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Saturday, March 25, 2006

【イラク戦争 ペンタゴンが報告書をリリースした】

■イラク開戦から3年。国防総省がこれまでのイラク戦争の詳細をまとめた報告書(PDF)をリリースした。

誰が見ても失敗が明らかなイラク戦争。ただブッシュ大統領は盛んに強気の発言で言い訳を繰り返しているけれど、このリポートからは色んなことが見えてきているようです。

ロシア、フセイン政権に情報提供Mainichi INTERACTIVE

 報告書によると、ロシアは03年3月20日の開戦から4月上旬のバグダッド陥落前後まで、イラク戦争を仕切った「米中東軍の内部」から戦況や作戦に関する情報を収集し、バグダッド駐在のロシア大使を通じて元大統領側に伝えたという。

 4月2日の内部文書では「米軍はバグダッドに向け南、東、北側から進んでいるが、バグダッド攻撃は4月15日以降になるとロシアが伝えてきた」とされる。ただし、実際にはバグダッド陥落は4月9日。また、「米国はイラクの都市を占領するのは不可能だと考えている」との書簡をロシアがイラクに送ったというが、ロシア情報は結果的にいずれも誤りだった。

 一方、アジズ元副首相の証言によると、フセイン元大統領は「米国が攻撃してこないと確信していた」という。イラクには石油利権があるため、「仏露が武力行使を容認する国連安保理決議には拒否権を行使するとみていた」ためという。実際には、フランスは拒否権行使を示唆して抵抗したが、米英は決議採決を断念し、有志連合による開戦に踏み切った。

 報告書によると、元大統領は「米国は政権転覆までは要求しない」と判断。米地上軍がイラク領内に入った時点でさえ、最も恐れていたのは国内の反乱で、反乱鎮圧を想定して橋やダムを破壊せずにおいたという。これによって米軍は障害なくイラク領内を北上、バグダッド入りできた。

そう云われてみると、有志連合のバクダッド侵攻は予想以上にスムースで、ほとんど抵抗らしい抵抗もなくてほとんど拍子抜けするぐらいだったけど、そんな事情があったんですね・・・。

そういえば、そもそもイラク戦争の大儀とされた大量破壊兵器が結局見つからなかったことも、最近はもうあまり問題視されなくなっていました。がしかし、やはり3年目という節目を迎えて、開戦前に現場で国連査察の指揮をとっていた人物からこんな告発が飛び出しました。

米英が国連査察「利用」 ブリスク氏、イラク開戦でU.S. FrontLine

 開戦から3年になるイラク戦争直前まで国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長としてイラクで大量破壊兵器査察に当たったハンス・ブリクス氏(77)は22日、イラク開戦の議会承認を得るために査察が「米英に利用された」と指摘、同戦争の根拠にあらためて強い疑問を投げ掛けた。ストックホルムで共同通信のインタビューに語った。

 さらに、開戦理由の重点を未発見の大量破壊兵器から、フセイン元大統領の追放やイラク民主化へと移しているブッシュ大統領らに対して強い不信感をあらわにした。

 ブリクス氏はイラク戦争について「国連憲章違反で違法だったことは疑いない」と強調。大量破壊兵器が未発見に終わり、イラクの「差し迫った脅威」がなかったことが明らかとなり、自衛のための先制攻撃を正当化する理由がなくなったと言明。その上で「フセイン元大統領の追放やイラク民主化という理由だけでは米英の議会は開戦を承認しなかっただろう」と述べた。

イラクを民主化すれば、中東の周辺国も順次民主化されていくだろうという、いわゆる「中東民主化ドミノ理論」も今では相当怪しいものに成ってきましたが、イラク開戦当初から「次はイラン」と云われてきたわけで、そういう意味ではブリスク氏の下記のコメントは大変気に成ります。

 また、国際原子力機関(IAEA)事務局長を務めた同氏はイランが平和目的と主張する核開発問題にも言及。「イランの説明に疑問点はあるが、何もないことの証明が非常に難しいことはイラクの経験から知っているはず」と述べ、イランが核兵器開発をしていないとの主張を続けても欧米は納得しないだろうとの見方を示した。

 ブッシュ政権の先制攻撃戦略については、情報の精度に関するまやかしがイラク戦争などで「暴かれた」と強調、その危険性を訴えた。(共同)

今まさに国連安保理ではイランの核開発疑惑を議論している最中ですけれど、もしかしたら中東の民主化こそが善であると信じる勢力は、予定通り粛々とプロセスを進めているのではないかと不安になりますが、やはりイラク復興の目処がある程度付かないと、イラン攻撃に踏み切るのは難しいのではないかと思えるのです。

ちなみに、アメリカ国内の世論は既に厭戦気分が支配的になってきているようですし、イラクからの帰還兵は、イラク戦争の現実を訴え、政治の世界から変化を起こそうということで続々と政界を目指して出馬しているとのこと。

イラク帰還兵 米下院出馬は9人目 うち8人は民主党 (Exicte News

今年11月の米下院選に出馬するイリノイ州第6区(シカゴ郊外)の民主党候補を決める予備選が22日実施され、イラクで武装勢力に攻撃され、負傷した帰還兵のタミー・ダックワースさん(38)が候補に選出された。米メディアなどが伝えた。ロイター通信によると、これで今年の中間選挙に出馬するイラク帰還兵は9人となり、うち8人は民主党から立候補するという。

 ダックワースさんは陸軍州兵としてイラクに派遣された。04年11月、搭乗していたヘリコプターが武装勢力のロケット攻撃を受け、ダックワースさんは両脚を失った。現在は車椅子で生活している。同州選出のオバマ民主党上院議員らの後押しを受け出馬を決意した。

 22日の予備選には3人が立候補し、ダックワースさんが小差で他の2人を制した。同州6区は共和党の地盤で、同党重鎮のヘンリー・ハイド議員の選挙区だったが、同議員は引退を表明している。同党候補はすでに一本化されている。

 ダックワースさんはイラク戦争反対の立場で、イラク駐留米軍撤退の「基準」を明確にするよう主張している。民主党は中間選挙で反戦派のイラク帰還兵の擁立を目指しており、ダックワースさんもその一人。母親は中国系。04年大統領選に出馬したケリー上院議員や、ヒラリー・クリントン上院議員らからも支援を受けている。

何らかの形で11月までにイラクの状況が好転しない限り、ブッシュの支持率の回復は絶望的でしょうし、そうなるとイラク撤退論がより力を得て民主党が大勝するかもしれないけれど、もしそれまでにイランを“誰もが認める悪者”に仕立てることに成功すれば、成り行きでイラン攻撃も有り得るのではないでしょうか?

March 25, 2006 in Current Affairs, IRAN, IRAQ, Politics | Permalink

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