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Wednesday, March 23, 2005

【尊厳死論争の陰に霞むイラク開戦2周年】

■上下両院と大統領まで巻き込んで盛り上がる尊厳死論争とイラク開戦二周年

先週末はイラク開戦からちょうど二周年ということで、本来ならばイラク初の民主的選挙の実施を最大の成果として、この二年間を振り返った盛大な祝賀特番でもやるところなんだろうけど、イラクでは相変わらず毎日のように死傷者が出る始末で、とてもじゃないけど治安が回復したなんていえる状況じゃない。

おまけに世界各地でイラク戦争に対する抗議デモがあったりして、アメリカとしては今イラク関係の報道はむしろ無い方がありがたいんじゃないだろうか。

そんな訳で(かどうかは判らないけど)、アメリカのTVメディアはどこもかしこもフロリダの尊厳死論争で持ちきりだ。イラクの影も形も無い。見事に。それ以外にはマイケル・ジャクソンの裁判ネタがチラホラ・・・。(ていうか、そういや両方とも裁判じゃねーか!ったくアメリカ人はトコトン裁判好きなわけだ。っていうか、そういう俺も嫌いじゃなかったりして・・・。)

15年間も植物状態が続いている女性の生命維持装置を外すか否かで、尊厳死を望む女性の夫と、治療の継続を求める女性の両親との間で7年間にも渡って法廷闘争が続いていた。そもそも、この判断が(御本人の意思とは一切関係なく)7年間も裁判で争われてきたこと自体、極めてアメリカ的な感じ。さすが受精卵の所有権までも法廷闘争(1989年)したアメリカらしい。あの時もかなり呆れたけどね。

今回は、一旦フロリダ州で下された尊厳死を認める判決を差し止めて、既に外された(しかもこれまで3回も!)生命維持装置を元に戻させる為に連邦法案を提出。それこそ週末を返上して上下両院で決議し、これまた週末を返上したブッシュがわざわざワシントンに戻って法案に直ちにサインし発令するという、前代未聞の大騒ぎが繰り広げられた。まさに法治国家の面目躍如ということなのか?

 大統領や議会が個人の生死をめぐる問題に政治的に介入するのは極めて異例で、7年越しの法廷論争がさらに継続する公算が大きくなった。

 一連の動きは議会の主導権を握る共和党とホワイトハウスの連携で進展した。上下両院は復活祭(イースター)に伴う休会に入ったばかりだったが、週末を返上して本会議を招集。上院が20日に発声投票で法案を承認したのに続き、下院も21日未明、203対58で法案を可決した。民主党側も投票議員の半数近くが賛成に回った。

 地元からホワイトハウスに戻ったブッシュ大統領は法案署名後、「重大な疑義があるこのようなケースでは、我々の社会、法、そして裁判所は生命を支持する側に立つべきだ」との声明を出した。

 ブッシュ政権・共和党側は人工中絶や尊厳死に否定的な立場を取っており、全米が注視するシャイボさんのケースで積極的なパフォーマンスに出た格好だ。民主党側の意見は割れているが、法案に反対した議員らは「州の司法権への不当な介入だ」「十分な審理の末に司法が下した結論を、政治の道具にしている」などと批判している。

もちろんこの女性にも、そして不幸にして全米衆目の的と成ってしまった御家族にも同情はするけれど、それにしてもこんなプライベートな事にまで国家権力が関与するとは一体何事か?民主党サイドからは、「ブッシュ大統領の支持母体であるキリスト教福音派に対する政治的パフォーマンスだ。」という批判もある。まあ、その可能性は高いんだろう。

ありもしない大量破壊兵器の脅威という、後であっさり認めちゃったでっち上げの大儀で1万人以上を大量殺戮しておいて、これを“中東の民主化”といって正当化する一方で、一個人の尊厳死に待ったをかけて「私は生命を何よりも重んじる。」と真顔でおっしゃる。このロジック、ハッキリ言って理解不能です。

March 23, 2005 in Current Affairs, Politics, Religion | Permalink

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