【トップガンではなくなったトム・クルーズとサイエントロジー】
Wednesday, August 23, 2006
■もはやパラマウントにとってトップガンではなくなったトム・クルーズ きっかけはサイエントロジー?
パラマウントから三行半を叩きつけられたトム君。本人は自分から辞めたんだと言い張っているらしい。最新のフォーチュン誌(日本語版10月号)では世界一のセレブに選ばれていたというのに・・・。
日本じゃあんまり報道されていなかったけれど、実はトム・クルーズはサイエントロジーの熱心な信者で、それが理由かどうか分からないが、オフスクリーンでの彼の異常な振る舞いは去年の5月に人気トーク番組"The Oprah Winfrey Show" にゲスト出演したころから巷で話題に成っていた。
しかしそもそもの発端は2003年11月、映画『ラストサムライ』の公開に併せて放送されたCNNのLARRY KING LIVEに出演した際に、幼少時に俳優としては致命的な難読症(文字が読めないという機能障害。本人はあくまで注意欠如障害だということで否定している)を患っていたトム君が、サイエントロジーに入信してこの病気を克服したという話をCOMING OUTして話題になったのだけど、その番組の中で彼はラリーを相手に如何にサイエントロジーが素晴らしいかを興奮しながら延々と語ったのだ。
グローバルなメディアで堂々とサイエントロジーを布教した事に成るんだけど、一部ではかなり怪しいイカガワシイ新興宗教として問題視され、FBIも捜査対象にしているというサイエントロジーを絶賛してみせたんだから、「アイツ大丈夫か?」と思ったのは僕だけではないだろう。
ちなみに、僕がその昔ボストンのバークリー音楽院に留学してた1979年頃、学校の入り口にはサイエントロジーの連中がいつも張っていて「心理テスト」と称して通りがかりの生徒達を勧誘していた。僕も何度か絡まれたことがあり、あんまりしつこいのでホトホト参った記憶がある。
運悪く捕まってしまった悩める音楽家の卵達は、彼らの似非心理テストの結果判明した自分の問題を解消するためにサイエントロジーに金を払い続け、文無しになり、しばらくすると今度は自ら勧誘する側に回って更に深みに嵌っていったのだ。僕はそんな彼らを目の当たりにしていたから、サイエントロジーに対しては悪い印象しか持っていない。
そんな訳で、「SOUTH PARK」でトム・クルーズとサイエントロジー、そして彼が隠れゲイであることを茶化したエピソード“Tom Cruise Trapped in the Closet"が放送されると、今度はこの内容がほんとに滅茶苦茶辛らつだったので、YouTubeなんかでも沢山ポストされて人気コンテンツに成った。
今ではクルーズに訴えられるかも知れないからという理由でYouTubeのコンテンツはほとんどが削除されているけれど、未だにこのサイトでは閲覧できる。前妻の二コール・キッドマンや、同じくサイエントロジストで隠れゲイと云われているジョン・トラボルタも登場するこのエピソードはとにかく抱腹絶倒、必見です。
ちなみにこのサウスパークのエピソード、何と今年のエミー賞にノミネートされている。今回のニュースでトム君とサイエントロジーの関係、そしてSF的なドクマで人を洗脳し、トム君のような有名人を広告塔にして金儲けに利用しているこの似非宗教そのものが再び注目されることに成りそうだ。
そんな訳で、マイケル・ジャクソン以上に変人扱いされるように成ったトム君がパラマウントに切られた理由は、「最近の彼の行為がパラマウントとしては受け入れがたいものであるから( "His recent conduct has not been acceptable to Paramount.")」っていうんだけど、結局はここ数年の極端なイメージダウンと、その影響で最新作の「MI-3」の興行成績が予想を大幅に下回ったことが直接的な原因とみられている。
"Mission Impossible: III" grossed $47.7 million in its first three days in North America, well short of the $60 million to $70 million expected by industry watchers.
The film went on to amass $393 million in ticket sales around the world, a tidy sum but far less than his previous release from Paramount, "War of the Worlds," which topped $591 million at the global box office.
実はこの映画から得られるトム君の収入の25%がサイエントロジーに“上納”されるらしいということで、事前に映画をボイコットする動きもあったし、俳優としての人気凋落が売り上げに影響したことは否定できない。パラマウントもここが潮時と判断したのかもしれない。
今回のパラマウントの契約解除はトム君にとっては打撃でも、サウスパークにとっては追い風かも。8月27日に開催されるエミーの授賞式が今から楽しみ。
*余談だけど、ジャズ・ミュージシャンのチック・コリアも古くからの熱心な信者で、サイエントロジーの創設者L・ロン・ハバード作のSF小説に基づいた作品をリリースしている。(でも駄作なのでお奨めしません)
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