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Sunday, October 15, 2006

【国連安保理 北朝鮮制裁決議全文】

■Text of U.N. resolution on N. Korea sanctions (CNN.COM) 

中国やロシアの抵抗で武力行使を含めた国連憲章第7章の42条を外して、第41条の適用を明記しているあたりがポイントということだが、

ACTING UNDER CHAPTER VII OF THE CHARTER OF THE UNITED NATIONS, AND TAKING MEASURES UNDER ITS ARTICLE 41,

問題となっていた『臨検』については、強制的に停止を命じることができる「VISIT AND SEARCH」よりマイルドな「INSPECTION」という文言が使われている。

日本語では『船舶検査』と訳すらしい。ただ和英辞書で『臨検』を調べると、この「INSPECTION」も出てくるのでどっちでも良いような気がするが・・・強制力の有る無しに大きく違いがあるようだ。まぁこんなニュアンスの違いは北の核実験でもない限り知りえなかっただろう。

(f) in order to ensure compliance with the requirements of this paragraph, and thereby preventing illicit trafficking in nuclear, chemical or biological weapons, their means of delivery and related materials, all Member States are called upon to take, in accordance with their national authorities and legislation, and consistent with international law, cooperative action including through inspection of cargo to and from the DPRK, as necessary;

予想されたことではあるけれど、北朝鮮代表はこの決議の受け入れを直ちに拒絶して会議場から退席したが、その際例によってこの制裁決議を「アメリカによる圧力を宣戦布告とみなす」と宣言している。

North Korea immediately rejected the resolution, and its U.N. ambassador walked out of the council chamber. Ambassador Pak Gil Yon said North Korea wants talks but warned that it will consider increased U.S. pressure a declaration of war.

国連の決議なのにアメリカだけを相手にした勘違いな発言。まぁ、北朝鮮なりの必死の“ラブコール”なんだろうけど、それにしても「宣戦布告」した事実を放っておいて良いんだろうか?

今まで何度もこの言葉を使っているけれど、今回の場所と状況を考えると、安保理としてはせめて発言の撤回を求めるとかしたほうが良かったのではと思うが・・・。

彼らにしてみると既に戦争状態にあるわけだから、もし仮に北朝鮮が暴発して何処かの国にミサイルを撃ち込んだりテロを引き起こしたりした場合、彼らとしては「既に宣戦布告している。」と攻撃を正当化する可能性がある。

まぁその可能性があるにしても、とにかく北の発言はまともに取り合わないというのが安保理のコンセンサスなのか?

北が求めているのはあくまでアメリカから現体制維持の言質を引き出すことだから、国連や六カ国協議には何ら関心が無いのだろうけれど、じゃあなんで国連に加盟しているのか不明。

このまま行くと国連からの脱退という、かつて日本が辿ったのと同じ道を選択するんじゃないかという気がする。

October 15, 2006 in Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Friday, October 13, 2006

【GooTubeはトラフィックが命】

■GoogleのYouTube買収は良い買い物か?

Googleが6月末の時点で1兆2000億円もの現金を持っていた(ITmedia News)というのも驚きだけど、2005年2月に設立されてからたったの1年と8ヶ月で約2000億円の価値を生んだYouTubeも、ITベンチャーとしては異例のサクセス・ストーリーに成るんじゃないかな。

ただ果たしてこの金額が高いのか安いのか?については、

 「YouTubeはトラフィックという点で非常に価値がある。インターネットセクターでは、トラフィックは不動産における場所のように重要だ」とOppenheimerのアナリスト、サザ・ゾロビック氏は言う。

 「YouTubeはオンラインビデオ市場の約50%を握っており、Google Videoと合わせると、トラフィックの60%近くを手にすることになる」と同氏は語り、16億5000万ドルという買収額はインターネットビジネスの評価額に沿ったものだと付け加えた。(ITmedia News

ということで、そういう意味では“良い買い物”なんだろう。

しかし一方で、もともとYouTubeが抱えていた著作権侵害問題をそのまま引き継ぐのは大きなリスクに成るという見方もある。

 Googleが今後1度でも著作権侵害で「御用」となるようなことがあれば、多くの株主訴訟につながると見る。Googleが、著作権に関するリスクをどう認識しているか、米証券取引委員会(SEC)に対してどう説明するかも見もの。また、両社が最近、各レーベルと急いで提携にこぎ着けたのは、デジタル権利管理(DRM)を気にしている現れであると見る。また、Google Video上でビデオクリップを販売する一方で、YouTube上で同じコンテンツが無料で配信される矛盾をどう解決するのかも見ものである、としている。(ITmedia News

ビジネスモデルとしては、大手放送局やコンテンツ・ホルダーとの提携による収入と、あとは結局広告収入ということに成るんだと思うけど、今までCMフリーだからこそ集中していたトラフィックに悪影響は無いのだろうか?

 Googleにとってもっと大きなチャンスはYouTubeのビデオそのものにある。同社はあらゆる選択肢を検討する意向を示唆した。「ビデオは優れた広告媒体だ」と同社共同創設者のサーゲイ・ブリン氏は語った。「素晴らしいチャネルになると期待している」

 インターネットビデオは比較的新しいが、アナリストは、その可能性は大きいとしている。YouTubeは創業2年にも満たないが、Web測定会社comScore Networksの8月のデータによると、既に15歳以上のユーザーは月間約2700万人、Webページアクセス件数は46億7000万件にも上る。(ITmedia News

色々と懸念はあるにせよ、やっぱりこのGooTubeの誕生は“インターネットビデオ革命の始まりにすぎない”という見方は正しいのだろう。

October 13, 2006 in Business, Media, Television, Web Culture | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Tuesday, October 10, 2006

【MADMAN'S NUKE?】

■北朝鮮の核実験実施のインパクト

北朝鮮による核実験が行われた10月9日は、いずれ歴史上大きな分岐点となるんじゃないかという気がする。

なんせ北朝鮮が単なる脅しじゃなく、「核保有国」としての名誉ある(?)地位を確立した日。

「核兵器萌え~」なキムさん晴れて念願成就したわけで、きっと昨夜は“喜び組”をフィーチャーした祝宴で大いに盛り上がったことだろう。

ただし核実験が本物だったのかどうか、確認するにはまだ2~3日かかるということだけど、実質的には成功したものと想定して事態が推移している。

ようするに、昨日を境に世界は新たな軍事パラダイムに突入したわけだ。

アメリカの独立記念日(米国時間7月4日)である7月5日に合わせてミサイル発射実験を行って、今度は安倍新総理の中国・韓国訪問という外交デビューにタイミングを合わせた核実験。

おそらく予定されたシナリオ通りに、最もインパクトがあるタイミングを狙って粛々と実行されたんだろう。

今回の核実験が「窮鼠猫を咬む」的な切羽詰った北朝鮮の衝動的な行動だった、とはとても思えない。

なんせ“最後のカード”なんだから、きっと何年も前からあらゆるケースを想定してメリット・デメリットを計算しつくした結果であるに違いない。

ミサイル発射を受けても非難しかできなかった国連も、今度は国連憲章第7章に基づく制裁も含めた安保理決議を出すことになるだろう。

結果的に北朝鮮を抑え切れなかった中国は六カ国協議の座長としての面目丸つぶれ。ロシアも似たようなもんだから、今回は安保理の決議に表立って反対は出来ない。

しかし、それでも将軍様は安保理の決議を歯牙にもかけないだろう。

目的は、現体制の維持。

そして経済援助の確保。

それがなければ、今年の冬は越せないらしい。

それを保障してくれる唯一の相手はアメリカ。

なのにブッシュ大統領の任期中は、それが唯一の解決法であるにも関わらず、二国間協議に応じる気配は無い。

安保理決議の採択 > 経済制裁 > 海上封鎖 > 臨検 > 小競り合い 

たぶん、海上封鎖と臨検を実施するのはアメリカ海軍だろうから、小競り合い=銃撃戦は必然か?

あえて相手に攻撃のきっかけを与えて、正々堂々と報復攻撃というのは見慣れたシナリオだ。

それにしても、いざとなったら我が国は数百万単位の難民を受け入れられるのかというと、まず無理でしょう。

日本としての選択肢は限られている。というか、今のところ日本に軍事オプションは無いに等しいわけで。

制裁の次の段階は、武力行使しかないけれど、アメリカが戦ってくれる保障はない。(事実、これまでライス国務長官もブッシュ大統領も、北朝鮮に対する武力行使はしないと明言している。本音はどうかわからんが・・・)

となると日本としては憲法改正、そしていずれは自ら核武装して真の自立的な国家を目指すか・・・

日本には充分なプルトニウムの備蓄があるし、核爆弾を製造する高度な技術もある。本当かどうか知らないが、日本が核弾頭を実装するには数週間から3ヶ月もあれば可能だ、という説もある。

そして実は中国や北朝鮮が一番恐れているのは日本の核武装。なんといってもこれが一番嫌だろう。

外交の基本は“相手が一番嫌な事をやれる能力を持つことだ”という意味で言えば、これは将来日本にとって検討に値するオプションといえる。

しかしその為にはまずアメリカとの安全保障条約を廃棄したり、NPTから脱退しなければならないけれど、でもそれはさすがにアメリカも認めないだろうし。

それに、そういう議論をするまもなく事態は急激に悪化する可能性もある。

「飢えた一般市民には何の罪もないから、全てを飲み込んで支援してあげよう。」という、いわゆるオトナの判断もあるかもしれんが、そうなると未来永劫、“北の核”と共存しなければならなくなる。考えただけでもゾッとする未来像だけど、これが現実に成りつつあるわけだ。

北に核の脅威がある限り日本はアメリカ軍を必要とするし、おそらくミサイル防衛システムや米軍再編の費用負担は何兆円になろうとも認めざるを得ないだろう。自前で核武装するリスクと費用(最低でも20兆円という説あり)に比べたら安いもんだぜっていう気に成る。

まぁ“死の商人”にとって将軍様は優秀なセールスマンというところか?

いずれにしても、“パンドラの箱”の蓋が開いてしまったことは間違いない。

パラダイムが変化した以上、全てのオプションを検討すべきだから、今まではあり得ないと思われていたシナリオも敢えて想定してみないとね。

それにしても、“小泉レジーム”のミッションがアメリカによる日本の占領政策の総仕上げだとすれば、それを見事にやりとげた小泉純一郎はアメリカにとって大恩人。

そしてそれを引き継ぐ安倍政権は、“第二ホワイトハウス”として最高のパフォーマンスが期待されている。

誤解を恐れずにいうと、安倍さんは就任早々いきなりのこの重大な局面に際して、むしろ「良くやっている。」といえるのでは?

しばらくの間は強硬論が支持されるだろうから、安倍政権にとっては追い風。

でもその先には何があるのか、今は誰にも分からない。

北朝鮮の核実験場はこれではないかと米専門家が分析(米科学・安全保障研究所、ISIS) *PDF

北朝鮮の核実験実施発表の全文 (ロイター)

North Korea Faces Sanctions (Council on Foreign Relations)

North Korea’s Foreign Policy Towards the United States (PDF)

Mutually Assured Disruption (American Enterprise Institute)

Encourage Japan to renounce the Nuclear Nonproliferation Treaty and create its own nuclear deterrent.

World War II ended long ago, and it's time to put an end to the silly pretense that today's democratic Japan owes a burden of guilt to today's rising China. A nuclear Japan is the thing China and North Korea dread most (after, perhaps, a nuclear South Korea or Taiwan).

October 10, 2006 in Politics | Permalink | Comments (0) | TrackBack

Wednesday, October 04, 2006

【南極オゾンホールが観測史上最大に】

■その大きさは南極大陸の2倍強。日本列島の80倍!(asahi.com

Hole2006_movie_m0_3   世界気象機関(WMO)は3日、南極上空のオゾンホールが観測史上、過去最大になったと発表した。有害な紫外線から生物を保護しているオゾン層を破壊する物質が蓄積されたのに加え、今年は冬に成層圏の気温が例年に比べて低くなったのが原因という。

 米航空宇宙局(NASA)の人工衛星による観測では、今年9月25日にオゾンホールの面積が2950万平方キロに達し、過去最大だった00年9月の面積をわずかに上回った。

 これは南極大陸(1400万平方キロメートル)の2倍強の大きさに相当し、日本の面積の約80倍にあたる。

 また、欧州宇宙機関(ESA)の観測データでも同日、2800万平方キロを記録。ESAの観測した最大値、00年の2840万平方キロに匹敵する大きさとなっている。

 米海洋大気局(NOAA)は、オゾン層の破壊につながるフロンなどの排出量は減っているものの、南極上空のオゾンホールがふさがるのは2065年ごろと予測している。

NASAの"OZONE HOLE WATCH"を見ると、当たり前のことだけど、オゾンホールの形と大きさは時々刻々変化しているので、この9月25日の記録は『観測史上最大』という以外にどのような意味を持っているのか、僕のような門外漢には見当もつかないけれど、少なくとも良い方向に向かっていないことだけは確かだろう。

もうずい分前のことになるけれど、オゾンホールの原因に成るフロンガスが問題になり始めた80年代後半、いくらフロンガスを規制して削減しても、既に放出されたガスはこれから徐々に成層圏に上がっていくので、オゾンホールの拡大は防ぎようがないのだ、という話を専門家に聴いたことがある。

その頃のオゾンホールはどうなっていたのか、このNASAのサイトにアーカイブされている1979年7月以降のデータを見ると、確かにそのサイズと密度において、南極上空のオゾンホールが成長し続けていることが素人目にもハッキリわかる。

October 4, 2006 in Ecology | Permalink | Comments (0) | TrackBack