【祝!『24』とジャック・バウワーがエミー賞受賞】
【高濃度酸素水に効果なし・・・】

【横尾忠則さんに会った】

■JAM THE WORLDのゲストに横尾忠則さんが登場

Yokoo2006_08_01もうかなり前の事に成るけれど・・・。8月1日に放送したJAM THE WORLDのゲストに出演していただいた横尾忠則さんにお目にかかった時のこと。

放送当日はスケジュールが合わなかったので、7月28日に成城にある横尾さんの事務所での事前収録ということに成った。

今回のインタビューのキッカケはというと、一つはカルチェ現代美術財団の主催で今年3月から5月にかけてパリで開催された「TADANORI YOKOO展」が大好評だったということと、もう一つは横尾さんがデザインを手がけたサンタナの『ロータスの伝説』の22面体ジャケットギネスブックに認定されたというニュースで、久しぶりに横尾さんのことが気になったからなんだけど・・・。

久しぶりに、とはいうものの実は横尾さんとは直接の面識は無かった。しかし、YMO散開直後の細野晴臣さんと二人でFRIENDS OF EARTHをスタートしたばかりの頃、良く細野さんから横尾さんのUFOや宇宙人との遭遇エピソードを聞かされていたので、妙に身近に感じていたのだ。

もちろんそれ以前から横尾さんの作品は書籍、ポスター、レコード・ジャケット等々、あらゆるメディアで目にしていたし、前述のサンタナのアルバム『ロータスの伝説』に続いて横尾さんが手がけた『アミーゴ』、さらにマイルス・デイビスの伝説的ライブ・アルバム『アガルタ』などの作品により、横尾さんのデザインはそこに収められた音楽と渾然一体となって鮮明に記憶に残っている。

「神々しさ」と「禍々しさ」。「聖なるもの」と「邪なるもの」。「ミクロ」と「マクロ」という相対的なモチーフ。そして、「現在」、「過去」、「未来」という異なる次元が同じ平面状に混在・羅列・共存するという、ある種縁日的な横尾さんの作品は、そうした非常にアジア的混沌に満ちていながら、何故か日本的な静寂と郷愁を帯びている。

グラフィック・デザイナーとしては世界的な知名度はあるものの、今回のパリでの個展は彼が「画家転向」を宣言した80年代以降の作品を中心にしたもので、実は現代芸術家としてはほぼ無名。今回がヨーロッパにおける画家としての実質的なデビューに近いものだったそうだ。

それだけに、400点ある作品から選んだというボリューム感のあるコレクションは、パリやヨーロッパの現代美術界に相当なインパクトを与えたらしく、「こんな素晴らしいアーティストが日本に居たとは!」とか、「彼の画は現代美術が失ったものを全て併せ持っている。」とか、まぁとにかく大絶賛だったらしい。

そんな訳で、個人的には実にミーハーな興味も含めて横尾さんとのインタビューは大変興味深いものとなった。

それにしても横尾さん、前月の6月27日に70歳の誕生日を迎えたとは思えない若々しさ!はっきりいって年齢不詳なのだ。

“病気自慢”というと語弊があるけれど、昔から様々な病気を乗り越えてきたという横尾さんは、その病気遍歴をまとめたエッセー集『病の神様』という本を出していて、これも何故だか人気(御本人談)で、最近の取材はこの本のことが多いのだそうだが、御本人の若々しさを目の当たりにすると、やはりその秘訣を訊きたくなるのだろう。

というわけで御多分に漏れず、僕も横尾さんにその秘訣を是非伺いたいと思ったわけだが、しかしその理由はどうしたって彼の生き方そのものにあるに違いないわけで、その意味において横尾さんが作品を作るときに心がけていることを訊いてみたんだけど、特に印象に残ったコメントがいくつかあった。

「絵画というのは、何処で止めるのかというのが重要。」

「たとえば線を描いていて、それをどこで止めるのか・・・。キャンバスの何処かで止めるか、それともフレームの外まではみ出させるか・・・。」

「それを決めるときに、自分はどうしてそう思うのか?を自分に問いかける。」

「他人に見られたとき、そっちの方が綺麗と思われるだろうからそこで止めるのか、それとも本当にそこで自分が止めたいと思うから止めたのか・・・。」

「その感覚が本当に自分の中から出てきたものかどうか、自分が自分に対して完全に正直でなければいけない。」

「そして、それが自分にとって“道楽”に成っているかどうかということが大事で、結局画を描くこと自体が“道楽”でなければ何処かで無理をしていることになる。」

つまり、無理すると病気に成るし余計に老けるし・・・ということでしょうか?ほんと、横尾さんの絵と同じで非常に分かりやすい。

一方で、『ロータス』の復刻版について訊いてみると、「あれは何となく恥ずかしいというか・・・。だって僕はもうそこには居ないし、今の自分とは全然違うものなので、気恥ずかしさのほうが強い。」ということだった。

実は当日、僕は中学生時代に買ったオリジナルの『ロータス』にサインをもらおうと持参していたのだが、ここで満を持して、もう何度もジャケット広げたもんだから端がボロボロに磨り減ったそのLPを差し出すと、「いやー、そんなにボロボロになるまで聴いてくれたなんて、ありがたいですね~!」ということで、とっても喜んでいただいた。作戦成功!

とりあえずその勢いで、『ロータス』にサインをゲット!ついでにもう一枚『アミーゴ』にもサインしてもらった。LUCKY ME!

というわけで、謹んで我が家のお宝コレクションに加えさせていただきました。横尾さん、どうもありがとうございました!

■参考リンク: 紙ジャケ制作日記~“ロータス”への道 (HIGH-HOPES)

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