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Tuesday, January 24, 2006

【ライブドアは日本のエンロンか】

■ライブドア事件にはエンロンとそっくりなところが

ライブドア堀江社長の逮捕は、それこそ“想定の範囲内”だったとは云え、先週月曜日の強制捜査からたったの一週間で逮捕まで至ったスピーディーな展開には、正直驚かされた。

いみじくも、先週のJAMのエンディングで「取締役同士のメールに『かなりやばいけど、投資組合を使えばばれない』というやりとりがあり、彼らが違法性を認識していたことが確認されている。また、東証は既にライブドアの上場廃止を視野に入れて動き始めたというし、最終的に堀江社長の逮捕に至るかどうかという展開に成って来た。いずれにしても、上場廃止ということに成って来ればM&Aどころじゃなくなるだろう。」とコメントしたんだけど、予想外の展開の速さだった。

たった一度の面識とは云え、昨年の2月22日、ニッポン放送買収騒動の渦中にある堀江氏にゲスト出演してもらったこともあって、それなりに注目はしていたんだけど、結果的には月並みな「やっぱりな~」という言葉しかない。

あの時も多くのメディアは彼をバッシングしていて、そうしたメディアに対して彼は「メディアは上げたり下げたりですから・・・。」と意外と冷静なコメントをしていたけれど、ここ一週間の報道、そして昨日の逮捕を受けた各メディアの報道ぶりは、ここぞとばかりに袋叩きにしている感じがあって実に”想定の範囲内”のステレオタイプな展開に見える。

とはいえ、個人的には昨年のエントリーにも書いたとおり、僕は2004年に起きたイーバンク銀行をめぐるライブドアのやり方を見ていて、ライブドアは「マトモではない」と感じていたし、恐らく当時から業界の慣習を無視した異分子である彼らを快く思っていない人達は大勢居たのではないかと思う。

先週の強制捜査の時に指摘された、「粉飾決算」や「風説の流布」も事実ならば即刻退場処分も致し方ないところだけれど、地検特捜の意気込みからは、それだけじゃないような雰囲気が感じられる。

今回明らかになった「投資組合」や「株式交換によるM&A」を組み合わせた手法も、個々のパーツは法律に反していないし、実に良く考えられていて感心するぐらいなんだけど、様々なパーツを組み合わせた「一連の取引」に違法性があると証明するだけの証拠を検察は押さえているんだろう。いずれにしても前例の無い事案になることは間違いない。

ただし、日本には前例が無くても「WINNER TAKES ALL」型市場主義先進国のアメリカには、90年代初頭にいわゆるレバレッジ・バイアウト(LBO)の考案者で巨万の富を得たジャンクボンドの帝王マイケル・ミルケンや、更には記憶に新しいエンロンやワールドコムのような事例がある。いずれも不正経理や粉飾決算の発覚が破綻の直接的な原因に成っている。

アメリカではこうしたトラブルを受けて、2002年には米企業改革法の施行で市場を監視する体制が一層強化されたけれど、こうした前例がありながら、日本の法整備や監視体制が不備だったことは否めないだろう。

ちなみにエンロンの場合は、電力売買を証券化した“エネルギーの先物市場”という新しいビジネスモデルが背景にあった。新しい市場には、その実態を監視するシステムや不正を防止する法的整備が不十分で、つまりグレーゾーン的な傾向があった。

さらに驚くのは、当時エンロンの不正経理疑惑の捜査対象となっていた同社の副会長が自殺(謀殺説もあり)していて、そんなところまで今回のライブドア事件はそっくりだ。

ついでにエンロンの破綻には、同社の監査をやっていたアメリカ最大手の会計事務所であるアーサー・アンダーセンが破綻するというオマケまでついていた。

エンロンとライブドアが類似するところはそれだけじゃないけれど、そういう意味では、少なくともこれまでライブドアの決算にお墨付きを与えていた港陽監査法人にも一定の責任があるのではないか。

そして一定の責任の矛先には、もちろんこれまで散々彼を利用してきたテレビを代表とするマスメディアと、その人気を総選挙で利用した自民党執行部がある。ちにみに、相手の失点を捕まえて攻めることしか出来ない民主党は論外と思うが。

マスメディアは、ホリエモン人気を煽り、ライブドアの時価総額の向上に貢献してきたことを忘れてライブドア叩きに走ってはならないし、政府与党は一日も速く日本版企業改革法を整備して一般投資家の保護に努めるべきだと僕は思う。

January 24, 2006 in Business, Economy, Media, Politics, Television, Web Culture | Permalink

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