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Wednesday, March 24, 2004

【祝! DAYS JAPAN 創刊】

■23日に放送したJAM THE WORLDのゲストに、先週創刊されたばかりの『DAYS JAPAN』の編集長、広河隆一さんをお招きした。

創刊された日は、ちょうどイラク戦争の一周年というタイミング。フォトジャーナル誌として「世界を視る、権力を監視する写真中心の月刊誌」を標榜するDAYS JAPANの表紙には、“人々の意志が戦争を止める日が必ず来る”という希望に満ちたコピーが掲げられている。

おりしもスペインでの列車同時多発テロの発生を受けてヨーロッパ各国ではイラク戦争に対する批判が再燃し、先週末には世界の大都市で数万から数十万という空前の規模で反イラク戦争のデモンストレーションが行われたばかり。そして、この混沌とした状況に追い討ちをかけるようにイスラエルによるハマスの指導者ヤシン師の暗殺という歴史的な出来事が中東情勢を一層不透明なものにしている。

そんなタイミングでお目にかかった広河氏は、自らもフォトジャーナリストとして1960年代から中東問題に関わってこられた経歴を持ち、その実体験を基にした取材活動や執筆活動は正に本来の意味でのジャーナリスティックなものだといえる。

スタジオに来られた広河氏は、どちらかというと物静かで寡黙な感じの人物。何故今この雑誌を創刊することに成ったのか、という問いに対して、「今は残念ながら本当の意味でのフォトジャーナリズムと呼べる媒体がない。そのため、本来伝えられるべき情報が伝わっていない。そんな状態でともすると想像力の欠如から人々は今起きていることに対して無批判に成ってしまっている。」「テレビで報道されるのは巡洋艦からミサイルが発射されたり、バグダッドに向かって侵攻する戦車の車列の映像。しかし、その向こう側では実際に何が起きているのかを知ることができる情報は全く抜け落ちている。DAYS JAPANは一枚の写真から、本当はあの映像の向こう側では何が起きているのか、人々に想像する、あるいは判断する材料を提供したいと思って創刊した。」と語っていた。

僕は最初にこの雑誌の創刊を知ったとき、かつてフォトジャーナル誌の旗手的存在だったアメリカのLIFE誌を思い出した。まさにアメリカの、そして世界の歴史を素晴らしい写真によって記録したLIFE誌は残念ながら今はもうないけれど、ほとんどのメディアが巨大資本によって束ねられている現在、独立系のメディアとして今改めてフォトジャーナリズムを世に問うという意義は高いと思う。

広河さんにとってフォトジャーナリズムとは何か?という素朴な問いに対して、「フォトジャーナリストとは、フォトグラファーである以前に、ジャーナリストである必要がある。欧米では大学でジャーナリズムの一環でフォトジャーナリズムを教えているけれど、日本では写真学校のカリキュラムとして教えている。これは本末転倒。」「どんな写真を撮るのか、ではなく、何の為に、どのような視点を表す為に撮るのか、ということが重要で、その為には目の前にある出来事の本質を捉えるためのジャーナリスティックな能力が不可欠だと思います。」と応えてくれた。僕は思わず納得してしまった。写真家としての力量、それはもちろん重要なんだけど、それよりも重要なのは結局“人間力”ということだろうか。

ところで、このDAYS JAPANは大手出版社からではなく、有志による手作りという全くの独立メディア、いわゆる“インディー系”の出版形態をとっている。実際には、これまで都合5回ほど創刊を断念しなければならないような局面があったとのこと。広河氏にとっても自分で編集したり出版したりというのは初めての経験だそうだ。「とにかく人から金を借りてやる、ということだけは避けたかった。」という広河さんは、暗中模索する中で、限界はあるけれども自分達だけでコントロールできる範囲で最大限の努力をされたのだそうだ。

扱うテーマが硬派なだけに、出版不況といわれる昨今大変な御苦労があっただろうことは容易に想像できる。無事に創刊できたことは喜ばしいが、これからが大変だともおっしゃっていた。現在の発行部数は約2万部とのこと。定期購読者数は5000人とのことで、これから継続していく為には定期購読者が増えることが不可欠だという。

「まずは2万5000部が目標。実は2万5000部を超えると、作品を提供してくれた写真家に対する使用料の額がいきなり上がってしまうので大変なんだけど、そうなったら更に頑張るしかないと思っている。」とのこと。番組中にリスナーから「コンビニに置いてないのか?」という質問があったんだけど、コンビニに置けるような雑誌は部数が40万部以上とかないと無理なんだそうだ。

正直なところ、大変だろうなと思う。しかし、その志の高さには心から敬服する。広河さんは「この雑誌を買ってくれた人と一緒に育てていきたい。」とおっしゃっていた。僕は1人でも多くの人にこの雑誌の存在を知ってもらいたくてゲストにお招きしたんだけど、興味のある人は是非定期購読するなり、あるいは近くの書店で注文するなりしてて実際に手にとって御覧になっていただきたい。

March 24, 2004 in Books, Media | Permalink

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