NHK FM "DEEP LISTENING" スガ シカオさんをゲストに迎えてON AIR!
Saturday, January 02, 2021
2021年最初の記念すべき“仕事始め”は、NHK FMで22時から放送される特集番組「ディープ・リスニング」。
日本を代表するポップスター、スガ シカオさんをゲストにお迎えして、今年がメジャー・デビュー24周年というスガ シカオさんのこれまでの歩みを振り返りつつ、彼のルーツミュージックであるR&BやSoulそしてFunk Musicについて、極めてオールドスクールなサウンドメイクに対するこだわり、代表的な楽曲の制作エピソード、ユニークな作詞のプロセス、そしてコロナ禍の渦中にある今現在考えていることなどなど多岐にわたるお話を伺いました。
実際の収録は昨年末。番組枠の一時間ではとても収まり切れない内容の濃いロングインタビューに成りました。しかし色々と曲も掛けたいし、どの部分を使うかディレクターも相当編集に苦労したようですが、なかなかタイトな聴きごたえのある番組になったのではないかと思っています。
そもそも僕らの世代はアナログ・レコードの時代からCDへの変遷を経て、現在の主流となっているサブスクリプション型のストリーミング・サービスやオンデマンドで音楽を楽しむ時代を迎えた訳ですが(しかも僕は1996年にその先鞭とも成った日本初のインターネットでの音楽配信「music.co.jp」の立ち上げに関与していた)、個人的には音楽が単なるデータ・ファイルとして消費される現代のスタイルには何か寂しさというか物足りなさを感じてきました。
その理由の多くは、かつてレコードを買うと必ず隅から隅まで目を通していたレコードのクレジットやライナーノーツを通じて「いつ、誰が、何処で、何故、どの様にして」楽曲の制作に関わっているのか、その音楽が生まれてきた時代背景や音楽的な系譜などを学び、そこで得られた情報を基にして参加しているミュージシャンやプロデューサー、あるいはエンジニアという“点”を起点に辿って関連した音楽を追いかけてきた訳ですが、オンライン化+ノンパッケージ化の流れの中で失われていったこうした付加的情報が全く欠落している現代の音楽体験は、いつでも手軽に音楽を楽しむことが出来るというコンビニエンスは得られたものの、その鑑賞スタイルは非常に刹那的で音楽が地層的且つ歴史的背景を伴った文化ではなくコモディティー化した単なる消費財に成ってしまったからではないかと思っています。
そんな訳で「今の音楽流通に欠落しているライナーノーツの代わりになるような番組を作りたい!」と昨年の夏ごろから各方面に訴え続けてきたのです。それがようやくNHKさんのご理解を得て形になったのがこの「ディープ・リスニング」。限られた時間の中で、しかもスガさんの様に24年に渡るアーティストの全てを網羅するのは不可能ですが、それなりに狙っていた番組に成ったのではないかと思っています。
放送を聞き逃した方は(この番組、何故かRadikoのタイムフリー対象外との事で)↓こちらで1月9日までオンマンドでお聴きいただけます。
報道資料: