【リーマン破綻は、第二の9.11?】
Monday, September 29, 2008
9月14日に起きたリーマンブラザーズの破綻から2週間が経った。アメリカでは、リーマンの破綻を受けて、驚くべきスピードで「Bailout Plan」=「政府が公的資金で買い取る金融救済の新法」の制定が進んでいる。
この状況を観ながら、何となくDeja Vuな感じがしていたのだけれど、いみじくも僕が購読している田中宇さんのメール・マガジンで同様の指摘があった。
つまり、今回のリーマンの破綻は、「9.11」と同様、アメリカ政府の自作自演ではないかというものだ。
先週の木曜日(9月18日)に大救済の話が出て、今週の金曜日(9月26日)に米議会が休会に入る前までに、法律を議会に承認させたいと米政府は言っている。非常に拙速で、議会や世論に考える暇を与えず、決めてしまおうという魂胆がありありだ。リーマンなどの大金融機関の連続破綻の衝撃を使って、米政府が金融救済策を通す策略だったとも読み解ける。まさに、911事件を使って、米政府が国内の恒久有事体制の確立と、世界支配の強化を狙った構図と同じである。リーマンは「世界貿易センタービル」と同様のスケープゴートにされたことになる。
そもそも、田中さんはこれまでも度々今回の出来事を予期するような記事を配信していらっしゃたので、この指摘にはかなりのリアリティを感じるのだが・・・。
ちなみに、この記事以前に配信された一連の関連記事も相当興味深い。
米政界には、今週の連続金融破綻を「金融的な911テロ事件」ととらえ「米金融界を救うために、政治対立を超えた超党派で、911後のテロ戦争の大展開ような、前代未聞の大規模な財政出動による、徹底的な金融救済策を打たねばならない」という主張が出ている。「有事体制」を援用したこの理屈は、米のマスコミや世論を動かしうるが、その結果は、早期の財政破綻である。今回もアメリカは自滅的である。(関連記事)
「エルサレム・ポスト」には、イスラエルの新聞らしく、米金融危機を「世界的なハルマゲドン(Global Agenda: Armageddon!)」と呼ぶ、以下のような内容の記事を、9月18日に掲載された。「すでに、世界の金融システムの崩壊が進行中だ」「銀行の数でいうと、今ある(世界の)銀行の大半が潰れるだろう(中小銀行は無数にある)」「1930年代のように、非常に多くの企業が倒産する」「2週間前には専門家でも想像もつかなかったことが起きている」「昨夏以来、米当局は金融危機に対する総合的な対策を持たないまま、後ろ向きの、場当たりな対策ばかり続けた。その結果、米金融界での信用は急速に失われ、AIGの破綻で決定的な瞬間を迎えた」「米国債も安心できないとなると、もう金ぐらいしか投資先がない。スイスフランも、ユーロも駄目だ」(関連記事)
米の自滅は、世界の覇権の多極化(覇権共有化)につながる。経済力が低下する米(と欧日)に代わり、BRIC(中露印伯)やGCC(アラブ産油国)の経済力が重要になっていく。米の経済力が破綻したら、発展途上国は、人権・民主・環境といった歪曲された価値観に基づく抑圧をしてくる欧米に頼るより、中露を頼った方が話が早いという気持ちを強める。
多くの人々は「米の金融危機の行く末」という事態の表層だけを気にし続けるだろうが、本当に重要なことは、金融危機によって引き起こされる、世界的な覇権体制の大転換の方である。
このところの日本の銀行の動きを見ていると、巨額の資金を投入して、むしろ積極的にアメリカの大救済策に乗ろうとしているようだ。
でもこのままいくと、結局のところ我が日本は自滅するアメリカと運命を共にすることになるのではないか?それが一番怖い。
Kenさん、
コメントありがとうございます。
副島さんは確かにこれまでも、今回の金融危機の警告を何度も出されていましたから、個人的にも注目していました。
そんなこともあって、ちょうど「Bailout Bill」が否決された9月30日の夜に放送したJam The Worldに電話でゲスト出演してもらったのですが、どうも著作から受けた印象とはかなり違って、語り口はちょっとデンジャラス(?)な感じのする人物でした。
とにかく、マスコミに対する不信感を強く持っていらっしゃるようで、こちらの質問にストレートに応えるというより、ヒステリックなマスコミ批判とセルフPRに終始した感じで、彼の著作を数多く読んでいる者としては、少し残念でした。
もう少し冷静にコメントしていただければ、もっと多くの人が彼の言葉に耳を傾けるようになると思うのですが、なんせ生放送だったもんですから編集も出来ず、何とかインタビューとして形には成りましたが、一部のリスナーはかなり不快に思われたらしく、不評でした。
それはさておき、これまで色んな人たちが「資本主義の終焉」とか、「ドル基軸通貨体制の崩壊」というような感じで、今回の出来事はある種のハルマゲドン的終末論の中で語られてきました。
副島さんの著作は、こうした一連の予言的な書物の中でも、比較的論理的で、かなり的を得たものという印象だったのですが・・・。
しかし、いざその事態が現実のものとして立ち現れてくると、現実はそうした最悪の予想をもはるかに超えて急激に展開しており、こうなると、もう誰もまともに対処出来ないのではないか、という無力感さえ感じます。
経済学者や経済評論家という専門家ですら、明確な答えを持ち得ない、ただの素人と化しています。
そういう意味では、kenさんのおっしゃるとおり、これから頼りに成るのは自分だけ、ということに成るのかもしれません。
とにかくアメリカと共倒れになることだけは、何とか避けたい!と思うのは、私だけではないでしょう。
とはいうものの、日本の政治は相変わらず対米従属を続けようとするのでしょうが・・・。
Posted by: Nonaka | Monday, October 20, 2008 at 02:36 PM
引用付きのblogはとても良いですね。
米国と共に沈むという最後の下りは同感です。
ついに日本は今までためていた財産を
米国のために
使うんでしょうね
もう、個人的にどう身を守るか?が大切で、
政府・マスコミは信用できません。
そこで、
正しい情報源を探すのが第一だと思います。
私は一応副島さんを信用しています。
Posted by: ken | Monday, October 13, 2008 at 12:51 PM