【民主党の勝利とラムズフェルドの辞任】
Thursday, November 09, 2006
事前の予想通り、中間選挙は民主党のランドスライド的な勝利に終わった。これは同時にブッシュ政権の終わりの始まりを意味する。
心配された電子投票システムは、各地で色々と問題は発生したものの、共和党を勝たせるほどの不具合は起きなかったようだ。(CNET Japan)
■Rumsfeld quitting as defense secretary (CNN.COM)
■Rumsfeld Resigns Over Iraq [VIDEO] (AlterNet)
■Bush 'the assessor' Lied about Rumsfeld [VIDEO] (AlterNet)
選挙から一夜明けて、たった今、ブッシュ大統領が中間選挙の大敗後初の記者会見の中で、民主党の勝利を祝福すると共に、選挙前から話題に成っていたラムズフェルド国防長官の辞任を正式に発表した。
民主党が大勝した事で、イラク政策のコースを変更せざるを得なくなったブッシュ大統領は、軍内部からも要求が上がっていたラムズフェルドの辞任を真っ先に発表した。
ラムズフェルドはアブグレイブ刑務所での捕虜虐待スキャンダルが起きた際に、ブッシュに辞任を申し出ていたそうだが、強く慰留されて政権に留まったという経緯がある。
当時辞任すれば、アブグレイブでの行為に軍のトップが責任を取る事になるので、それだけは避けなければならなかったという事情があったにしても、今になってみると、あの時が辞め時だったのではと思ったりする。
後任は1991~1993年までパパブッシュ政権下でCIA長官を勤めたロバート・ゲーツ(Robert M. Gates)という人物。(GATES' BIO)
彼はベーカー/ハミルトン委員会(The Iraq Study Group)のメンバーで、つまりブッシュ大統領としてはイラク政策の見直しと軌道修正に関わっているボブ・ゲーツをラムズフェルドの後任に据える事で、ベーカー等が代表する国際協調主義に方向転換する事への意思表示を明確にしたということだろう。
12月にこのグループがイラクに対する現状分析と対応案を発表することに成っているので、ブッシュ大統領に残された2年の任期中におけるイラク政策は、このリポートに沿ったものに軌道修正していくことになるはずだ。
後任人事にはパパブッシュの腹心達がキャスティングされている。ジェームス・ベーカーはブッシュ家にとってフィクサー的な存在と云われているから、イラクの惨状を見かねたお父上の影響力があるのかな~と思ってしまう。
しかし、ラムズフェルド辞任は当然としても、もう一人、“テロとの戦争”の推進役であり、実質的にブッシュ政権の実権を握っているといわれる「真の大統領」、ディック・チェイニー副大統領の去就はどうなるのだろう?
Comments