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Tuesday, March 30, 2004

【今日のJAM ゲストは国際問題評論家の芝生瑞和さん】

■今夜放送したJAM THE WORLDのゲストは国際問題評論家の芝生瑞和(Mitsukazu Shiboh)さん。

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ジャーナリストとして、そして日本パレスチナ医療協会の代表として、これまで数十回もパレスチナに渡って取材や支援活動を行ってきたという芝生さんに、ヤシン師暗殺を受けて極度の緊張状態にあるパレスチナ情勢について、なかでも現地の一般の人たちの日常生活がどうなっているのかについてうかがった。

パレスチナとイスラエルの紛争については、本当に長い歴史と複雑な宗教的・地政学的な背景があってなかなか一筋縄ではいかないテーマなんだけど、そのあたりについてはMainichi Interactiveの特集記事(結構コンサイスです)を覗いてもらうとして・・・、芝生さんが現地へ行って感じたのは、2001年に現在のブッシュ政権とシャロン政権が時を同じくして成立して以来、パレスチナ人を取り巻く状況は悪化するばかりだということ。

相互の攻撃でイスラエル側には約800人、パレスチナ側には3000人の死者が出ており、火力に劣るパレスチナ側で巻添えになった一般人の死傷者は3万人に上るという。

当然、必要とされるのは医療なんだけど、芝生さんが代表している日本パレスチナ医療協会もこれまで延べ100名近くの日本人医療関係者を現地に派遣してきたのに、最近はイスラエルで入国拒否に会い(パレスチナ自治区に入る為には一旦イスラエルに入国する必要がある)、現在当地で働いている日本人はゼロとのこと。

これは日本人に限ったことではなく、現在はパレスチナ自治区に外国人が入ることはほとんど不可能だという。パレスチナの人たちにとっては、理由は何であれ外国人が来てくれることは物凄く元気付けられることなのに、それが出来ないのが残念だとおっしゃっていた。イスラエルがそこまで厳しく外国人の立ち入りを規制するように成ったのは、昨年3月にアメリカ人女性レイチェル・コリーさんが自治区に侵攻して家屋破壊を行っているイスラエルのブルドーザーに立ちはだかってひき殺された事件が大々的に報道されたことを嫌い、これ以上“人間の盾”に成ろうという外国人が入ってこないようにしている、という理由だそうだ。

現在、パレスチナ人たちは自治区内に張り巡らされた壁に阻まれて、今まで以上に交通の自由を奪われ、まともな医療を受けられないどころか、自分の畑にすら行けないという状態で、その日常生活は困窮を極めているということで、やはり現地で活動してこられた方だけに、ヤシン師の暗殺を受けて今後状況が更に悪化することを本当に心配されていた。

インタビューの最後に「どうしたら今の事態が改善されると思うか。」という問いに対して「やはりブッシュとシャロンが交代するしかないでしょう。」とおっしゃっていたが、ここにきてブッシュの支持率は再び上昇しているというし、大統領選の争点はすっかりアメリカの国内問題(税金、失業対策)に移ってしまったのだろうか?9.11調査委員会で次々に明らかに成っているのにね・・・。唯一可能性があるのは、シャロンが収賄で起訴されて有罪に成る事だけど、本人はそうなってもやめる気配は無い。

今回のヤシン師暗殺に対して多くの国が非難しているなかで、ブッシュ政権だけは「どの国も自国をテロから防ぐ正当な権利がある。」ということで擁護する姿勢を見せている。ヤシン師の暗殺についてアメリカは事前に知らされていたかどうか判らないけれど(その可能性は充分にある)、シャロンはブッシュのテロ戦争というやり方を真似しているわけだから、はなからアメリカは容認するだろうと読んでいたんだろう。

それにしても、イスラエル/パレスチナ双方ともに平和を望む声が無いわけではないのに、武力による制圧を旨とする狂信的なリーダー達のお陰で、中東和平はもう不可能なところまで来ている。後は増田俊男氏が予想するように、イスラエル憎しで盛り上がるアラブ諸国、例えばイエメンあたりからエルサレムに向けてスカッド・ミサイルが打ち込まれるような事態になれば・・・。そうなれば、いくら国際社会が押し留めようとしても、イスラエルは本格的な報復攻撃を行い、そして周辺諸国と多国籍軍を巻き込んで一気に中東戦争へというシナリオか?

仮にそうなった場合、既にイラクへ自衛隊を派遣している日本も高みの見物とは行かないかもしれない。

ところで芝生さんはヤシン師暗殺の直前にパレスチナ問題を俯瞰する著書「パレスチナ」を上程したばかり。タイムリーだし、内容もわかりやすくてパレスチナ問題を理解するのには絶好の入門書になっているので是非御一読を。

March 30, 2004 in Current Affairs, Media, Politics | Permalink

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