ったものだと結論付けたのか、ということじゃなかったっけ?それだけに絞って調査するなら、11月には充分に間に合うのでは?と思うんだけど・・・。

また彼はこの質問の答の中で、驚くべき発言をしている。「私は戦争大統領だ。私はこのオーバル・オフィスに居ながら、外交問題については常に“戦争”を念頭に決定を下している。そうでなければ良かったと思うが、それが現実だ。国民は私がそのような世界観を持っている大統領であることを知るべきだ。」

I'm a war president. I make decisions here in the Oval Office in foreign-policy matters with war on my mind. Again, I wish it wasn't true, but it is true. And the American people need to know they got a president who sees the world the way it is.
たぶん、「わたしは戦時の大統領だ。」と言いたかったんだろうけれど、“War time president"ではなく、“War President"といっているところがポイントだ。アメリカが自ら引き起こしたテロとの戦争(そもそもビン・ラディンだってサダム・フセインだってアメリカの産物だし、イスラエル/パレスチナ問題でこれまでダブルスタンダード外交をやってきたことが9.11の遠因になっているといって良い)。そして、戦争というフィルターを通してしか世界を認識できない大統領。これはもう世界にとってほとんど絶望的な状況だ・・・。

そして問題の大量破壊兵器が無かったことについていは、意外とアッサリ認めている。

Russert: The night you took the country to war, March 17th, you said this: "Intelligence gathered by this and other governments leaves no doubt that the Iraq regime continues to possess and conceal some of the most lethal weapons ever devised."

President Bush: Right.

Russert: That apparently is not the case.

President Bush: Correct.

その上で、誤った前提に基づいて戦争を開始したことについて批判にどう応えるのか?と問われて大統領は、「大量破壊兵器は見つかると思っていた。」「しかし、デビッド・ケイはサダムは危険な兵器を作る能力があったと報告している。サダムは武器を持たせると危険な男だった。サダムは兵器を作ることが出来る危険な男だった。サダムは危険な国の危険な男だった。」とクドイほど繰り返し、「大量破壊兵器があろうがなかろうが、そういう危険性を持った狂った男が何もしないだろうということで、その危険が差し迫ったものに成るのを待っていたのでは(このテロとの戦争を戦う上で)遅すぎるのだ。だから攻撃を開始する決断をした。」と述べている。ようするに開き直ったわけだ。
Russert: How do you respond to critics who say that you brought the nation to war under false pretenses?

President Bush: The … first of all, I expected to find the weapons.
(中略)
But David Kay did report to the American people that Saddam had the capacity to make weapons. Saddam Hussein was dangerous with weapons. Saddam Hussein was dangerous with the ability to make weapons. He was a dangerous man in the dangerous part of the world.

By the way, quoting a lot of their data in other words, this is unaccounted for stockpiles that you thought he had because I don't think America can stand by and hope for the best from a madman, and I believe it is essential I believe it is essential that when we see a threat, we deal with those threats before they become imminent. It's too late if they become imminent. It's too late in this new kind of war, and so that's why I made the decision I made.

それを受けてラッサートが再度「しかし大量破壊兵器があるから今すぐに攻撃しなければならないということだったのでは?」と聞くと、「そうかもしれないけど彼には兵器を作る能力があったし、その兵器が“影のテロリスト・ネットワーク”に渡ったかもしれない。」と懲りずに全く証明されていないイラクとテロリストとの関係を匂わせて誤魔化している。
But he had the capacity to make a weapon and then let that weapon fall into the hands of a shadowy terrorist network.
「イラクで民主的な選挙が行われた結果、イスラム原理主義政権が成立したらどうするのか?」という質問には、「それは在り得ない。何故私がそれを言えるかという、今彼等が策定している憲法の内容を私は熟知しているからだ。」と応えている。結局今の暫定政権はアメリカの意のままなのだろう・・・。
Russert: If the Iraqis choose, however, an Islamic extremist regime, would you accept that, and would that be better for the United States than Saddam Hussein?

President Bush: They're not going to develop that. And the reason I can say that is because I'm very aware of this basic law they're writing. They're not going to develop that because right here in the Oval Office I sat down with Mr. Pachachi and Chalabi and al Hakim, people from different parts of the country that have made the firm commitment, that they want a constitution eventually written that recognizes minority rights and freedom of religion.

そしてこれも問題になっている軍歴詐称疑惑について問われると、「証拠は無いかも知れないけど、私は確かに従軍していた。でなかったら名誉除隊にはしてもらえない。」と言い張り、「必要であれば当時の資料を公開する。」と明言した。しかしその“名誉除隊”自体も任期の8ヶ月も前だったことでパパブッシュの影響力を行使して特別扱いしてもらったのではないかと噂されている。
Russert: The Boston Globe and the Associated Press have gone through some of their records and said there’s no evidence that you reported to duty in Alabama during the summer and fall of 1972.

President Bush: Yeah, they re they're just wrong. There may be no evidence, but I did report; otherwise, I wouldn't have been honorably discharged.

そしてインタビュー後半で唐突にエール大学在学中に、同じく同校の上級生だったジョン・ケリーと共に、秘密結社として知られている『Skul and Bones』に所属していたのでは?と聞かれて「その秘密について我々は話してはいけないことになっている。」と語って、暗にメンバーであることを認めている。
Russert: You were both in Skull and Bones, the secret society.

President Bush: It's so secret we can't talk about it.

Russert: What does that mean for America? The conspiracy theorists are going to go wild.

President Bush: I'm sure they are. I don’t know. I haven't seen the (unintel) yet. (Laughs)

と今までは噂に過ぎなかったけれど、これで確定か?それにしても、メジャーなインタビュー番組でこの質問が出ること自体に驚く。いずれにしても、ブッシュもケリーも同じ穴のムジナ、どっちが勝っても結局はこの支配者エリート層を輩出してきた秘密結社のメンバーが大統領に成るということだ・・・。笑い事じゃない。

February 9, 2004 in Current Affairs, Media, Politics, Television | Permalink

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Tracked on Feb 11, 2004 2:00:18 PM

Comments

なるほど。そうだったんですか・・・。裏には裏があるんですね。一昨日、たまたま休みで国会を見ていたのですが、これはもう"COMEDY CLUBKING"の世界そのものを見ているようで、何故、小泉政権が国民に支持されているのか、さっぱりわかりませんでした。

やはり、野中さんのようなblogでの戦略というのか、戦術というのかひとつひとつ的確な情報を発信していくことしかないかな、と思います。

それが結果として政治を良い方向へ持っていける訳だし。

ところで金で買うことほど恥ずかしいものはありませんね(笑い)。

Posted by: 沖原太一 at Feb 11, 2004 11:43:58 PM

沖原さん、コメントありがとう!

ブッシュは誤った考え方というか、“キリスト教原理主義的には正しい”考え方をしていると思われます。それに、どうも彼はやはり単なる表看板で、真の大統領はチェイニーでしょう。Moveon.orgが作成したDVD“Uncovered Truth”でも、イラクの脅威をでっち上げたのはチェイニーだ、ということが暗示されています。

9.11の時に、チェイニーはいち早く地下のセキュリティー施設に避難させられたのに対して、ブッシュは“危険なはずの”エアフォース・ワンに乗せられてワシントン上空を周回待機させられていた、というニュースを聞いたときに「本当に守りたいのはチェイニーなのだ。」と直感しました。

ある意味で「バカ(ブッシュ)とハサミ(軍隊)は使いよう」を地で行くような現政権は、アメリカという実験国家の実態をさらけ出しているような気がします。

そして残念ながら、選挙政治というのはあらゆる局面においてマスメディアの言論によって左右される大衆に依存する以上、金で買えてしまう。そんな民主主義なんてモノは結局偉大な虚構にして巨大な偽善です。ちょっと悲観的過ぎるかも知れませんけどね・・・。

Posted by: a-key at Feb 11, 2004 1:07:18 AM

しかし、こういった誤った考え方を大統領がするから戦争が起きるんでしょうね。

でも、こういった大統領を選出した側にも責任がないとはいえないのが選挙制度の難しいところです。

やっぱり、いつも肝心なところはどの国であれ、選挙制度の改革にあると思います。

「戦争」をするか、しないか、は国民投票てのも安易でしょうし・・・。

・・・。

Posted by: 沖原太一 at Feb 10, 2004 9:51:37 AM

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