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Wednesday, February 21, 2007

【イラン攻撃とチェイニーの来日】

たまたま重なっただけなのか、昨日報道された二つのニュースに何らかのつながりを感じる。

■US 'Iran attack plans' revealed (BBC NEWS

US contingency plans for air strikes on Iran extend beyond nuclear sites and include most of the country's military infrastructure, the BBC has learned.

It is understood that any such attack - if ordered - would target Iranian air bases, naval bases, missile facilities and command-and-control centres.

 BBCによると、外交筋などの話として、米軍がすでにイラン空爆の緊急計画を策定し、標的の中には核関連施設に加え、軍関連施設の大半も含まれると伝えた。

 米政府高官は現状では、イラン空爆の可能性を否定しているが、同放送によると、中部ナタンツのウラン濃縮施設に対しては、B2ステルス爆撃機が地中貫通爆弾「バンカーバスター」を投じ、地下25メートルに建設された施設を爆破する計画もあるという。

 同放送によると、米中央軍司令部(米フロリダ州)の高官が標的を選定。標的のリストの中には、ナタンツの施設のほか、中部イスファハン、中西部アラク、南部ブシェールの核関連施設が含まれる。このほか、イランの空軍基地、海軍基地、ミサイル施設、司令部など軍関連施設の大半も標的になっているという。イランはこれまで、核開発を平和利用と位置付けているが、米軍は空爆する条件として、イランが核兵器を開発していることが確認された場合や、イラク駐留米軍に対する攻撃で多数の犠牲者が生じ、イランの関与が明確になった場合を想定しているという。(YOMIURI ONLINE

アメリカがイランを攻撃するという“噂”は、イラク攻撃の直後からあったし、2005年の1月には、あのアブグレイブ収容所での虐待の実態をスクープしたセイモア・ハーシュ氏が雑誌NEW YORKERで「ブッシュ大統領のイラン攻撃計画」をすっぱ抜いて注目されたこともあった。(viewz

おりしも昨年12月に国連安保理で、イランに対してウラン濃縮の停止を求める制裁決議が採択されていて、その期限が2月21日(つまり今日)だった訳だけど、IAEAが昨日安保理に提出した報告書によるとイランがこの求めに応じる様子は無い。(東京新聞

それどころか、イランのアフマディネジャド大統領は「話し合いの用意はあるが、我が国の核開発はあくまで平和利用を目的としている。我が国固有の権利であるウラン濃縮を停止するつもりはない。」と強気だ。(BBC NEWS

BBCの報道によると、「攻撃が行われるとすれば、(1)イランの核兵器開発が実証された場合、(2)ハマスやヒズボラ、そしてイラク国内のシーア派武装勢力などに対する武器供与などの事実が確認された場合。」の2点を挙げている。

おまけに、昨年の中間選挙の大敗で「イラク戦争」の失策を批判され、増派についても議会から反対されているブッシュ政権としては、いずれイラクから撤退しなければならなくなるのではと思われる。

しかし、アメリカは「中東の民主化=原油利権の確保とドル市場の拡大」を止めるわけにはいかないし、仮に撤退すれば、イランにとってはしてやったりという事に成る。

アメリカとしては、イラクからの撤退という最悪の事態を迎える前に、イランを叩いてしまう必要があるのだ。(田中宇の国際ニュース

ということは、例え状況証拠ではあっても、少なくとも(1)に関して安保理の制裁決議に違反するということでアメリカが先制攻撃する可能性は否定できない。

そんなところに、ディック・チェイニー副大統領の来日。チェイニーはいうまでもなく、ネオコンの中心的存在としてイラク戦争を推進した黒幕であり、ある意味で「真のアメリカ大統領」といっても良い存在だ。

副大統領に就任するまでは、テキサス州ダラスに本社がある油田関連サービス会社「ハリバートン」の会長兼最高経営責任者だったチェイニー氏に対しては、このハリバートンに利権を誘導するために戦争を推進しているのではないかとの批判が絶えない。

そのチェイニーがこのタイミングで来日するのに、日本側は「何をしに来るのか良く分からない。」といっているらしいけれど、アメリカの政府高官によると「アフガニスタン・イラクでのテロとの戦争に対して一層の協力を求めるとともに、日本と長きに渡って友好関係にあるイランに対するアメリカの厳しい姿勢を説明する。」ことが目的だという。

もしかしたら、今回BBCが報道した「イランへの攻撃計画」を説明しに来るのではないか?そんな風に思えるのだが・・・。

それにしても、今回の来日では久間防衛相側の要請にも係らず、「日程が一杯で会えません。」と面談を断ったらしいから、防衛庁から防衛省に格上げされた勢いで、「イラク戦争は間違いだった。」とか「米軍の再編成は再考する必要がある。」なんていう、“反米発言”を繰り返した久間防衛相に対するアメリカ政府の不快感を表明するのも、目的の一つなのだろう。

ちなみに、個人的にはこの発言、拍手喝采なんだけど、日本政府としてはイラク攻撃をいち早く支持表明してきたわけだから、内閣不一致の不規則発言であることは間違いないし、外交上は失言そのものだから国益には反する。

先の6カ国協議の結果といい、アメリカで俄かに噴出している「従軍慰安婦問題」といい、アメリカの安倍政権に対する“お仕置き”は始まったばかりだ。

February 21, 2007 in IRAN, IRAQ | Permalink

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