今夜のJOTARO NONAKA SHOW

このあと23時50分からCrimsonFMで放送する「JNS」。今週のゲストは、話題の本「VRビジネスの衝撃ー仮想世界が巨大マネーを生む」の著者で、デジタルハリウッド大学院准教授、 Tokyo VR Startups株式会社​の取締役でもある新 清士さん。

著書の「VRビジネスの衝撃」で描かれていたVRの現在・過去・未来について、縦横無尽に繰り広げたインタビュー・セッションのEpisode#1をお届けします。

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(制作協力:城西国際大学メディア学部)


【アメリカは変わるのか?】

発売されたばかりのニューズウィーク日本版(2008年11・19号)が面白い。

 オバマ新大統領の笑顔をセンターにした表紙には、堂々と「アメリカが変わる」の大きなコピーが踊る。

「失われた8年からオバマの時代へ」というタイトルの記事では、「これほどの歴史的瞬間を、過去になぞらえて考察しても見当違いになりかねない。かつて奴隷制を憲法で公認していた国が、黒人が投票権を含む基本的な人権を認められなかった時代を直接知る人々が生きているうちに、アフリカ系アメリカ人を大統領に選んだのだ。11月4日に有権者が選んだ変化の衝撃度は、どんなに誇張しても足りない。」と総括している。

さらに「知性無き政治の幕が下りる」と題された記事では、ブッシュ大統領のしけた表情の写真のキャプションに「恥辱の時代:8年間、筋の通った英語もろくに話せない人物が大統領を務めていた」と強烈だ。

それ以外の記事も、表紙に「完全密着大統領選700日 激闘の舞台裏」と謳うだけあって相当濃い~。

日本のマスメディアが断片的に伝える情報よりも、今回の大統領選の経緯と、オバマ選出がアメリカ国民に与えたインパクトの大きさ、そして期待値の高さがよく分かる。

一方で、発表されたばかりの「ブッシュ大統領の不支持率」を見ても、その超不人気ぶりは顕著。なんせ過去60年で最も不人気な大統領なんだそうで。

■ブッシュ大統領が不支持率で記録達成、ニクソン大統領抜く (CNN.CO.JP)

ワシントン(CNN) 米ブッシュ大統領の不支持率が76%と過去最悪になったことが、CNNとオピニオン・リサーチが10日に発表した世論調査で分かった。ウォーターゲート事件で辞任した故ニクソン元大統領の不支持率66%を抜き、支持率調査が導入された過去60年来で最も不人気な大統領になった。

「不支持率が70%を超えた大統領はほかに1人もいなかったが、ブッシュ大統領は今年、これを3度も達成した」とCNNの調査責任者キーティング・ホランド氏は解説する。

同じ調査で「米国はうまくいっている」と答えた人はわずか16%で過去最低となり、「悪くなっている」との回答が過去最高の83%に増えた。同調査では過去34年間同じ質問をしているが、うまくいっているとの回答が20%を切ったのは初めてだという。

一方、バラク・オバマ次期大統領については回答者の3分の2が当選後の行動を評価。4分の3が、同氏は優れた大統領になるだろうと期待を表明した。

対するオバマ次期大統領は、来年1月20日に行われる就任式のチケットが大人気。

■大統領就任式チケットがネットで高値、1枚200万 (CNN.CO.JP)

ワシントン(CNN) 来年1月20日に米首都ワシントンで開かれるバラク・オバマ次期大統領の宣誓就任式チケットがネットで売買され、1枚2万ドル(約200万円)以上の高値が付いている。

就任式の入場券は本来、地元議員を通じて無料で配布されるが、今回は需要急騰を受け、チケット販売サイトが取り扱いを始めた。ワシントン中心部にある公園ナショナル・モールの立見席でさえ、数千ドルの値段が付いている。

これに対し就任式主催者側は、チケットの有料販売は式典の精神に反すると反発している。チケットはこれまでに25万枚を印刷し、安全な場所に保管。配布するのは就任式直前になってからだという。チケット情報などを記した就任式案内サイト(http://inaugural.senate.gov/)も開設された。

販売業者はチケットを議員や議会関係者から入手すると説明しているが、注文を受け付けた枚数を確保できる保証はない。販売サイトには、入手できなかった場合は全額返金するとの断り書きがある。

元々販売するものじゃないみたいだし、第一セキュリティ上も転売を認めるのは具合悪いだろう。

それにしても、オバマ氏の「CHANGE」に対する期待値は、いくらなんでも高すぎるような気がする。

大統領が変わったぐらいで、アメリカが本当に変われるのか?

ニューズウィークによると「オバマは近年の大統領のなかで、政治的な要職に就いた経験が最も少ない。新政権の発足当初は、おそらく失敗を連発するだろう。金融危機やイランの核開発計画など、新大統領が直面する課題も極め付きの難問ばかりだ。」と客観的な予測をしている。

それでも「もしかしたら・・・」と思わせるほど、オバマ新大統領の誕生はアメリカにとって特別なことなのだろう。


【IRAQ STUDY GROUP REPORTがリリースされた】

AMAZONでも大人気らしい。(CNN.COM)

これでイラクからの撤退を2008年までに完了するというシナリオが規定路線になるのだろうか?

ブッシュがオヤジの「助け舟」をどう受けとめるのか、そしてまた操るのか、大変興味深いところだけど、

“内戦”にしろ“撤退”にしろ、誰かに言ってもらわないと自分から「もう撤退します~」とはなかなか云えない状況なんだろう。

 

 

United States Institute of Peace (USIP)

IRAQ STUDY GROUP (ISG)

Iraq Study Group Report (pdf)


【ドイツのシュレイダー前首相がブッシュ大統領を批判】

■ブッシュ大統領の信心深さに懸念…独前首相の回想録 (YOMIURI ONLINE

 前首相は、ブッシュ大統領について、「会談するたびに大統領に信心深さを感じた」としながらも、「政治的決断は神との対話の結果である、とする立場には問題がある。他者からの批判などによって修正ができなくなるからだ」などとして、疑念を呈している。「国家と宗教の分離は大きな文明的な進歩。アメリカのキリスト教原理主義は(国家と宗教を分離しない)イスラム教国家と同様の傾向を持っている」などと記し、宗教の影響を受ける現在のアメリカ社会のあり方にも警鐘を鳴らしている。

ブッシュ大統領の信仰が9.11以降のテロとの戦争、そしてアメリカの中東政策に大きな影響を与えていると懸念しているのはシュレイダーさんだけじゃないが、国の代表として直接関わっていた人物の発言だけに重要だ。

■【聖書の預言を実行するブッシュ大統領】 (viewz

■ブッシュの「聖戦」―宗教、ビジネス、闇のネットワーク (amazon.co.jp

なぜブッシュはイラクにこだわるのか?フランス「フィガロ」誌のジャーナリストが綿密な取材と資料に基づいて“ネオコン”“キリスト教原理主義”“イスラエル極右勢力”“軍需産業”の生態と相関関係を生々しく描出した緊急レポート。

Christian Zionism: An Egregious Threat to US- Middle East Understanding (Palestine Chronicle

Christian Zionism, a belief that paradise for Christians can only be achieved once Jews are in control of the Holy Land, is gathering strength in the United States and forging alliances that are giving increasingly weird shape to American policy toward the Middle East.  The nature of the movement and its detrimental impact on policy was the subject of the 22nd Capitol Hill public hearing presented by the Council for the National Interest yesterday.

A new Zogby International poll commissioned by the CNI Foundation shows that 31 percent of those surveyed in the national poll strongly believe or somewhat believe in the ideas behind Christian Zionism, defined as "the belief that Jews must have all of the promised land, including all of Jerusalem, to facilitate the second coming of the messiah."   Other polls bear similar messages, that 53% of Americans believe that Israel was given by God to the Jews (Pew), and that 59% of the American public believes the prophecies contained in the Book of Revelations will come true (CNN/Time.)

Poll: One-third of American voters believe in Christian Zionism (CNI)

Poll: Forty percent of American voters believe the Israel Lobby has been a key factor in going to war in Iraq and now confronting Iran (CNI)


【横尾忠則さんに会った】

■JAM THE WORLDのゲストに横尾忠則さんが登場

Yokoo2006_08_01もうかなり前の事に成るけれど・・・。8月1日に放送したJAM THE WORLDのゲストに出演していただいた横尾忠則さんにお目にかかった時のこと。

放送当日はスケジュールが合わなかったので、7月28日に成城にある横尾さんの事務所での事前収録ということに成った。

今回のインタビューのキッカケはというと、一つはカルチェ現代美術財団の主催で今年3月から5月にかけてパリで開催された「TADANORI YOKOO展」が大好評だったということと、もう一つは横尾さんがデザインを手がけたサンタナの『ロータスの伝説』の22面体ジャケットギネスブックに認定されたというニュースで、久しぶりに横尾さんのことが気になったからなんだけど・・・。

久しぶりに、とはいうものの実は横尾さんとは直接の面識は無かった。しかし、YMO散開直後の細野晴臣さんと二人でFRIENDS OF EARTHをスタートしたばかりの頃、良く細野さんから横尾さんのUFOや宇宙人との遭遇エピソードを聞かされていたので、妙に身近に感じていたのだ。

もちろんそれ以前から横尾さんの作品は書籍、ポスター、レコード・ジャケット等々、あらゆるメディアで目にしていたし、前述のサンタナのアルバム『ロータスの伝説』に続いて横尾さんが手がけた『アミーゴ』、さらにマイルス・デイビスの伝説的ライブ・アルバム『アガルタ』などの作品により、横尾さんのデザインはそこに収められた音楽と渾然一体となって鮮明に記憶に残っている。

「神々しさ」と「禍々しさ」。「聖なるもの」と「邪なるもの」。「ミクロ」と「マクロ」という相対的なモチーフ。そして、「現在」、「過去」、「未来」という異なる次元が同じ平面状に混在・羅列・共存するという、ある種縁日的な横尾さんの作品は、そうした非常にアジア的混沌に満ちていながら、何故か日本的な静寂と郷愁を帯びている。

グラフィック・デザイナーとしては世界的な知名度はあるものの、今回のパリでの個展は彼が「画家転向」を宣言した80年代以降の作品を中心にしたもので、実は現代芸術家としてはほぼ無名。今回がヨーロッパにおける画家としての実質的なデビューに近いものだったそうだ。

それだけに、400点ある作品から選んだというボリューム感のあるコレクションは、パリやヨーロッパの現代美術界に相当なインパクトを与えたらしく、「こんな素晴らしいアーティストが日本に居たとは!」とか、「彼の画は現代美術が失ったものを全て併せ持っている。」とか、まぁとにかく大絶賛だったらしい。

そんな訳で、個人的には実にミーハーな興味も含めて横尾さんとのインタビューは大変興味深いものとなった。

それにしても横尾さん、前月の6月27日に70歳の誕生日を迎えたとは思えない若々しさ!はっきりいって年齢不詳なのだ。

“病気自慢”というと語弊があるけれど、昔から様々な病気を乗り越えてきたという横尾さんは、その病気遍歴をまとめたエッセー集『病の神様』という本を出していて、これも何故だか人気(御本人談)で、最近の取材はこの本のことが多いのだそうだが、御本人の若々しさを目の当たりにすると、やはりその秘訣を訊きたくなるのだろう。

というわけで御多分に漏れず、僕も横尾さんにその秘訣を是非伺いたいと思ったわけだが、しかしその理由はどうしたって彼の生き方そのものにあるに違いないわけで、その意味において横尾さんが作品を作るときに心がけていることを訊いてみたんだけど、特に印象に残ったコメントがいくつかあった。

「絵画というのは、何処で止めるのかというのが重要。」

「たとえば線を描いていて、それをどこで止めるのか・・・。キャンバスの何処かで止めるか、それともフレームの外まではみ出させるか・・・。」

「それを決めるときに、自分はどうしてそう思うのか?を自分に問いかける。」

「他人に見られたとき、そっちの方が綺麗と思われるだろうからそこで止めるのか、それとも本当にそこで自分が止めたいと思うから止めたのか・・・。」

「その感覚が本当に自分の中から出てきたものかどうか、自分が自分に対して完全に正直でなければいけない。」

「そして、それが自分にとって“道楽”に成っているかどうかということが大事で、結局画を描くこと自体が“道楽”でなければ何処かで無理をしていることになる。」

つまり、無理すると病気に成るし余計に老けるし・・・ということでしょうか?ほんと、横尾さんの絵と同じで非常に分かりやすい。

一方で、『ロータス』の復刻版について訊いてみると、「あれは何となく恥ずかしいというか・・・。だって僕はもうそこには居ないし、今の自分とは全然違うものなので、気恥ずかしさのほうが強い。」ということだった。

実は当日、僕は中学生時代に買ったオリジナルの『ロータス』にサインをもらおうと持参していたのだが、ここで満を持して、もう何度もジャケット広げたもんだから端がボロボロに磨り減ったそのLPを差し出すと、「いやー、そんなにボロボロになるまで聴いてくれたなんて、ありがたいですね~!」ということで、とっても喜んでいただいた。作戦成功!

とりあえずその勢いで、『ロータス』にサインをゲット!ついでにもう一枚『アミーゴ』にもサインしてもらった。LUCKY ME!

というわけで、謹んで我が家のお宝コレクションに加えさせていただきました。横尾さん、どうもありがとうございました!

■参考リンク: 紙ジャケ制作日記~“ロータス”への道 (HIGH-HOPES)


【EUによる巨大デジタル・ライブラリー】

■2010年までに少なくとも600万点を公開予定(ITmedia NEWS

ヨーロッパのあらゆる書籍や文献、映画、写真などをデジタル化して公開しようという壮大な構想が発表された。

 欧州委員会は3月2日、欧州の書籍や文献をインターネットで公開する欧州デジタルライブラリ構想に基づき、向こう5年で600万冊を公開する計画だと発表した。

 2006年末までにEU域内の国立図書館から全面的な協力を取り付け、翌年以降は公文書館や博物館にも拡大。欧州デジタルライブラリで2008年までに書籍、映画、写真など200万点を、2010年までには最低でも600万点の公開を計画している。

 欧州委員会では書籍のデジタル化推進のため、欧州全土にわたるデジタル化センターのネットワークに資金を拠出。デジタルライブラリに絡む知的財産権保護の問題にも対応するとしている。

 この構想は2005年9月に発表され、図書館や出版社、著作権者などから反響を募っていた。欧州委員会によれば、「欧州の文化遺産にアクセスし、インターネットで利用できる機会が広がる」として概ね歓迎の声が寄せられたという。

Google Videoもそうだけど、地球規模で知の資産を共有化しようという動きが活性化しているように見える。同様の取り組みにアメリカ議会図書館の「WORLD DIGITAL LIBRARY計画」があるけれど、Googleはこのプロジェクトに300万ドルを寄付するという。

Googleが出版業界の反発をものともせずにスタートした書籍検索プロジェクト「Google Print」で著作権が消滅した書籍の全文検索サービスをリリースしたのがキッカケに成ったのか、マイクロソフトが大英図書館の蔵書のデジタル化を支援したり、Yahoo!も同様の取り組み「Open Content Allicance (OCA)」を設立したり、とにかくメジャープレイヤー達が群雄割拠して覇権を競っている。

著作権という大きな壁があるにせよ、いわゆるパブリック・ドメインをどこまで拡張することが出来るのかがポイントになると思うけれど、こういうトレンドを肯定的に捉えると、かつて80年代にピーター・ラッセル博士が提唱した「Global Brain」の誕生が現実味を帯びてきた気がする。


【インフルエンザさまさま】

■インフルエンザに罹ってしまった・・・

今だから言えることなんだけど、実は不覚にも生まれて初めて本格的にインフルエンザに罹ってしまい、といってもお陰様でもう完治したんだけどね。

キッカケは2月8日のこと。今年は例年にも増して風邪が流行っているってことで、普段人混みに出るときはに必ず常備しているユニチャームの「超立体マスク」をしていたんだけど、その日に限ってマスクをせずに東横線で自由が丘から渋谷に向かっていたのだが、昼過ぎということもあって比較的空いていたその車内で、ちょうど目の前のシルバーシートに座ってたお婆さんが突然堰を切ったようにハゲシク咳き込み始め・・・。

瞬時になんか軽くヤバイ感じがしたので、とっさに回避行動(というか2メートルぐらい車内を移動しただけ)を取ったんだけど、ど~もその後から鼻の奥がムズムズし始めて、渋谷で打ち合わせをしている最中に今度は喉の奥に違和感を感じ始めて「軽くヤバイ感じ」は「確実にヤバイ」という確信に至った。

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【「日本の戦争力」がヒット中の小川和久さんがゲスト】

Jam20060110ogawa ■昨日放送したJAM THE WORLDは、国際政治・軍事アナリストの小川和久さんがゲスト

小川さんは昨年11月29日にも一度御出演いただいたので、今回が二回目の登場。

実は前回の放送が個人的には相当面白かったので、もっと話を伺いたいということもあって、今回は年の初めにありがちだけど、今年の日本外交が抱える二大テーマについて語ったいただいた。

おりしも、小川さんの新刊『日本の戦争力』がベストセラーに入っていて、そういう意味でもタイムリー。

小川さんに挙げていただいたテーマは、「アメリカ軍の再編」と「アジア外交」の二つ。詳細については、本を参照してもらった方が良いと思うけど、とにかく危機管理に関しては小泉総理の直属アドバイザーという小川さん、発言内容がとってもリアルだ。

御本人は結構リラックスして非常にフランクな語り口なのに、その内容は想定外の過激さで、僕もインタビューしながらそのギリギリ感を楽しませていただいた。

前回も、「小泉さんはブッシュのポチじゃなくて、ポチのふりをして上手く立ち回っている。」という、一般的には“目からウロコ”のコメントがあったけど、今回も「アメリカにとって日本はいわば“都合の良い女”みたいなもの。」だとか、「アメリカが唯一のスーパーパワーで居られるのは日本があるから。米軍にとって日本列島は戦略的に最も重要な拠点に成っているから、日本との同盟関係が無ければ、地球の半分近くをカバーできなくなり、スーパーパワーの座を保てなくなる。だから、日米安保を堅持したいと切望しているのは、むしろアメリカの方。」「物心両面で世界で一番アメリカをサポートしてる日本の貢献度を、当の日本人が知らな過ぎるから変な議論が起きる。もっと現実を理解すれば、日米同盟に対する国民の見方も変わるはず。」etc.etc.いずれのコメントも非常にわかりやすい。

イラク戦争の開戦時にも、小泉総理からどうしたら良いか問われて「アメリカやイギリスが云っている大量破壊兵器の存在を確認する手段を日本は持っていないのだから、この理由だけでイラク攻撃を支持するのはやめたほうが良い。」とアドバイスしたそうだけれど、昨今の状況を鑑みるとこのアドバイスは正に的を得ていたわけだ。

あと面白かったのは、「ポスト小泉は誰になると思うか?」という質問に対して、「僕は結局御本人が再登板ということになるんじゃないかと思うんだけどね・・・。」とこれもリアルなコメント。僕も、先日行われた小泉総理の年頭会見での「トップリーダーが国民の支持を得るということは極めて大事。」という発言は、暗に自分のことを言っているのでは?と思っていたので、やっぱりそうかも知れないと納得。

しかし一方で、「彼ももう64だし、とにかく総理大臣というのは激務だから、自分が男性として現役の内に自由に成りたいという気持ちもあるかもしれない。」という艶っぽいジョークも飛び出した。これも結構リアルです。


【ベートーベンのオリジナル楽譜が発見された!】

Lost Beethoven manuscript found (The Courier

Storyscore まさに“世紀の大発見”。正確には再発見というべきなんだろうけれど、1890年にベルリンのオークションに掛けられて以来失われていた幻の楽譜。しかもベートーベンの自筆によるオリジナル・スコアが発掘された。

楽譜が発見されたのは、7月。フィラデルフィアの郊外にある神学校のアーカイブで、Herther Carboという司書が膨大なサイズのカタログを整理していた際に見つかった。彼女によると「それはただ棚の上に乗ってたんですから。ほんとショック状態でした。」という。

そりゃそうだろう・・・。

12月にはサザビーズがこの楽譜『Grosse Fuge』をオークションにかける予定。楽譜担当トップのステファン・ローズ氏によると「この楽譜の存在は1890年発行のカタログにほんのわずか記述されていることから知られてはいたが、それ以来一度も見つからず、ベートーベン研究家に解説されたことも無かった。」という。80ページにおよぶこの大作は「歴史上現れた、最も長く、そして最も重要な楽譜。」であり「驚くべき発見!」なのだそうだ。

サザビーズの専門家は、170万ドルから260万ドルの間で競り落とされるのではないかと予測しているらしいけど、僕はもっと高値が付くんじゃないかと思う・・・どうだろう?

楽譜はブラウンとブラックのインクで書かれ、ところどころに鉛筆や赤のクレヨンなどで注釈を何度も書き加えられており、彼が何度も修正を加えたために紙がこすれて透き通ってしまっていることから、彼の仕事ぶりが伝わってくるという。

音楽の盛り上がりとともにノート自体も大きくなっている様子などから、「彼の情熱と苦労が手に取るように分かる。」そうだ。

う~ん、見てみたい。

そしてもちろん、演奏を聴いてみたい。

誰が買うにしても、115年間も仕舞い込んどくのだけはやめてくれ!


【嗚呼・・青山ブックセンターが閉店】

abcclosed■青山ブックセンター閉店 破産申し立て受け (Yahoo!ニュース

ガ~ン!スンゲ~ショック!あの青山ブックセンターが閉店しちゃったんだって(涙)。しかもいきなり全店舗かよ(絶句)!

今までどれほどお世話に成ったことか・・・。本棚に並んでるアノ本も、この写真集も、気が付くとほとんどABCで買ったものばかり。六本木のWAVEが閉店したときも途方に暮れたけど、これから一体どこに本を買いに行けばよいのだ?

まあ、銀座のイエナとか青山のオン・サンデーズあたりが残っているとはいえ(と思ってたらddさんからのコメントでイエナも既に閉店していることを知ってダブル・ショック!何ヶ月か前に行った時洋書置いてあるのは変わってなかったんでテッキリまだ続いていると思ってた・・・)、ABCみたいな良質の本屋さんが無くなってしまうのはどういうもんだろう。都市生活者にとって文化的なダメージは相当大きいと思う。単に不況のせいにして良いのだろうか?ほんとに哀しいニュースだ。(それにしても突然のことで閉店セールも無かったみたい。やってたら在庫一掃に協力したのに。)

 芸術書を中心にした特色ある品ぞろえで知られる東京の書店、青山ブックセンター(本店・東京都渋谷区神宮前、磯貝栄治社長)が16日午後、本店や六本木店、自由が丘店など7店舗すべてを閉鎖した。
 関係者によると同日、債権者である取次店から東京地裁に破産の申し立てがあり、閉店を決めたという。
 民間の信用調査会社によると、同センターは1980年に六本木店を開店したのを皮切りに、青山、広尾、新宿などに書店を相次いで開店した。アート、写真、デザイン関係の書籍を中心にした品ぞろえに定評があり、深夜営業やインターネット上のオンライン書店など活発な事業を展開した。
 しかし、長引く不況でハードカバーなど高額書籍の売れ行きが鈍るなど業績が悪化。昨年3月には六本木の2店のうち、1店舗を閉店。今年4月にはオンライン書店も閉鎖した。(共同通信)


【“ダ・ヴィンチ・コード”を読んだ】

■週末を利用して、前から読みたいと思っていた“ダ・ヴィンチ・コード”を読んだ。

このところ、読む本といったらノン・フィクションか仕事用の資料ばかりという状態だったのでいわゆる小説を読むのはすごく久しぶり。おかげでしばらく使ってなかった部分の脳細胞が活性化されたような気がする。

この本については、昨年の11月にABCで特番やるというニュースをWEBで見つけて以来、是非読みたいと思っていた。結論からいうと、かなり面白い。アメリカで2003年3月に出版されて以来、2004年5月まで57週連続ベストテン入りしたというのもうなずける。

作品のテーマに成っているのは、失われた聖杯とレオナルド・ダヴィンチの関係なんだけど、個人的にテンプル騎士団をはじめとする秘密結社とか、陰謀史とか錬金術とか象徴哲学とかユダヤ教、カバラ、数秘術なんかに興味があって、一時はそんな本ばっかり読んでたこともあったので、これ読んでいるといちいちピンと来る・・・。書かれている事自体はこれまでも色々なところで語られていたことなんだけど、それらの情報を一つのサスペンス・ドラマとして織り上げているとことが素晴らしい!

ストーリー展開も非常に映画的な感じで、既にロン・ハワード監督で映画化が決まっているという。まあ、インディージョーンズみたいな冒険活劇にならなきゃ良いけど・・・。

著者のダン・ブラウンにとっては2000年に出版した「天使と悪魔」に続くシリーズ2作目にあたるそうだけど、この作品で大ブレーク。ちなみにこの「天使と悪魔」はなんとヴァチカンとイルミナティがテーマだそうだ。う~ん、これも面白そう!


【話題の新刊本“PLAN of ATTACK”をプレビュー】

■イラク戦争開戦に至る裏側を描いた話題の新刊本『攻撃計画(PLAN of ATTACK)』のアウトラインがワシントンポストのウェブサイトに掲載されていた。

planofattack著者のボブ・ウッドワード氏はこのところ連日テレビのインタビューに登場している。彼はウォーターゲート事件のリポートでリチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだジャーナリストとして知られているが、彼の前著『ブッシュの戦争(BUSH at WAR)』に増して、今度の作品はタイミング的にも、内容的にもセンセーショナルなもののようだ。

早く読みたい、あるいは今すぐに内容を知りたいという読者の気持を察してか、ワシントンポストでは独占でこの本のアウトラインを掲載している。

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【祝! 週刊文春出版禁止を取り消し】

■東京高裁が週刊文春出版禁止を取り消したそうだ。(NIKKEI NET

とりあえず良かった!というか、当然でしょ!これは・・・。

 前外相、田中真紀子衆院議員の長女の私生活に関する記事を掲載した週刊文春の出版禁止問題で、出版禁止の仮処分を認めた東京地裁決定に対する抗告審で、東京高裁(根本真裁判長)は31日、文芸春秋側の抗告を認め出版禁止の仮処分命令を取り消す決定をした。15日ぶりに出版禁止の状態は解けた。

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【祝! DAYS JAPAN 創刊】

■23日に放送したJAM THE WORLDのゲストに、先週創刊されたばかりの『DAYS JAPAN』の編集長、広河隆一さんをお招きした。

創刊された日は、ちょうどイラク戦争の一周年というタイミング。フォトジャーナル誌として「世界を視る、権力を監視する写真中心の月刊誌」を標榜するDAYS JAPANの表紙には、“人々の意志が戦争を止める日が必ず来る”という希望に満ちたコピーが掲げられている。

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【ブッシュ政権 身内の反乱 Part4】

■今度はブッシュ政権の中枢でテロ対策のトップを努めていたリチャード・クラーク氏が、ホワイトハウスで9.11の前後に何が起きていたのかを今日アメリカで発売される新刊本『Against All Enemies』で詳細に暴露した。

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【週刊文春の出版差し止めはテストでは?】

■今回の週刊文春の出版差し止めは、ひょっとしたらケース・スタディなんじゃないか?

全くの個人的な意見だけどね。今回の出版差し止め仮処分には、何だかとても不穏なものを感じる。プライバシー保護という観点からの判断だとはいうけれど・・・。このニュースの第一報を報じた朝日新聞の記事によると「週刊誌の発売前日に出版禁止の仮処分を命じられるのは異例だ。」という。

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【世界的なコメット・ハンター 木内鶴彦さんに会った】

■夕べは久しぶりに友人のピースな映像作家、中野裕之監督と夕食を共にしたんだけど、その席でアマチュア天文家の木内鶴彦さんを紹介された。

“アマチュア”という言葉で侮ってはいけない。木内さんはこれまで一生に一度あるかないかといわれる新彗星の発見を何回も達成して世界的にも有名な天文家なのだ。(90年3月16日チェルニス・木内・中村彗星発見。同年7月16日土屋・木内彗星発見。91年1月7日メトカーフ・ブルーイントン彗星再発見。92年9月27日スウィフト・タットル彗星再発見。)

実は昨年、中野監督から木内さんの著書「生き方は星空が教えてくれる」をもらって読ませてもらったのだけど、これがとても面白かった。彼は彗星を発見する過程で脳内に3D状態の宇宙マップを視覚化出来るようになったのだが、生死をさまよう大病を患った際に「臨死体験」を経験し、その結果アカーシック・レコードにアクセス。宇宙の起源に遡って過去・現在・未来の広範囲な情報をブラウジングしてきたという。

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【小泉総理 『バカの壁』を読む】

■テレビ朝日の世論調査によると、国民の55%は自衛隊のイラク派遣を支持するものの、75%は小泉総理の説明は充分ではなかった、と考えているという。

記者から、この“説明不足”について聞かれた小泉総理は、「う~ん、『バカの壁』、読んだんですけどね・・・。難しいよね、話せば分かるように話すっていうのは・・・。」とノタマワッテいらっしゃいました。

これを解説すると・・・。
「国民は“バカ”だから、いくら僕が説明してもわからない。」とおっしゃりたいのだろうと拝察いたします。

それとも、いならぶ記者諸君のマイクの放列が『バカの壁』に見えたのでしょうか?

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【JACK-INがリアルに実現しそうだ】

脳とコンピューターを直結するインターフェースが現実に-HOTWIRED

もうだいぶ前にJAM THE WORLDの放送で、当時HOTWIREDに掲載されたこの記事の内容を紹介したことがあるんだけど、その後も研究は着々と進んでいたみたい。何故か火星探査機よりもよっぽどビックリな話。

 煩わしいキーボードやジョイスティックなんて放り出して、自分の脳を直接コンピューターにつなげられたらいいのに、と思っている人は多い――とくに、キーボードやジョイスティックが使えない人はそうだろう。

 マサチューセッツ州フォックスバロにある株式未公開企業、サイバーキネティックス社が考案した「ブレイン=コンピューター・インターフェース」(BCI)はこの夢を実現してくれるもので、数ヵ月後には四肢麻痺患者5人を対象に臨床試験が行なわれるかもしれない。

 『ブレインゲート』(BrainGate)というこのシステムを使えば、四肢が全く動かない人でも、思考する際に生じる脳内信号だけを利用して、コンピューターやロボットを操作することはもちろん、将来的には、麻痺した筋肉に信号を送る経路を新たに確保して、自分の筋肉まで動かせるようになる可能性がある。臨床試験がうまくいけば、2007年までに製品化もあり得る。

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【ブッシュ大統領 嘘の上塗り】

■米政府高官がオニール前財務長官の発言を肯定したという記事がリリースされた。

Official Confirms Bush Plotting Iraq Invasion Pre-9/11, Despite President's Denial (MISLEADER)

オニール前財務長官が著書「THE PRICE OF LOYALTY」でブッシュ大統領が就任直後にイラク攻撃を指示していたと暴露して話題になっているけれど、ブッシュ本人は12日(月)にこの真偽を問われて「いや、サダム・フセインに対する私の政権の政策は前クリントン政権と同じで、フセイン政権の交代を目指していたに過ぎない。」と否定。またラムズフェルド国防長官も「オニールがどの会議に出ていたか知らんが、現政権がイラク侵略を就任直後から計画していたなんて全くのデタラメだ。」と否定していた。

On Monday, when Bush was asked whether the charges were true, he said, "No, the stated policy of my administration towards Saddam Hussein was very clear. Like the previous administration, we were for regime change." One White House official added, "It's laughable to suggest that the administration was planning an invasion of Iraq that shortly after coming to office."
ところが、ABCニュースによると「ブッシュ政権は9.11の遥か前から地上軍によるイラク侵攻の可能性を検討していた。」とのことで、またオニール前財務長官と問題の国家安全保障会議に同席していた政府高官(匿名)が「ブッシュ大統領の命令はクリントン政権が武力以外の方法でフセイン政権の交代を目指していたレベルを超えるものだった。」と語り、ブッシュが否定したオニールの発言が事実だったことを肯定したという。ブッシュはこの件に関して二重に嘘をついたことになる。
But according to a new ABC News report, "President Bush ordered the Pentagon to explore the possibility of a ground invasion of Iraq well before the United States was attacked on September 11th." The story quoted a White House official who attended the same National Security Council meetings as O'Neill. That official said the president's order "went beyond the Clinton administration's halfhearted attempts to overthrow Hussein without force."

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【2050年までに全生物種の4分の1が絶滅】

国際調査報告「地球温暖化で2050年までに全生物種の4分の1が絶滅」-HOTWIRED

「エェ~!?」というのが正直な感想だろう。地球温暖化というと、1972年に出版されたローマ・クラブの「成長の限界」を思い出す。この本は、その衝撃的な内容故にその後の地球環境問題を巡る研究の出発点ともいわれ、未だに重版されている。

オーレイオ・ペッチェイ氏を中心とする民間団体であるローマクラブは、ドイツのフォルクスワーゲン基金の財政援助のもと、若手研究グループに地球の限界に関する研究を委託した。研究メンバーはコンピュータモデルを駆使して環境、工業生産、人口などの相互関連を通じて地球全体の将来像をシュミレーションすることに成功した。そのレポートでは、人口増加と経済活動が地球の収容能力を上回ることを示し、資源の枯渇と生態系の悪化を予測した。これらの研究成果は、「成長の限界」というタイトルでローマクラブに報告され、ローマクラブから世界に向けて発表されて大反響を呼んだ。
最新の研究データは残念ながら「成長の限界」で予見されていた悲観的な予測がそれほど外れてはいなかったことを証明しているのだろうか?
 この研究は、南アフリカ、ブラジル、ヨーロッパ、オーストラリア、メキシコ、コスタリカに生息する植物、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類の1103種が地球温暖化から受ける影響を調査したもの。コンピューター・シミュレーションの結果、気候変動に適応できるかもしれない生物種もいるものの、多くの生物種が温暖化の影響で絶滅することが判明したのだ。

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【ブッシュの嘘 身内が暴露】

■今日アメリカで発売されるオニール前財務長官の本が欧米のメディアで話題に成っている。

本のタイトルは「THE PRICE OF LOYALTY」という。日本語に訳すと“忠誠の代償”とでもいうのかな。著者はピューリッツァー賞を獲った事もあるRON SUSKIND氏。この本の取材でインタビューに応えたオニール前財務長官は、ブッシュ政権発足時に財務長官に就任し、23ヶ月間勤めたが、ブッシュの減税政策に反対したり、イラク戦争の経費が1000億ドルにも登るとリークしたため2002年末に更迭された人物。

このオニール氏、出版に先立ってTIMEとかNEWSWEEKなどの雑誌や、CBSなどのテレビに出演してブッシュを激しく批判している。曰く、ブッシュは「イラク戦をブッシュ政権発足直後から検討していた。」と暴露し、また「国家安全保障会議で、なぜイラクを侵略すべきなのか、だれも疑問を呈さないのに驚いた」「大統領は、イラク戦争を実行する方法を探し出せ、と言っていた」などと証言しているという。

また、オニール氏はタイム誌のインタビューで「在職中の23カ月間、大量破壊兵器の証拠とみなせる物を何も見たことがなかった。人々が口にする疑惑や主張はあったが、私にとっては本物の証拠とそれ以外のものには違いがある」と語っている。

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【世界を視る。権力を監視する!! “DAYS JAPAN”が創刊】

■かつて講談社から『DAYS JAPAN』という雑誌が発行されていたのを覚えているだろうか?その雑誌に関わっていた人たちが新たに、その名も『DAYS JAPAN』というタイトルでフォトマガジンを3月に創刊するというニュース。

何だか期待できそう。こういう動きは素直に応援したい。僕も早速購読予約してしまいました。ちなみに参考まで、上記のサイトからこの雑誌の“マニフェスト”を引用します。

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【アメリカの肉は安全か?】

■食肉大国の狂牛病 一昨日、アメリカ初のBSE=狂牛病発生の第一報を聞いて、2年前に読んだある本を思い出した。

地層のようになっている書籍の山の中からようやく発掘したその本は、『早く肉をやめないか?』(三五館)というとてもダイレクトなタイトル。サブタイトルは“狂牛病と台所革命”で船瀬俊介という人が書いている。そう、あのヒット作「買ってはいけない」(共著)の代表著作者だ。

この本は2001年秋に日本で狂牛病が発覚するまさに直前に出版されたもので、その後の展開をみると実に予言的な内容に成っている。

さて、僕が思い出したのは、「そういえばあの本にアメリカの狂牛病事情のことが載ってた」ことなんだけど、問題の記述は111ページから始まる第4章「アメリカの肉は安全か?」に含まれている。参考まで一部を以下に引用しよう。

アルツハイマーと誤診された狂牛病患者

■アメリカも数千頭が狂牛病汚染

  2001年1月25日、アメリカの獣医団体は「狂牛病は既にアメリカに広まっている可能性がある」と衝撃的な警告を発した。アメリカの獣医たちは「緊急の対策が必要」と警鐘を乱打している。   ところがアメリカ政府は「米大陸では、狂牛病が広まる危険性はない」と疑惑を打ち消すのに躍起。この1月30日の“安全宣言”も、しかしFDA(アメリカ食品医薬品局)が行った発表の詳細を知ると、背筋がウスラ寒くなってくる。

  「・・・・狂牛病感染の原因となる骨紛配合飼料を食べさせられた恐れのある牛が数千頭、国内にいることを確認した」というものだからだ(ロイター発)。ただし「それが原因で、人々が狂牛病に感染する危険性はない。」としている。

  これはアメリカ国内でも狂牛病に感染した恐れのある牛が数千頭いる--と政府機関が正式に認めたわけで、ショッキングだ。つづく「人間への感染の恐れナシ」は、何の根拠もなく、ただアメリカ国民の「不安を打ち消す」ためのコメントでしかない。その証拠に、テキサス州の家畜飼料に使用禁止の餌原料が配合されていた事実を同局は発表。またFDAは、テキサス州で狂牛病感染の恐れのある牛を隔離処置している。

  では、他の州はどうか?世界最大の畜産大国で、感染ゼロを立証できるはずもなく、アメリカ政府は狂牛病の拡大防止のため農業団体と協議を開始した。米マクドナルドの最高責任者(CEO)は「狂牛病パニックは、ヨーロッパだけの問題。それ以外の国々の売上には無関係」と強気の発言をしたが、それもむなしく響く。

■400万人超のアルツハイマー痴呆症

  アメリカに環境問題で活動的な市民団体がある。“アース・アイランド”という。この団体が発行している機関紙が「アース・アイランド・ジャーナル」だ。同誌は「すでに、アメリカにも狂牛病が蔓延している」と主張する。その根拠として「アメリカ国内にも288箇所ものレンダリング・プラント(廃牛をミンチにして肉骨紛を製造する工場)が存在、稼動している」と事実を指摘する。そして「これら死骸処理工場は、毎年1250万トンもの動物の死体を処理している」という。

  同団体が「すでに狂牛病が発生している」とする根拠の一つが、アルツハイマー病の多発だ。アルツハイマーはエイズに次ぐアメリカの悲劇といえる。アメリカ国内のアルツハイマー患者は、なんと400万人を超える。

  ところが、その症状はヤコブ病にきわめて酷似している。「震え」「記憶障害」「運動失調」・・・など。アルツハイマー患者も、やはり脳が崩壊していく症状を見せるが、狂牛病にソックリだ。脳の大きさや重量が半分まで縮んで痴呆症は重症化し、衰弱死していく。「アメリカ国内では、ヤコブ病が年配者を中心に多発しているのに、それがアルツハイマー病に症状が似ているので、アルツハイマーと誤診された例が相当数にのぼる」というアース・アイランドの主張は的を射ていると思う。

ということで、続きは実際に本を読んでもらったほうが良いと思うけど、この本に書かれているとおりに、アメリカでは今狂牛病の発生を受けて「アメリカの牛は安全です。」と一生懸命にアピールして国民の不安を打ち消そうと躍起だ。

そもそも、生産効率を最大限にする為に死んだ牛を餌にして牛に食べさせるという自然の摂理に全く反する“神をも怖れぬ”行為が狂牛病の原因とされているけれど、クリスマスの時期にこの問題が明らかになったこと自体、何かカルマめいている。

今まで狂牛病と無縁とされていただけに、突然各国から米国産牛肉を輸入禁止にされたことに対して逆切れしている感じもするが、アメリカでは消費者団体が非常に活動的なので、今後市民団体などが独自に実態を調査したり、政府に真相究明を求める動きが必ず出てくるのではないかと思うのだが、どうだろうか?

もしもこの本に書かれていることが本当だとしたら・・・、88年のイギリスにはじまって、その後ヨーロッパ、そして日本へも広がったパニックが再燃するかもしれない。実は僕、無類の肉好きだけに、このニュースの行方がとても気に成るのだ。